評価 (3点/5点満点)
30代のうちに、あれをやれ、これをやれと書いてある本がたくさんあります。
しかしこの本では、目的を作ることが目的になってしまっているので、30代になったら人生の目標を立てるのをやめたほうがいいなど、やらなくていいこと、やめるべきことを見極める大切さを説いています。
・30越えたら、カラオケは一人で行くべきです。聞きたくもない他人の歌を聞くのは魂によくない。
・30代からはハードルを下げたほうがいい。そうすれば、すぐに自己実現できる。現状より低めに目的を設定すれば、その瞬間に自己実現です。
・テレビは子供や耄碌した老人も見るので、最底辺のレベルに内容を設定する必要がある。バカをターゲットに番組がつくられているので、それを見ればさらにバカになるという話。この連鎖により、テレビ番組は必然的に劣化していく。
・生命保険は、自分が不幸になるほうに賭けるということです。死んだ後の現世のことまで考えるのは、ちょっとやりすぎです。保険なんて、国民健康保険で十分です。高額の生命保険を組むなら、同じ金額を現在に賭けたほうがいい。たとえば、行くべきレストランにまとめて予約を入れるとか。30になったら、保険の解約を検討しましょう。
30代になったら、くだらないものに関わる余裕はありません。くだらないものには距離を置きませんか。社会にはくだらないものが溢れています。だから、意識的にくだらないものを捨て、真っ当なものを選ぶ努力をしないと、人間は腐っていくのです。30代は最大のやめどきと言えるでしょう。
本書の「はじめに」に書いてあった以下の考えも面白いです。
ビールより50円安いという理由で発泡酒を飲むなら、たかが50円で人生を変えてしまっていることになる。そうすると、「発泡酒のような人生」になる。カネがないなら、ビールの量を減らせばいい。安いという理由で、好みではないものに自分を合わせていくとどうなるか?自己欺瞞が始まるのです。「ビールの味に近づいてきたんだよ」って。だったらビールを飲めばいいだけの話です。