----(遅ればせながら)振り返る心境になったよ。何年も放っといたけどやらんよりましだ、課題を提出するとしよう。
----振り返られる心の強さを得たのかな、それともどんな惨状でも「ないよりはまし」という事実を了解したのか。嫌でも直面せざるを得ない事実を突きつけられている昨今だ。
----ま、そこはあまり追求しないでくれ。君だってそう言いながら口元が歪んでるぜ。
----かもな。どうかしないでも来年も厳しいし。まぁそれはともあれレポート8を「脱稿」させようか。
----じゃあ前稿の続きから。
----もうちょいじゃあ、はいいんだが、そのちょっとが無理ゲーだった。確かに大江の丸太鎧はぐらぐらで粉砕寸前と見える状況ではあった。
----けれどもだな、丸太鎧を吹っ飛ばしたとしてもだ、さぁ長胴のご開帳、オープンセサミ~とはならんのだよな。
----何㎝の厚みかわからんが鉄板が貼り付いてたんだもんな現実。そんなのどうやって粉砕すりゃいいの?
----鉄板の前にゴム鎧があったとも聞くし。
----おやまぁ実に念入り、ご丁寧だね。
----ステンレス端管をいくらぶつけたって鉄板を突き破るなんてとても。
----いい気になってぶつけ続けてるとそのうち悪い状況も訪れる。鉄よりもステンよりも、弱い箇所に負荷がかかるんだよな。担き棒は木。
----端管と棒の継ぎ目でもげてしまうんだね。ありふれた症状だ。
----指折って足りないくらいあるな。端管合わせの際でも吹っ飛んだのを見た、一回や二回じゃないよ。
----でも根元から骨折なんてのがあるとは。
----当たり所や角度によっちゃあるんだな、ていうかあるのを学習したよ。端管ならまだ困惑で済むが、あんな損傷だと戦意大減退だよ、たまらんわ。
----おまけにああなったらこの棒折ってくださいな、だよ。下がった棒に取りつく担き夫はいなくなるしな。
----破線で切れ目が入ったトイレットペーパーみたいなもんだし。
----そこで相手は今更ながらの棒折りマイスターの大江だ。離断させるに造作はなかったろうさ。
----ほぼ同じくして端管も吹っ飛んだし。
----錨会のIさんがジャージの裾に包んでいたなあ。仕方なく拾い上げたんだろうなあ。なんとも嫌な回収作業だったろうに。
----その辺からもう無抵抗状態だったね。あとはなんとか凌ぐだけ。下がるな、退くな、だけが目標になってしまった。
----下がらなかったのは立派だけどそこまで。前には出られなかったものな。
----出たところで追加で棒を差し出すのと変わるところがない。
----1が2になり、3が4になるだけだろな。
----あっちは4まで行くつもりだったとか。
----業腹だ、いい気になってやがる。
----しょうがないよ、その時点だと勢いの差は10-0に近い。
----情けをかけて貰ったんだろうな、大江が来るのを止めたみたいになった。
----止めてくれたんだろ、正直なところ。
----そろそろ幸運が来てもいい年回りだったとも思ったが。
----序盤は優勢だったのにな、惜しい気はする。スタミナの総量差かな。
----勝つ、負けるわけない、っていう腹づもりの差じゃないのか、ぜんぜん具体的じゃないけども。
----時間が長かったくせに、だれたところのない好試合ではあったよ。
----口屋が激励してくれたのは嬉しかったしね。
----二台の隙をついて東町以下が境内入りしていったのも面白い光景だった。
----昭和の昔ならそのまま乱入、参戦しそうなもんだ。少なくとも通りで観戦しただろうなあ、軽い臨戦態勢で。
----江口の動きは「ご愛敬」ですかな。
----んまぁ、その気なら出待ちしていた中須賀の横にでも据えときゃよかったわけだから。
----そこまでやる意義はなかったんだろね。
----前にはあった悲壮感がないのがよかったとは思うよ。
----心理的に追い込まれてなかったせいかな、優位じゃないけども。
----それでああいう結果というのはまぁ、あれくらいが掛け値なしの「力量差」だと思ったよ。簡単には埋められない溝とね。
----そうかもな。棒の数がスコアや勝ち点ってわけじゃないけどもそんな感じかと。
----前回と前々回に比べると浮き足だったところがなかったけど戦法に変化があったわけじゃない。腰を据えて気合いを入れてぶちこめば、うまく行くかも~な運頼みは残念ながら失敗した、ということか。
----動揺と焦りに苛まれたままの2011みたいな勝負よりもやり尽くした感はあったからかな。力を出しきって負けたのだからある意味気持ちがいいし、何かを得るものはあったよ。
----天気や時間や場所、(気に入らないが)結果も受け入れてしまってのこと、’00年代随一の好試合だったともいえそうだ。
----中須賀にも〆が着いてればほぼ文句なしだったかな。
----大江はあの後、境内入りして大喝采だったらしいじゃないか。
----聞いた。不埒な悪党を成敗して来たぞぉって感じだったんだろね。
----しつこく絡む酔漢をちょいと投げ飛ばしてきた、遅れてすまんな、お待たせっ、てなもんかも(苦笑)。
----こっちはもう惨めなもんだった。秋空はつるべ落としで暗くなってくるし、タイコの見映えはひどいし、担き夫は漸減していくし、花園に着いた頃には30人居たかなあ。
----たいした怪我人ださずに帰ってこれたのは不幸中の幸い(奇跡?)みたいなもんだったんだろうが、出立のときにこんな戻り方になるとは想像してなかったろうなぁ。
----こんどはうまくいくと根拠薄弱で思い込んでたんだろう。悪くても惜敗くらいに思ってたか。
----そこから解体と片付けとヤケ酒が待ってる、気分は2グラヴィティだわな。
----尋ねたわけじゃないんだが、青年団諸君はどう思ってたんだろう。放心状態か、もう足りたと思っていたか、とことんやったると拳を握りしめたのか。
----今回で付け入る隙あったと思えばもう一丁だろうし、まだ何枚も上かと感じたらもういいかと思っただろう。人によりけりだろうな。
----といっても次年は(おなじみの)休みだ。何度目かの臥薪嘗胆だね。
----隔年運行が通常になったよね。いつになったら船に乗れるやら……。