二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

「反哲学入門」木田 元(新潮文庫)レビュー

2017年12月10日 | エッセイ・評論(国内)
メルロ=ポンティの「眼と精神」(木田元・滝浦静雄共訳 みすず書房 1966年)を買ったのは、たぶんまだ東京にいたころだから、20代の終わりころ。 サルトルやカミュなど、実存主義と呼ばれる思想家・文学者がまだ、一部の学生のあいだでよく読まれていた時代。 わたしの場合、カミュは高校のとき、親しくしていた友人Tさんが「シーシュポスの神話」の熱烈な信奉者だった関係で、はじめて手にした“哲学書”(本当は文学 . . . 本文を読む
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情報分析官佐藤優に圧倒される

2017年11月16日 | エッセイ・評論(国内)
(けさ方読みおえたNHK新書) 本をお読みにならない方にはよそ事だろうが、夕べまたしてもわたしを不眠に陥れたのがこの一冊!  目からうろこの連続技にページを繰るのがもどかしい思いをたっぷり味わった。 おまけに佐藤さんは重要参考図書をいろいろと教えてくれるので、読書人の端くれとしてインスパイアされっ放し(~o~) インテリジェンスということばは、池上彰さんやこの人がはやらせたのだろう。本来は知性 . . . 本文を読む
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「池澤夏樹、文学全集を編む」(河出書房新社)をめぐって

2017年10月05日 | エッセイ・評論(国内)
いや~、文句なくおもしろい!  しばらくぶりに買った新刊本「池澤夏樹、文学全集を編む」(河出書房新社2017年9月30日刊)を堪能している。 河出書房の「世界文学全集」「日本文学全集」は、新潮社の「クレストブック」シリーズとならんで、現時点での最も注目すべき“文学”の叢書として、ファンから熱い視線を浴びているのは、ほぼ間違いない。 そのことはわたしも知っていた。 池澤夏樹さんはこの分野ではイン . . . 本文を読む
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養老孟司とベストセラー

2017年08月03日 | エッセイ・評論(国内)
(さて、しばらくぶりに、今回は読書のネタでいってみよう(=_=) 「バカの壁」を読んだのはいつだったろう? 名著といえるたぐいの本だとは思えなかったけれど、これは歴代屈指のベストセラー、友人に「おもしろいぞ!」といわれて手に取った。 現代はネットで何でも調べられるから、読書とWebサイトと、いくつかの方向から、再び 養老孟司先生の周辺をうろうろしている(・_・?) 「バカの壁」を読んだあと . . . 本文を読む
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「バルザックがおもしろい」(藤原書店)がおもしろい!

2017年07月01日 | エッセイ・評論(国内)
先年お亡くなりになったフランス文学者山田登世子さんと、同業者鹿島茂さんの対談3本と往復書簡を収めた軽装本「バルザックがおもしろい」(藤原書店1500円+税)を、まもなく読みおえる。 このお二人は現代日本を代表するバルザシアン、フランス文学に多少とも関心をもっておられる方なら知らない人はいないだろう。 お二人とも翻訳ばかりでなく、すぐれた評論・エッセイを手がけていて、山田さんなら「娼婦 誘惑のディ . . . 本文を読む
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人生の達人モンテーニュふたたび ~「エセー」を読み、ボルドーへいこう

2017年06月27日 | エッセイ・評論(国内)
モンテーニュとはなにかというと「モンテーニュは16世紀のルネッサンス期のフランスを代表する政治家兼哲学者。人間の生き方を探求する随筆〈Les Essais レ ゼセ〉(日本では〈随想録〉 または〈エセー〉と呼ばれる)は、その後の哲学界に大きな影響を与えた…」と書いてある。 わたしは政治家も哲学者も、そう好きな方ではないから、これまで近づくチャンスはなかった。 すでに簡単なレビューはUPしてあるが . . . 本文を読む
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私的な、しかし豊饒な領分

2017年06月26日 | エッセイ・評論(国内)
さきに書いたように、このところモンテーニュがおもしろくて、穂刈瑞穂さんの「モンテーニュ よく生きよく死ぬために」を熟読している。 “熟読”だからなかなかすすまない|;゚ロ゚|w  傍線を引いたり、書き込みしたり、数ページ後戻りしたり、と。 ギリシャ哲学やドイツ観念論は大の苦手だけど、「エセー」にはそういった思弁的・観念論的な哲学用語はほとんど登場しない。 時代を二百年以上先取りした思索の人。モン . . . 本文を読む
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「モンテーニュ」穂刈瑞穂(講談社学術文庫)

2017年06月22日 | エッセイ・評論(国内)
保刈瑞穂さんの「モンテーニュ」を読みはじめたばかりだが、途中で寝てしまうのが惜しいようなすぐれた一冊。副題は「よく生き、よく死ぬために」である。 《モンテーニュが、やがてくる文明の時代を準備した人間たちの一人だったことは確かなことだ。そしてその彼が本当の理解者を見出すには十八世紀を待たなければならなかった》(本書86ページ)。 なぜわたしが、いまモンテーニュなのかというと、彼の向こうに、父の影を . . . 本文を読む
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「モンテーニュ」原二郎著(岩波文庫)を読む

2017年06月21日 | エッセイ・評論(国内)
このところ、拾い読みにとどまったり、途中で投出したりが続いてしまったが、原二郎さんの「モンテーニュ」(岩波新書1980年刊)を大変おもしろく読了することができた。 これを手にしたのは堀田義衛さんの「ミシェル 城館の人」にとりかかるための下ごしらえ・・・のつもりだった。 おすすめの一冊、五つ星をさしあげたい! パスカルの「パンセ」は、わが国の「徒然草」「方丈記」とならんで、わたしには手許に欠かせ . . . 本文を読む
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読みおえた本、いま読んでいる本、これから読む本

2017年06月04日 | エッセイ・評論(国内)
(S・モーム「世界の十大小説」岩波文庫・上巻。3回目か4回目の読書となる) これはレビューではない。 読書は写真とならんで、わたしの道楽の最たるもの(^^♪ 本をめぐる個人的な随想(これは半ば死語化しているけど)である。 読書が趣味となったのは、中学2年あたりからだから、写真道楽より数年はやくスタートした。これまで何冊読んだのか、まったくのところ見当がつかない。 ミステリといっても、主として . . . 本文を読む
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