つまらん自慢、感服する自慢

だが、前回書いたわたしがこれまでされた自慢なんての、実はほとんどうらやましくない。自分の分をわきまえれば自分に相応することか、自分にあって幸福なことかどうかくらいはわかるんだ。
だから、へぇそうですか、結構なことで。てなもんだ。

わたしがされて羨ましい自慢というのは、例えばこんなの。
実際にされたことはほんの少ししかないが凄く羨ましかった。

レッド・ゼッペリン（パープルでも可）の初来日公演を見た。
ジェフ・ベックがスタンリー・クラークと一緒に演った公演を見た。
８・26夢のオールスター戦を武道館で見た。
ＢＫＯの三連発を甲子園で見た。
最初のつま恋に行った。
新宿騒乱で電車をひっくり返した。
なんての。

自慢しだすとしばらくやり続けるので注意

いままではこれしか持ってなかった。
知っている人は知っていようが、今回の入手でベルトが４本になってしまった。
一気に４冠だ。すげぇだろ！


今までの人生で自慢できることはなかった。
自慢されたことはたくさんあるよ。
やれ、
今年の年商は一億を超えた、
チョコレートを何個もらった、
わしはベンツに乗っている、
ドル箱を７つ積んだ、
クリスマスはダブルヘッダーだった、
甲子園でヒットを打った、
部屋の扉の前で女がかち合った、
あの時、かき棒を折ったのは自分だ、
共通一次テストの数学で満点をとった、
ビルの上から下まで全階の女とやった、
やくざに話を通してやる、いつでも頼め、
あの娘は実はおれのことが好きだったらしい、
わしが話を通して○○を下がらせた、
まぁ虚実入り混ざっていようが黙って聞いてきたもんではある。
黙るしかないさ、こっちには自慢するだけの材料がない。
いやなかった。

やっと手に入れた自慢できる品だ。大目に見てくれ。