夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『リンカーン弁護士』

2012年07月19日 | 映画(ら行)
『リンカーン弁護士』(原題:The Lincoln Lawyer)
監督:ブラッド・ファーマン
出演:マシュー・マコノヒー,マリサ・トメイ,ライアン・フィリップ,ジョシュ・ルーカス,
   ジョン・レグイザモ,マイケル・ペーニャ,ウィリアム・H・メイシー他

なんばパークスシネマにて。

一時は「最もセクシーな男性」に選出されるぐらい売れっ子だったのに、
このところ見かけなくなってしまったマシュー・マコノヒー
「多少のトラブルメーカーである」との記述を見ましたが、「多少」ってどれぐらい?

ほかの出演陣を見ても、ちょっと落ち目のイメージがある人がちらほら。
最近は復活の感があるものの、一発屋とまで言われたマリサ・トメイ
売れっ子リース・ウィザースプーンと結婚したがために、
夫婦間のギャラの差を揶揄されつづけたライアン・フィリップ。
イケメン具合が無難すぎるのか、パッとしないまま年を食ったジョシュ・ルーカス

こんな「落ち目かもしれない役者陣」の力の抜け具合が実にいい感じ。
まわりを固めるのは、今も昔も地道に脇役で稼いでいる人ばかりで、これまたイイ。

原作はマイクル・コナリーの同名ベストセラー小説。
刑事弁護士“ミッキー・ハラー”シリーズの第1作です。

高級車リンカーン・コンチネンタルに専属運転手を付け、
後部座席を事務所代わりに仕事をこなす弁護士ミック。
悪事を働いている依頼人であったとしても、
司法取引を最大限に利用して軽い刑で済むように手を回し、依頼人の利益は確実に守る。
そんな戦略を取る彼は、LAの街のワルたちからも人気者。

ある日、保証金立替屋のヴァルからオイシイ話を持ちかけられる。
資産家の御曹司ルイスが、女性を殴って重傷を負わせたとのこと。
息子のためなら母親はいくらでも金を出す。
毎度のごとくササッと司法取引をまとめれば高額の報酬が舞い込むぞと。

ところが、当の本人のルイスは頑なに無実を訴え、司法取引を拒否。
裁判となればさらし者になるにもかかわらず、法廷で闘うと言う。
いつものミックの戦略は使えないことになり、調子が狂う。
裁判で勝つため、調査員で友人のフランクとともに事件の周辺を洗いはじめるのだが……。

とっても私好みの男くさい作品です。
カワイイ顔をしたルイスが酷いヤツだと判明しても、依頼人であるかぎり、
ミックはルイスへの疑いを世に明らかにすることはできません。
ルイスの弁護士としての責務を果たし、無罪を勝ち取りつつ、
ルイスに報いを受けさせるためにはどうすればいいのか。
この駆け引きがおもしろくて唸ります。

落ち目のイメージの俳優陣は、弁護士に検事に依頼人と、みんな渋くてカッコイイ。
「ちょいワル弁護士」、イケてます。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『ハロー!?ゴースト』 | トップ | 『苦役列車』 »

映画(ら行)」カテゴリの最新記事