The orthodox civilization is the festival politics of Japan

「安藤真の『世界文明の正統は』」の続き、祭政は人間中心を超え物質文明を越える、これを受け継いでいるのが日本の伝統と文化

汪兆銘政権の理想 1

2014-01-31 09:37:59 | Weblog
                          
 汪兆銘政権の考えていたことは、どんなだろう、なかなか分からない。

 やはり、一種の文人なので、夢みたいなことだったかもしれない、だから、食うや食わずの、当時の中国人民に支持を得ることができなかったのだろう、汪兆銘の友人・胡蘭成さんの言葉に、
 「世界文明の正統は、古代中国の礼楽と日本の祭政政治である」

 ここにヒントがあるかもしれない、21世紀の今になって、この文句の奥義が問題になってきた、なぜなら、ここには、これまでの近代文明に対する問いがあるからだ、それに触れるまえに、近代の成り立ちを考えてみる。

 人類初のシュメール文明の建設に参加しなかった・参加できなかった北方民族の子孫が、現在のヨーロッパ人種・ドイツ・イギリス・スウェーデンさらにアメリカの一部、彼らが、現在の世界をリードしている、だが、そんな彼らは、ホントーのところが分かっているのだろうか、真実・理想・美の憧憬が欠落しているように思える、あの胡蘭成さんは、
 「悟り識が備わっていない」

 世界の中心はイギリスからアメリカに渡ったが、やることなすこと、荒っぽい、堂々として公明正大というわけにはいかない。

江戸の祭政文化 下

2014-01-27 14:00:13 | Weblog
                    
 「チュパ チュパ」
 「チュパチュパったら、チューパーチュパ」
 
 「ワアッー」という歓声が上がる、
 「観音さまだ」
 「慈母カンノンだ」
 感極まったひとりのおとこ、
 「マリアさまだマリアさまがコウリンしたのだ」
 「おまえ、キリシタンか」
 「ぎょえっ」
 「聞かなかった、聞かなかった」
 もうお祭りである、
 「やんや、やんや」

 すっくと立った罪人、
 「みなさん、ありがとうございました」
 「・・・」
 「これで、こころおきなく旅立てます」
 「いよっーニッポンイチー」
 「おはなをそなえてやるぞー」
 「おいらは、みずをみずをあげるぞー」

 役人と町人と罪人は、なみだなみだ、「罪を憎んで人を憎まず」、祭政文化の花が開いている。

 東京の下町を行くと、小さな神社がある、だれもしない、石の上に座りあたりを見る、ふと、人の気配がする。

 江戸のかなしい物語りがうずくまっている、通り過ぎていく、
 「ああーニッポン、祭政の花・祭政の夢」
 「千年の虹・万年の栄光、この階梯(かいてい)を行く者に幸いあれ」

江戸の祭政文化 中

2014-01-23 10:07:31 | Weblog
              
 すると、
 「ようござんすよ」
 あっけなく、受け入れられる、言う方も言う方だが、聞く方も聞く方、そして、それを受け入れたおんな、たうへんな展開になった。

 江戸のおんなの前に、ヒゲの罪人、
 「さあー、ここに座ってください」
 「いいんでござんすか」
 「いいんだよ、さあ、ぼうやは左に、あにさんは右に」

 カタズを飲む江戸の人々、
 「そんじゃあ、失礼いたしやす」
 「えんりょなんかなしですよ」
 「うっうっ、あねさん、吸わしてもれえやす」

 意外ななりゆきにボーゼンとする人々、そして,
「どっ」
と歓声.

 「さっさっ、こんじょうのなごりに、このちぶさ」
 「・・・」
 「すってすって、あっ、すってくんなまし」
 声が上がる、
 「なぜ、花魁(おいらん)なんだ、おかしいじゃあねえか」
 「うるせえー。もりあげるために必要なんだよー」

 赤ん坊と罪人が目と目を会わせ、にっこりと笑って,
 「イエーイ」

 おんなと赤ん坊と罪人のトライアングルを、江戸の夕日が赤く染める。 

江戸の祭政文化 上

2014-01-21 12:20:13 | Weblog
                       
 江戸時代、処刑前の罪人の願いをかなえてやる習慣があった、これは、祭政文化のたまものだろう。

 ある者は、
 「ソバが食いてえ」
 さっそく手配、
 「いいダシですね」
 「よかったな」
 ある者は、
 「飲ましてくれませんか」
 取り寄せる、
 「ああー いい酒だなあー」
 「そうか」
 「五臓六腑(ごぞうろっぷ)にしみわたる、ってのは、このことですね」
 「・・・」
 「うまいなあー」
 「よかったな」
 「だんな、むりしましたね」
 「まあな、ポケットマネーだ」
 「ありがとうごぜえやす」
 「もうちょっとやらないか」
 「いえ、これでけっこうです」
 「そうか」
 「あかい顔だと、エンマさまに笑われちまいまさあー」

 ところが、ある罪人、なんと、
 「チュパチュパしたい」
 おっぱいを吸いたいというのだ、引きまわされている最中に、赤子に乳をやるおんなを見たのかもしれない、役人は、
 「ちょっと頼んでみる」

 言うほうも言うほうだが、聞くほうも聞くほうだ、タモリ顔の役人が乳飲み子を抱えたおんなに近づく。