朝、テレビで天気予報を見ていたカミさんが、ルーフバルコニーの方を向いて、「今日は風もなく、穏やかな一日だって。よかったわね」と言う。早朝から鼻水が止まらず、「今日の作業は中止にしよう」と思っていた私に無理やりのプレッシャーである。「あなたは引き続き、テレビを見ながら、新聞を読みながら、のんびり出来ていいけれど、こちらは疲れ果ててるのに」と思う気持ちを堪えて、ルーフバルコニーに出る。
確かに風はなく、雲があるから日差しもそんなに強くなく、絶好の作業日和だ。ティッシュで鼻をかみながらただ黙々と作業をする。天空を自衛隊の飛行機やヘリコプターが頻繁に飛び交う。トランプ大統領が日本を立ち、韓国へと向かうための警戒飛行なのだろう。一日中、土とにらめっこしているだけでは、ブログのネタが見つからない。
鉢の土を入れ替えていると大きなミミズのいる鉢がある。大きなミミズが何匹かいれば、その鉢の底近くには卵から孵化したばかりのような、身体の色が白く体長も5ミリもない、ミミズが何匹かいる。ミミズは世界中にいて、古代の昔から土を耕してきた。ミミズがいる土はよく育つと言う。私はミミズを大切に扱っているが、毎年確実に増えていると思う。土を入れ替えて半年後、再び入れ替え作業をすると、2センチほどに育ったミミズのいる鉢がある。
作業中は1か所に50から60匹のミミズを入れておく。鉢の中では相手に巡り合えないかも知れないが、ここではハーレム状態だから、ミミズもかなり興奮しているように見える。こんな特別の環境なのに、中にはここから逃げ出すミミズがいる。「何を考えているんだ」とミミズに言い聞かせながら元に戻してやる。
その時、昔聞いた話を思い出した。彼が相思相愛だと思っていた女性に、「一度でいいから抱かせてくれ」と言ったら、「バカじゃーないの。女が抱きたいなら、そういう所へ行ったら」と怒られた。彼は「好きだから抱きたかった」のに、彼女は肉体が目当てだったのかと激怒したという。逃げ出したミミズで、なぜそんな話を思い出したのか、分からない。