The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

グラナダ版 「4人の署名」 (2)

2015-05-17 |  ∟グラナダ版SH
- グラナダ版 「4人の署名」 : The Sign of Four (2) -


1987年制作


The Sign of Fourの日本語タイトルに関して最初に書くべきだったのを書き忘れて
いましたので 2回目を始める前に追記させて頂きます。
日本語タイトルは ”4つの”という説と ”4人の”という説があるのですが、”4つの”
であるなら ”Four Signs” になるのではないかと言う考え方とTV版に準じ今回は
「4人の」という解釈を取らせて頂いています。




続きです。


馬車で迎えに来たモースタン嬢と合流した2人はモースタン大尉が持っていた
謎の紙片を見せられます。



インドの産の紙に書かれた地図らしき物で 建物の平面図の様な図が書かれて
いました。 そしてそこには シーク教を象徴する4の意味の赤い印と ”The Sign of Four” 
(カーター、インデシット、ジャゴディッシュ、スモール)と 4人の署名がありました。



それを見たホームズは、「この事件は思ったより奥が深そうだ」と考え込みます。



約束の場所で御者に呼び止められた3人は馬車で謎の場所に連れて行かれ
インド人風の男に迎えられました。



そこは水タバコを鎮静剤に使う異様な風体の男 サディアス・ショルトーの邸宅で
した。


↑ 何くれとなくメアリーの世話をするワトソンを面白そうにみるホームズの表情が・・・




ショルトーはノーウッドの兄(バーソロミュー・ショルトー)が父から財宝を託されて
いるが本来はモースタン嬢にも権利がある為 兄を説得したいので屋敷へ同行す
る様求めますが、その前に真実を語ると言います。


父のジョン・ショルトーは11年前からインドから持ち帰った財で贅沢に暮らしていた
が 木の義足を付けた男を異常に怖がるようになり様子がおかしくなっていた。
ある日手紙を受け取ると急に様子が変わり その手紙を暖炉で燃やしてしまったの
で内容は不明だが、それ以来持病が悪化し 遂にもう臨終が近いと言う時に2人
の兄弟に遺言を残した。




父の話は 「モースタンと私はアグラで莫大な財宝を手に入れ家に持ち帰った。
ある日モースタンが約束していた分け前を要求しにやって来たが争いとなり 
モースタンは心臓発作を起し その場で急死してしまった。 遺体は処理した」と。
そして 「モースタンの孤児が心配で 財宝の半分は彼女が受けるべきなので罪を
償いたい。 真珠を送るつもりであったが出来なかった」。
「アグラの財宝が隠してあるので それを分ける様に」と言ったまま謎の陰に怯えな
がらに 隠し場所を語る事無く急死してしまった。


↑ 無言でサディアスの話を聞くホームズ。


翌日手紙が届き、シーク教のシンボルを表す4の意味の赤い印付の手紙
が見つかった。




財宝の所在が分から無かった為、サディアスが父の言い残した真珠を一つずつ送って
いたとの事でした。

そんな中、遂に財宝の隠し場所を発見したので メアリーに分け与える為に手紙で
呼び出したのだと言います。

そして4人はサディアスの住むノーウッドの邸宅に向かいました。



庭は至る所掘り返されてたがそこには財宝は無く、建物の頂上の物置で
見つかったと言います。 50万ポンド以上の価値がある財宝だと・・・


屋敷に着くと異変が起きている様子で おろおろする家政婦に依ればバーソロミュー
が部屋から出てこないと言います。



↑ このシーンもBBC版と同じ!

ホームズ達は急いで部屋に向かいましたが 内側から鍵が掛けられているので
鍵穴から覗くとバーソロミューが硬直して死亡しているのが見えました。




ホームズは捜査キットを使いカギを開け中に入りました。
そこにも The Sign of Four”と書かれた紙が置かれ、発見されたと言う財宝が
無くなっていました。
「どういう意味だ?」と言うワトソンに、 「殺人だと言う意味だ」とホームズ。
犯人は何処からどの様に侵入し、出て行ったか・・・


床には義足の足跡があるが、ホームズは共犯者が居ると言います。

「どうやって?」と聞くワトソンに、
「不可能なものを除けば真実が残るのだ。それがどんなに信じがたくてもね」
”When you have eliminated the impossible,  whatever remains, however
improbable, must the the truth.”
さぁ、ここでこのセリフがでましたよ。
私のお気に入りの有名なホームズ語録の1つです。

(BBC版でもバスカヴィルでシャーロックがこのセリフを言いました。
以前一度書いたような気がするのですが、Star Trekオリジナルの再放送を
見ていた時に ニモイ/スポックがこのセリフを言っていたので感動した事が
ありました。
そう言えばバスカヴィルでジョンが”スポック”って言ってますよね。
私の好きな作品でクロスオーバーしているのを知り1人感激してましたっけ。)


1人は窓から綱を伝って外にでたが、もう1人は天井の天窓から外に出たと
ホームズは推理しました。
そして犯人は床にこぼれたクレオソートに足を突っ込んでいる事に気付きます。






↑ これ、これ! 以前は見逃していたシーンですが これこそ あれでしょ!(指示代名詞
   多過ぎ!)酔っ払いシャーロックの姿はこのシーンから取ったんですね。
   余り嬉しかったんでしつこく3枚張りました(バカです)。





JW : 「普通の死後硬直ではなさそうだ。植物性アルカロイドによる中毒死だろう」
SH : 「これはヒポクラテスの笑いと言われる痙笑だ。 毒を塗った矢は英国の物
     ではない」
メアリーの事を心配するワトソンに、
SH : 「彼女を安全な場所に送り、ピンチン小路でトビーを連れて来てくれ。 英国
     中の警察より役に立つ」


そんな時に、別件でノーウッドに来ていたと言う アセルニ・ジョーンズ警部が警官
を引き連れ乗り込んできました。




ジョーンズとホームズは既知の間柄だったが、彼はホームズを軽視して小ばかに
した様な様子。
それでも 「君は時々奇跡を起こすからな」と厭味ったらしい言葉を吐くのです。

ジョーンズの推理は財宝をめぐるショルトー兄弟の争いである事は明らかなので
サディアスが犯人であると結論付け逮捕しようとします。



ホームズは、「天井の穴は小さすぎてサディアスは通れないし 彼が犯人では
ない」 狼狽えるサディアスに 「私が嫌疑を晴らします」と安心させました。


そしてジョーンズ警部に昨夜侵入した2人の男の特徴を推理して知らせました。
「1人は学が無く鋭敏な男で、もう1人は右足が無く内側の減った木の義足を付け
ている。 左の足には幅広で踵に鋲を打った靴を履いている。
中年で色黒な男で手の皮がむけている。 もう1人は少し変わった男です。」
(何でこんな細かい事まで分かっちゃうんですか? それはホームズだからです!)





(3)に to be continuedです。



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