当ブログの「歯科相談はこちらから」には、たくさんの方がお口のお悩みなどでご相談を頂きます。
海外から高松まで診療のためにかよって来られる患者さまもいらっしゃいますが、
やはり遠方となると気軽にというわけにはまいりません。
言葉が堪能な方でも、歯科用語などが入った専門的な会話となると、理解しにくかったり意志の疎通がはかりにくかったりいたします。
つい先日も、南西仏にお住まいの方から、ご相談を頂きました。
ブログで読んでいただいた方もいらっしゃるかも知れませんが、一応こちらに転載して話の流れがわかるようにいたします。ご参考になれば幸いです。
***********************************************
●ブログにて
南西仏さん:
海外に住んでいる者ですが、質問をしてもよろしいでしょうか?
こちらの歯医者で、奥歯を抜かないといけないと言われました。理由は、奥歯が曲がって生えていて、その手前の歯の神経に近い部分が虫歯になっている為、その歯を抜かないと虫歯の治療が出来ないと言う事です。もしかしたら、手前の歯も抜かないといけないかもしれないと言う事です。今日本ではなるべく奥歯を抜かない治療をしている歯医者が多いのですが、この場合はやはり抜く以外に治療方法は無いのでしょうか?よろしくお願いいたします。
歯科衛生士 今川:
こんばんは。
コメントありがとうございます。
まず、確認させて頂きたい事が2点あります。
1、抜歯と判断された奥歯は、親知らず(8番)の事でしょうか?
2、抜歯と判断された歯には、虫歯は無いのでしょうか?
虫歯が大きい歯と
健康な天然の歯
今後食事をし、生活をしていく中で、どちらが長持ちするでしょうか??
勿論、健康な歯の方が虫歯のリスク、歯周病のリスクなどが低いです。
もし、抜歯と判断された歯が親知らずなのであれば、永久歯の中で一番若い歯です。
なおかつ虫歯がないのであれば、健康な若い歯ということですよね。
できる事ならば、一番残しておきたい歯です。
神経に近い虫歯という事ですが、虫歯の入った部分、大きさによっては、曲がって生えている歯をまず矯正し、虫歯の治療をするという方法もあるかもしれません。
虫歯の治療を行いやすくし、なおかつ、どちらの歯も残す事ができるからです。
どうしてもどちらかを抜歯しなければならないのであれば、健康な歯よりも大きな虫歯が入っている歯を抜歯し、曲がっている歯を矯正して、まっすぐにするという選択肢もあるかもしれません。
しかし、曲がっている歯の状況
例えば、骨にどのくらい植わっているのか?
根の長さは今後の生活に十分耐えうる長さか?
神経の走行に問題がないか?
なども十分考慮して処置する必要がありそうです。
どちらも抜歯というのは一番避けたい状況ですね。。
南西仏さん:
ご親切な説明ありがとうございます!!!説明が足りなくてすみません。奥歯は親知らずです。その歯は自体は虫歯ではありません。レントゲンの写真を手元に持っているのですが、お見せできないのが残念です。専門家の方が見たら詳しく分かると思います。親知らずだと矯正してまっすぐにすると言うのは難しいのでしょうか。本当にありがとうございます。
たま:
レントゲンをコピーして、メールに添付して送っていただければもう少し詳しくお話ができるかもしれません。ただし、実際にお口の中を拝見しておりませんので、一般的なあどばいすになるかもしれませんが。でも、セカンドオピニオンとしての意見を主治医に伝えることも出来ると思いますよ。
mail:otoiawase@matsumishika.jp
●PCメールにて
南西仏さん:
ウェブサイトで親知らずの質問をしました南西仏です。
本当にお返事いただいて嬉しかったです。
海外で歯医者や病院に行くと、意味が良く分からないので何をされているのか分からないので不安になります。
ある程度会話が出来ても専門用語になるとお手上げです。
詰め物の名前を言われても何が何だか分かりません。
この様に親切にサイトでセカンドオピニオンを聞かせてもらえて本当に心強いです。ありがとうございます。
さて、歯医者さんから写真のコピーを頂いているのですが、コピーをスキャンして送ると真っ黒で判明不可能になりますので、歯医者さんに依頼して直接メールで送ってもらえるかお願いしてみます。その際はよろしくお願いいたします。
普段から食事や生活方法を気をつけて健康が一番重要だと考えているのでこの様な歯医者さんが見つけることが出来て本当に嬉しいです。ただ遠いのが残念です。
写真が手に入り次第送らせていただきますのでよろしくお願いいたします。
南西仏さん:
松見様
歯の写真を送ります。問題の歯は左の親知らずとその手前の歯です。
よろしくお願いいたします。

院長:
写真拝見いたしました。
当医院では下記のように治療致します。
1、左下8番(親知らず)は矯正でまっすぐにおこします。
2、左下7番の虫歯の治療をします。ただ、7番の虫歯は大きいので神経を取ることになるかもしれません。
3、右下6番に虫歯がありますので、こちらも治療が必要です。
4、左下6番の神経の治療が正しく施されていませんので、再度治療の必要性があります。
5、左上6番も同様に神経の治療が再度必要だと判断いたします。
以上が当医院の見立てです。
ご参考になさって下さい。
松見歯科診療所 松見哲雄
南西仏さん:
松見先生
治療内容の説明、こまかく有難うございます。
日本では、歯をなるべく抜かない治療方法になってきていますが、こちらはまだそこまで行っていません。
何故、親知らずを抜かないで残すのか、専門家の立場から先生の見解を教えていただけませんか? こちらの歯医者に説明してみます。
もしそれが無理であれば帰国するしか無いです。
わがままな要求ばかりでごめんなさい。よろしくお願いします。
歯科衛生士 今川:
レントゲン写真を拝見すると、左上8も残っているようですね。
左下8を残すのは、
1.一番若くて健康な歯
2.左上8が残っているので、残せば使える
3.1本でも歯が無くなると、噛む効率が悪くなる
4.高齢になり、歯周病にり患したり、もっと保存が難しい虫歯ができた場合1本でも多い方が良くないですか??
歯を抜くことは簡単ですが、抜いた歯は戻ってきません。
今、難しい処置でも、年齢を重ねた時のメリットを考えると、歯を残すことはとても重要だと考えています。
と院長も申しております。
今川さえ
南西仏さん:
松見様
どうぞ私のレントゲン写真をお使いください。どなたかのお役に立てれば光栄です。
ご親切に情報を頂いてこちらの方こそ感謝しています。
今日歯医者に行きますので相談してみようと思っています。
その結果をまたご報告いたします。
本当にありがとうございます。
***********************************************
途中のやりとりなど、端折っていますが、
一応の流れとご相談に応じた内容です。
レントゲンの向かって右側が実際の左になります。
一番奥の少し斜めに生えているのが親知らず8番(前から8番目の歯)です。
その歯が倒れ掛かって手前の7番の歯と接触しているところに虫歯が出来ておりかなり大きく進行しています。現地での歯医者さんは、この虫歯治療がとても難しい部位であることから奥の8番を抜歯し、7番の虫歯治療をする、さらに、7番は抜歯になるかもしれないという見解でした。
歯を抜くのは、麻酔をして数秒でできます。
この方は、なんとか自分の歯を抜かずに残せないかと考え、すぐには応じずにいてくれて幸いでした。
私たちの見立ては、どちらの歯も残すことができるという見解です。
下手をすると、2本の歯を無くしてしまうところでした。
当院の治療は完全自費診療ですから保険は利きませんが、海外での治療は当然自費診療となります。
同じ自費診療で、歯を残せるかどうかに差が出るのは残念なことです。
日本の保険診療の先生方はどうご判断なさるのでしょうか?
実は、この症例は、松見歯科では決して難しい症例でも何でもありません。
8番の親知らずも、確かに斜めになっていますが、重症というわけではありません。矯正で起こすのにそんなに大変なわけではないです。ただ、7番の虫歯の状態が深い虫歯になっているようなので、神経を露出させないように時間をかけて治療することが必要になります。できればマイクロスコープなどの顕微鏡を使って、虫歯に冒された歯質、つまり軟化象牙質の除去を行っていただければと思います。
万が一神経が死んでしまった場合の処置ですが、根幹治療といいますが、歯根の先までお薬が入るようにしてもらうこと、処置後レントゲンで確認をしてもらうことが必要です。
このレントゲンを見て頂ければわかりますが、もうひとつ手前の6番の歯の歯根(二股に見えている)の中央に白い造影が見えますがこれが神経を抜いた空洞に薬を詰めているのですが、良く見ると歯根の先まで白い筋が入っていないのがわかりますか?
この状態では、空洞のところに細菌が繁殖して、結果的に根先病巣ができたり、歯を支えている歯周の骨がとけてしまったり、歯を残すためには大きなリスクを産むことになります。
院長のコメントにもありますが、この方の場合、根幹治療のやり直しが必須です。そして、もし、万が一今回の治療によってもし神経が死んでしまうようなことがあれば、根幹の治療はしっかりなされることをアドバイスしておきたいと思います。
南西仏さん、どうぞ、主治医の先生とコミュニケーションをしっかり取られて
いい治療を受けてくださいませ。
資料をご提供くださりありがとうございました。

海外から高松まで診療のためにかよって来られる患者さまもいらっしゃいますが、
やはり遠方となると気軽にというわけにはまいりません。
言葉が堪能な方でも、歯科用語などが入った専門的な会話となると、理解しにくかったり意志の疎通がはかりにくかったりいたします。
つい先日も、南西仏にお住まいの方から、ご相談を頂きました。
ブログで読んでいただいた方もいらっしゃるかも知れませんが、一応こちらに転載して話の流れがわかるようにいたします。ご参考になれば幸いです。
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●ブログにて
南西仏さん:
海外に住んでいる者ですが、質問をしてもよろしいでしょうか?
こちらの歯医者で、奥歯を抜かないといけないと言われました。理由は、奥歯が曲がって生えていて、その手前の歯の神経に近い部分が虫歯になっている為、その歯を抜かないと虫歯の治療が出来ないと言う事です。もしかしたら、手前の歯も抜かないといけないかもしれないと言う事です。今日本ではなるべく奥歯を抜かない治療をしている歯医者が多いのですが、この場合はやはり抜く以外に治療方法は無いのでしょうか?よろしくお願いいたします。
歯科衛生士 今川:
こんばんは。
コメントありがとうございます。
まず、確認させて頂きたい事が2点あります。
1、抜歯と判断された奥歯は、親知らず(8番)の事でしょうか?
2、抜歯と判断された歯には、虫歯は無いのでしょうか?
虫歯が大きい歯と
健康な天然の歯
今後食事をし、生活をしていく中で、どちらが長持ちするでしょうか??
勿論、健康な歯の方が虫歯のリスク、歯周病のリスクなどが低いです。
もし、抜歯と判断された歯が親知らずなのであれば、永久歯の中で一番若い歯です。
なおかつ虫歯がないのであれば、健康な若い歯ということですよね。
できる事ならば、一番残しておきたい歯です。
神経に近い虫歯という事ですが、虫歯の入った部分、大きさによっては、曲がって生えている歯をまず矯正し、虫歯の治療をするという方法もあるかもしれません。
虫歯の治療を行いやすくし、なおかつ、どちらの歯も残す事ができるからです。
どうしてもどちらかを抜歯しなければならないのであれば、健康な歯よりも大きな虫歯が入っている歯を抜歯し、曲がっている歯を矯正して、まっすぐにするという選択肢もあるかもしれません。
しかし、曲がっている歯の状況
例えば、骨にどのくらい植わっているのか?
根の長さは今後の生活に十分耐えうる長さか?
神経の走行に問題がないか?
なども十分考慮して処置する必要がありそうです。
どちらも抜歯というのは一番避けたい状況ですね。。
南西仏さん:
ご親切な説明ありがとうございます!!!説明が足りなくてすみません。奥歯は親知らずです。その歯は自体は虫歯ではありません。レントゲンの写真を手元に持っているのですが、お見せできないのが残念です。専門家の方が見たら詳しく分かると思います。親知らずだと矯正してまっすぐにすると言うのは難しいのでしょうか。本当にありがとうございます。
たま:
レントゲンをコピーして、メールに添付して送っていただければもう少し詳しくお話ができるかもしれません。ただし、実際にお口の中を拝見しておりませんので、一般的なあどばいすになるかもしれませんが。でも、セカンドオピニオンとしての意見を主治医に伝えることも出来ると思いますよ。
mail:otoiawase@matsumishika.jp
●PCメールにて
南西仏さん:
ウェブサイトで親知らずの質問をしました南西仏です。
本当にお返事いただいて嬉しかったです。
海外で歯医者や病院に行くと、意味が良く分からないので何をされているのか分からないので不安になります。
ある程度会話が出来ても専門用語になるとお手上げです。
詰め物の名前を言われても何が何だか分かりません。
この様に親切にサイトでセカンドオピニオンを聞かせてもらえて本当に心強いです。ありがとうございます。
さて、歯医者さんから写真のコピーを頂いているのですが、コピーをスキャンして送ると真っ黒で判明不可能になりますので、歯医者さんに依頼して直接メールで送ってもらえるかお願いしてみます。その際はよろしくお願いいたします。
普段から食事や生活方法を気をつけて健康が一番重要だと考えているのでこの様な歯医者さんが見つけることが出来て本当に嬉しいです。ただ遠いのが残念です。
写真が手に入り次第送らせていただきますのでよろしくお願いいたします。
南西仏さん:
松見様
歯の写真を送ります。問題の歯は左の親知らずとその手前の歯です。
よろしくお願いいたします。

院長:
写真拝見いたしました。
当医院では下記のように治療致します。
1、左下8番(親知らず)は矯正でまっすぐにおこします。
2、左下7番の虫歯の治療をします。ただ、7番の虫歯は大きいので神経を取ることになるかもしれません。
3、右下6番に虫歯がありますので、こちらも治療が必要です。
4、左下6番の神経の治療が正しく施されていませんので、再度治療の必要性があります。
5、左上6番も同様に神経の治療が再度必要だと判断いたします。
以上が当医院の見立てです。
ご参考になさって下さい。
松見歯科診療所 松見哲雄
南西仏さん:
松見先生
治療内容の説明、こまかく有難うございます。
日本では、歯をなるべく抜かない治療方法になってきていますが、こちらはまだそこまで行っていません。
何故、親知らずを抜かないで残すのか、専門家の立場から先生の見解を教えていただけませんか? こちらの歯医者に説明してみます。
もしそれが無理であれば帰国するしか無いです。
わがままな要求ばかりでごめんなさい。よろしくお願いします。
歯科衛生士 今川:
レントゲン写真を拝見すると、左上8も残っているようですね。
左下8を残すのは、
1.一番若くて健康な歯
2.左上8が残っているので、残せば使える
3.1本でも歯が無くなると、噛む効率が悪くなる
4.高齢になり、歯周病にり患したり、もっと保存が難しい虫歯ができた場合1本でも多い方が良くないですか??
歯を抜くことは簡単ですが、抜いた歯は戻ってきません。
今、難しい処置でも、年齢を重ねた時のメリットを考えると、歯を残すことはとても重要だと考えています。
と院長も申しております。
今川さえ
南西仏さん:
松見様
どうぞ私のレントゲン写真をお使いください。どなたかのお役に立てれば光栄です。
ご親切に情報を頂いてこちらの方こそ感謝しています。
今日歯医者に行きますので相談してみようと思っています。
その結果をまたご報告いたします。
本当にありがとうございます。
***********************************************
途中のやりとりなど、端折っていますが、
一応の流れとご相談に応じた内容です。
レントゲンの向かって右側が実際の左になります。
一番奥の少し斜めに生えているのが親知らず8番(前から8番目の歯)です。
その歯が倒れ掛かって手前の7番の歯と接触しているところに虫歯が出来ておりかなり大きく進行しています。現地での歯医者さんは、この虫歯治療がとても難しい部位であることから奥の8番を抜歯し、7番の虫歯治療をする、さらに、7番は抜歯になるかもしれないという見解でした。
歯を抜くのは、麻酔をして数秒でできます。
この方は、なんとか自分の歯を抜かずに残せないかと考え、すぐには応じずにいてくれて幸いでした。
私たちの見立ては、どちらの歯も残すことができるという見解です。
下手をすると、2本の歯を無くしてしまうところでした。
当院の治療は完全自費診療ですから保険は利きませんが、海外での治療は当然自費診療となります。
同じ自費診療で、歯を残せるかどうかに差が出るのは残念なことです。
日本の保険診療の先生方はどうご判断なさるのでしょうか?
実は、この症例は、松見歯科では決して難しい症例でも何でもありません。
8番の親知らずも、確かに斜めになっていますが、重症というわけではありません。矯正で起こすのにそんなに大変なわけではないです。ただ、7番の虫歯の状態が深い虫歯になっているようなので、神経を露出させないように時間をかけて治療することが必要になります。できればマイクロスコープなどの顕微鏡を使って、虫歯に冒された歯質、つまり軟化象牙質の除去を行っていただければと思います。
万が一神経が死んでしまった場合の処置ですが、根幹治療といいますが、歯根の先までお薬が入るようにしてもらうこと、処置後レントゲンで確認をしてもらうことが必要です。
このレントゲンを見て頂ければわかりますが、もうひとつ手前の6番の歯の歯根(二股に見えている)の中央に白い造影が見えますがこれが神経を抜いた空洞に薬を詰めているのですが、良く見ると歯根の先まで白い筋が入っていないのがわかりますか?
この状態では、空洞のところに細菌が繁殖して、結果的に根先病巣ができたり、歯を支えている歯周の骨がとけてしまったり、歯を残すためには大きなリスクを産むことになります。
院長のコメントにもありますが、この方の場合、根幹治療のやり直しが必須です。そして、もし、万が一今回の治療によってもし神経が死んでしまうようなことがあれば、根幹の治療はしっかりなされることをアドバイスしておきたいと思います。
南西仏さん、どうぞ、主治医の先生とコミュニケーションをしっかり取られて
いい治療を受けてくださいませ。
資料をご提供くださりありがとうございました。
