ノイバラ山荘

花・猫・短歌・美術な日日

「ハマスホイとデンマーク絵画展」「青木野枝 霧と鉄と山と展」

2020-01-30 14:04:02 | 美術
みなさま、こんにちは(^ω^)
いかがお過ごしですか。

昨日今日、お花見の頃の暖かさですね。
体が緩んで、心も明るくなります。
白梅はまだ蕾ですが、紅梅は盛り。

短歌もろもろの出詠、提出が一段落、
来月の母の成年後見報告書作成・提出まで
ぽこんと空いた数日。
珍しく美術展に続けて行ってきました。


「ハマスホイとデンマーク絵画展」@東京都美術館

まだ始まって間がないためか、空いていました。
2008年のハンマースホイ展と比べると
彼の作品は少ないです。
ハマスホイ(1864~1916)はデンマークの画家。


西洋美術館所蔵の作品をはじめ


後ろ向きの妻のいる室内画が有名ですが、

  
私はストランゲーゼ30番地の人物なし室内画が好きです。

 
現代的な感じがします。

展覧会の6割弱を占める百年以上前のデンマーク絵画は
初めて見ましたが、アカデミックな感じ。
安心して見られる一方、面白みには欠けます。
「面白い」と思う作品を見ると脳みそがシェイクされて、
すかっとした感じになりますが、
この展覧会にそれを求めてはいけません。
ハマスホイ室内画に到達するまでの
基となった大切な部分を見た、と思うことにします。

些末なことかもしれませんが、作者名の表記、
以前は「ハンマースホイ」だったので、
「ハマスホイ」は別人の感じがします。
美術家にとって名前の表記は二の次かもしれませんが、
歌人にとっては大問題。
wilkiによれば「ハメルショイ」とも表記するそうで、
「ハンマースホイ」「ハマスホイ」「ハメルショイ」・・
いよいよ別人だ~(´;ω;`)

おまけです。
東京都美術館×東京文化会館×東京都交響楽団連携の
特別企画「ART meets MUSIC」。
2018年から始まっていたらしいのですが、
展覧会鑑賞者を招待してくださるコンサート。
今回初めて行くことにしました。

文化会館小ホールで行われる2月のコンサート、
東京都交響楽団メンバーによる演奏と
演奏に先立つ展覧会ミニトークが楽しめるとのこと。

インフォメーションで展覧会チケット半券を提示して
整理券をゲットしました~。
定員になり次第配布終了なので、
興味おありの方はお急ぎください。



「青木野枝 霧と鉄と山と」@府中市美術館


青木野枝(1958~)は鉄の造形作家。作品の画像を見て、
是非行ってみたいと思ったのです。

 
作品はのびのびとしていて、気持ちがいい。
いくつかのパーツに分けてもってきて、現場で溶接し組上げて、
終わったら解体してしまうそうです。


鉄なのに冷たい感じがしない。


この作品ではナマの卵が針金で結んで固定されています。


石膏の作品もありました。
2つの山の間でかくれんぼができますww


鑑賞者も少なくて、ゆっくりと作品と対話ができました。

この日は前夜の激しい雨が上がり、からりと晴れ、
一挙に暖かくなりました。
東府中から小さなお店を見ながら、のんびりと歩きました。

府中市美術館は府中の森の中にあり、
お散歩するのが楽しいのです。

府中の森、昨日の雨であちこちに水溜まりができています。
ハクセキレイちゃんが水浴びしたりお水飲んだり。

日本庭園では雄の鴨ちゃんが頭を水に差し入れ、
お尻を立てて池の底に餌を探しているのがユーモラス。
目の前で何度も何度もトライしてくれて、
見るたびに笑えました。
梅は八重の紅梅が盛り、青空に映えます。

お昼はコンビニで買っておいたおむすび弁当を
ベンチに座っていただきます。売店で買ったコーヒーも。
ぽかぽかしていい気持ち。お日様と陽気が何よりのごちそうでした。

美術館が公園とセットになっていると、
鑑賞した日の風や光や空の色を作品と一緒に思い出します。
駅から歩く道や途中のお店も思い出の一部になっています。

映画「シュヴァルの理想宮」シネマ歌舞伎「廓文章吉田屋」

2020-01-14 13:59:59 | 映画
新年あけましておめでとうございます ! (*'ω'*)

本年もはるばる「ノイバラ山荘」までお運びいただき、
ありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
ご挨拶が遅くなって申し訳ございません。
年末年始ばたばたぜーはーしているうちに、
ほぼ半月たってしまいました。

先週、新年歌会が終わり、ほっとひと息ついています。
映画も1ヶ月ぶりに行ってまいりました。



「シュヴァルの理想宮 ある郵便配達員の夢」

シュヴァルの理想宮( Palais idéal du facteur Cheval)は、
フランスに現在する建築物です。

 
郵便配達員シュヴァルが愛娘アリスのため
こつこつと33年間かけて作り上げました。
不器用な男の精一杯の愛情表現。

 
シュヴァルは最初の妻を亡くし息子シリルを手放さざるをえず、
アリスは後の妻との間にできた娘でした。

    
入り口に書かれた文字より「理想宮」と呼ばれ、
ナイーヴ・アートの一つとみなされているそうです。
幼いアリスは建築途中の宮殿の中を走り回って遊びます。
シュヴァルは次々と襲う不幸に打ちのめされながらも、
ついに宮殿を完成させるのです。


「奇人」と言われ村人の理解は得られませんでしたが、
家族の理解と愛を得、宮殿完成ののちに
死の直前までかかって家族のための霊廟も作っています。

理想宮の存在を初めて知りましたが、すごい・・の一言です。
美術教育も建築技術もない男がこんなものを遺していたとは・・。
自分で感じ自分で考えたことを大切に
ひたすら内部の声を貫いたんですね。

頑固一徹のシュヴァルを演じるジャック・ガンブラン、
妻のレティシア・カスタの演技も素晴らしかった。
「生きる」とはどういうことなのか考えさせられました。

地味な映画の次は華やかな映画です。


シネマ歌舞伎「廓文章 吉田屋」

仁左衛門と玉三郎の黄金コンビによる若旦那伊左衛門と太夫夕霧の恋物語。


何しろ歌舞伎のことは何も知らないので、
冒頭の仁左衛門と玉三郎のインタビューによって
上方歌舞伎やこの作品の概略を知りました。


舞台は遊郭、お正月にふさわしくセットも衣装も華やかです。
勘当されて身をやつした伊左衛門の衣装は、
夕霧の文を張り合わせて作った「紙衣(かみこ)」。
やたら模様に字が多い思いました(´・ω・`)


夕霧は伊左衛門の身を案じて病に臥せり、
紫の「病鉢巻」をしてお座敷に上がっています。
顔の左にゆらゆら垂れていて、あれ、何だろう、
きれいだなと思っていました。

伊左衛門と夕霧が会うまでの長さ。
痴話げんかのあたりは眠くなりましたが、
最後は身請けの金が届きハッピーエンド。

鬱々としてでかけたのですが、
きらきらした舞台の映画を見て
晴々として帰ることができました。

シネマ歌舞伎、今年度の11作品のうち、
4本を見て、残るは「アテルイ阿弖流為」1作を残すのみ。
1週間から長くても2週間という上映期間のため
なかなかスケジュールが合わず行けませんが、
来年度もできるだけ見たいと思っています。