夜な夜なシネマ

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『光をくれた人』

2017年06月03日 | 映画(は行)
『光をくれた人』(原題:The Light Between Oceans)
監督:デレク・シアンフランス
出演:マイケル・ファスベンダー,アリシア・ヴィカンダー,レイチェル・ワイズ,
   ブライアン・ブラウン,ジャック・トンプソン,カレン・ピストリアス他

野球観戦の前にTOHOシネマズ西宮で3本ハシゴの2本目。
前述の『夜明け告げるルーのうた』の次に。

監督は『プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ/宿命』(2012)のデレク・シアンフランス。
2012年に出版されたM・L・ステッドマンのベストセラー小説『海を照らす光』の映画化。

1918年のオーストラリア。
第一次世界大戦の戦場から帰還したトムは、ヤヌス島の灯台守となる。
ヤヌス島は絶海に浮かぶ孤島で、陸地と往復できるのは半年に一度だけ。
ひとりきりで島にいることを皆が心配するが、
戦争で心に深い傷を負ったトムにはそのほうがよかった。

病を患った前任者が復帰するまでの臨時雇いの予定だったが、復帰の見込みなく、
人柄と仕事ぶりを評価されたトムは、3カ月後に正式採用される。
その契約を結ぶために町へ戻ったところ、
地元の名士の娘イザベルから積極的なアプローチを受ける。

美しく明るいイザベルと過ごすうち、トムの心はほぐれてゆく。
ヤヌス島へ行ってみたいというイザベルに、
婚姻関係になければ島への上陸は許可されないという規則を伝えると、
彼女のほうから「ならば結婚しましょう」。ふたりは結婚する。

見渡すかぎり荒れ狂う海の寂しい島のはずなのに、
誰にも邪魔されることのないふたりきりの生活は幸せそのもの。
自分に生きる気力をもたらしてくれたイザベルにトムは感謝してもしきれない。

やがてイザベルは妊娠。待望の子どもを授かると思いきや流産。
その後もう一度妊娠するが、またもや流産してしまう。
生まれてこなかったふたりの子どものために墓碑を建て、悲しみに暮れる。

そんな折り、島に1艘の手漕ぎボートが流れ着く。
ボートの中には1人の男の死体と泣き叫ぶ赤ちゃん。
町に報告の信号を送ろうとするトムにイザベルはすがりつき、
どうか報告しないでくれ、この赤ちゃんを自分たちの娘として育てようと言い……。

“X-MEN”シリーズのマグニートー役だとか、
セックス依存症の巨根の男役だとか、張りぼてのマスクをかぶる男役だとか、
ちょっと普通な役どころでスティーブ・ジョブズ役というぐらい、
あまり普通の役はないイメージもあるマイケル・ファスベンダー
これは愚直といえるぐらい真面目な男を好演。
何があっても妻への気持ちを変えず、彼女を守ろうとする姿に胸を打たれます。

恨みの矛先を夫に向けるイザベル役のアリシア・ヴィカンダー
娘を取り返したのにつらいままの母親役のレイチェル・ワイズも素晴らしい。

とても見応えがありました。これも原作を読みたいなぁ。
読みたい本ばかり出てきて困ります。

恨みつづけるよりも、たった一度、赦せたなら。

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