父の着物

ずっとどうしようかと、ただ置いていた。
捨てる事ができなかった。

このたび、和風のタペストリーを作ろうとして思い出した。
そう、ゴールデンウィークに『五月が丘まるごと展示会』で見かけたミニもんぺ。
カワイイ、作ってみようと思った。

まず、モンペの生地がない。
すると、ヨッコがいっぱいあるよと言う。
ちゃんとほどいてカットまでしてくれた。

次は土台の白地、これはある。
中芯は買いに行った。
裏地、それをこの父の着物を解いて当てよう。

さて、テレビを観ながらチマチマと解体していく。
なぜか涙が…。

自分でも意識なかったのに泣きながら解いてる。
この着物を着ていた父の姿が目に浮かぶ。

やっと、本当にやっと吹っ切れた気がする。
さあ、ちょっと洗って新しい物に生まれ変わらそう！