私は、江戸川区青少年問題協議会委員の一人です。年一回、情報交換をしています。昨年はコロナ感染症を配慮して中止しましたが、今年は、12月20日午後3時から文化センター会議室で開催されました。委員は区議4名を含めた26名。区の執行部8名。オブザーバー参加2名。
今回は江戸川少年センターの吉村文江所長から「少年非行の傾向とSNSに起因する被害について」約40分の報告があり、「江戸川区の若者向け自殺対策」を健康部の菊池佳子副参事が、「区立学校における健全育成上の課題、公立小中学校の不登校・暴力行為・いじめなど」を教育委員会の近津勉指導課長がそれぞれ報告しました。
吉村さんは、この間、いわゆる非行、大麻などの薬物、刑法犯は少年も大人も減少傾向で、街頭犯罪(ひったくりなど)の3割は少年という実態を紹介しました。今回のテーマである「少年非行とSNS」に先駆けて、SNSの特徴を指摘、様々な人との交流、友達同士のグループ、写真などの共有、規制がおいついていない、匿名性が高い・書き放題、刺激・わくわく感、承認欲求を満たす、依存状態、広告など、脳がSNSにならされていると。
グルーミング(本来は動物の毛づくろいを表す言葉):犯罪者が子どもを手名付けるやり口
仲の良い友達と喧嘩、「君は何も悪くない」と共感することを専門とする。プチ洗脳。生活の場に相談できる人がいない。「2人で会いたい」とホテルで会うことを持ち掛け性犯罪、「裸の写真を送れ、だめなら離れる」と、子どもは怖くて送ってしまう。自分の気持ちをささえる居場所?個人情報を聞いてきたら危ないと認識する。グルーミングの認知度を高めていく必要あり。
自撮り被害(平成27年ごろから広がってきた)防止
被疑者33歳。被害者高校生。証拠品はスマホだけ。100名以上の女性とやり取りをしていた。「お小遣い上げるから顔写真送って」と、お小遣い欲しさに女子高校生が写真を送ってしまった。
トー横の子(歌舞伎町・東宝シネシティ付近に集まってくる子)
ツイッターやティックトック(ショートムービー)で、全国から自然に集まってくる。深夜で犯罪に結びつく場合もある。警察に何とかしてほしいと要請があるが話を聞く対応をしている。ほかの地域にも集まる場所がある。横浜、大阪、福岡など。
パパ活とホスト
女子大生が、ひいきのホストを№1にするために借金してお店で飲み物を注文する。お金のためにパパ活。高価な時計をもらってそれを売って現金にする、ひと夏で10件ものパパ活で現金を手に入れ、ホストに貢ぐ女性も。ホストにはまっていく心理、大学がオンラインで友達もできない、今いるところに居場所がない。ホストに貢ことで男女対等?生まれたときからネット情報で生活してきた世代。
具体例もリアルに示しながらの講演でした。居場所がない心の隙間に入り込む犯罪、子どもの心理を利用しての犯罪を何とか防ぎたいと痛感しました。また、子どもや女性をねらう犯罪のない社会にしたいものです。SNSが当たり前の社会で、自分としっかり向き合う場が必要です。学校で家庭で、人と人とのつながりのすばらしさを体感できる場を培っていきたいです。辛いときに相談できる場が提供できる社会を作っていきたいですね。