朝日新聞「天声人語」に、私が最近知り合った江戸川区の被爆者団体「親江会」会長の山本さんが紹介されており、改めて、みなさまにお知らせします。
天声人語
元広島カープ監督の「ミスター赤ヘル」山本浩二さん(72)の長兄、宏さん(81)は、数年前まで被爆体験を人前で語ることなく暮らした。心境が変わったのは4年前のことだ。▼母親の法事で東京から広島へ帰郷した際、息子と娘に初めて体験を詳しく話した。2年前、同じ被爆者だった妻に先立たれる。「いま後世に伝えないと忘れられてしまう」と腹を決めた。都内であった追悼式(大橋注:江戸川区)で初めて語った▼7歳の夏、朝の通学途中、閃光を浴びて倒れた。意識が戻ると、一面、闇夜の暗さだった。頭と首、肩を焼かれた。後頭部の傷は深く、仰向けで眠ることもできなかった。多くの遺体が焼かれた校庭のにおいはいまも鼻の奥からぬぐえない▼きょうだい4人のうち、あの惨劇をあえて弟に語ろうと考えたことはない。「痛みが筆舌に尽くしがたく、思い出すこと自体がつらい。米軍への怒りもきえません」。毎夏、広島から記念式典が中継されると、迷わずテレビを切った▼球界で活躍する弟に迷惑をかけたくない。そんな思いから沈黙を保ったのではという私の仮説は、およそ検討外れだった。生きて地獄を見たものは、何年たとうと記憶に激痛を伴う。語ることは新たな苦しみとなる。そんなことに思いが至らなかった自分を恥じた▼この夏も各地の追悼行事に被爆者が参加し、求められて体験を語るだろう。投下から70年余が過ぎても癒えぬ「語り部」の痛みを思い、語ると決意した勇気に学びたい。
山本さんは、今年7月の原爆犠牲者追悼式のあいさつで、「原爆行」を吟じられました。詩吟によって、被爆の実相とその体験がより深く伝わるように感じました。山本さんは、区内の平和のイベントに多くかかわり、力を発揮されています。
第19回戦争展IN江戸川 2019にぜひご参加ください
8月31日(土)10時~19時
13時 戦争への道「教育・弾圧・プロパガンダ」大野一夫さん
14時 東京大空襲の夜 6年生だった私
15:20 ぞうれっしゃがやってきた 合唱
16時~19時:親江会の山本さんたちが大いに語るコーナーです
9月1日(日) 10時~17時
15:15 朗読、映画上映
タワーホール船堀一階展示ホール1・2 入場無料
天声人語
元広島カープ監督の「ミスター赤ヘル」山本浩二さん(72)の長兄、宏さん(81)は、数年前まで被爆体験を人前で語ることなく暮らした。心境が変わったのは4年前のことだ。▼母親の法事で東京から広島へ帰郷した際、息子と娘に初めて体験を詳しく話した。2年前、同じ被爆者だった妻に先立たれる。「いま後世に伝えないと忘れられてしまう」と腹を決めた。都内であった追悼式(大橋注:江戸川区)で初めて語った▼7歳の夏、朝の通学途中、閃光を浴びて倒れた。意識が戻ると、一面、闇夜の暗さだった。頭と首、肩を焼かれた。後頭部の傷は深く、仰向けで眠ることもできなかった。多くの遺体が焼かれた校庭のにおいはいまも鼻の奥からぬぐえない▼きょうだい4人のうち、あの惨劇をあえて弟に語ろうと考えたことはない。「痛みが筆舌に尽くしがたく、思い出すこと自体がつらい。米軍への怒りもきえません」。毎夏、広島から記念式典が中継されると、迷わずテレビを切った▼球界で活躍する弟に迷惑をかけたくない。そんな思いから沈黙を保ったのではという私の仮説は、およそ検討外れだった。生きて地獄を見たものは、何年たとうと記憶に激痛を伴う。語ることは新たな苦しみとなる。そんなことに思いが至らなかった自分を恥じた▼この夏も各地の追悼行事に被爆者が参加し、求められて体験を語るだろう。投下から70年余が過ぎても癒えぬ「語り部」の痛みを思い、語ると決意した勇気に学びたい。
山本さんは、今年7月の原爆犠牲者追悼式のあいさつで、「原爆行」を吟じられました。詩吟によって、被爆の実相とその体験がより深く伝わるように感じました。山本さんは、区内の平和のイベントに多くかかわり、力を発揮されています。
第19回戦争展IN江戸川 2019にぜひご参加ください
8月31日(土)10時~19時
13時 戦争への道「教育・弾圧・プロパガンダ」大野一夫さん
14時 東京大空襲の夜 6年生だった私
15:20 ぞうれっしゃがやってきた 合唱
16時~19時:親江会の山本さんたちが大いに語るコーナーです
9月1日(日) 10時~17時
15:15 朗読、映画上映
タワーホール船堀一階展示ホール1・2 入場無料