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『SCOOP!』

2016年10月19日 | 映画(さ行)
『SCOOP!』
監督:大根仁
出演:福山雅治,二階堂ふみ,吉田羊,滝藤賢一,リリー・フランキー,
   斎藤工,塚本晋也,中村育二,石川恋,澤口奨弥,山地まり他

ダンナ、風邪でぶっ倒れたまま連休最終日に突入。
サッカーにも行かないというから、私は車でTOHOシネマズ伊丹へ。
布団の中で唸りつづけている人を残して映画三昧も気が引けて、
前日と同じく2本観て帰ることに。

福山雅治はかっこいいと思うけど、別にタイプじゃない。
だから結婚もショックじゃないし、どうでもええやんと思っていた私ですが、
このちょっと小汚い彼はかなりカッコイイ。
小汚いほうがええやんと思ったのは、真田広之なんかもそうでした。

で、そんな小汚い福山くんをみごとにみせてくれたのは、
『モテキ』(2011)、『バクマン。』(2015)の大根仁監督。
原田眞人監督の『盗写 1/250秒』(1985)を基にしているそうです。

かつては報道カメラマンのエースだった都城静(福山雅治)。
しかし今は報道写真への情熱を失い、芸能人の尻を追いかける自称・中年パパラッチ
フリーカメラマンとして写真週刊誌『SCOOP!』へ写真を持ち込んでいる。

ある日、静が張り込み中の現場へ新人記者の行川野火(二階堂ふみ)が派遣される。
ド素人の野火のせいでスクープを逃した静は憤慨。
野火の首根っこを掴んで、副編集長・横川定子(吉田羊)へ突き返す。

定子は静の借金事情を察し、彼の持ち込む写真を1枚30万円で買う、
ただし、しばらく野火を同行させてほしいと言う。
背に腹は代えられず条件を渋々呑む静だったが……。

大根仁監督はなんとなく好きです。
自分が楽しめるものを撮りつつも、観客に媚びるつもりはない。
だけど笑いや泣きのツボはよくご存じで、
結果ものすごく素直に楽しめる作品になっている。てな感じ。
もともとあの顔で下ネタも大好きだから人気が出た福山雅治といえども、
「一発抜きに行く」とか「乳首責め」だとか普通に言わせる監督、楽しすぎます。
あんな台詞がバンバン飛び交ったら、撮影現場もさぞ楽しかろ。

定子と並んで次期編集長候補・馬場役の滝藤賢一
静の悪友でシャブ中のチャラ源役・リリー・フランキー、いずれもあっぱれ。
この滝藤賢一にはものすごく泣かされました。ここ数カ月でいちばん。

カメオ的に出演する顔ぶれも私のツボ。
『盗写 1/250秒』を未見なので、登場人物の名前がもともとそうなのかどうか不明ですが、
ヒロインの野火(のび)という名前は塚本晋也監督(『野火』(2014))がチラリ出ているから?
不肖・宮嶋役で本人の宮嶋茂樹が登場したのにもバカウケでした。

二階堂ふみ演じる野火の静に恋する表情がすごく良くて、
これは寝ないままのほうがいいのではと思っていたのですが、
そのしばらく後の静の台詞を聞いて考え直しました。
もう1回ヤル前に死ねるかって(笑)。

「この年代の人ってどうして何でも野球に例えるんですか」にも笑いました。
だって野球を観て育った世代なんだもの。

笑えるシーンいっぱい。号泣できるシーンもバランスよく。
そして私にとって必須の切なさも満載です。

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