いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
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戦闘と首相辞任。 a battle and resignation of premier abe

2017-02-10 19:43:35 | 日記
 (1)安倍首相は南スーダンのPKOに派遣した陸上自衛隊にあらたに駆け付け警護と宿営地共同防護の任務を与えたことについて、死傷者(隊員)が出た場合に責任をとって辞任する(resignation of premier abe)覚悟を表明した。

 それだけ自衛隊の国際貢献任務に不退転の強い決意、意思を示したものなのだろうが、これまでのインフラ整備主体のPKO自衛隊任務(戦闘が起これば宿営地に避難する方針)に戦闘行為のともなう危険な任務が加わったということだ。

 (2)南スーダンへのPKO自衛隊派遣は戦闘行為が発生しない平和な環境であることが政府派遣要件とされている。ところが現地陸上自衛隊の部隊が作成していた「日報」に「戦闘」(a battle)があったとの表記があったことがわかり、国会で取り上げられた。

 これにはいわくつきがあり、防衛省がこの日報を一時「廃棄した」と説明していたものが実は電子データとして保管(報道)されていたことが発覚して、戦闘隠しの「意図的な隠ぺいではないか」との批判が出た。

 (3)さらに統合幕僚長が口頭で日報に「戦闘」という表現があれば議論を招くとあらかじめ指示していたことも明らかになった。
 そしてこの問題の国会審議で質された稲田防衛相が「戦闘」を憲法9条に規定する国対国の戦闘を意味する「法的な意味での戦闘行為ではない」(報道)と訳のわからないこじつけ珍問答をやったから、収まりがつかなくなっている。

 安倍首相が南スーダンPKO派遣の自衛隊員に死傷者が出れば責任をとって辞任する覚悟を言っているのだから、戦闘行為の変な解釈、理解、法律論なんか意味のないことだ。

 (4)それよりも日報の「戦闘」がどの危険レベルのもので、現地自衛隊員に危険が及ぶものであったかの精査、解明が自衛隊員の身辺安全、任務遂行にとって重要な判断となるから全容解明が必要となってくる。

 稲田防衛相がやっきになって、むきになって日報の「戦闘」記述が「法的な意味での戦闘行為ではない」かどうか解釈論でこじつけることが問題なのではなくて、PKO自衛隊派遣要件の平和な環境が維持されているかどうかが問題とされることだ。

 (5)この重要なPKO自衛隊派遣要件を判断する「戦闘」を伝える現地日報がなぜか見過ごされて廃棄したとされ、これが昨年12月26日に発見されたとしながら稲田防衛相への報告が今年1月27日と1か月も放置されていたというのは、自衛隊幹部の根幹となる危機管理意識、安全保障問題意識が欠如しているという都合主義を示している。これでは戦前の軍隊と同じ論理だ。

 (6)南スーダンのPKO派遣自衛隊の安全、国の安全保障政策そして安倍首相の冒頭の辞任覚悟にも重大な判断、影響を及ぼす事態を含むものだ。
 稲田防衛相、自衛隊幹部の問題意識の欠如は重大問題だ。

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