まつたけ山復活させ隊運動ニュース

 松茸は奈良時代から珍重されてきたが、絶滅が心配される.松茸山づくりは里山復活の近道であり里山の再生は松茸復活に繋がる.

まつたけ山復活させ隊 NEWSLETTER 1247  丹波篠山にマツタケ発生 100万円/Kg 8日早い

2017年09月18日 |  マツタケの林地栽培 

                                  読売新聞9月15日

 9月22日(金)は、604回活動日です.京都市左京区岩倉 村松138-20 香川山(自称:下記アクセス)にお集まり下さい.ブログ報告者は、吉村です.当日夜、是非ご覧ください.
 前回は、台風18号の先触れで、秋雨前線が刺激され雨の活動日であった.松浦シェフをはじめ、中野さん、藤井さん他応援の皆さん!昼食づくりありがとうございました(前号宮崎報告をご覧下さい).

「逝きし世の面影」さんのブログで面白く秀逸作品を見つけました(写真1).うまい!

写真1 ネイティブ アメリカン 笑えますね!

 マツタケは、一昔前なら10月の第1週に店頭に並ぶと聞いていました.香川山では昨年10月22日でした.温暖化で発生が遅れていますが、ブログ(9月11日号)にも書いた様に京都岩倉香川山にも秋の気配は濃厚です.

 今年の発生は早まるかも知れません.と思っていたら、15日に丹波篠山でほんの少しだが出ました.昨年より8日早いとのことです.kg換算100万円で地元の料理屋に引き取られたと読売新聞が報じています(冒頭写真).今、マツタケが発生している地域で、台風一過の南風の影響を受けやすい山は、気温上昇に気を病みます.2日続いて暖かくなると高温障害が出ます.
 それはさておき、そのマツタケは篠山の料亭で土瓶蒸しになる予定です.いったいくらになるのか?誰か教えてください!

 僕たちの仲間、池内 正憲さんは、仕事持ちで東大阪に住んでいる.和歌山県岩出市にある水田に通い、米作りをしている.農業などこれぽっちもやったことがない男が夫婦で遠いところまで遠征し米作り作戦を展開している.
 やっといい米ができた.悲喜こもごもの思いを「田んぼ苦戦記 2017年」と題して送ってきました.長文なので何回かに分けて転載します.お読みください. 

田んぼ苦戦記 2017年 -1-   池内 正憲

今年も他の田の稲より20㎝は背が高く育っている(8月22日)

 農業を始めた最初の年、草刈りをしていた一反の土地を水につけておけばいいと考えていたけれど、妻が今年から田んぼをするといったので、田植えをすることになった。もう7年前のことになる。

 しかし田植えをしていなかった田は、土地がデコボコで、水平ではない。土をスコップで運んで、鍬で木のようになった根っこを引き抜き、暗くなるまで、整地をしたがそれでも水平にはできなかった。
 水の供給は、用水路から引くため、水を取水するための木を切って、用水止めを作った。しかしその場合も用水を必要とする下流の人が外していくことがあり、ずっと用水止め設置していると文句がきた。
 自治会に入り、村の親戚にアドバイスをもらったが、水路の水を他の田作業を請けおっている業者が勝手に取水するので、取水には監視が必要だった。
 そうして、隣家の親戚にお願いして、苗を買って田植え機で田植えをしてもらった。
水につからない場所もあるデコボコの田は、水を入れると顔の出ない苗があったりするので田植え後、苗を手で移しながら、育つ位置に植えなおした。残さず買った苗は、機械植ができない場所に植えた。

 田植え後も高い土地は低い土地に土を移したが、それでもたくさんの草が生えてきた。
 JAの稲作の作業予定に沿って、防除を行っていたが、除草剤は最初から使わなかった。
除草剤は、作業を楽にするだけで稲にとっていいはずがないと思っていたからである。
そのため、田植え後は毎週、草取りと、路肩の整備を行った。
 手で根っこから草を抜いていく作業は妻が行い、広範囲に草が出るため、それらを鍬で取り除いていった。
しかし、妻には根から抜いていかないとダメだと言われたので、根から取ったがとても作業が間に合わなかった。
結果、すべての草を取り切れてはいない。

 路肩の整備は、土手から水が抜けるので、毎週修理が必要になる。モグラが草の根を食べながら、路肩をほるため、いたるところで水が抜け、田んぼの水が毎週干上がっていた。
そこで、モグラの穴をふさぎ、土を固めることになる。スコップで路肩沿いに掘り進んで、穴をつぶしていく。
2年目には、路肩用のプラスチック塀を設置したが、かえってその隙間から漏れてしまうことが多く、結局スコップで探って修理することが確実であった。
 路肩の草は除草剤でという話があり、路肩を草刈り後燃やしたが、近所の人に路肩を燃やしたり除草すると、路肩が崩れるからしないようにとの指摘を受けた。草の根で路肩の強度が持っている一面があり、簡単にはいかない。

 6月初めに植えた稲の苗は、この辺では大量のタニシが発生して食われる。苗が膝まで大きくなればタニシも食えないが、水につかっている苗の状態では苗がなくなってしまうこともある。この時期は、タニシつぶしをする。JAでは、タニシが大量発生したときには眠らせる薬を推薦している。殺す薬や、油粕を履いて、海面に幕を張らせて殺してしまうことをする人もいるが、そんなことをすれば有用な生き物がなくなってしまうので、それはしない。むしろ、この時期を超すと、タニシは草を食べてくれるのである。

 実は、水を田に入れるとたくさんの生き物がそこに集う。
田んぼウナギや、小さな魚も、ゴカイやカブトエビ、貝、一斉に出てくる。オタマジャクシもたくさん泳いでいる。

 7月になると、田の水を抜いて中干をする。台風が来る前に陸稲にして根を張らせるのである。その時期には、稲は分げつ期となり、苗が増えて大きくなる。根に酸素を供給して、元気にしておかないといけない。
この時期は、水を干すので、草が出る時期でもある。草を生えないようにしないと、草は虫にとっておいしいので、虫が依る。虫が増えると、稲の病気や、卵を産まれてしまう。
そこで、路肩の草刈り、田んぼの草を取るのは、この時期にしておかないといけない。

 8月は、防除の時期になる、稲が大きくなり、花を咲かせるからである。花を咲かせる前に、防除を行う。当時は、防除用の動力噴霧器がないため、背中に10数キロ背負う手動式の噴霧器で、田んぼの中を歩いた。一反で、400lくらいまくので、10数キロの背負いでは、数十回用水路の水を汲んで噴霧することになる。現在は動力噴霧器なので、だいぶ楽になった。
 防除は最近2種類の方法がある。薬を展着液と混ぜて噴霧する方法と、農地の水田に薬剤を直接撒いて稲の根から吸収させる方法である。
 最近は、作業が楽なので、根から吸収する方法をとる人が増えた。(年齢で労働に耐えられないか、家族が協力してくれない人が増えたのかも。)
 根から吸収させる方法は、稲自体に薬剤を入れることになるので抵抗感がある。
噴霧する方法は、展着液と一緒に撒くが外側なので、少しましと思う。
 しかも、吸収式は、その時期に水を入れ替えることができない、ということは、暑い時期に水が高温になって、稲自体の品質低下を招く。
 この防除は、いもち病やウンカ、紋枯れ病の防除。

 一回目の防除が終わるころ、稲の花が咲きだす。この時期には、田に入るのは厳禁。花が落ちてしまうからである。路肩の除草をしながら、満々と水をいれる。できるなら流し入れをしたい。みんなが水を必要とする時期である。

 花が咲き終わったころ、穂が垂れだす。米ができてくる時期になるのである。乳白色のまだ固くない稲の穂を鳥や虫が食べに来る。だから、この時期には、案山子やテープを張ったりする人もいる。
ここでも路肩の草は厳禁だが、手が回らないので、草をとりのこしてしまう。ほっとくと3mくらいに草は伸びてくる。

 花が咲き終わると2回目の防除を行う。1回目と異なる薬剤を、背負って手動背負い噴霧器で撒く。この時期は気温は34℃くらい、雨具を着てマスクをして、噴霧するので、雨具の中は、汗で水びたし、汗が目の中に入ってくる。
 ちなみに動力噴霧器でも、田に入って噴霧する。違いは、大量の噴霧ができ、時間が短くてもできる点。ただし、一人ではできないので、通常家族総出でおこなっている。噴霧器の操作の係、ホースの中継に数人。噴霧係と、多分3人以上いる。今のところ、2人でこれをしているので、ホースで稲を痛めつけてるかも。
 2回目は、蛾やウンカ、カメムシのための防除。路肩や、草むらがあると大量にウンカが発生している(続く)。

【お知らせ】
☆まつたけ祭
【月日】2017年9月30日(土) 605回活動日 要予約
【時間】午前10時〜午後4時 午前中は各班の予定作業を願い上げます.
【場所】まつたけ山復活させ隊活動拠点香川山  
【料理】まつたけご飯、焼きまつたけ、吸い物、他特別料理.酒類はなし、持ち込み大歓迎.
【参加費】3500円(当日いただきます.マツタケ凶作時は変動)
【定員】 35名
 岩泉マツタケを使用予定ですが、初発生が8月初めであったことを勘案すると、当日はもう発生が終わっているかも知れません.その節には、まつたけ購入代を引いた価格を参加費と致します(会費は1000円くらいかな).

1.日本文化デザインフォーラム  JIDFラボ【松茸山再生と岩倉焼き】開催   名高いやきもの産地は名高いマツタケ産地である.
   開催場所はいずれも京都市左京区岩倉香川山(自称)まつたけ山復活させ隊活動拠点(アクセスは下記を!)

   参加者の人数に合わせてまつたけを購入しようと考えています.あらかじめ参加希望者数の把握のため予約を取っています.ご協力のほど願います.
    
   14回 09月30日(土) 605回例会  陶芸班創作陶器にまつたけ料理を盛り、料理と作品を吟味   参加費:3500円 定員35名 
                    これには、美酒が合いますね.酒代は含まれていません.美酒のご提供をお願いします.
   15回 11月18日(土) 612回例会  マツタケ発生整備作業と反省                参加費:昼食代500円
      参加申し込みは吉村( E-mail)まで

2.岩手県立大野高等学校収穫祭 
   日時 10月3日(火)~6日(金)
   場所:岩手県洋野町 岩手県立大野高等学校 並びに久慈平岳試験林
      10月4日:講演(里山とマツタケ)とまつたけ狩りの打合せ、懇親会.10月5日:まつたけ狩りと昼食会
      問い合わせは大野高校(0194-77-2125)あるいは 吉村(090-6227-4305, E-mail) まで

3.滋賀県荒神山 里山整備と勉強会 参加者募集
  場所:彦根市石寺公民館
  日時:11月19日(日)10時集合 直ちに作業に合流
     午前8時~11時30分 マツタケ山づくり作業
       12時~13時 昼食会
       13時30分~16時 勉強会(荒神山の活動報告、京まつたけ復活成功物語)
       16時から 懇親会
       参加希望は、猫田さん(090-8759-1204)までお願いします.

4.千葉県立中央博物館 自然誌シンポジウム
  日時:2017年11月23日(木、祝)13:00~16:00
  場所:千葉県立中央博物館
  テーマ:マツタケ栽培最前線
      人工栽培(白坂憲章).感染苗利用栽培(山中髙史).林地栽培(吉村文彦)
      問い合わせは千葉県立中央博物館 吹春俊光先生 電話:043-265-3111(代表)

【まつたけ山復活させ隊活動】

活動開始は午前10時頃から、終わりは午後4時頃.自由参加可能 ただしコアータイム昼食時は必ず参加のこと.

§参加費は無料;メンバー参加者には、食材費+消耗品費として現在400円を徴収.初参加者・見学者などは500円(二度目からは400円).ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.

§参加や見学希望の方は、参加日や人数などを主催者にメールもしくは電話下さい.また、ブログ画面左にあるカテゴリーから「まつたけ山復活させ隊とは」を左クリックでご覧下さる様にお願いします.

まつたけ山復活させ隊 活動日
回 開催日     報告担当者  男厨シェフ    特別企画      

604 09月22日(金) 吉村
605 09月30日(土) 内田                JIDFラボ14回 まつたけ祭
606 10月07日(土) 三輪                第2回毎木調査
607 10月13日(金) 宮崎                岐阜県 御嵩町 5名視察
608 10月21日(土) 吉村      松本
609 10月27日(金) 内田
610 11月04日(土) 池内
611 11月10日(金) 三輪
612 11月18日(土) 宮崎      内田         JIDFラボ15回
613 11月24日(金) 吉村
614 12月02日(土) 池内
615 12月08日(金) 内田
616 12月16日(土) 三輪      松浦
617 12月22日(金) 宮崎                忘年会

618 01月12日(金) 吉村                新年会
619 01月20日(土) 池内      松本
620 01月26日(金) 内田
621 02月03日(土) 三輪
622 02月09日(金) 宮崎
623 02月17日(土) 吉村      内田
624 02月23日(金) 内田
625 03月03日(土) 三輪
626 03月09日(金) 宮崎
627 03月17日(土) 吉村
628 03月23日(金) 内田      松浦

§活動場所:京都市左京区岩倉村松町138-20 香川山(自称)

アクセス:公共の乗り物利用を薦めます.自家用車駐車スペースも2台分はある.

 京都バスの「岩倉 村松行き」終点(村松)が便利です.バスを降りたら、吉村まで電話下さい.
バスに乗車するには、
ア)阪急京都線 烏丸駅で市営地下鉄烏丸線に乗り換え、国際会館下車(ウ)に続く
イ)京阪本線 出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側)乗車 約30分
ウ)京都地下鉄烏丸線 国際会館下車 3番出口からバスターミナル1番 乗車 約15分
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)
a)車の方は、岩倉ゴルフクラブを目的地にすると便利です.ゴルフ場入り口の取り付け道路が見えたら(後400m)、案内看板手前にある道路を左折、右折、左折そしてた左にカーヴすると車止めが見えます.車止めの右側に入り口あり.

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§主 催

まつたけ山復活させ隊
Movement for Regeneration of Matsutake Forests
代表 吉村 文彦(微生物生態学)
090-6227-4305 miyakomatsutake@gmail.com
京都市山科区御陵岡ノ西町38-27

香川山オーナー
 香川 晴男


§協 賛
澤田山オーナー
 澤田 幸雄

玉城山オーナー
 玉城 一郎

 

 

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