夜な夜なシネマ

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『フェニックス 約束の歌』

2013年06月21日 | 映画(や行)
『フェニックス 約束の歌』(英題:Rockin' on Heaven's Door)
監督:ナム・テクス
出演:イ・ホンギ,マ・ドンソク,イム・ウォニ,ペク・ジニ,シム・イヨン,チョン・ミンソ他

前述の『箱入り息子の恋』とハシゴ。
イ・ビョンホンは好きだけど、イ・ホンギは聞いたこともありません。
けれどもせっかくのTOHOシネマズデー、
時間的にこれしかハシゴできないということもあり、
テアトル梅田からTOHOシネマズ梅田へダッシュ。

冒頭のシーンを観て、「しまった、選択をまちがえた」と苦笑いしかけました。
まるで韓流アイドルスターのミュージックビデオで。
その後ホッ、まさにミュージックビデオの撮影シーンという設定でしたから。

品行方正とは言いがたいトップアイドルスターのチュンイ。
その日もパーティーに出席したところ、一般客にからかわれて激怒。
口論で済めば良かったものの、先に手を出してしまう。

償いとして社会奉仕活動を命じられ、行き先に決定したのはトンヒョン病院。
マネージャーの運転で、街から遠く離れた病院へと向かうが、
道中、立ちションを少女に激写されて怒り狂う。
少女からカメラを取り上げたところ、通りかかった若い女性から叱責され、
態度を改めないチュンイは、その女性から田んぼに突き落とされる。

散々な思いをしながらたどり着いた病院。
そこにはあの激写少女ハウンと突き落とし女性のアンナが。
ハウンは入院患者、アンナは病院の雑務を手伝っているらしく、なんとチュンイの指導係。
彼女から「よくできました」のハンコを貰えなければ、社会奉仕活動は延々と続くのだ。

どんな病院かもわからずにやってきたが、
患者らはタバコは吸うわ、夜な夜な歓楽街に繰り出すわで、チュンイは唖然。
やがてここは終末期医療を施すホスピスで、
どの患者もすでに治癒の見込みはなく余命わずかであることを知る。

ある日、どこからともなく聞こえてくるギターやベースの音。
音の出どころをたどってみると、アンナと患者数名がバンド演奏しているではないか。
お世辞にも上手とはいえない演奏にチュンイはとりあえず知らん顔。
ところが、資金難にあえぐ病院のため、賞金を狙ってオーディションに参加するという。
出場はオリジナル曲であることが前提で、曲を作れるチュンイに依頼が来る。

とんでもないことだとチュンイは断るが、
もしも曲を作ってくれるならばハンコは2倍押すとアンナが約束。
また、チュンイのアメリカ進出の話が本格化し、
この社会奉仕活動から早めに解放されなければ間に合わないこともあり、
曲作りを承諾、バンドの決勝進出を目指して演奏の特訓を開始するのだが……。

泣ける映画の王道でしょう。
わがままなトップスターと、気が強く余命わずかな女性がいて、難病に冒された少女も。
スターが心を入れ替えて自分たちのために頑張ってくれていると思い込んでいたら、
実はそこには打算があり、それを知った女性が裏切られたと怒り悲しむ。
けれどもそれは勘違いで、戻ってきたスターは彼女たちのために一肌脱ぐという。

終映後に「こんなに泣いた映画、初めて」と言っている女性客を見かけました。
泣きましたよ、私も泣きましたけど、ま、フツー。
でも、患者で入れ墨だらけの元ヤクザ、ムソンは泣かせます。
毎回これがこの世で味わう最後のタバコだと思っているんだと語る表情。
この世に未練はないふうだけれども、本当は怖くてたまらない。
そんな心を吐露するシーンや、みんなへの別れの言葉を綴るシーンはめちゃ泣けます。

『中学生円山』で涙ぐむ私は「泣きのツボ」が相当変なのでしょうね。(^o^;

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