夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『タイピスト!』

2013年08月29日 | 映画(た行)
『タイピスト!』(原題:Populaire)
監督:レジス・ロワンサル
出演:ロマン・デュリス,デボラ・フランソワ,ベレニス・ベジョ,ショーン・ベンソン,
   ミュウ=ミュウ,メラニー・ベルニエ,ニコラ・ブドス,エディ・ミッチェル他

金曜日の帰りは、たいていどこぞのパン屋に寄ります。
通勤経路から離れずに済む北摂のパン屋に寄ることがほとんどですが、
先週の金曜日は翌日がダンナの帰国日で、映画三昧最後のチャンス。
ならば梅田まで行ってパンを買うついでに映画を観ようと。
いや、映画を観るついでにパンを買うというほうが正しいのか。(^^;

17:15の終業後、18:15上映開始の映画に間に合うかはビミョー。
千里中央へ同僚2人を送り(なぜ急いでいるのに送るのかって、この時刻の新御堂筋はダダ混みで、
中央環状線本線から新御に入るよりも、手前でいったん中環を離れ、
千里阪急ホテルの前で同僚を下ろしてから新御に合流するほうが早いんです)、いざ梅田へ。

合流した新御はいつもどおり混んではいましたがマシなほう、間に合いそう。
結局18:05に梅田スカイビル近くのタイムズに駐め、
ウェスティンホテル大阪内のペストリーショップ“コンディ”へ。
シネ・リーブル梅田に到着すると、予告編が始まったところ。セーフ。

1950年代のフランス。
田舎町で雑貨店を営む父親のもとを離れる決意をした娘、ローズ・パンフィル。
町一番の富裕な男性との縁談話が持ち上がっていたのに、
どうしても都会で仕事に就きたいと言うのだ。
どうせすぐに帰ってくるに決まっていると、父親は冷ややかなそぶり。

そんなわけで、都会に出てきたローズは、ある保険会社の秘書に応募。
秘書の仕事といえば女性の憧れの的、面接を待つのは「出来る女」を自負する人ばかり。

やがてローズの順番が回ってくるが、何をやっても駄目っぽい。
雇い主のルイ・エシャールが面接を早々と打ち切ろうとしたところ、
ローズは唯一の特技であるタイプライターを打ち始める。しかも指1本で。
そのスピードにルイは仰天、ローズを採用する。

案の定、タイプ以外は酷いありさま。空気も読めず、ミス連発。
1週間の試用を経て、解雇されて当然の秘書の出来だったが、
もしもタイプライターの早打ち世界大会に出場するならば
本採用してもいいとルイから言い渡されて……。

ルイ役を演じるロマン・デュリス、昔は本当に美形だったのに、
どんどん崩れてきて、なんでこうなっちゃったのと思います。
けれども口元が野卑になればなるほど、こうしたコメディが合うように。
しかもどこか色っぽくて、切ない心を抱えた男性を演じるのがとても上手い。

ルイがかつて想いを寄せていた、今は親友の妻であるマリー役には、
『アーティスト』(2011)のヒロイン、ベレニス・ベジョ。
その言動がめちゃくちゃ男前で、惚れてしまいそうです。
『譜めくりの女』(2006)ではゾッとさせられたデボラ・フランソワは、一転キュートなローズ。

タイプの練習風景も面白い。
指1本のまま臨むのかと思いきや、やはりそれでは駄目だと、指10本の特訓。
世界大会ともなるとほとんどスポーツで、持久力も問われます。
ルイがローズに課す練習も、タイプの前のみならず、ジョギングもピアノも。
最初は滑稽な走り方だったローズが、次第にさまになった走り方に。

オープニングの色彩から楽しくて、もちろんハッピーエンド。
レトロなフランスの雰囲気が楽しめます。

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