二草庵摘録

本のレビューと散歩写真を中心に掲載しています。二草庵とは、わが茅屋のこと。最近は詩(ポエム)もアップしています。

戦争文学の金字塔 ~伊藤桂一「静かなノモンハン」の衝撃

2022年01月31日 | ドキュメンタリー・ルポルタージュ・旅行記
恐縮ながら、極私的な心情から述べさせていただこう。 戦争文学の代表作といわれるものを読んでおかけねばならない、と思うようになったのはいつごろからであったろう。 吉村昭のノンフィクション・ノベルをつぎつぎと読み、高評価をあたえながら戦争文学への思いが少しずつ高まってきた。これまで読んだなかで、 ・戦艦武蔵ノート ・陸奥爆沈 ・零式戦闘機 ・プリズンの満月 ・戦史の証言者たち ・海の史劇 一が戦史 . . . 本文を読む
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現代において俳人とは? ~城山三郎「部長の大晩年」レビュー

2022年01月29日 | 俳句・短歌・詩集
永田耕衣は1900年(明治33)~ 1997年(平成9)まで生きながらえ、老人ホームで生涯をとじた。金子兜太とならび、長命をまっとうした俳人の代表格。 城山三郎さんは、この永田耕衣が大好きで、最晩年、老人ホームに入所している彼に会いにいっている。三菱製紙高砂工場に定年まで勤務したが、抄紙機に右手を巻きこまれ、三指の自由を半ば失う。 しかし、職歴の最後は工場製造部長の要職についた。 それが「部長の大 . . . 本文を読む
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漂流記って何だ? ~吉村昭「漂流記の魅力」を愉しむ

2022年01月28日 | 吉村昭
う~ん、これはノンフィクション・ノベルではなく、ノンフィクションそのもの。 蘭学者・大槻玄沢が表した「環海異聞」に基づいて、本書の内容を現代の読者に向けてアレンジしている。 最初の方では漂流記がどんなものであるか、6編もの“漂流もの”を書いてきた吉村さんが、江戸期の漂流を、全体として概観している。 しかし、すぐに若宮丸の漂流の紹介がはじまり、彼らの“世界一周”の旅の紹介に移る。 《日本にはイ . . . 本文を読む
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ムクドリの群れ

2022年01月28日 | シャッフル/photos
買い物から帰りクルマで庭に入ろうとしたら、電線にムクドリさんたちが集まっている。 来年度予算でも審議しているのかしら、とても賑やか(´?ω?)  人間社会はウィルスで一部崩壊しかけているけど、この子たちには関係はないのだろう。 糞でそこいらを汚さないでくださいよ~ん(^ε^) . . . 本文を読む
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幕府に殉じた英傑の生涯 ~吉村昭「落日の宴 勘定奉行川路聖謨」の感動

2022年01月26日 | 吉村昭
■吉村昭「落日の宴 勘定奉行川路聖謨」講談社文庫(新装版。原本は1996年講談社刊) 堂々たる長編、しかも充実の一冊である。 いつ、どこでどのように起こった出来事なのかを、あきれるほど細かく、執拗に書き留めている。 場所、季節、年月日、時刻、天候。 それによって、臨場感は確実に盛り上がる。実在の人物が主役なので、想像力だけでいい加減なことは書けない。おそらくは川路聖謨が残した日記を基にしている . . . 本文を読む
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避雷針をめぐるカラスども

2022年01月26日 | シャッフル/photos
カラスどもが群れてポールポジション争いを展開(^ε^)  真ん中にあるのは恐らく避雷針。 群馬は落雷が多いことで有名なのだ。 ここには6羽だけだけど、周りには15-6羽カラスどもがいる。 カラスがふえる、ふえる。たぶん農作物に相当な被害が出ているだろう。 . . . 本文を読む
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「漂流記の魅力」発見(吉村昭)

2022年01月24日 | 吉村昭
3年間探していた本をようやく手に入れた。・・・というのは冗談(笑)。 「漂流」を読んだあとだから、昨年10月13日以降。以前何度か見かけているのに、いざ買おうと思って探すと見つからない。 2003年の出版。 今日BOOK OFFの棚にならんでいたのを発見。 価値ある一冊かどうかはまだわからん^ωヽ* . . . 本文を読む
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男体山遠望

2022年01月23日 | シャッフル/photos
神保原(埼玉県)のJR陸橋から遠望した、奥日光の男体山。 すぐ南に中禅寺湖がある。 あそこまでどのくらいの距離があるのか、70キロは優にあるだろう。 これが男体山だと気づく人、何パーセントくらいいるかなあ(ˊᗜˋ*)  このあたり、よくランクルで走ったからなつかしい。 若いころだけれどね。 . . . 本文を読む
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吉村さんが小説家吉村昭になるまで ~「戦艦武蔵ノート」を読む

2022年01月21日 | 吉村昭
■吉村昭「戦艦武蔵ノート」岩波現代文庫(2010年刊 原本は図書出版社1970年刊行) とにかくやたらおもしろかった・・・と書くと、やや語弊があるかもしれない。戦艦武蔵とともに、兵隊さんや将校その他、1000人を超える人たちが海の藻屑と消えたのだから。 とはいえ、おもしろかったのは確か。 こういう本を執筆していたんだねぇ、吉村さん♪ わたしは断片やメモ、短いエッセイを集めただけの雑録だと錯覚し、 . . . 本文を読む
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写真天国/カメラ天国

2022年01月20日 | Blog & Photo
フィルム写真36枚撮り3本が仕上がった。 しばらくぶりのフォトlife・・・のつもりでUPする。 いわずもがなだけれど、わたしは写真を、日記の挿絵として撮影しているのではない。だからアルバムにダイレクトにアクセスして下さると喜ぶ(^^♪  一昨年も昨年ももう最終コーナーだとかんがえながら撮影していた。今年もやっぱりそんな気分ですねぇ。Kodakのカラーplusを買ったらまた200円ほど値上がりし . . . 本文を読む
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