Okanagan's Twilight Days

人生の黄昏を迎え、日々の出来事を徒然のままに綴っています(*^_^*)

人体7、癌に次いでヒトの健康を蝕む心臓病! 2018年3月29日

2018-03-29 14:25:38 | 日記・エッセイ・コラム

さて、癌と並んで、私たちの健康を阻(はば)む、もう一つの難敵が心臓病である、その代表的な病状が、突然我々を襲い、瞬く間に心筋細胞の一部が死滅していく恐ろしい心筋梗塞だ!それは動脈硬化できた血管内のプラークが、はがれて血栓となり、冠動脈(心臓の筋肉にエネルギーを供給する動脈)を詰らせ、心臓を動かし全身に血液を送るポンプ役の心筋に、血液が行かなくなる恐ろしい病気である!例え一命をとりとめても、心臓を元通りに戻すのは困難となる!ところが、この心臓病の治療に大きな効果を挙げるのでないかと期待される善玉エクソソームのメッセージ物質があったのです!・・・

  

何やら突然スタジオに、番組恒例のと称してLEGOブロックのような “人体つぶやきマシン・Dr.山中バージョン”なるものが運び込まれ、それを使って、そのメッセージ物質の効果たるものを紹介することになった?まず心筋細胞と腎臓とが交わす臓器間のメッセージ物質を使った呟きが交換された、心筋細胞から「疲れたわ~しんどいわ~!」の呟きが発せられると、その呟きに対して、腎臓から「おしっこしよか?」の呟きが返って来た、これは心臓に負担がかからないように、腎臓が尿の量を増やすことで心臓の血圧の量を減らし血圧を下げようとする腎臓からの労(ねぎら)いの呟きだった、更に同じ心筋細胞から「どんどん細胞増やそうか~、炎症抑えてや、もっと強くするで!」と呟きがあった、すると別の心筋細胞から「まかせとき!」と返って来て仲間の心筋細胞を回復させようと元気づけたのだ!・・・

    

この様に臓器細胞間で、やり取りされる相互援助の呟き“エクソソームの抗炎症作用”を利用して心臓の病気を防ごうとする研究が、今、押し進められているようだ!この箇所の山中先生の解説は、何故か余り歯切れが良いものだとは言えなかった??次に進もう・・日本人を悩ませる心臓病によって、年間20万人もの日本人が亡くなっていると云われている(えっ、こんなに?)、実は心臓には他の臓器とは異なる厄介な特徴があり、医療を困難にしているようだ、多くの臓器は古い細胞が新しい細胞に入れ替わりながら活動している、しかし、心臓はその入れ替わりのペースが極めて遅く、50年かけても3割ほどしか細胞が入れ替わらないとさている!その為、傷ついた心臓はなかなか元通りにはなってくれない!・・・

   

如何にかして心臓の細胞を新しく作り出すことが出来ないかと、アメリカ・LAにあるシーダーズ・サイナイ心臓研究所所長の心臓研究の権威、エデュアルド・マラバンさんは、その難題に挑(いど)んで来た!研究を続けてきた結果、心臓の中に極僅かだが細胞を再生させるメッセージ物質が潜んでいることを突き止めた!一人の助手が冷蔵室から、メッセージ物質が詰まったエクソソームが散りばめられた一つのシャーレを取り出した、そして心臓の細胞を増殖させるため「どんどん細胞増やそう!」のメッセージを発するエクソソームを取り出していった、しかし、メッセージ物質の数が少ないため、普段はゆっくりとしたペースでしか再生する力しかない、そこで、マラバンさんは、このメッセージ物質を人工的に増やして、病気になった心臓へ投与すれば失われた細胞を急速に蘇らせることが出来るのではないか?と考えた・・・

       

マラバンさんが心筋梗塞を起こしたマウスに、メッセージ物質を投与したところ、大きな成果が現れた、心筋梗塞を起こしたマウスの心臓の壁は半分ほど薄くなっていたが、一方、メッセージ物質を投与して人工的に増やしたマウスでは、増えるはずのなかった細胞が増殖し、みるみる壁が厚くなっていった!・・マラバンさんは今、1年以内のヒトでの臨床試験の開始を目指して急ピッチで研究を進めていた!『今この心臓由来エクソソームの解明は、医学に革命をもたらしつつあります、もし体内から治療に役立つメッセージ物質を取り出すことが出来れば、従来の常識を覆(くつがえ)す非常に強力な薬になるでしょう!』と力強く語ってくれた!・・・

        

ここで、「これこそが正しく究極の再生医療だと!」と感銘を受けた山中伸弥先生は「iPS細胞のように外で作り、外から移植するのでなく、それは身体の中の細胞を増やしたり細胞自身で臓器を再生させる安全な医療だ!それ故、どんな医療でも常に、副作用の可能性はあるが、この研究が完成すれば実に大勢の患者さんへの福音となるでしょう!」と結んだ・・これまで8回に渡って取り上げて来たシリーズ人体を通して、最先端の科学が明かした様々な“身体の中の巨大な情報ネットワークがもたらした恩恵”を観て来た、その始まりはたった一つの小さな受精卵だった、メッセージ物質に導かれ誕生した私達は、人生を終える瞬間まで、ミクロの物質がこの身体を支え続けてくれる、懸命に尊い命を守る臓器同士の会話、かけがいのない営みが貴方の身体にも秘められている、これらに感謝して第7集(最終回)を締めたいと想います、そろそろ今宵は、ここらで終わりにしても、よかろうかえ・・・完

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人体7、世界が注目する最新癌治療法! 2018年3月28日

2018-03-28 14:02:59 | 日記・エッセイ・コラム

これまで13回に渡って、癌の発症と治療を繰り返してきた元新聞記者の村串栄一さん69歳は、今でも2か月に一度の検診を欠かすことが出来ずにいた、現在の医療では癌を根本的に抑え込む治療薬は無く、発見が遅れれば命に関わることになる、一刻も早く根本的な治療法を確立してほしいと願っていた村串さんは、その研究に役立てられればと通院する東京・築地の国立がん研究センター中央病院に血液を提供していた!そこに保管されている癌患者の血液は、色んな癌種を合わせて5万5000人分あった、提供された血液に含まれる癌細胞のメッセージ物質を解明することによって、新たな治療薬の開発に繋げようとする研究が進められていた!村串さんの思いは、早くこの病気から解放されたいと願うだけだった・・・

    

一体、どんな治療の戦略が期待されているのか?今、世界から注目されている最先端の研究がデンマークにあった!コペンハーゲン大学の研究所が挑戦しているのは、私たち自身の身体に潜む癌撃退パワーを引き出すと云う筋肉だった、鍵になるのはその筋肉が出すメッセージ物質である!シリーズ人体の第2集「驚きのパワー!“脂肪と筋肉”が命を守る」では、筋肉が出すメッセージ物質の働きが紹介されていた、例えば、うつの症状を改善する働きや、更には記憶力をアップさせる働きが紹介されていた、そして又、筋肉が出すメッセージ物質「敵がいるよ!」の目印を出し、癌の増殖を抑える治療にも役立つかもしれないと判った!どんな効果が?実はこのメッセージには、癌細胞を撃退するミクロの戦士・免疫細胞を活性化すると云う働きがあったのだ!・・・

        

肺に癌があるマウスに運動をさせて、筋肉からのメッセージ物質の分泌を促したところ、運動をしていないマウスでは癌が広がり黒ずんでいるが、運動をしたマウスでは何と、癌の増殖が3分の1に抑制されていた!このことが人でも効果があるのかは、まだハッキリしていない、どんな運動をどの程度行えば、癌の撃退パワーを引き出すことが出来るのか?前立腺癌の患者を対象に試験が続けられている、「研究で得られたデーターから、運動は病気の予防と云うだけでなく、もはや治療の一環だと言えます、癌の患者に対して運動を薬として処方する時代さえ、やってくるかもしれません!」とコペンハーゲン大学のベンテ・ペダーセン教授が明かしてくれた!・・・

 

更に日本でも、国立がん研究センターの落谷教授の報告が多くの研究者たちを驚かせていた、何と、癌が出すメッセージ・カプセル“エクソソーム”を叩いて癌の転移を抑え込むと云う全く新しい戦略が研究されていた!落谷教授は癌細胞のメッセージ物質である小さなエクソソームにある抗体と云う目印をくっつける方法を思いついていた、この抗体とは、「こいつは敵だ!」と呼ばわる目印だった!この目印が癌細胞が出したエクソソームを見付けるとくっ付く性質を持っていた!すると、身体の防衛隊であるあの免疫細胞がエクソソームを喰い尽していくのだ!この作戦をマウスの実験に応用したところ、目印を加えていないマウスでは、赤く見える部分に癌細胞が転移していた、しかし目印を加えたマウスは、転移が観られなかった!癌細胞の量を分析すると、何と、転移を90%も抑えられることが判ったのだ!・・・

        

山中メモによると、癌で亡くなる方の多くは、最初に出来た癌で亡くなるのではなくて、それが他の部分に転移することによって亡くなることが多いようだ、筋肉が出すメッセージ物質”敵がいるよ!”の目印や、くっ付く性質を持つ目印“こいつは敵だ!”の方法が人にも応用できれば、もっと多くの転移が抑えられ、癌死亡者も激減していくことだろう!また他にも、メッセージ物質を標的にした画期的な治療法が、今、開発されているようだ、それは癌細胞そのものが『私は癌です!』と特別な目印を出していることが判った!そして、この目印を認識すると、くっ付く特殊な手が加えられたがアメリカで開発されい居る!何と、癌細胞にくっ付いたこの薬に特殊な光線を当てると、反応して癌細胞ごと爆破してしまう優れものらしい!これを“光免疫療法”と呼び、アメリカで臨床試験が行われているようだ、間もなく日本にも上陸するらしいですぞ!・・・

   

次回は癌に次いで我々の健康を阻(はば)む もう一つの難敵・心臓病をクローズアップして行くことにしよう・・・

 

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人体7、エクソソームを駆使して繰り返す癌転移! 2018年3月27日

2018-03-27 10:20:06 | 日記・エッセイ・コラム

山中メモによれば、癌細胞は元々正常な細胞だっようだが、遺伝子が傷ついて生まれた悪の申し子の故、制御が効かず強欲に悪だくみを繰り返して増殖するようだ!癌細胞がメッセージ物質を駆使して行う様々な悪だくみだが、その中でも治療を困難にするのが他の臓器に広がる“転移”である、転移の過程でもメッセージ物質を巧みに操っていることが明らかになった、例えば卵巣癌だが、内臓表面を覆い保護している“腹膜”に転移していく!いったん転移すれば、あちこちの臓器に広がり治療が困難になってしまう!それが“腹膜播種”と呼ばれる癌である・・・

    

腹膜播種の播種(はんしゅ)とは、癌細胞が種を蒔くように転移することで、症状もなく一般には“サイレントキラー”と呼ばれる恐ろしい癌の一つである、これまで卵巣癌が腹膜に転送するメカニズムはに包まれていた、腹膜は、表面に突起物がギッシリ敷き詰められ、癌細胞など異物の侵入を防ぐバリアの役割を果たしていた、一体どうやって、癌細胞は腹膜を突破しているのか?落谷先生がその癌の転移のメカニズムを明かしてくれた、あっ、卵巣の表面に住み着いた卵巣癌の細胞から、あのメッセージ・カプセル“エクソソーム”が大量に発せられた!カプセルが向かった先は、表面に異物の侵入を防ぐ突起物がビッシリ敷き詰められた腹膜だった!しかし、カプセルは突起物をすり抜けて難なく腹膜の表面に着地してしまった!カプセルは腹膜表面の細胞と同じ成分で出来ているため、腹膜は仲間だと勘違いして卵巣癌カプセルを腹膜内部へ受け入てしまった!・・・

        

まんまと、腹膜内部へ侵入してしまった卵巣癌カプセルからは、「あなたの役割りはもう終わり!」と悪魔の呪いの声が聞こえて来た! すると、腹膜表面の突起物の一部が死滅し始め、次々と破壊されて行った!こうしたやり取りが何度も繰り返されるうちに、腹膜の表面にクレーターのような大きな穴が幾つも出来た!そこへやって来たのがメッセージの送り主、卵巣癌の細胞が入り込み難なく増殖を繰り返して腹膜を食い荒らしていった!・・「エクソソームは自分の分身として、また武器として、餌食となった腹膜の細胞を、自由自在にコントロールして、身体のあらゆるバリア機能を破壊・破綻させる機能があったのです!」と国立がん研究センター研究所の落谷孝広先生が、癌のメッセージカプセル“エクソソーム”の恐ろしさを熱く語ってくれた!・・・

   

ゲストの樹木希林さんは、13年間に30カ所もの転移を繰り返した末、治療が終わり今は落ち着いているそうです!あっ、突然、スタジオに模型のエクソソームの洪水がスタジオ一杯に転がり込んで来た!何と、一説には、人の全身には100兆個ものエクソソームが存在するようだ!エクソソームは癌細胞だけでなく、全ての細胞がエクソソームを分泌して健康を支えてくれている!中には「炎症をおさえろ!」、「細胞を増やせ!」、「傷を治せ!」など、我等の味方になるエクソソームも存在するようだ、中には状況に応じて一度に色んな仕事をしてくれるメッセージの詰め込セット”エクソソームの親玉”もあるよ!今や、エクソソーム研究は医学の最前線に位置されている・・次回は、全く新しいメッセージ物質を使った“世界が注目する最新癌治療法”と題してお贈りしよう・・・

 

 

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人体最終回、メッセージ物質を操る癌細胞! 2018年3月26日

2018-03-26 13:27:38 | 日記・エッセイ・コラム

これまで、この人体シリーズを通して、最先端の科学が辿り着いた全く新しい人体の姿を観て来た、いよいよ、最終回の“健康長寿~癌・心臓病克服への道!”が始まる、今やそのような願いをかなえる究極の挑戦が始まっている、それは体中の臓器と臓器がダイナミックに直接情報をやり取りしながら、我々の身体をコントロールしている驚きの世界である、そのために無くてはならないのが、臓器たちが発するメッセージ物質である、今、このメッセージ物質を利用することで我々を苦しめるリゥマチ/認知症/高血圧/脳梗塞/メタボリックシンドローム/アレルギーなどの様々な治療が劇的に変わろうとしている!中でも日本人死因1位のは、2人に1人が発症し、3人に1人が亡くなると云う!人は誰でもピンピン生きて、コロリと逝きたいが、そうも行かないようだ・・・

  

最新の研究によって自らが恐怖のメッセージ物質を発して増殖することが明らかになって来た!その仕組みを逆手に取り、癌細胞の働きを抑え込む新しい研究が今加速している、そして「今度は我々が逆襲する番である!」と癌研究者たちが立ち上がった!更に癌と並ぶ難敵、年間20万人もの人が亡くなると云われる日本人死因2位の心臓病は、メッセージ物質を活かした治療によって、今まで不可能だと思われていた心臓の再生が実現されようとしていた!「この心臓の再生こそ正に心臓病治療の革命的な進歩です!」と心臓病研究者たちは豪語する!病を克服し健(すこ)やかな長寿を目指す最先端の闘い、人体の神秘に挑むその挑戦が、貴方の未来を大きく変えて行くのです!スタジオには両親がタモリと同い年の石川さとみと、10年前に乳がんを患い今では全身癌の樹木希林が招かれていた・・・

  

癌の暴走を抑えることが出来ず苦しみ続ける元新聞記者の村串栄一さん69歳は、定年後も書籍や雑誌などで執筆を続けて来た、村串さんは54歳の時に胃に癌が見つかり、手術で胃の一部を切除し一度は治った筈だった、ところが癌は胃だけではなく食道、喉、舌などに転移して行き、まるで人体のネットワークを支配するかのように、次々と広がって行った!その都度、手術や放射線治療で取り除いていったが、癌の発生を止めることは出来ず、14年の間に13回も新たに癌が見つかった!1年に何回も癌が出来れば心の平穏は崩れ、二度と病院なんぞは行きたくないと願っていた、だが行かざるを得ない辛い毎日を過ごしてきた!・・・

  

癌細胞は如何やって増殖を繰り返し広がっていくのか?そのメカニズムは、これまで多くの謎に包まれて来た、しかし、最先端の科学が、癌の実態を少しづつ明らかにし始めていた!大きさ僅か1/100mmの癌細胞が最新の顕微鏡映像に捉えられていた、周りのタンパク質の間を縫うようにして体中を自由自在に動き回ることが出来ていた、この癌細胞がとんでもない悪だくみを働く様子がとらえられていた、その一つが光超音波3Dイメージングに捉えられた、周りを歪(いびつ)に取り囲んでいる血管の間に癌細胞が見つかった、網目状に広がるのが、人の乳房に広がる毛細血管である、実はこの毛細血管は、癌細胞が血管に働きかけ、わざわざ自分の近くに引き寄せた毛細血管だった!そして増殖に欠かせない酸素や栄養を血液中からより多く奪おうとしていたのだ!・・・

    

更に、癌細胞は何と、敵である免疫細胞まで手懐(てなず)けてしまったのだ!本来、免疫細胞には癌細胞を攻撃してやっつける働きがあるが、その瞬間を捉えた映像を観ると、緑色の免疫細胞が紫色の癌細胞に喰らい付いてやっつけるものだ!ところが、この免疫細胞がある働きを受けると、敢(あ)え無く攻撃をぴたりと止め、癌細胞の増殖を許してしまうのである、裏切り者!ある働きとは何だ?実は、こうした悪だくみを行う為、癌細胞は人体の巨大ネットワークを巧みに利用していることが分かって来た!そのメカニズムの研究で世界をリードしているのが、国立がん研究センターの落谷孝広主任分野長であった!・・・

    

落谷主任分野長は癌細胞がこれまでのメッセージ物質とはちっと違う特殊なメッセージを使にっていることに注目した、「実は癌細胞が積極的にある特殊なメッセージを分泌するのは、癌細胞自身が患者さんの身体の中で生き延びる手段として分泌していることが分かって来た!」と落谷先生が明かした!癌細胞がその特殊なメッセージ物質を分泌している様子を、世界で初めて捉えた映像があった!癌細胞の表面から白く輝く光が発光されていた、何と、その光の中に癌のメッセージ物質が隠されていたのである!その物質を拡大して観ると、突起の着いた丸い球があった、大きさは僅か1万分の1ミリの“エクソソーム”と呼ばれるメッセージ・カプセルであった!その中には、癌細胞が周りの細胞を支配するために使う様々なメッセージ物質が纏(まと)めて入っていることが判明した!・・・

    

例えば、先程、紹介した毛細血管を引き寄せる手口の場合、癌細胞が送り出したメッセージ・カプセルが、血管へと向かって行き、血管の中へ侵入していく、そしてカプセルからは『もっと栄養が欲しい!』と発信する、すると、血管を作る細胞が、仲間からのメッセージと勘違いし、癌細胞に向かって血管を伸ばし始めて行く!更に癌細胞は、攻撃を仕掛けてくる免疫細胞に対してもメッセージ・カプセルを発していることが分かって来た!今度はカプセルから、こんなメッセージ『攻撃するのをやめて!』を発する!メッセージを受け取った免疫細胞は、瞬く間に手懐けられて攻撃をやめてしまうのである!・・・

   

本来、臓器同士のメッセージ物質のやり取りは、我々の健康や命を支えるための重要な仕組みのはずである、その大切なネットワークを知り尽くし、密かに忍び込む癌細胞は、どうやら我々人の身体のシステムを乗っ取って増殖を繰り返している悪魔だったのである!次回はこの様にメッセージ物質を駆使して、虎視眈々と悪だくみを繰り返そうと狙う“癌細胞の転移“を追うことにしよう・・・

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人体6、生命誕生の解明を医療に生かす! 2018年3月22日

2018-03-22 19:50:00 | 日記・エッセイ・コラム

生命の誕生の神秘が解き明かされたことで、この世界に生まれてくる大切な命が、命を救う現場であるアメリカ・オハイオ州のシンシナティー小児病院でも革命が起きていた、その小児病院にランドリー・マルホランドちゃん12歳が入院していた、彼女は膀胱や腸・胆嚢など幾つもの内臓に障害を抱えていた、彼女の場合、生まれる前メッセージ物質が上手く働かなかなかった為と考えられています、「右首のあたりに点滴の管があるよね、見せてあげて!」と父親から言われ、ランドリーちゃんは快く見せてくれた、「点滴の具合は如何だい?」、『なんか変な感じがするけど、私のことを助けてくれているんでしょう?』とランドリーちゃんは笑顔で答えてくれた・・・

     

ランドリーちゃんは何度も手術を繰り返してきたが、ここにきて肝臓の状態が悪化し始めていた、そこで治療につい最近関わり始めたのが、前々回に登場した臓器が出来る仕組みを探っている臓器細胞のスペシャリスト武部貴則・横浜市立大学教授であった!・・武部教授の目指す治療はiPS細胞から小さな肝臓を作り、ランドリーちゃんの身体に埋め込むことだ、今、世界中の科学者が挑んでいる再生医療です、しかしiPS細胞から肝臓の細胞を作っても、臓器としての肝臓を作ったことにはならない!肝臓と云う臓器はとても複雑な臓器です、8K顕微鏡で撮った生きた肝臓の内部の画像を観てみると、青く光る肝臓の細胞と周りの赤く見える毛細血管が捉えられていた、肝臓が機能するためには、こうした複雑な構造が欠かせません!しかし、これほど複雑な構造を人の手で作り出すことは、ほとんど不可能だと言われてきた!・・・

   

そこで考えられたのが母親の胎内で起きていることを真似する方法だった、iPS細胞が肝臓の細胞に変化して行く途中で、“血管の細胞”とその“周りを支える細胞”を混ぜ合わせていくのです、これは胎児の中で肝臓が出来て行く近い状態である!そして母親の胎内の似た環境で培養していくのです、こうすれば細胞たちがメッセージ物質を出して語り合い、複雑な構造をひとりでに作ってくれるのでないか・・実験を重ねたある日、バラバラだった細胞たちが自然に集まり始め出し、僅か数ミリの肝臓が完成した!中には血管の網の目も出来ていた!・・・

         

果たして身体の中で働くのか?肝臓の機能が落ちているマウスにその小さな肝臓を埋め込んでみた!すると、30日後の生存率が飛躍的に高まっていた!こうして、世界で初めて胎内で実際に働く小さな“ミニ肝臓”を作り出すことに成功したのだった!この方法を人間の治療に生かすため、ミニ肝臓を大量生産する施設を去年から動かし始められた!2020年には重い肝臓病を患う子供たちを対象に、臨床研究を始めたいと考えられています!いま武部貴則教授は胸を張って言う『やはりランドリーちゃんのような子供たちにのために、僕らの研究をやってきているので、ミニ肝臓を使ってあの子たちの病気を治すことが出来たら幸いだと思っています!人体の不思議に迫って行き、新たな人間の成り立ちの理解に繋がると云う事は、直近の未来に起きうると思っています!』と誇らしげに誓った!・・・

        

今や、メッセージ物質に注目することで、iPS細胞始めとする万能細胞の躍進への可能性が広がり、医療の革命の実現へ繋がり始めたのでないだろうか?まだ国が指定する難病だけでも300種類以上もあると言う、それらの克服のためにもメッセージ物質の研究が期待できる、と山中伸弥先生は語った・・昨年の9月から始まったシリーズ“人体”も間もなく最終回を迎える、では、3月25日(日)夜9時から始まる最終回の第7集「健康長寿への究極の挑戦!」でまたお会いしましょう・・あっ、松永めぐみさんが可愛い赤ちゃんを連れて、スタジオに訪問してくれていたのだ!・・・

  

 

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