まつたけ復活・里山再生市民運動
第201回 (8月1日)4周年記念パーティー 開催のお知らせ
2005年6月16日に、まつたけ十字軍運動は、近代マツタケ学発祥の地、京都市左京区岩倉尼吹山近くの“香川山”(村松町)で誕生した.
その日は、雨が降ったり止んだりであったが、幸いにも作業時刻になると陽が差し始め、幸先の良さを山の神が保証してくれたようだった. 参加者の皆さんは、樹を伐る喜びに浸りきった一日であったと思う.
全国的に放棄されている里山を、マツタケが生活する生態系に戻すためには、毎日作業しても追っつかないだろう.市民パワーでどのくらいできるものかと大変心配であった.当初の考えでは、清水(キヨミズ)の舞台から飛び降りた気分で英断、週に1回、冬は勉強会と予定した.参加人数も読めずそれに、雨の日もあるだろう.
当初から参加されていたメンバーの「雨でも雪でも毎週集まろう!」という声に押されて、盆と正月以外は、雨でも雪でも週に1回集まる今のスタイルができあがっていった.
その後、日本財団や全労済の助成を戴き機械類を揃え、本格的に里山再生・マツタケ山づくりに取りかかることができた.
新聞、テレビにラジオや週刊誌などマスメディアで市民によるマツタケ山再生活動が大々的に取り上げられた.市民によるマツタケ山づくりが報じられたことによって、地元の玉城一郎さんや澤田幸雄さんなど山主の無償提供の山が増え、活動面積も飛躍的に大きくなった(面積分からず).活動日には、平均30人/回の参加である.
友人でもある香川山の持ち主、香川晴男さんの好意で、機械類を動かすために電気が引かれ水道も使えるようになった.間伐材を利用することになって、チェーンソーで製材し、テーブルや椅子を造り、小屋を完成し、屋根も造った.雨でも雪でも集まる場所ができた.山のバイオマス活用のために堆肥をつくり、宅地跡を開墾し畑をつくり、近くの水田を貸していただき、米も自作している.
秋のマツタケ発生調査で、20-25年もの間、マツタケを見たことがないという場所にマツタケが1本発生したのである.もちろん、皆さんが手入れをしたエリアである.山を綺麗にするアマチュアーの作業の成果を天下(ヨーロッパやオーストラリアを含む)に知らしめた.皆さん、これには随分と勢い付いたものである.
30-40年も放置せざるを得なかったアカマツ林や薪炭生産林から、とても処理できないほどの除伐材や粗朶や腐植がでてくる.マツノザイセンチュウ枯損アカマツやナラ枯れ木は、焼却すれども すれども、香川山に貯まってくる.
そのようなとき、陶芸アーティストの近藤高弘さんに、多目的窯を造りポスト民芸運動(岩倉焼)を起こそうと提案を受けた.全国の皆さんに、窯のレンガ代を戴き、窯をみんなで完成させた.賛同者のお名前は、レンガ1枚1枚に書き入れ感謝の印とさせていただいている.今、炭を作り、枯損木をいぶし、陶器も焼いている.
とにかく、団塊世代のパワーは、今の学生の比ではなくすごい.自分で状況を切り開く術を身につけている.これには脱帽だ.2009年7月24日で 200回の開催となり、延べ6095人が参加.このブログも1000IP/週、4000PV/週の閲覧がなされるようになっている.
このように続けてこられたのは、すべて参加者の力以外のなにものでもない.もちろんこのブログの読者の支えも忘れてはいない.そこで、大々的に4周年記念を開催することになった.もちろん雨天でも岩倉香川山で決行だぁ~い!
まつたけ十字軍運動のメンバーは、環境を守る運動にいくつも参加されていたり活動的である.従って、活動日が重なり、お顔をなかなか拝謁できない方も沢山いらっしゃる.どうか この日は 是非 お顔をお見せ下さるよう願いあげます.
また、陶芸好きの方、自分の作品を焼いてみたい方などの初参加・飛び入りも大歓迎です.
4周年記念 大パーティー 次第
日時:8月1日(土)午前10時開始 終わりは自由.夜露をしのげるテントは準備.
場所:京都市左京区岩倉 香川山(という名の山はない.アクセスは下記参照)
会費:大人;3000円、高校生は1500円、中学生以下は無料(だだし保護者の参加が必要)
料理等:群馬牛のバーベキュー、滋賀県金谷地鶏のすき焼き近江八幡風(鶏肉も旨いが味付けもよい)、流しソーメン、賀茂ナス料理、石窯で焼くピザ、ニホンミツバチのピュアー蜂蜜(まつたけ十字軍運動謹製).ジュースなど飲料水、ビール、ワイン、酒. アルコールを摂取したら 車の運転は認められません!岩倉泊まりです.
差し入れ大歓迎
差し入れ予定: 感謝して報告させて戴きます.
和歌山市の(株)ヒロイワGから群馬牛肉やホルモン(超新鮮)60人分、秘伝のたれ、大阪鶴橋のキムチ.岡阪さんから賀茂ナス、井村さんから酒.
次第:
午前10時15分から 近藤高弘さんの「ポスト民芸(岩倉焼制作)」の説明.
「まつたけ十字軍 京都岩倉焼き」を起こすというものです。
もちろん、皆様素人さんですが、作り方、デザインなどのカタチ、また釉薬(松灰の釉薬)などは、私がある程度指導、監修します。
本焼はアカマツの釉薬づくりが終わり次第スタート.
午前10時45分から「濱稔の碑」詣<草刈りと献酒と豊作祈願>
下山後は、 暑気払い大宴会にしよう!
昼から作陶.橋本さん自作の苔玉プレゼント(抽選)
京都の伝統行事と景観をまもろう!
マツノザイセンチュウ病枯損アカマツやナラ枯れ枯損木は伐倒・焼却を進めよう!
これらの樹病は、依然として猛威をふるっている.周りに放置されている枯損木を感染源とする蔓延が後を絶たないのである.景観上も優れているとは言えない.これを放置することは、新たな感染を助長し、里山という生態系を破壊することになる.里山の崩壊は、生物の多様性に多大の損失を与える.
枯損木を放置している所有者には、「感染を手助けしているという認識」がほしい.国民の樹病への無関心がこのまま続くようだと、里山林は全国に800万haあり、その230万haを占めるアカマツ林は一部を除いて壊滅するであろう.同じく230万haあるコナラ林を加えると、“これは由々しき問題である”では済まされない.
林は、地面の所有は個人のものであるが、林の公益的機能は国民のものである.だからこそ、国民も林の手入れに税を使うことを認めているのである.材生産中心の林業に一味違う新たな活用法を付加することが必要である.ボランティアだけの里山再生作業ではアカマツ保全やまつたけ産業復活の展望がないからである.
今、一歩を踏み出す時にある.
京都ならではの事業として考えられることがある.五山の送り火にはアカマツの薪が必要だ.市内の景観を守るためにも、アカマツ林帯とすべきエリアは健全なアカマツ林に戻すのである.それを定期的に伐採し、後は天然下種更新する.アカマツ材は送り火の薪や松明に加工し販売するのはいかがだろう.するとそのうち、マツタケも顔を出すようになるに違いない.行政の応援を期待したい!
<カンパ! お願い>
1)KMさんからいただきました.
氏名: まつたけ十字軍 代表 吉村文彦
銀行名: 京都銀行 山科中央支店 口座No. 普通預金 3698173
<メール便り>
1)松本市本郷財産区 飯沼多聞さんから
7月22日我々も活動を致しました。作業参加者12名、一番大変なビーバーを使っての雑木林処理はあと半日の作業で終わりそうです。……工程的には半分と言う所でしょうか。……それから地掻き作業に入って行きます。 22日の作業では「コムソウ」が3本発生していました。やはり整備をすれば松茸が出る山ではないかと大きな期待をさせてくれた「コムソウ」でした。
22日は太陽系は皆既日食で自然界の偶然を、ゆとりのある人は雨の!離島や・船で晴天域の海原へと-『見れば人生が変る』-と夢を託して行動されました。うらやましい限りであります。
その時、本郷松茸十字軍の仲間は、小さな小さな夢作りの里山再生・松茸山作りに12人の仲間が汗を流しました。天上は雲に覆われ、時折り松林の間からかすかに感じられた部分日食の時間がありましたが、作業に没頭した記念すべき一日でした。
作業の過程においては、トックリ蜂の巣があり女王蜂が攻撃してきて目と目が合いましたが、間一髪しゃがみこみかわすことができました。その後は、蜂バスターとほちゅう網を用意して逆襲をしたことは言うまでもありません。また、作業開始前のあいさつの際に「マムシ」を発見!生け捕りにしました。-若いから焼いて食べれば肉が柔らかくてうまいだろう-ときました。頼もしい限りの仲間です。
流しソウメン-いいですね~ 我々もマネシヨウカナ!
<まつたけ十字軍運動に参加するには>
下記の1から7を了承の上、参加下さい.また、 “まつたけ十字軍運動とは?”も併せてご理解下さい.尚、初めての方は事前に連絡が必要(連絡先は下記主催者).
1)参加資格は問わない. 参加時間は自由、ただし、コアタイム(昼食時)の参加は必須.
2)事故を起こさないように各自勤めること.傷害保険等は各自加入のこととし、事故の責任は当事者に帰するものとする.
3)服装等:山で軽作業できる服装(運動靴か長靴か地下足袋、雨具、タオルなど).ノコ・ナタを持参が望ましい.
4)降水確率(京都府南部、午前7時)が60%以上の日は、原則的に山づくり作業は中止.しかし、山や畑にも、「雨の日には雨の、雪の日には雪の景色がある」といって、皆さんは補修や軽作業などされます.
5)持参するもの:昼食は作るので、MY皿と椀と箸、コップなど、料理の持ち帰り容器、飲料水(お茶があるので水筒)など.
5)用いた道具類は洗った後、保管場所に戻すこと.また、使用した食器やコップ類は洗って戻すこと.出したゴミ等は各自持ち帰ること.
7)参加費は無料;ただし、消耗品費は皆さんの浄財カンパで成り立つ、或いは必要に応じて徴收.食材費(実費)+消耗品費として現在 400円を徴収.
<活動拠点へのアクセスなど>
8)集合場所:京都バス「岩倉 村松」行き終点「村松」.あるいは現地アカマツ林(京都市左京区岩倉村松町138-20バス停「村松」から北東へ450m徒歩6分).
叡山電鉄「岩倉」駅から現地アカマツ林へ2.3Km(徒歩30分)
アクセス:
京都バスの「岩倉 村松行き」に乗車.このバスに乗車するには、
ア)JR京都駅七条口から(バス停「C6」番、所要時間約60分)
イ)阪急京都線四条河原町駅から(四条河原町交差点河原町通り北へ上ル東側(40分)
ウ)京阪本線出町柳駅から(加茂大橋東詰め北へ上ル西側、約30分)
エ)京都地下鉄烏丸線国際会館から(3番出口からバスターミナル 1番、約10分)
(地下鉄烏丸線はJR京都駅、烏丸四条、烏丸御池、国際会館などに停車)
9)<皆さんの活動の様子を見ることができる>
Nikonまつたけ復活・里山再生運動のウェブサイトの大幅な改訂がなされ、パスワードなど不要で閲覧できます.ブログ画面左下ブックマーク(Bookmark)中のNikonまつたけ復活・里山再生運動を左クリックすると、ニコンオンライン写真集の画面に飛ぶ.ログインの必要はありません.写真一覧からお好きな写真を選び、<大きくみる>を左クリック.大きい写真を印刷したり保存したりできます.
開催予定日 2009年8月―12月
活動場所は岩倉香川山. 活動開始は、午前10時頃.終わりは午後4時頃.
第201回08月01日(土)ブログ報告:榎本 4周年記念パーティー
第202回08月07日(金)ブログ報告:三輪
第203回08月21日(金)ブログ報告:宮崎
お盆休み
第204回08月29日(土)ブログ報告:榎本
第205回09月05日(土)ブログ報告:池内
第206回09月11日(金)ブログ報告:三輪
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第208回09月25日(金)ブログ報告:宮崎
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第210回10月09日(金)ブログ報告:榎本
第211回10月17日(土)ブログ報告:池内
第212回10月23日(金)ブログ報告:三輪
第213回10月31日(土)ブログ報告:吉村
第214回11月07日(土)ブログ報告:榎本
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第216回11月21日(土)ブログ報告:三輪
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第218回12月05日(土)ブログ報告:池内
第219回12月11日(金)ブログ報告:宮崎
第220回12月19日(土)ブログ報告:三輪 大忘年会 感謝祭
年末年始で休み
第221回01月09日(土)ブログ報告:榎本
まつたけ十字軍運動とは?
今、1年間に40,000種もの生物が絶滅(約13分に1種)していると推測されている.生き物1種の絶滅は、10種から30種の生き物の絶滅を呼ぶという.
日本で、802種の動物が絶滅危惧種とされ、7000種の維管束植物の24.1%(4種に1種)が絶滅危惧種に挙げられている(2007年).
環境省によれば、絶滅危惧種の50%強に当たる生物の生息地は、人里離れた奥山でなく里地里山と呼ばれる私たちの生活の場である.緑が豊かになって生き物が追われている!
私達の周りにありふれた生き物であったフクジュソウやヒメシャガなど、メダカやチョウ類やニホンウサギなど、またオオタカやイヌワシなどが、消え続けている.マツタケも、京都府では絶滅危惧種に指定されている.
生物の保全・多様性上危機に瀕する里山(アカマツ林)をマツタケ山に戻すことが目的である.私たちのマツタケ山づくりは、山-川-畑・水田(-海)のつながりを重視する.マツタケ山づくりで生まれるバイオマスの利用を、「自然」との共生型すなわち徹底した有機物循環型「農林業」に組み込む.また、我々の成果は、情報として正しく発信し、全国に230万haあるアカマツ林に普及させることを願っている.
近代的マツタケ学発祥の地、京都市左京区岩倉を活動拠点として、我々は循環型農林「業」を楽しむ.「楽しむ」ということにおいて、いわゆる農林業的作業と異なる.
時折のイヴェントや開催日のコアタイムに集まることによって、作業の情報などを共有し、互いの知恵や技術を学び、また、里山復活の喜びをともにする.
運動は、食事を作る人、木を伐る人・運ぶ人、薪をつくる人、病害木を焼却する人、畑や水田を守る人、設備を造る人、道具類を整備する人、多機能窯を守る人、拠点を整備する人、道路を補修する人、バイオトイレを守る人などすべての参加者が、互いに対等で支え合い助け合って維持運営されている.
まつたけ十字軍運動全体は、アリストテレス風に言えば、個の参加者の総和以上の意味を持つ.それ故、参加者はこの運動の全体性を見失わないようにしたい.
主 催
まつたけ十字軍運動
代表 吉村 文彦(マツタケ生態学者)
〒607-8421 京都市山科区御陵岡ノ西町38-27.
075-581-8932, 090-6227-4305
共 催
京都大学マツタケ研究会
代表 大石 高典(京都大学こころの未来研究センター)
TEL/FAX 075-753-9682 / 携帯 080-6123-4706
香川理化学研究所
協賛
NPO市民環境研究所