いのしし くん。

政治、経済から音楽全般の評論
ultimate one in the cos-mos

羽生将棋の神通力。 supernatural power of habu shogi

2016-06-27 19:57:06 | 日記
 (1)超人(superlative)、天才と呼ばれる人たちは本当にすばらしい。勝てば勝ったで勇気を与えてくれるし、負ければ負けたで勇気を与えてくれるからすばらしい。
 将棋のかって前人未到の全7冠タイトルを保持した羽生善治さん(45)はつい先まで将棋界最高位といわれる名人位を含めて4冠を保持していたが、先の名人戦で挑戦者の20代の気鋭の佐藤天彦八段に4勝1敗で敗れて3冠に後退した。

 最高レベルのプロ将棋界でタイトルを獲得すること自体が至難のことなのに、全7冠タイトルを若くして唯一保持し40代になった現在も3冠を保持するなどとは、羽生さんは超人、天才であることは間違いない。

 (2)その羽生さん(名人)が先の名人戦タイトルの防衛戦でまず第1局に先勝して、第2局でも優勢に戦局を進めていながら、何と2度も「詰み」(勝利)を見落として(解説報道)第2局を失ってしまった。

 解説者もこんな羽生さんを見るのは初めてのことだと新聞の感想記に書いている。名人戦は将棋界最高位のタイトル戦といわれて全7局の1局2日制の長丁場で行われる。

 (3)このレベルになると百手からさらにその先の展開を読み合う戦いで、1手指すのに1、2時間をかけることもある大勝負だ。前人未到の記録の超人、天才の羽生さんにしても勝利の「詰み」を見落とすことがあると聞いて、正直驚いた。

 実は羽生さんは名人としてのこの名人戦の前に挑戦者として別のタイトル戦に臨み敗れていた。それも含めて最近は敗戦が続き不調と見られていた。
 
 (4)タイトル戦は2日制がほとんどで体調維持には慣れているとはいえ、タイトル戦が続けば年令を重ねると超人、天才の羽生さんといえども思うようにならないこともあるのは致し方のないところだ。

 名人戦はこの第2局の羽生さんの「詰み」見落としによる敗戦を境に一気に勝負の流れが20代の若い挑戦者の佐藤天彦さんに傾いて、4連勝で初めて名人位を獲得することになる。勝負の彩(あや)、怖さを見せつけられた。

 (5)羽生さんでもそういうことがあるんだと勇気づけられた訳だが、考えすぎるぐらいの上にさらにさらに考えるとなると、考えられもしないところで見落としもあるということは、どうもプロ将棋界ではあることのようだ。
 逆に「詰まない」のに考えすぎてそう展望して敗戦を宣告する例(報道)もあるそうだ。

 (6)最近のタイトル戦では不調と見られた羽生さんだが、昨日の紙面で参加を決めたコンピュータ将棋ソフト電王戦の挑戦者を決めるブロック戦で2勝して本戦トーナメント進出一番乗りを決めたとあった。

 本来の1局2日制の伝統のタイトル戦と違って「早指し」の対局ということで、羽生さんの地力、判断力、読みの力、早さが十分発揮された結果のようで健在ぶりを示した。

 (7)プロ将棋界でも2日制の長丁場将棋が向いている得意な棋士もいれば、早指しが得意な棋士もいるようで、それぞれの特徴が活かされるのはあの人たちでもそうだと勇気を与えてくれるからすばらしい。

 あの格段に勝率の高い羽生さんでもこれまでに百数十敗はしているのだから、「詰み」を見落とすこともあるのだから敗れて知ることも多いということだ。
 ただし、それだけではなくて新しいことに挑戦して結果を出すというところが超人であり天才というところだ。

 (8)参院選は安倍自民党にすっかり押された予想の野党だが、羽生さんの精神力、神通力(supernatural power 羽生さんでも詰み逃しもあるというところ、それでも新しいことに挑戦するというところ)も見習ってほしいところだ。

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