The Game is Afoot

ミステリ関連を中心に 海外ドラマ、映画、小説等々思いつくまま書いています。

グラナダ版 「4人の署名」 (1)

2015-05-13 |  ∟グラナダ版SH
- グラナダ版 「4人の署名」 : The Sign of Four (1) -



1987年制作

この作品は正典でも長編ですし、ある意味2つの物語が存在している様な
作品なので映像化も難しかったのではないかと思われます。

又、この撮影時ジェレミーが病を得ており、重病説、入院の噂もあったりで撮影も遅
れが出たそうです。
ただ、作品を観る限り 高い場所の昇ったり、走り回ったりと何時もと変わりなく
病の影を見せない演技をしている様に見えます。

正典でのこのエピソードではワトソンがメアリーと出会い 後に結婚する事になって
いるのですが、グラナダ版の製作者は 「正典でのメアリーの存在は大きくない。
我々は敢えて2人を結婚させず 全編を通してホームズと相棒、同居人と云う設定
に拘った。 ワトソンには気の毒だか…」と言っています。 そうねー、それが良かっ
たんでしょうね。 なのに・・・BBC版では・・・・・

ストーリーが入れ子状態だし、場面の時制も度々変わる複雑な内容なので、
纏めるのが難しいので頭の中を整理しながら 何時もよりは細かく書く努力をして
みましたが それでも分かりにくいかも知れません。 以下が粗筋です。





始まりは ある紳士(後にショルトー少佐と分かるのですが)が棺の中に収められ
その場所に怪しい二人組(木の義足を付けた男と正体不明の小柄な人物)が訪れ
棺の中に”The Sign of Four” と書かれたメモを残して立ち去ります。



一方ベーカー街221B の元にメアリー・モースタン嬢が相談に訪れます。
彼女の話によれば、父親のモースタン大尉がアンダマン諸島に赴任していた所
10年前に休暇を得てロンドンに帰国。 ランガムホテルで会う約束をしていました。





彼女は約束のホテルに赴き 父を待ちましたが外出したまま待てど暮せど戻って来
なかった。 ホテルには本と衣類とアンダマン諸島のお土産を残したまま消息を絶
ち色々手を尽くして探したが遂に見つからず モースタン嬢も父は不慮の事故等で
亡くなったに違いないと諦める様になった。


↑ このエピソードでも鏡が多用されています。 鏡越しにモースタン嬢の話を
  聞くホームズ


↑ このシーン面白いんです。 何時の間にやらしっかりモースタン嬢の傍に座る
  ワトソン。 そして 唐突に散らかった書類を見て「何だこれは!」とホームズ。
  (貴方が散らかしたんでしょ)
  そして何故かいきなりズボンにブラシを掛けます(そして何故かかなりの埃が・・・)


「友達は?」と尋ねるホームズに、「父と同じ連隊に居たショルトー少佐に連絡を
してみたが帰国していた事さえ知らなかったと言われた」とモースタン嬢。




4年の月日が流れたある日 タイムズ誌に「モースタン嬢は至急住所を知らせる
様に」との広告が載り 不審に思いながらも名前の無い広告主に住所を知らせたとの事。
すると、真珠が一つ入った箱が送られて来て、それ以降毎年同じ日に真珠が一つずつ送ら
れてくると言います。 




真珠は途方もない価値のある品物の様だし、送り主の名前も無いため不審に
思っていた所、今日新たな手紙が届き 「今夜7時にライシアム座の左から3番目
の柱へ来られたし。 不遇の代償を与える。 二人の友を同行されたし。 警察には
知られない様に。 未知の友より」とありました。




思い悩んだモースタン嬢はホームズとワトソンに同行を依頼しました。


↑ モースタン嬢に一目惚れのワトソンは馬車に乗るメアリーにカッコ良くご挨拶。
  その姿を見上げるモースタン嬢。 良い雰囲気になって居る2人です。


モースタン嬢を送り出した後の会話が面白いので・・・・

JW : 「何て魅力的な女性だ!」
SH : 「個人の特質によって判断を誤るなよ。 依頼人は単なる材料だ」
それを聞いたワトソンは、
JW : You really are an automation - calculated machine.
      There is something possively inhuman in you at times.
     「君はまるで機械だな。 人間離れしたところがある」
SH : 「過去に一番惹かれたのは保険金の為に子供を毒殺した女性で、一番
     不愉快な男はロンドンの貧民に25万ドル使った男だ」
JW : 「だがこの事件は…」
SH : 「例外などない。法則が全てだ。」
     
そう言った後ホームズは資料を確かめに外出します。





帰宅したホームズが言うには、古い記録に依れば元ボンベイ第34連隊のショル
トー少佐は6年前に死亡している。
何故少佐の死後モースタン嬢に真珠が届く様になったのか?






「家族に聞けば分かるだろう。 用意は良いか、ワトソン?」と拳銃を確認します。
ワトソンもステッキの強度を確かめた後外出します。





その(2)に to be continued です。



→ グラナダ版 「4人の署名」 (2)

『グラナダ版シャーロック・ホームズ』 : Index