奥さんが手塩にかけて育てていた小玉スイカが、菜園の真ん中で7個すくすくと育っていた。受粉した月日を記入した荷札ををそれぞれの茎に括り付けている。3日前のことであった。「受粉して40日くらい経ったから、そろそろ収穫の時期だと思うわ」と言っていた。
昨夕、東屋で涼みがてら庭を眺めているとき、近くの電線にカラスが1羽止まり、仲間を呼ぶような大きな声で「カーカー」と何度も鳴いていた。一体何があったのだろうと、疑問に感じながらやり過ごしていた。
明けて今朝、スイカの点検をしていた奥さんが、「あれっ、カラスがつついているわ」と悲鳴を上げた。見ると、張っているネット越しに、スイカの三分の一くらいを食い散らかしているではないか。「食べごろになったのでカラスがつついたのだわ。もう、収穫しましょう」と言いながら、まだ小さなものを4個残し、大きくなった3個をもぎ取ってテーブルの上に置いた。
台所から台秤を持ってきて乗せてみた。一番大きいものは3.2kgもあり、残る2個も3kg強あった。小玉スイカの外形はまん丸ではなく、少し縦長であるが、長手で約く20㎝ある。見ていると割ってみたくなった。まな板に包丁、大皿とフォークを持ってくる。
奥さんが包丁でほんの少し切り込みを入れたとき、「パカッ」という破裂音を発してスイカが割れた。「よく熟れている証拠じゃない」と言いながら、断面を見るとおいしそうな真っ赤な色をしている。種は少し多いようであったが、かぶりつくと水分豊富でシャキシャキとして甘く、自家製としては合格の品と評価できた。
「いつごろ収穫したらいいんだろう」と話し合っていたが、収穫の時期は、電線に留まっていたカラスが教えてくれた。カラスは本当に頭のいい奴だということが分かった。ここ1週間以内に我が家に来られた方には、小玉スイカをごちそういたします。ぜひどうぞ。
おいしいスイカでした。なすびもありがとうございました。
おいしい食べ物と、聞き上手なOさん元気でいてくださいね。