友々素敵

人はなぜ生きるのか。それは生きているから。生きていることは素敵なことなのです。

「個性」を引き出すことは出来なかった

2024年03月13日 17時47分34秒 | Weblog

 さアー、今日で最後になりますようにと、願いを込めて法務局へ出かけた。なのに、全くダメだった。清算結了申請書と共に出した事務報告書を見て職員は、「お金が残っているので、結了にはなりません」と言われる。

 えっ、そんなこと先回来た時に言われなかったし、手引きのプリントにも書いてなかった。若い男性職員は、「申し訳ありませんね」と慰めてくれるが、私としてはもうお手上げだ。NPOを解散するためには、残金が無いと報告しなければ終了しないのだ。

 仕方ないのでやり直す他ない。カミさんが「松坂屋美術館を見て、クーポンがあるから松坂屋で食事をしてこよう」と言う。卒業生が話題にしていた、「山本二三展」はまだ開催しているし、どんなものか見ておきたかった。

 先日の米アカデミー賞の長編アニメ部門で、「君たちはどう生きるか」が受賞され、日本のアニメ制作の実力が高く評価されたが、山本二三さんはその背景画の第一人者と言っていい人である。

 作品を拝見して、なるほどと思った。雲の描き方が動画で紹介されていたが、全く身の程知らずで無礼だが、あれくらいなら私でも描けるし、卒業生の中にはもっと優秀な人もいる。けれど、建物や街角となると、私は足元にも及ばない。

 私はリアルに描くことに心掛けて来たけれど、山本さんのような根気強さが無い。山本さんは長崎県五島列島の生まれで、中学校を卒業して岐阜県関市で就職し、夜間の建築科に通った。高校時代のパース(透視図)が展示されていたが、既に大した実力だ。

 高校を卒業して東京へ出て、アニメの世界で働くようになり、宮崎駿監督との出会いが、彼を一流のアニメーターにした。生まれは1953年だから、卒業生と同じだと思う。あの頃、私はデッサンさせていただけで、アニメの世界など頭になかった。

 この子は面白いセンスを持っていると思っても、それを引き出すことは出来なかった。デザイン科なのに、愛知の教育の基本である「横並び」が根強かった。「個性」を擁護するうちに、私は飛ばされてしまった。

コメント (2)
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