厳選!ビジネス書 今年の200冊

2008年ブログ開設から、紹介したビジネス書は3,000冊超。
1日2,000PVの仕事力を上げる書評ブログ。

2017年25冊目『「時間」はどこへ消えたのか?』

2016-12-17 20:48:49 | おすすめビジネス書

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評価 (4点/5点満点)

この本が提案するのは、スケジュール管理の単なる手法やテクニックではありません。スケジュール管理においてもっとも重要なのは、「時間とは何か?」を理解すること。その意味で、まず「時間が失われるしくみ」を理解してもらうことを第一義としています。

・進行中の時間によるタイムロスは「所要時間の延長」。停止中の時間によるタイムロスは「開始時間の遅延」と「不履行」。

・進行中の時間におけるタイムロスの原因は「業務スピードが遅いこと」が中心となり、その大きな原因は「能力」の不足と「意識」の不足に大別される。

・停止中の時間におけるタイムロスの原因は「開始時間の遅延」と「不履行」であり、その原因は「忘失」と「放置」に大別される。

また、本書のサブタイトルである、〝「期限」が仕事を遅くする〟というのは以下の趣旨です。

・「余裕をもって期限を設定する」ことが、最短の完了時期を間延びさせてしまう元凶。

・ゴールから逆算してスケジュールを立てるのは、社内業務においては何の効果もないばかりか、反対に時間を無駄にする元凶。

人生の問題は、「本来自分が持っている能力をいかに早く開花させるか」という時間の問題。時間に対する考え方、そして実践的な時間管理術が体系的に整理されており、新入社員はもとより、管理職・経営幹部などの上級職の方にも、参考にして頂きたい1冊です。

【my pick-up】

◎スケジュール帳に記載すべきは、「情報」ではなく「行動」である

本当にスケジュール帳に記載するべき項目とは、「日時が決まっている予定」や「納期や期限」という「情報」ではありません。記載すべきは自分自身の「行動」です。スケジュール帳に記載すべきは、「書類作成」という「行動」と、「書類提出」という「行動」の2つです。この2つの行動を認識すると、「期限」は「行動」ではなく、ただの「情報」ということがより明確にわかります。「書類の提出期限」だけをスケジュール帳に記入するのは、いつ書類作成するかも不明確で、初めから前倒しの提出を考えていないことにもなるのです。

◎「早さ」と「速さ」の混同による放置

もちろん書類作成のスキルを高めて作業時間を短縮する努力は大切ですが、開始時間を早めることには無頓着なのです。書類の作成自体の効率化は追い求めながらも、それ以前に、1時間でも2時間でも早く書類作成に着手するほうが、よほど完了時期を早められる点に気づいていません。「速さ」より「早さ」の方が大切なのです。

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2017年24冊目『セス・ゴーディンの出し抜く力』

2016-12-13 21:14:44 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

原書『Whatcha Gonna Do with That Duck ?』は約600ページのハードカバー。それを日本のビジネスパーソンが毎日の仕事で活用できる内容に絞って1冊に凝縮したのが本書です。監訳者は、『非常識な成功法則』など数多くの著作がある神田昌典氏。

ゴーディン氏の一連の著作は、一般的なビジネス書とはまったく異なるジャンルといってもいいほどに、読み手を行動に駆り立てる言葉にあふれています。彼が重視しているのが、読者に実際に行動してもらうことです。本書も例外ではありません。

また、仕事の多くが将来的に完全に消滅しているか、まったく違う業態へと変化しているであろう近い将来に備えて、今何をしておくべきかを考えるヒントにもなります。

著者はマーケット戦略家であるため、マーケティングに係る内容も多いですが、一般のビジネスパーソンの仕事にも役立つものとして、以下の2つを紹介します。

【my pick-up】

◎ビジネスで成功したい人のための努力リスト

1.生活から1日2時間の「自由時間」を削る。これには、テレビを見たり、新聞を読んだり、ネットをしたりすることが含まれるが、どれを削るかは自分しだい。

2.代わりにその2時間を次のことに使う。

30分間の運動をする、仕事関連の書籍を読む、世話になった人のうち3人に礼状を送る、新しいデジタル技術を学ぶ、ボランティアをする、自分が学んだことについて5分間でブログを書く、最近のよく知らないことについて月に1度スピーチをする準備をはじめる

3.少なくとも週末の1日だけは家族や大切な人たちと過ごし、それ以外は何もしない。

4.1年間、必要最小限のものにしかお金を使わない。残ったお金は必ず貯金する。

◎ビジネス書の読み方

1.読みはじめるまえに、自分がいつもしている仕事について、何か3つ変えると決めよう。そして読みながら、その3つを考えてみる。本の目的は、何かを変えるように読者を説得することではなく、何を変えるかを読者自身が選ぶ手伝いをすることである。

2.せっかく時間という貴重な財産を投じるなら、ぜひそれを生産的なものにしよう。付せんや索引カード、蛍光ペンなどを利用するのもいい。これは忘れないようにするためではなく、やる気を起こすためである。3週間後、もしまだメモしたことについて行動を起こしてないとしたら、時間をドブに捨てたことになる。

3.ビジネス書の唯一最高の活用法は、それを他人と分かち合うことだ。必要な人にその本を手渡し、行動を起こさせる。本は思い出であり、情報の入れ物でもあるが、読む人にやる気を起こさせるきっかけにもなる。

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2017年23冊目『40歳を過ぎたら、定時に帰りなさい』

2016-12-12 20:38:04 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

マイクロソフト日本法人の元社長・成毛眞さん著『40歳を過ぎたら、三日坊主でいい。』(2013年)の新書版です。

この本で提案するのは、〝全力で〟脱力系の生き方を追い求めるための方法論です。

頑張りが報われない時代に、これ以上会社に尽くさなくてもいい。日本の40代以上のビジネスパーソンの9割は、仕事に全力を注ぐ必要はないと主張します。いま、40代以上のビジネスパーソンが考えるべきは、いかに会社で息を潜め、〝外の世界を切り拓くか〟です。ストレスがかからない仕事を選び、健康な身体を保ちながら、趣味やサイドビジネスに全力を注ぐことを目指します。

本書の最終章では、一見不利に見えるミドルエイジならではの「7つの武器」が紹介されています。

1.未来がない

少年よりもミドルエイジのほうが満足するまで好みの分野にエネルギーを注げる。ミドルエイジは先がないからこそ気軽に何でもトライできる。ミドルエイジは先がないからこそ怖いもの知らずになれるのだ。

2.ハングリーではない

精神的に余裕があれば間違った選択をする確率が下がる。何事も余裕があるほど冷静に賢明な選択がしやすい。

3.冒険心がない

脱サラして起業などという大冒険をするのではなく手堅く稼ぐサイドビジネスはちょうどいいのだ。ミドルエイジには冒険心はなくてもいままで培ってきた経験やスキルがある。ミドルエイジもいままでの経験やスキルをもとに自分を売り込めば自分商店は繁盛するだろう。

4.体力がない

ミドルエイジになって体力が衰えてきても、決して悲観することはない。テクニックや戦略など体力以外の力で勝負できるようになったのだ。

5.記憶力が弱い

嫌なことは3秒で忘れてしまえばいい。

6.感性が鈍い

鈍感力を獲得したミドルエイジのほうが若者よりも大胆に対抗できる素地がある。グローバル化の世界では、ミドルエイジの鈍感力にこそ期待できるのだ。

7.ずるい

ミドルエイジは耐性ができている。理不尽なことがあっても、「世の中そんなもんだ」と割り切って考えられるだろう。

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2017年22冊目『カジノとIR。日本の未来を決めるのはどっちだっ!?』

2016-12-11 19:16:25 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

自民党が今国会での成立を目指しているカジノを含むIR(統合型リゾート)施設法案。

そんなタイムリーなテーマに関し、この本ではこのIRの成功こそが2020年以降の日本という小さな島国の経済を再び活性化させるための大きなチャンスであると指摘します。一時的に人が集まるオリンピックではなく、恒常的に海外から多くの人たちを集める装置・・・それがIRだとしています。

また、カジノ=IRという誤った認識を改め、ジリ貧の衰退に向かっているカジノと、国の経済を支えるほどに成長しているIRの違いにも触れています。

第1章から4章までは、世界各国(シンガポール、マニラ、マカオ、フランス、ラスベガス、ニューヨーク)の経緯と最新事情を紹介し、最終章で世界のカジノから、日本は何を学び何を生かすべきなのかを考えます。最終章の一部を抜粋します。

●最も見習うべきは、「外国人による外国人のためのIR施設」

外国資本を導入し、外国人を楽しませ、自国民のカジノ入場は高額な入場料で規制する。国家も国民も労せず、痛まずして、利益の一部を頂戴する方法は取り入れるべき必須ポイントだろう。

●英語力のレベルの低さが雇用におけるハードルになる

大型IR施設が誕生すれば、雇用の増加は当然期待できるが、外資系のカジノ運営企業であれば、英語力があることは大前提となる。日本が英語教育に力を入れて全体の底上げをしない限りは、バイリンガルやトライリンガルの外国人に雇用を持っていかれる可能性も否めないだろう。

●実は、日本人の20人にひとりが「ギャンブル依存症」。自国民向けのカジノはありえない!

入場料や各種規制などで自国民がギャンブルにはまらないようにコントロールしていくことが重要だ。なにより、正解有数のギャンブル大国である日本は、IRの導入を機に多くを改めねばならない。

●IRは旧型社会システムを変える「ラストリゾート」だ!

IRの成功の鍵は、今までの日本式システムを破り、新しい型をつくることにある。だからこそ、外資によるオペレーションが鍵を握ると考えている。もし東京でIRを実現するのなら、いくらお金がかかっても、これまで見たことのないようなIRをつくらなければならない。

つまりIRの真髄は、税金を使わずに街のランドマークをつくることです。あくまでもカジノは、巨額投資をしてもらう企業への担保に過ぎません。そして、そのカジノの顧客は、成熟した都市であるならば自国民であってはなりません。

IR(統合型リゾート)は、今後の日本の社会・経済を考えるうえで、押さえておくべきキーワードでしょう。

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2017年21冊目『効率がすべて』

2016-12-10 21:29:35 | おすすめビジネス書

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評価 (3点/5点満点)

100人いれば20%の20人が優秀であることは間違いないと思いますが、その20人が自分の本当の目標を達成しているわけではありません。20人のうちのさらに20%の4人が、自己実現を果たしているのです。

この本は、「成果につながる報われる行動」と「成果につながない報われない行動」を紹介し、皆さんの行動、そして人生を効率化することをテーマにしています。

成功者は、実にシンプルな法則に従って行動していることが分かります。「96%の人がやっていることをやらない」「4%の人がやっていることをやる」というルールです。誰にでもできるのに、ごくわずかな人しかやっていないことが、成功につながるのです。

掲載されている偉大な研究者たちの名言も、著者の理論の裏付けとなっています。

【my pick-up】

◎「批判される喜び」は行動を速める

批判されたら、「なかなかいい傾向じゃないか」と思うようにしてください。結果を出せない人は、他者からの批判を気にして、共感してもらえるような行動をとります。しかし、結果を出す人は、結果を出せない人に批判されることを、喜びと感じるのです。

◎苦しい道は進まなくていい

望む結果を得る人は、楽な道を選びません。ただし、勘違いしてほしくないのは、苦しい道を選ぶということもしないということです。楽ではないけれど、楽しさを感じながら、努力できる道を選ぶのです。一流のアスリートも、練習を積み重ねていますが、つらいなどと思わず、当然のこととして積み重ねているはずです。私自身、一見過酷なスケジュールを過ごしていますが、つらいなどと考えたことはありません。成し遂げる人は、苦しいことがなく、かつ楽しい道を行くと考えます。

◎「先に与える人は大きな報酬を得る」仕組みに逆らわない

「先に与えること」は、成功のための絶対法則であることは間違いありません。しかし、利他の精神がなく「人に与える」のは、結局、損得勘定で行動していることにほかなりません。自分がある程度満たされていないうちは、人に与えるべきではないのです。また、なんの努力もしていない人、他者に依存するような人に対しては、何かを与えるのは避けるべきです。

◎先駆者の知識とスキルを利用して目標を達成する

現状の自分の中には、目標を達成するための武器はありません。もし、持っていれば、すでに目標を達成しているはずなのです。今の自分では、目標は達成できないということをまずは認識することです。不足しているものを知り、それを補う知識とスキルを学び、ひと回り成長した自分で目標達成に挑むべきです。

◎いい人をやめ、つながる人はエネルギーの質で決める

結果を出す人は、自分の成長につながらない、負のエネルギーを持つ人とはつながりをもたないようにします。努力を重ねている人、成長意欲が高い人、どんなことをしてでも目標を達成するという強い気持ちを持っている人、こういう人はエネルギーが高いので、つき合う価値があると言えます。

◎学ぶべきことがない人と出会わない環境に身を置くことも大切

できる人は、反面教師にしなければならない人と会うこと自体がないのです。そういう人とは、物理的にも精神的にも距離を置き、接することのない環境に身を置きます。より自分が成長できる人とだけ、接することができる世界に身を置くのです。

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