夜な夜なシネマ

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『フューリー』

2014年12月09日 | 映画(は行)
『フューリー』(原題:Fury)
監督:デヴィッド・エアー
出演:ブラッド・ピット,シャイア・ラブーフ,ローガン・ラーマン,マイケル・ペーニャ,
   ジョン・バーンサル,ジェイソン・アイザックス,スコット・イーストウッド他

めっきり出張の減ってしまったダンナが、久しぶりに1泊だけ国内出張。
先週のことで、ちょうどその日が「映画の日」だったので、
仕事帰りにTOHOシネマズ伊丹で2本観ようかと思ったけれど、
師走だからか何なのか、このところ道が混みすぎ。
伊丹まで行くのが嫌になり、109シネマズ箕面にてこれ1本だけ観ることに。

第二次世界大戦末期の1945年。
ヨーロッパ戦線ではドイツ軍が最後の力を振りしぼって徹底抗戦。
ドイツ軍の捨て身の攻勢に、戦況的には優位なはずの連合軍が苦しめられている。

連合軍のシャーマン戦車“フューリー”の車長を務めるドン(ブラッド・ピット)は、
フューリーを駆って歴戦を戦い、かつ部下を守り抜いてきた猛者。
しかしこのたび優秀な副操縦手を死なせてしまう。

代わりの副操縦手として配属されたのは、新兵ノーマン(ローガン・ラーマン)。
ノーマンはもとは軍のタイピストで、戦闘経験皆無。
戦車を見ることすら初めてだと言う彼に、ドンは呆気にとられる。

フューリーの他のクルーは、砲手のボイド(シャイア・ラブーフ)、
装填手のグレイディ(ジョン・バーンサル)、操縦手のトリニ(マイケル・ペーニャ)。
彼らもノーマンを見て嘲笑うが、戦闘に連れて行くしかない。

戦場の極限状況にただただ圧倒されるノーマン。
そんな彼をドンは手荒く叱咤して「教育」。
最初はドンに対して怖れと憎しみしか持てなかったノーマンだが、
制圧に成功した小さな町の民家で、ドンの異なった一面を知る。

重大な任務となる十字路の死守を命じられた戦車小隊は、ドンが指揮を執って行軍。
しかし、フューリーとともに十字路向かった戦車が次々に被弾。
フューリーのみが取り残されるのだが……。

『エンド・オブ・ウォッチ』(2012)がえらく面白かったデヴィッド・エアー監督。
『U-571』(2000)、『トレーニングデイ』(2001)、『ワイルド・スピード』(2001)など、
彼が脚本を担当した作品は、男臭さ満載で娯楽感もあるものばかり。
売れっ子の役者を多く並べているゆえの娯楽感かもしれません。

けれど中身はしっかり濃い。このブラピは久々にイイです。
彼のためなら命をも投げ出せる、そんなふうに思わせるリーダー。
ノーマンが成長してゆく姿をメインに、ほかのクルーたちも人間味たっぷり。
単なる戦車映画ではなく、戦争に対していろいろ考えさせられます。
ちょうど本作の前に観たのが『0.5ミリ』だったので、
津川雅彦演じる義男の「戦争はばかばかしいものです」という台詞が頭の中をくり返し流れました。
“英雄”なんて言葉は虚しいだけ。

軍事オタクではないので、戦車の名前や凄さはまったくわかりませんが、
たまたまDVDで『ホワイトタイガー ナチス極秘戦車・宿命の砲火』を観たばかり。
これもまた非常に優れた作品でした。こちらについては年末にアップします。

それにしても、仲間をあだ名で呼んだり姓名で呼んだり、
名前が飛び交うといったいそれは誰よ?としばらく悩んでいたのは私だけ?(^^;

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