二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

秋深む

2012年09月30日 | Blog & Photo
コスモスが咲き、曼珠沙華が川土手や田の畦を赤くそめるシーズンとなってきた。そこへ台風の接近。千年、二千年にわたってくり返されてきた日本列島の風物詩といっていいだろう。日本には、江戸期に確立された「歳時記の文化」がある。わたしは俳句はつくらないけれど、歳時記には、比較的若いころから関心をいだいてきた。とはいえ、俳句は江戸期のものしか知らず、あとは、子規と山頭火をつまみ食いした程度の知識しかなく、むしろ教えていただく立場である。雲少し榛名を出でぬ秋の空  漱石 秋天につながる坂をのぼりけり 喜舟かはる夜や心寄せなき秋のくも 暁台 松の幹人を倚らしむ秋の雲 青邨此道や行人なしに秋の暮 芭蕉 門を出て故人にあひぬ秋のくれ 蕪村 初雁に羽織の紐を忘れけり 蕪村 . . . 本文を読む
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死んだウサギに(ポエムNO.89)

2012年09月29日 | 俳句・短歌・詩集
自己嫌悪にさいなまれていたウサギが崖から身を投げて死んだ。十二匹のウサギがそれを見ていた。彼らは仲間の葬式を出すわけではない。満月が昇った。月の表面では きょうもウサギが餅つきをしている。それは一見 とても平和な愉しい光景に見える。一夜明けた崖の縁でコスモスがなにも知らぬげに風に揺れている。「ああ ああ なんて美しいのだろう」 ぼくらはウサギの死を知っている。そうさ・・・だからコスモスはあんなに美しく咲くことができる。シューベルトのピアノ曲「さすらい人幻想曲」あの第二楽章を聴いていると太陽のはしごがゆっくり キラキラと輝きながら天空より降りてくる場面に出くわす。 . . . 本文を読む
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ぞっこんコスモス2012 

2012年09月27日 | Blog & Photo
この時期、郊外の野原を彩る花の代表は、コスモスと曼珠沙華。彼岸花というより、どちらかというと、曼珠沙華という呼称に惹かれる。まあ、昔むかし、山口百恵さんのファンでもあったしね(笑)。曼珠沙華は暗い女の情念のようなものを宿した花、あるいは仏画に描かれる地獄の業火を連想させるけれど、コスモスはどちらかといえば、幼女みたいなパステル調。 ところがどっこい、昨日も書いたように、カメラマンの腕試しにはもってこい・・・千変万化する興味深いたたずまいの花であることに、昨年気がついた。この花を眺めていると、子ども時代へのノスタルジーをかきたてられるのは、わたしだけだろうか? . . . 本文を読む
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コスモス・秋桜・COSMOS

2012年09月26日 | Blog & Photo
ググってみたら、このコスモスは1876年ごろに、原産地メキシコから外国人が持ち込んだ外来品種である。それが日本の風土にあっていたため、またたくまにひろがっていった。多くの日本人がこの花を愛したのは、いうまでもなかろう。コスモスの語源については、つぎのように書かれている。《コスモス(cosmos)の語源は、ギリシャ語の「秩序」「飾り」「美しい」という意味の「Kosmos, Cosmos」の言葉に由来する。このことから、星がきれいにそろう宇宙のことを、cosmosと呼び、また、花びらが整然と並ぶこの花も cosmosと呼ぶようになった。》きわめて単純明快な花だとおもう。半透明な花びらは、陽光になかば透けて、空気の中にただよい出すかのよう・・・。そのあたりをどんなふうに表現とむすびつけたらいいのかが、腕の見せ所といえば、見せ所だろう。順光、逆光、半逆光どれでもOK。 . . . 本文を読む
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秋の雲とヨメナ

2012年09月25日 | Blog & Photo
ようやく猛暑の夏が去り、秋が深まってきた。「暑さ寒さも彼岸まで」とは、昔の人はうまいことをいったものである。上にピックアップしたのは、わが家の北200mばかりの農村地帯にあるゴルフ練習場のネットと、その背景に拡がる秋の空。ネットにかくれた位置に、榛名山がある。こういう構造物があることで、空間のスケール感が表現できる。これはなんてことない写真だけれど、この日は休みで、街撮りにいこうと考えて家を出たが、きびしい残暑のため、気が変わって、BOOK OFFめぐりに切り換えた日の夏雲。ここは牛丼屋さんの駐車場である(笑)。空模様によって、当日の夕方、あるいは明日の天候を占うことができる。根っからの農民だったわたしの祖父などは、野良仕事から帰ってくると、「夕立がくるぞ」とか「明日は雨だな」と、孫のわたしにいっていたものだが、その予想はほんとうによく当たった。 . . . 本文を読む
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「大山康晴の晩節」河口俊彦著(新潮文庫) 書評

2012年09月24日 | ドキュメンタリー・ルポルタージュ
大山康晴は1992(平成4)年7月に、A級棋士在籍のまま、69才で亡くなっている。いまの羽生善治さんもライバルと比較し、圧倒的に強いが、名人位18期、しかも13連覇という大山15世の大記録を塗りかえるとは思えない。 プロ通算1433勝はいまのところ、歴代第1位。河口さんは、この大名人の晩節に焦点をあわせて、本書を書いていて、ずしりとした手応えを感じさせるすばらしい名著に仕上げた。棋士の評伝は、マイミクVINさんにすすめられ2008年10月に「聖の青春」(大崎善生著・講談社文庫)を読んで以来で、あちらが「青春」こちらは「晩節」というわけである。 . . . 本文を読む
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「ヒメ」がつく昆虫たち

2012年09月23日 | Blog & Photo
トップにあげたのは、ヒメカメノコテントウという、非常に小さなテントウムシ。カメノコテントウは逆に、日本最大のテントウムシで、群馬県ではぐんま昆虫の森のフィールドで数回見かけ、撮影もしている。ナナホシテントウの倍以上の大きさがある。この写真の「ヒメ」のほうは、ナナホシテントウの半分ほど。いろいろな斑紋をもったヒメカメノコテントウが棲息しているから、興味のある方は、ググってみたらおもしろいだろう。 わが国では、小さなよく似た種には「ヒメ」の名をつけることが多い。 アカタテハには、ヒメアカタテハがいるしね。 . . . 本文を読む
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いま、そこにある緑

2012年09月21日 | Blog & Photo
日記を振り返ってみたら、軽井沢へいったのが、7月20日。ほぼ2ヶ月、街撮りから遠ざかっている。この夏の猛暑にめげて、とても長時間、日盛りの町筋を歩くなんて気にはならなかった。自由時間はもっぱら部屋にこもって暮らしたので、たくさんのクラシックCDと詩がわたしの手許にやってきた。連休だったが、一昨日は雨、昨日は雨があがって、またまたきびしい残暑^^;昆虫写真はもうシーズンOFFなので、街撮りへ復帰したいのだけれど、切り替えのタイミングがむずかしい。わたしはシリーズものの写真として「植物図譜」をやっているけれど、このあいだ、緑の写真を撮った。トップにあげたのがそれ。ボケがきれいなので、PCの壁紙に使おうかな・・・と、以前なら考えたろう。 . . . 本文を読む
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クレーメルのカデンツァとわが家のアマガエル

2012年09月20日 | 音楽(クラシック関連)
ところで、昨日、BOOK OFFの散歩で、ベートーヴェンの「ヴァイオリン協奏曲」の一枚を手に入れた。指揮アーノンクール&ヨーロッパ室内管。ソリストは、ギドン・クレーメルで、1992年のライブ録音である。「こんなベートーヴェンがあったの!?」ベートーヴェン唯一のこのヴァイオリン協奏曲は、これまでシェリングで聴くことが多かった。内容がびっしりとつまった、やや苦味のきいた曲想なので、若いころはよさがあまりわからず、メンデルスゾーンやチャイコフスキーのような、抒情性豊かで、メロディラインがはっきりした甘口の協奏曲に惹かれていた。もっとも、ハイフェッツが愛聴盤だったから、「甘い」とばかりはいえないとおもうけれど(^^;)はじめて聴いたクレーメルのこの演奏の、なんという自由さ! なにがというと、「カンデンツァ:ベートーヴェン/クレーメル編曲」とある、このカデンツァのことである。 . . . 本文を読む
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花の蔭に潜む殺人鬼

2012年09月19日 | Blog & Photo
ちょっとおだやかならぬタイトルをつけたけれど、これって、カマキリさんのたとえです。カマキリは肉食の昆虫。カマキリにも数種あるけれど、これはオオカマキリと呼ばれていて、夏から秋にかけて、かなり活発に行動するのです。花にやってくるチョウや甲虫、場合によってはハエ、ハチ、アブなども補食。どうです、この面構え(^^;) 共食い(メスがオスを食べる)の光景も、数年前見たことがある。囓って食べるため、人間の眼には凄惨な光景に見え、発見したときは、「うぎゃ!」とのけぞった。生きたまま頭からバリバリ。そして食べかけの遺体をつかんで、血だらけの口をあけ、ニヤッと嗤った・・・ように、わたしには見えたからだ。恐ろしや! . . . 本文を読む
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