温泉逍遥

思いつきで巡った各地の温泉(主に日帰り温泉)を写真と共に紹介します。取り上げるのは原則的に源泉掛け流しの温泉です。

復活した温川山荘で日帰り入浴

2019年01月18日 | 青森県
前回記事で取り上げた青森県十和田湖エリアの焼山温泉を出た私は、そのまま川をさかのぼって奥入瀬渓流を散策し、さらに十和田湖を半周して黒石方面へ向かう国道102号へ進み、私の第二の故郷と言っても過言ではない青森県津軽地方と入りました。十和田湖から黒石方面へ北上すると、まず最初に通りかかる温泉が温川温泉です。この温泉は数年前に残念ながら一旦歴史の幕を下ろしましたが、2017年の秋、鳥取からいらっしゃった新たなオーナーの手により復活し、日帰り入浴の営業を再開しています(その後宿泊営業も再開)。国道102号線の西十和田エリアでは温泉施設が次々にクローズしていましたから、ネットで再開の報を知った時には心から嬉しく、是非とも再訪したかったので、今回立ち寄ってみることにしました。



国道の路傍には日帰り入浴を道行く人にアピールする看板が立っていました。回数券も発売しているのですね。


 
駐車場に車を停め、清流浅瀬石川に架かる吊り橋を渡ります。山の緑と渓流の煌めきが美しいこの風景は以前のままなのですが・・・


 
吊り橋を渡った右手には、吹きさらしの新しい浴槽が設けられていました。しっかりと温泉が注がれ湯気が立っているのですが・・・



でも吊り橋や対岸の国道から丸見えなんですね。しかも、しばらく放置されているのか、槽内には苔が生え、落ち葉なども溜まっています。このお風呂を使う機会はあるのでしょうか。


 
さて、木立の中を歩いて宿へ向かいます。玄関の前にはワンコが店番をしていました。ほのぼのとした雰囲気に思わず目尻が下がります。ワンコに挨拶してから建物の中に入り、その場で声をかけて日帰り入浴をお願いしますと、中で作業をしていたお宿の方が、お仕事の手を休めて対応してくださいました。地元紙「東奥日報」にはこの秋から宿泊を受け付けるようになったと書かれていたのですが、どうやら訪問時はまだ内装工事の途中だったらしく、館内には資材や工具などがたくさん置かれていたのでした。


 
にもかかわらず、お宿の方はお風呂まで私を案内してくださいました。お忙しいのに恐縮です。以前のままの姿を残すレトロな廊下を歩いてお風呂へ向かいます。途中の客室をちょっと覗き見。落ち着いた良い和室ですね。


 
暖簾をくぐって浴室へ。
脱衣室もほぼ以前のままですが、洗面台など一部は改修されていました。この脱衣室で更衣し、いざお風呂へ。



温川山荘のお風呂といえば、この美しい放射状の幾何学模様を描くヒバの床板ですね。何度見てもこの美しさには惚れ惚れします。


 
脱衣室側の壁には洗い場が配置され、カランが3個(あるいは4個?)並んでいます。なおカランから出てくるお湯は温泉です。リニューアルに際し、洗い場のカランは新しいものに取り換えられ、またアメニティ類が置ける小さな棚が増設されていました。


 
湯口からは滔々とお湯が注がれ、そのお湯を静かに湛える浴槽は窓外の緑を湯面に写していました。湯使いは以前同様に完全掛け流し。無色透明で綺麗に澄んでおり、湯口から出てくるお湯に含んでみますと、芒硝的な薬味のほか、石膏由来の甘みがちょっと感じられます。湯船に体を沈めると、お湯が肌にしっとりとなじみ、やさしく全身を包んでくれます。よく温まるのですが嫌味な火照りはありません。非常に優しい素晴らしいお湯です。


 
オーバルの柔らかな線を描く浴槽の縁には、木の枕が置かれていました。ここに頭を乗せ、のんびり湯浴みするんですね。たしかこの枕も以前からあったはず。所々改修されていますが、多くは以前の設備のまま流用されており、一旦休業していたことが嘘であるかのように見事に蘇っていました。嬉しいですね。
昨年新たなスタートを切ったこの温川山荘ですが、さすがに建物はかなり草臥れており、この美しい浴槽をはじめ、浴室の随所もお疲れの様子。今後は老朽化が顕著な部分の補修など、多くの課題をクリアせねばならないものと思われます。


 
湯船に浸かっている時、「そういえば、受付してもらった時、露天について案内されなかったなぁ」と気になってしまったので、お風呂から上がった後、かつて露天風呂があったところをちょっと覗いてみますと・・・



私の訪問時(2018年秋)、露天風呂は使用できない状態でした。2017年の営業再開時に利用された温泉愛好家の方のブログを拝見しますと、その時には露天風呂に入れたそうですから、私の訪問時には何らかの事情によって一時的に閉鎖していたのでしょう。この露天風呂は温川山荘の名物でもありましたから、手直しが終わり次第、いずれは利用が再開されるものと思います(と勝手に期待しています)。

新しいオーナーさんがご自身の手により、以前からの設備を活かす形で改修を進めていらっしゃるとのこと。そのご苦労は計り知れないものがあるのかとお察しします。今回は内湯のみの日帰り入浴でしたが、次回は是非とも宿泊利用で伺いたいものです。応援しています。


温川5号泉(温川菊池1号泉)・6号泉(温川菊池2号泉)・8号泉(温川菊池3号泉)混合泉
ナトリウム・カルシウム-硫酸塩・塩化物温泉 69.5℃ pH7.1 湧出量測定不可(自然湧出) 溶存物質1.389g/kg 成分総計1.395g/kg
Na+:291.1mg(68.73mval%), Ca++:104.7mg(28.34mval%),
Cl-:225.7mg(34.64mval%), SO4--:465.1mg(52.64mval%), HCO3-:137.4mg(12.23mval%),
H2SiO3:117.2mg, HBO2:28.9mg,
(平成29年6月30日)

青森県平川市切明津根川森1-32
090-2450-3852
FACEBOOK

冬季休業
日帰り入浴時間不明
700円
シャンプー類・ドライヤーあり、ロッカー見当たらず
営業期間や時間などはFACEBOOK等でご確認ください

私の好み:★★★












コメント
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