岩窟竜王/新居浜祭り

 ほんとうにそうかな? ©澁谷かのん

従軍レポート№8.5(ダイアローグ編)

2020-12-02 | レビュー2015(羊)
----(遅ればせながら)振り返る心境になったよ。何年も放っといたけどやらんよりましだ、課題を提出するとしよう。
----振り返られる心の強さを得たのかな、それともどんな惨状でも「ないよりはまし」という事実を了解したのか。嫌でも直面せざるを得ない事実を突きつけられている昨今だ。
----ま、そこはあまり追求しないでくれ。君だってそう言いながら口元が歪んでるぜ。
----かもな。どうかしないでも来年も厳しいし。まぁそれはともあれレポート8を「脱稿」させようか。
----じゃあ前稿の続きから。

----もうちょいじゃあ、はいいんだが、そのちょっとが無理ゲーだった。確かに大江の丸太鎧はぐらぐらで粉砕寸前と見える状況ではあった。
----けれどもだな、丸太鎧を吹っ飛ばしたとしてもだ、さぁ長胴のご開帳、オープンセサミ~とはならんのだよな。
----何㎝の厚みかわからんが鉄板が貼り付いてたんだもんな現実。そんなのどうやって粉砕すりゃいいの?
----鉄板の前にゴム鎧があったとも聞くし。
----おやまぁ実に念入り、ご丁寧だね。
----ステンレス端管をいくらぶつけたって鉄板を突き破るなんてとても。
----いい気になってぶつけ続けてるとそのうち悪い状況も訪れる。鉄よりもステンよりも、弱い箇所に負荷がかかるんだよな。担き棒は木。
----端管と棒の継ぎ目でもげてしまうんだね。ありふれた症状だ。
----指折って足りないくらいあるな。端管合わせの際でも吹っ飛んだのを見た、一回や二回じゃないよ。
----でも根元から骨折なんてのがあるとは。
----当たり所や角度によっちゃあるんだな、ていうかあるのを学習したよ。端管ならまだ困惑で済むが、あんな損傷だと戦意大減退だよ、たまらんわ。
----おまけにああなったらこの棒折ってくださいな、だよ。下がった棒に取りつく担き夫はいなくなるしな。
----破線で切れ目が入ったトイレットペーパーみたいなもんだし。
----そこで相手は今更ながらの棒折りマイスターの大江だ。離断させるに造作はなかったろうさ。
----ほぼ同じくして端管も吹っ飛んだし。
----錨会のIさんがジャージの裾に包んでいたなあ。仕方なく拾い上げたんだろうなあ。なんとも嫌な回収作業だったろうに。

----その辺からもう無抵抗状態だったね。あとはなんとか凌ぐだけ。下がるな、退くな、だけが目標になってしまった。
----下がらなかったのは立派だけどそこまで。前には出られなかったものな。
----出たところで追加で棒を差し出すのと変わるところがない。
----1が2になり、3が4になるだけだろな。
----あっちは4まで行くつもりだったとか。
----業腹だ、いい気になってやがる。
----しょうがないよ、その時点だと勢いの差は10-0に近い。

----情けをかけて貰ったんだろうな、大江が来るのを止めたみたいになった。
----止めてくれたんだろ、正直なところ。
----そろそろ幸運が来てもいい年回りだったとも思ったが。
----序盤は優勢だったのにな、惜しい気はする。スタミナの総量差かな。
----勝つ、負けるわけない、っていう腹づもりの差じゃないのか、ぜんぜん具体的じゃないけども。

----時間が長かったくせに、だれたところのない好試合ではあったよ。
----口屋が激励してくれたのは嬉しかったしね。
----二台の隙をついて東町以下が境内入りしていったのも面白い光景だった。
----昭和の昔ならそのまま乱入、参戦しそうなもんだ。少なくとも通りで観戦しただろうなあ、軽い臨戦態勢で。
----江口の動きは「ご愛敬」ですかな。
----んまぁ、その気なら出待ちしていた中須賀の横にでも据えときゃよかったわけだから。
----そこまでやる意義はなかったんだろね。

----前にはあった悲壮感がないのがよかったとは思うよ。
----心理的に追い込まれてなかったせいかな、優位じゃないけども。
----それでああいう結果というのはまぁ、あれくらいが掛け値なしの「力量差」だと思ったよ。簡単には埋められない溝とね。
----そうかもな。棒の数がスコアや勝ち点ってわけじゃないけどもそんな感じかと。
----前回と前々回に比べると浮き足だったところがなかったけど戦法に変化があったわけじゃない。腰を据えて気合いを入れてぶちこめば、うまく行くかも~な運頼みは残念ながら失敗した、ということか。
----動揺と焦りに苛まれたままの2011みたいな勝負よりもやり尽くした感はあったからかな。力を出しきって負けたのだからある意味気持ちがいいし、何かを得るものはあったよ。
----天気や時間や場所、(気に入らないが)結果も受け入れてしまってのこと、’00年代随一の好試合だったともいえそうだ。
----中須賀にも〆が着いてればほぼ文句なしだったかな。


----大江はあの後、境内入りして大喝采だったらしいじゃないか。
----聞いた。不埒な悪党を成敗して来たぞぉって感じだったんだろね。
----しつこく絡む酔漢をちょいと投げ飛ばしてきた、遅れてすまんな、お待たせっ、てなもんかも(苦笑)
----こっちはもう惨めなもんだった。秋空はつるべ落としで暗くなってくるし、タイコの見映えはひどいし、担き夫は漸減していくし、花園に着いた頃には30人居たかなあ。
----たいした怪我人ださずに帰ってこれたのは不幸中の幸い(奇跡?)みたいなもんだったんだろうが、出立のときにこんな戻り方になるとは想像してなかったろうなぁ。
----こんどはうまくいくと根拠薄弱で思い込んでたんだろう。悪くても惜敗くらいに思ってたか。
----そこから解体と片付けとヤケ酒が待ってる、気分は2グラヴィティだわな。
----尋ねたわけじゃないんだが、青年団諸君はどう思ってたんだろう。放心状態か、もう足りたと思っていたか、とことんやったると拳を握りしめたのか。
----今回で付け入る隙あったと思えばもう一丁だろうし、まだ何枚も上かと感じたらもういいかと思っただろう。人によりけりだろうな。
----といっても次年は(おなじみの)休みだ。何度目かの臥薪嘗胆だね。
----隔年運行が通常になったよね。いつになったら船に乗れるやら……。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

従軍レポート№8(文学編)

2015-12-29 | レビュー2015(羊)
雲など一筋も見えない、秋空は晴れ渡っていた。
今年は遅番なので時間が遅めと高をくくり、酔眼でうとうとしていた。バリューへ行く余裕があるやもとすら思っていた。行かなくてよかった、危うく遅れるところだった。
まだ早かろうなと思いつつ広銀まで下りたら口屋がいた、それはよし。江口もいる、それもいいのだ。そこで目を西へとやるとどっこもいない、今なら西原が遠くに見えている時間だろうに。人影さえほとんど見えない。まだ花園でのんびりしているのか? と思って迎えに行ったがそこにも。はてと思っていたら知人から「もう行ってしもたよ」と声がかかったが、果たしてどこへ消え失せたのか、中須賀は?
とはいえそこまでの昭和通りにはいなかったのだから、南へ行ったのかなと考えて向かうことにした。少々上がっていくと、そこに水色の房を抱いたり白い伊達巻きのくくりんを抱えた青年団諸氏が自治会館へデポしにいくのを見た。なんだそれ? 一瞬混乱してのち考える、これは脱いでいるわけだ、幕を持つ者は見えないが急がなくては。
市役所通りを目指して進むと足早に駆け抜ける観客が遠目にできる。何かある! 間違いない。裸で行くつもりなわけか。相手を迷う必要もないが、こうなると中須賀がどこまで進んでいるか、自分がどこからコミットできるのかだ。くくりんや房の班とすれ違った場所を考えるとそんなに遠くにはいないはずだが焦る。交差点を曲がってやっと前方に中須賀を発見できた、愛媛信金の手前あたりで合流する。ふぅ、どうやら間に合ったと、その意味では安堵する。準備に立ち会えなかったのは残念だが、ここから後が問題なのは誰にでもわかる。
しかしどうしてやることにしたのかがよくわからない。当初からの決定事項だったのか、それとも昨日のスプレー事件に感応したのか。大江浜でも花園でもそんな素振りはなかったし、なにしろ雰囲気はなかったのに。
ははぁー。Why? はよくわからないが、When? とWhere? は少しわかる気がする。今、此処でなら敵と大きく違う人数の差を最小限に留めておけると踏んだのにちがいない。ヤルゾヤルゾと話が詰まっていた一昨年の17日、黄色集団の数にはいわくいいがたいお手上げ感を持たされてしまっていた。行くぞ来るぞ、なんて話があるとまたあの大集団が湧いてきて、対峙し対決するのはいかにも気が進むまい、レギュラーな人数の差なら埋めようがあると見込んだか。なるほど正解に近似かもしれない。ただし、それで敵は増えないとしても味方も同じことだ、隠密で増やすには限界がある。大丈夫だろうか、このままでも大江の人数は倍近くいる、考えるのは嫌だが応援も大江の方が多く強い、これからHow? が問われるな、覚悟してかかれ。
神社交差点の南に目をやると東町がミュージに向かうべく進んでいる、大江の姿は見えないが、銅鳥居あたりだろう。まだ交差点北にいた新須賀久保田等が異変を知り粛々と南へ向かった。中須賀の襲来は当然伝わっていて、大江はミュージ内で脱いでいるらしい。重い鎧の常時装着や担ぎ棒の編み込みの常態が、こんな時に生きることになるとはあちらも苦笑だろう。出てくるのに時間はそう要しないはずだ。
中須賀も裸になっただけ、その意味では高欄がないことを除くと午前中とまったく変わりない。これから困難に立ち向かうわけだが、一昨年にあったような悲壮感みたいなものがないのはいい。出立の際にあったはずの葛藤も感じられない。淡々としているし闘志を静かに燃やしているように感じる、気合が先走って足が地に着いてないことが多かった過去を思い出せば、ずいぶんと好材料だ。泰然自若か? それはちょっと言いすぎだろうな。
金栄が行き、江口が交差点北で詰まった頃、ミュージの出口が騒がしくなってきた。おっつけ機動隊も来た、これを喧噪をいわずして何といえばいいやらだ。そろそろ出てくるのだろう。やはり思ったより早い。これから150分1本勝負、358発の戦いになるのだが、そこにいる誰一人としてそのことを知らない。
あぁ出てきた、歓声が巻き起こる。一宮ミュージ史上でも最大の歓声に違いない。相手側への声援かもしれないが、ふん、かまうものか。おやおやくくりんが付いていて天幕もあるとは意外だ。それでいいんだな、オーケイだ。あたりの気温が何℃か上がったような気さえする。
さあやろうか、来いよ。出てきた大江がこちらを向いた。これから、良識ある他者に誤解されること多く、善良な紳士淑女から蛇蝎のごとく嫌われる光景が、堂々と展開されることになるのだ。観光推進派のひとつのシンボルである一宮ミュージの目前で、無いものとして扱いたい事態が始まる、なんと皮肉なことか。
大江が西に向きなおるとこちらも動き出す、猶予はここまで。いつものことだが肌が粟立つ。一発目からいきなりの強いアタックが来る、二度三度と続いていく。一昨年みたいな休憩はとらずに何度も何度もぶち当たる。空振りも端管同士のあたりも少ない、正確に鎧か横棒のどちらかには当たっているのだ、相手もまたそうだろう。
口の中が酸っぱくて気持ち悪い、胃液がせりあがってきたらしい。こんなことは初めてだ。向こう側に機動隊車があることで大江の動きがままならないのじゃなかろうか。この機会を逃してどうするってものだ。気がつくと大鳥居を超えて10~15メートルほど東にまで来ている。中須賀がこの場所まで来たのは何十年ぶりに違いない。いまのこの状況はまちがいなく押している。そう感じたのは自分だけではなく、上から、横から、後ろから、大きく声がかかる。こんなに声が聞けるのも初めてだ。
「いけるぞー」そうかもしれない。「ええ感じじゃー」そうだな、確かにそんな感じだ。「もうちょいじゃー」何がかはわからないが、そう言う彼は親指と人差し指を開閉させている。「やったれー」おぅその通り!。「肩入れとけよー」それが大事よ。「勝つぞー」勝つわい。「ぶちこわしたれー」あぁそうしたいもんだ----。
   To be continued ?
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

従軍レポート№7(難癖編)

2015-12-11 | レビュー2015(羊)
相変わらず持ち上げられて結構なこったな。
祭りがあって、やれて、勝って、宮入までして、来年もありそうで、言うことないよな。
あんまりうまく行きすぎだろうに、そのうちバチ当たるぞ(是非当たれ)

中須賀が来てるのがわかったのが市役所通りにさしかかるとこあたりらしいが、そこからすぐ来るのは嫌だったのか? 横綱なんだろ、猫欺しとかすると非難される立場の。いったんミュージ入って時間稼ぎしたわけか、房と幕のけるだけならその場でもOKだったんじゃないのかね? その間何やってたんだ。神輿まで退けさせてご立派なもんだな。
結局時間を稼いで何やったかっていうと状況把握したかったんだよな。中須賀に武器がついてるかどうかよくわからなかったんだろ。延長棒やら横棒があるのかないのかを見るためにミュージに一時避難したんだ。違わないよね。
事実はなかったわけだが仮に付いてたらどうしたんだろうな。〆は外すだろう、それは当然でいいけども、それで出てこれたかねえ。まさか延長を取りに戻るのは時間もないしかっこ悪いからなあ、さりとて出てこれないとなると今までの啖呵が一気にしぼんでしまうかもしれないし、厳しいところだったんじゃないの?

結果オーライでよかったよな。
今年はこんなところにしておく。

「あれ」だったんだろうなあと思う契機がある。始まって20分頃だったか、そろそろ疲れてきて休みがほしくなった頃だったな。ついでに言うと、もしこのまま終わったら判定で優勢勝ちとしてもらってもいい戦況の頃だ。
中須賀がいったん20メートルくらい西へ引いた時な。間髪を入れずってやつなのかな、勝ち逃げ許すまじなのかな、こっちは全然疲れてないわいなのかな、もう休みたいんかぁなのかな。すぐさま追いかけてこられた時のことな。
こっちが休みたいんだから向こうも休みたいはずだ、ちょっと一息入れるだろ----と考えていた甘っちょろい頭に水ぶっかけてくれたわ。恐れ入った。
あれ以前は優勢だったことを威張ったうえで、そこから劣勢になったとも認めざるをえない。あそこは脱帽だ、流石と思わされたよ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あんなの以外にもそりゃあ見たんよ PT3

2015-11-08 | レビュー2015(羊)
落ち穂拾いになりますが。

●大江浜にしても一宮境内にしても(*16)すさまじくダメージを受けそうな土埃だったね、大江浜ではほとんど入らず一宮にはまったく入らなかった中須賀は結果的に埃を浴びることなくその点ではおおいに得をした。

●いつお家に帰るのかと思われた松木坂井は、あに図らんや結局駅前ミュージアムから三日間出勤および帰宅した様子。とはいえこれは松木坂井だったからこそ可能だった話で、来年の当番太鼓はどうするんだろ?

●今までいろいろ見てきたけれど端管は下泉が一番長いのじゃなかろうか。そのうちにメジャーを逐一当てて記録をとって検証してみたい。

●寄せ担ぎ(*17)は飯積の独占的超絶技と思えていたものだったが、M2会場において大生院が何度も披露するうちに岸ノ下と萩生西が習得した技である。山根G会場で前記二台が主導して中萩全体が演技するに至り、これを見倣った船木ものちに習得しえたものである。
中萩と船木の間にあって角野泉川は寄せ担ぎ空白地帯というべきものになっていたが今年、松木坂井はマルナカ会場にて長野に手ほどきを受けた形でこれを成功(*18)させた。
これにより松木坂井から泉川へ、そして角野へとさらなる拡散があるかはおおいに注目されよう。おそらく来年もマルナカでは東田あたりが挑戦するだろうし、池田あたりにリードされる形でなら成功できそうだし、何年かするうちに泉川も寄せ担ぎの技を手中にしうることだろう。寄せ担ぎは超絶ではあるものの独占的な技ではなくなってきている。
伝播の常として、源流の飯積とは指揮やかけ声に違いが見られる。飯積流というべきものと中萩流は違いがあるし、船木流もまた違う。師弟関係とでもいうならば泉川は船木流と称しなければなるまい。もし角野が寄せ担ぎ技を取得するならば薫陶を受けるのは中萩からになると思われるが、はたしてその日は来るのか。

●西町、松の木、東浜、阿島、松神子、白浜、田ノ上、楠崎、北内
以上(*19)が今年の未見。遠目だろうと視界の端だろうと見たものは見たことにしてある。

●河川敷で町と宇高の「小競り合い」を見ていたら、モノが数回飛んでいた。胴間声での「モノを投げない!」との注意は風情だったりスパイスだったりするけど、そのとき飛んでいたのは飲みかけのお茶のペットボトルなのだから安全な時代になったものだ、額にあたってもボコンと音がするくらいで済むのはありがたい。

●来年のお楽しみはやっぱり、
どっかはいじったのか?の高祖と、全部替えました!の中筋ですよね。

(*16)山根にしても河川敷にしても八幡にしても。
(*17)父は「蟹」と評していた。きっと渦井川の川原で見たこともその理由のひとつだろう。
(*18)おそらく松木坂井のおっさんだろうが並んで差し上がったときに、やったあ!と歓喜していた。よかったねえと言って肩をたたいてあげたいくらいだった。
(*19)大生院は入れていない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あんなの以外にもそりゃあ見たわね PT2

2015-10-31 | レビュー2015(羊)
その工場前で、中須賀が高欄そのものまで外していたのはちょっとねえ。パンチを打つにせよカウンターをもらうにせよ、高欄や高欄幕にかつんと当たるのは勘弁だろうからそれもわかるんだけどさ、ちょっとね。
それを避けるべく西原の青年団が採ったのが正面の上幕と高欄幕を外す手段で、これも初見の新機軸ではあった。

中須賀といえば松の木で今年は休み。これを不憫に思った東雲の指揮者が手ぬぐいを首巻きしていたのは少し胸熱。逆の立場だった一昨年の返礼もあることだろう。東雲が全員だったのに沢津は一名だけの着用にとどまった理由はいろいろ想像できる。2016の中須賀が休みだからと口屋や西原にこんなことは望めまいと考えるが、これは川向こうと文化が違うんだ----としよう。

その西原青年団のジャージだが、これにはもう呆れた。紫をあんな濃度にしては高貴さからほど遠くてせっかくの禁色が台無しだし、下は白にしないとどうにもいかんだろう。鯉口上下の同色なら(*5)まだしもジャージ生地で同色は痛恨だな。友紫会のおっさん達の方がかっこよく見えてはまずいだろ、ヤングメン。江口が重旗を戻したのに西原はやらず状態では、センス悪ぃー太鼓の誹りを一点に受ける覚悟をしたのか?
旗は戻っても(*6)江口もまだだめだ。鯉口の上にジャージを羽織るという着こなし最悪レベルの者(*7)がいた。アイボリーな色はちょっと感心したけれど。今年は東町の衣装が最も優れていたと思われる、余計な装飾はせずシンプルな方がよい。

その東町が実質のトップバッターだった一宮ミュージには客船ぱしふぃっくびいなす(*8)の現地ツアーが訪れていた模様。所得の高い客が多いはずなので通りに近い良席で観覧していたと思われるが、黄色い異様な一団が緊迫して通り抜けたり、赤い重だけの臙脂色の一団が押し寄せてきたりしたのを見た彼らが新居浜をどう曲解したのかを考えると、少しばかり下を向いて恥入りもする。

その一宮ミュージは日曜日にもかかわらず空席が目立つ客入り。ケンカ見に下りていったりする客層じゃないしね。AブロックBブロックとか、落とさない時間により金竜賞を授与する趣向もどうなのか……。口屋に乗せられていたオリンピックなんやら室長とかもどこか迷惑そうだった。そればかりでない。見た感じイレギュラーな状態の二組の太鼓台をぶつけ合っているらしい光景はともかく、それに歓声を送っている人達に対して彼が持ったに違いない素直な疑問をどう解消してあげればよいのか(*9)と思うと……。

その東京オリンピック、真偽や可能性はどうでもいいが長野に行ってもらえればいいじゃないの。目指すぞぉとの意志おおいに結構、ああいう表明の仕方を含めて尊重するよ。

オリンピックといえば金メダル(*10)で、金が好まれる(*11)のは仕方なく、いろんな部品が金色へと浸食されている近年なのだが、ここまで来てしまったぞの金色化が松木坂井の旗竿(*12)、今まで気づかなかったのだけど困ったもんだよなあ……。


金といえば金栄、指揮者の手旗の持ち方がよかった。進行方向右の指揮者は右手に、進行方向左の者は左手に持っているのは、収まりがよく(*13)て絵的に好ましい。利き手でないとやりにくい面もあるだろうが見た目を優先しているわけだ、立派(*14)といってよい。
名札を木でこしらえてきたのは地味だが、お主なかなかやるな、である。

木の肌の色は茶色、というわけで、多喜浜新田が茶色の鯉口シャツを着用していたのは興味深かった。金子とで新田茶色同盟がひそかに結成されていたことになる。多喜浜が少しは意識しているのかもしれない。角野を含めて(*15)の同盟完成は……望み薄かもね。

その角野新田のアンシンメトリーな衣装は面白い。差配したのは日ハムファイターズのファンかもしれないな。


(*5)スタイリッシュではなく美しくもないのだが。
(*6)慶事。何度でもいうよ、よく戻してくれた。はるかに綺麗だしやっぱりよく似合っている。
(*7)東田にもいた、だらしないから止めよう。
(*8)今治に寄港中だったらしい。
(*9)どう糊塗すればよいのか、どうごまかせば良いのか、が虚飾のない表現である。
(*10)参加選手が「日本人はメダル気違い」と揶揄したのもどこ吹く風。この病はますます悪化し重篤化している。この風土病は未開発国に特有のものだと思っていたが違うらしい。
(*11)キン:goldでもカネ:moneyでも。
(*12)喜光地の初期でみられた金色の貫きとは造作が違う。
(*13)いざ差し上げんという際に特に顕著。
(*14)ただ新機軸ではないはずだ。土居の小林(ほかにも?)に倣ったものだろう。
(*15)西条の福武まで入ったりするとファビラスなんだがね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

あんなの以外にもそりゃあ見たので PT1

2015-10-27 | レビュー2015(羊)
江口&東町について少々。お互いに悪くない着地点でしょう、ね?

以前に拙稿『ヤル理由』で展開したようにやっちゃあいかん今年だったけれど、ここまで多くの耳目の前で第一幕第二幕を見せてくれた今となっては、以後はやってもよし、となる「因縁あり」関係に転化したと見ている。誰にでも見える形で因縁があるのがわかればOkayなんだな。私的な理由によるのではインヴィジブルでよくないのだけど、いったんヴィジブルになったらお墨が付くと考えているんだ。

さて、終いやらずでは腰抜け扱い(*1)してくる浅薄な輩は無視で。江口は、番付が上の相手と向き合うのはなまなかな覚悟ではできないことをアトラクション体感しただろうし、経験値がちょっと入ったことだろう。素振りだけみせてそのじつ本気度は??との疑義もあるけれど、そんなプレイ(*2)もあるさ。やらんのだったらおとなしくしとけ、という上から目線の批判もまたあろうけれど、そんなの柳に風~でいいよね。
大江浜で着車のまま最低限のお愛想だけで済ましたのは案外すごいことだ。もし昔の(*3)大江ならば、礼を逸した行為としてかなり怒るぞ。あれが許されるのは中須賀西町いいとこ西原まで(*4)で、江口がさらりとやってのけたということはだ、しっかり西方認定されました----祝!立ち位置決定、てなものかも。めでたいかどうかや、本人達が望んでいるかどうかは訊いてみないとわからないけどね。

来年には東町との話はしぜんと消失するだろうから、本業回帰でがんばってもらうのが望ましくはある。いやそれでも、と仰るなら西町と二台で東町を攻めてみるのもまた一興だけれど、素直にバトンを渡すとしておこうよ。五分五分でやらせるのが当世風なんだろうからね。
しかしだ。江口が本殿廻りしなかったのはちょっと記憶にないが、大丈夫なのか。年寄りからお小言をもらうんじゃないかね。あの1984はやらなかったような気もするがどうだったっけなあ?

一方、東町はどうしても避けにくい2016に向けて種火を灯しておいた感じかな。エンジンをアイドリングで暖めておければ可だったというところかと。緑色と水色が寄っていく場面は色が綺麗な取り合わせで見目麗しいので、今年限定に終わりそうなことは少々残念ではある。
ボスキャラが来年登場するのはみんな承知していることだけど、パーティ内に心強い味方がいるのかいないのかは現時点では不明で状況はいつもながらの流動的、確定も遅いんじゃないかしらん。
ほぼ完全武装と思えた17日と打ってかわって18日午後には横棒補強も縄の編み込みも端管ソリも撤去し、すっきりとして綺麗な姿だったのは高く評価したい。18日になると横棒カバーまで追加した江口と比するまでもないことだ。
全裸の中須賀の目前を心持ちゆっくり気味に通過していったのは、大江の時間を稼いでやろうという趣旨かもしれず、さすがの振る舞いと見た。青ざめて急いでいた風だった新須賀や久保田とは性根の据わり方が少しばかり違うのだろう。
まったくの仮定だが、中須賀大江戦が行なわれてなかったなら東町も通りまで出てきたのでは、と考えるがどうだろうか、車の有り無しはともかく。また、大江が境内に入らずに帰ってしまっていてもあったかもしれない。……タラレバすぎるか。
工場前では東方から口火を切って動き出すのを久しぶりに見せてもらった。2016もやってくれるかね?

その工場前で……PT2に続く

(*1)馬鹿をこじらせた人だとやるやる詐欺っていうんだってね。ネーミングした奴はともかく、喜んで使う人のおつむを疑うわ。
(*2)遊びや芸にはバリエーションが多い方が楽しめる。
(*3)東町が全裸の台車付きで入った'93年でさえ、かなり機嫌を損ねていた。東町は非常事態であることを理由に押し切ったが。
 (*4)仮に金栄がああしたと思ってくれ、ちゃんと車を徐けて入れ!ときびしく叱られそうだろ。下手すりゃきついお仕置きが。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

従軍レポート№6(TPO編)

2015-10-21 | レビュー2015(羊)
TIME
開始時刻はベスト。中須賀が帰落した時刻でもまだ夕闇前となる試合時間はいささか以上に長いが、冗長さがなく2013年にあったような休憩がまったくないのだからマイナス要因はみつからない。
再度いうが、18日午後の昼食後は最高のタイムだ。


PLACE
何年ぶりだろうな? 市役所通りでやったのは。
海岸通りはどうも無機質で寂れた感が漂うのでよい場所とは思えないんだ。
市役所通りは旧来の古戦場の感じがしていい、好きだ。
次のプレイスは、これも伝統の昭和通りがいい。

OBJECT
焦点をしぼると催涙スプレーなどとは太鼓道、いや人道にもとる----ということだろ?
催涙スプレーってつまりレディガードだぞ、か弱き女性が身体の安全のために所持するもの。レディが危機を感じたときに使用するものだ、(このフレーズは好まないが)男祭りに出すものではないぞ。
鋸より質が悪い。間違っているということを教えてやらなあな----ということですわな。
掣肘すべし----歪んでいようと正義感の発露だ。
それは瑣末だとすることもできるが理路はある。オブジェクトもよいとする。
と、しておくか。

OTHERE
天気も快晴。順光を受けて輝く大江の〆は、四本柱の向こうに見えていてもなかなか良いなぁ(我ながらけっこう余裕だ)と思っていた。特に剣竜の右手の炎はやたら絶妙だと感じ入った。
大江の人等は太陽が眩しかったかもしれないがね(笑)
コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

従軍レポート№5(戻ってきた編)

2015-10-19 | レビュー2015(羊)
きわめて散文的に第一報を行ないます。そりゃあ気は重いけどね。

生徒の成績を評価するのに相対評価と絶対評価というのがある。今は絶対評価が趨勢らしいので算数5がクラスに何人もでたり、いなかったりもするらしい。

我が太鼓組には5をあげてもいい評価である。
どこにこんなものがあったのかと驚く耐久力と粘り、じつに素晴らしい。
少なからぬ人の心に灯ったもうやめて帰ろうかという弱気を、そんなもの屁でもないとした負けじ魂。
指揮の不統一もおおよそ改善されてきた。
チャンスも少なからずあった。
大鳥居より東の時には、このまま行けばと気分は沸き立った。
2013年よりもその前よりも明らかに良化した、総力は強化されている。
以前が3だったのか4だったのかは措くけれど今回は5だ。
たいへんよくできました。

ただ相対評価ならキツイな。敵は十全だった、ミスがない。
あの敵に5を付けるのは仕方ないから、他に5を付けてはおかしなことになってしまう。
あれは番外にしておいた方がいいかもしれない。

まあ天晴れな(*1)敵だよ、大江は。
そんな処に相対できるのは我が太鼓組だけだ----的な
負けた中須賀もまた天晴れ----的な
そんな語り口や思想は自らのためにならないし、好むところではないので採らない。
少なくない反省点を英知で埋めて、総合力は大きく前進したと感じるが
今回足りなかったのは、敵にはなぜかあるように思える「運」なのかも(*2)と思える。

戦後の夕闇のなか
何人もの人によくやったんじゃないか、あれには勝てんよ、仕方ない----的な
激励(?)もいただいた。その気持ちには感謝もしつつだ。
そろそろ星を返してもらう回が来てもいいだろう。
戦中、口屋と西原が激励してくれていたようだった(*3)がとても嬉しかった。


(*1)当然ながら悪口も後日やる。あれとかなにとか。
(*2)そんな認識が浅はかなのかもしれないが。
 (*3)手一杯であまりよく分かれなかったのだが、きっとそうだよね、ありがとう。
コメント (8)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2015-10・18

2015-10-18 | レビュー2015(羊)
ずっと雨が降ってないから境内は舞い踊る埃でひどいことになってそうだ。乾燥注意報も出ています、入らないでもいいんじゃないかね?
〆も幕も房も毀損しますぞ。憶測でいうけれど雨より悪影響あるんじゃありませんか。ビニール合羽かけるか、それとも裸で?(^_^;)

昨日の戦利品をご紹介します。

愛息が工場前で拾得したもの。おそらく〇〇〇の御殿幕、屋根から下がっていた風鐸と思われる。心当たりがある者が申し出ても返すつもりはないので諦めてくれ。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2015-10・17

2015-10-17 | レビュー2015(羊)
昨日はふらふら走り回ったけどあんまりどこにも遭えなかった。静かな秋の午後だった……。
さてこんな天気なら出かけようか。リバーイーストはかるぅく見てきたところだ。後日詳報するかもしれないが見物人のテンションが低いみたいに感じた、おおよそ先入観あってのことだと思う。

いつものようにいつもの場所へ行くのだが移動には駆動力のある原付等を使う。昔は家からずっと付いて歩いていったものだったなア……家が遠いからとか、体力を温存だとかを言うことはできるが、それすなわち堕落であるとは認めないといけないな。

この時点ではとうぜん未見だが、武器防具の装着具合でだいたいの意気込みがうかがえるよな。近年は----何を恐れているのやら----指揮者二人分くらいありそうな重量の鎧を常時装着していたりするタイコも少なくないが、江口がいったいどの程度貼っているかで見通しがつくことだろう。
少々行く気があるのか、来たら嫌なので守りに徹する心持ちなのか。誰がどうこう言った、あれこれ言ってる、もよろしいが百聞は一見にしかずとの諺があるよね(^0^)。
まあ最低限の振り文字よりはすこしだけ大層な鎧があるんじゃないかな。いま時分ノーガードはリスクが高すぎるってものだ。補強横棒も着けてるかもしれない。同系の色までは塗ってないだろう(笑)。
もし完全無防備だとしたらそれも亦よしだよ。つまり、そこからは無抵抗主義が発露したのではなくて交戦の意思ナシとのサインを発したと読み取るべきなのでしょうよ。

昨年の西町を思い出す。江口入りの段階でこりゃどうしたかと思うような武装具合だったからなあ。近くにあんな武器が潜んでいようとは思いもしなかった。

そんなこんなで。今年はここで東町にちょっと寄って行ってみればいいんじゃないかと思う。
それで「あぁーやっぱり柄じゃなかったわ、明日から本業邁進。ちゃんと担こっと」とか考え直してくれるのがベストに近いベターじゃないかな。

しかし東町がな……。江口と噂になる時点で「勘弁してくれないか、うちはこう見えてもなあ」と言うべきところなのに、まともに相手する気が少しはあったみたいと聞くとロバート・デ・ニーロじゃないが肩をすくめて、やれやれ……だわ。東町に肩入れするのでは全ー然ないのだが、威圧だけで黙らせるくらいが一等カッコイイと思われる。なるべくそうしてくれ。西町がいないのでもしも無沙汰なら、西原に来てくれないだろうか。わたしを含むオールドタイマーは喜ぶ。


朝8時半頃の画像。高祖、松木坂井、東田、下泉がマルヨシに集まっていた。少々遅れて萩生東、池田も来ていた。かきくらべ会場にしてしまえばいいのに。


こちらはまたグレードアップしたタコ幕。炎をつけて吸盤を増やし(笑)獅子まで付けたとのこと、不気味なクリーチャーそのものとの感を強く受ける。
やりすぎのような気がしてきた……。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2015-10・16

2015-10-16 | レビュー2015(羊)
贅沢をいうのだが、金土日の祭りはちょっとしんどい。
翌の月曜日がね、困るんだよ。
身体はあちこち痛いし酒精は残っているしで、一日や二日寝たくらいでは体調が戻ってこないんだね……
わたしだって若い頃はこうじゃなかったんだが……

とはいえ。世界中でもっとも幸福に違いない秋の数日を迎えつつある新居浜の(全員じゃないのは承知してます!)みなさん、ご機嫌よろしゅうございますよね。
雨の心配は要らないようです。
お好きな方は東へ西へと駆けずり回ってようやく今日の日を迎えているかもしれませんね。讃岐や土居やらで。ついさっきまで西条行ってた人もまたいらっしゃるでしょうね。
まぁ体力気力が続く限り、やってくださいな。
今日は夜から見物と暴飲暴食を始めます。イオンへ行かずに天神浜へ行ってみようかと。

どうか皆様、怪我と自動車の運転には気を付けて。案外にせとうちバスが使えますよ。

十年も経つと、共通の的(と思える)が出てくるとは、なんとも因果だなあ。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする