9月10日、神宮前のレンタルスペースで開催された「【肉眼では見えない!】宇宙の神秘をカメラで描く作家」と称される幸村真佐男氏のチベット高原の独立峰の「カイラス山報告パーティー」に押しかけ参加で会いに行ってきました。
幸村真佐男氏とは、何の面識もなかったが、私とほぼ同年代と思われる高齢カメラマンがチベット仏教の聖地と言われるカイラス山(標高6656m)に五体倒地という祈りの形をとりながら太陽の軌跡を撮りに行くという記事を見て、まずそのバイタリティー、超人的体力を要するであろうと思われるエネルギッシュな行動力の根源を知りたかった。
9月10日、久しぶりの東京で、地下鉄銀座線の外苑前から徒歩で10分くらいという、報告会の会場まですっかり土地勘のなくなってしまっている私は、数人の人に道を尋ね、20分もかかってやっと会場にたどり着いたが・・・。
その途中私にアクシデントが起こった!
私は脊柱管狭窄症と言う持病を持っているが、ここ3年ほどはその持病を忘れてしまうくらい腰痛は治まっていたが、会場に着くまでの間に少しづつ痛みはじめていた。
会場内には、すでに怪人の旧知の間柄と思われる20人ほどの人たちが集まっていたが、押しかけ参加は私一人のようだった。
怪人はパワーポイントの調整に余念がない。
「開演時間までどのくらいある?」と怪人。
「もう5分過ぎています」とスタッフ。
それでも怪人は慌てる様子もなく、パソコン操作に没頭。
なかなか始まらない報告会に「何を待っているの?・・・」と怪人の友人らしき人から声が上がった。
「うン、開演時間を・・・」と怪人
「それならもう30分も過ぎてるよ」
「ん! もう過ぎてるの?」・・・ということで、ようやく報告会の幕は開いた。
報告会の冒頭は、何万カットという数のチベットの写真が秒速でスクリーンの上を走り、そのなかで怪人の話が始まった。
出かける前には鳥葬と言うこともあり得るという覚悟で出発をしたのですが・・・鳥葬場は何ケ所かあったのですが、行ってみると、鳥はほとんどいなくて、犬がうろうろしているンです。
それを見ると、犬に食われるのは嫌だなぁ・・・まぁ死んでからのことだから、何に食われてもいいようなものだが・・・というユーモアのある話を聞きながら、私は幸村氏から怪人というイメージは次第に消えて、仙人のイメージに変わってきた。
幸村氏のイメージは怪人から次第に仙人に・・・
話の途中で、チベットで買ってきたお土産という冬虫夏草が披露されて「権利のある人は一つとっていいですよ」と言われたが、おしかけ参加の私には権利のある人と言う意味が分からない。
・ ・・すると、隣の席にいた人が「今回の撮影旅行に寄付をしてくれた人と言うことでしょう」と教えてくれた。
押しかけ参加の私は「権利のない人」だったようだ。
で、冬虫夏草の写真だけを撮らせてもらって、次の席の人にに回すことにした。
◎今回の話は長くなるので、一旦ここで一休み・・・。
皆さんもお疲れでしょうから、自分でお茶でも入れて一服して続きをご覧ください。
しかし、ややあって、その冬虫夏草が後ろの席のご婦人のところまで回ってきたところで、ちょっとこれ食べてみませんか・・・と声をかけられた。
その人は権利のある人のようだが、冬虫夏草見た目の気味悪さで、口にする勇気が出なくて、どんな味なのか教えてほしいというのだった。
私は権利のない立場だったが、それにも勝る好奇心とズル心が少しだけ勝って、素早く口に入れた。
その味はというと、私がこれまでに口にしたものの中では・・・・。
爪楊枝を齧った時の感触に一番近かった。
つまり、無味、無臭で何の風味もなく、何の神秘性も感じられないモノだった。
仙人の話は中断して、今回の旅のガイドを務めたネパール人のクマールさんのジャンベ(ドラムの一種)と仙人の手祈りのホイール(楽器と言うより仏具)のセッションによる軽快なリズムの演奏が始まった。
仙人の出す音は、クマールさんのジャンベの音にかき消されてほとんど聞こえないが、耳を澄ませてよく聞くと、仙人の奏でるホイールのリズムはジャンベのリズムとはまるで関係なく、無我の境地で仙人の面目躍如、独自のリズムを刻んでいた。
背負い篭の中から取り出して、左手に持っているのが「手祈りのホイール」と称される楽器(仏具)で、ジャラジャラと言う音でリズムを刻む。
報告会の話はまだ始まったばかりで、五体倒置、カイラス山の話も始まっていないが、悪いことに午後8時を少し回ったころになって持病の脊柱管狭窄症による腰の痛み激しくなってきた。
残念ながら、そして主催者に対しても失礼ながら途中退席をすることになり、スタッフからはあとで先生に紹介をします・・・と言われていたが、それも果たせぬまま会場を後にすることとなってしまった、
来る時は地下鉄外苑前駅から道に迷って20分もかかって来た道を、帰り道は迷わなかったが、腰痛で足が進まず30分かかった。
そのあと、地下鉄銀座線➡千代田線➡小田急線の急行と各駅停車を乗り継いで、家に帰ったときには10時半を回っていたが、気が付くとあれほど痛かった腰痛は少し軽くなっていて、一夜が明けた今この投稿を描いているが、全く通常の体に戻っている。
チベットの経典が書かれた経幡という小旗で、風になびいて、仏の教えが広まるといわれている。
昨夜報告会の会場で口にした冬虫夏草の効き目なのか、はたまた幸村仙人の妖術のなせる業かはわからないが、ありがたいことには変わりはない。
途中退場で聞き逃した話の方が多かったが、幸村氏は怪人ではないことは分かった。
しかし、高齢の身でチベットの奥地まで出かけて写真を撮ってこようなどと言う人は、やはり常人ではなく仙人であった。
いつか、またお会い出来る機会があれば、氏の身体と精神的なエネルギーの源を突き止めたいものだ。
左側の缶バッジは幸村氏撮影された南房総の太陽の軌跡