ひろふみのブログ☆

囲碁棋士大橋拓文のオフィシャルブログです。

増刷御礼&DolBaramの話

2018-01-28 22:41:35 | コンピューター囲碁

みなさんこんにちは。

AlphaGo、DeepZenGo、絶芸。

現在囲碁AIといえば、これら三つが有名ですが、DolBaramという韓国の囲碁AIをご存知でしょうか。

ドルバラムと読み「ドル」は李世ドル九段のドルで意味は石。「バラム」は風で石風という意味になり、

その名の通り力強い棋風です。

アルファ碁登場以前から強豪として知られていましたが、

アルファ碁以後、ディープラーニングを取り入れるまでに時間がかかり、目立った活躍が少なくなっていました。

ところが、こちらをご覧ください。

ところが、最近再びパワーアップし力強いDolBaramが帰ってきました。

2017年11月5日 黒DolBaram

1図 ブラックホール

これは張栩九段や蘇耀国九段が一時期打っていたブラックホールですね。

2017年11月19日 黒DolBaram

2図 7-5から三々入り

空中戦法が得意かと思ったらアルファ碁の三々入りとも組み合わせて使うという柔軟さも持っているようです

 201711月9日 白DolBaram 

3図 極めつき

一体これは・・・

私も1、2図のような空中戦法は好きですが、さすがに3図白2、4の発想はなかった。

いくら何でもこれは白悪そうですが・・・・

今ここで紹介した3局はいずれもDolBaramの勝ち。

この時期はこのような空中戦法で連戦連勝でした。

しかし11月中旬になり、ネットから姿を消し・・・・   

2か月間経った2018年1月。再び現れたDolBaram。

2018年1月26日 白DolBaram

4図 あれ!普通に打ってる

と思ったら、これは久しぶりに黒、人間の勝ち。

3図と4図の黒は同じ対局相手で、韓国の若手でランキング上位の棋士なのですが

3図で白が勝ち4図で黒が勝つとは、囲碁の常識とは一体なんだったのでしょうか・・・

現在、棋士の碁でもアルファ碁の影響で三々入りが大流行中です。

しかし、DolBaramのようなアルファ碁とも違う独特の棋風を持ちながら強くなった囲碁AIが出てきたことは

囲碁の世界を豊かにする意味で、嬉しいですね

ぜひともこの路線でこれからも強くなってほしいです

さてここで、一つお知らせです。

昨年7月に出版した「囲碁AI時代の新布石法」が増刷となりました。

ありがとうございます。

囲碁AIの登場を、発想を豊かにするキッカケとして捉えて、

ブラックホールのような空中戦法や

一時期話題となったGodMovesの天元戦法を解説しています。

「よくわかる囲碁AI大全」とは違うテイストですが、ともどもよろしくお願い致しますm(_ _)m

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囲碁AI大全 とウラ話

2018-01-12 18:58:55 | コンピューター囲碁

みなさんこんにちは。

昨年のクリスマスに一冊の本を出しました。

『よくわかる囲碁AI大全 AlphaGoからZenまで』

囲碁AIの特徴的な手法、歴史と仕組み、AIの代表局の実戦解説。そしてアルファ碁ゼロまでをまとめました。

2016年末から取り組んだのですが、2017年はMaster登場から怒涛の一年となり

次から次へとやってくるAIの新しいニュースを盛り込むのは

とても骨が折れました。

 

 

実は

 

 

昨年末、

 

 

本当に骨折しました。。。

 

 

なんで骨折したかは、ちょっと恥ずかしくてブログに書けないので、

直接会った時に聞いてみてください。(それでも秘密かもしれませんが

11月ごろは方々の予定をキャンセルするなど、ご迷惑をおかけしました。

そしてひきこもりながら本書を執筆。

骨折の方は不幸中の幸いで軽いもので、お医者さんからも

「めずらしい場所折りましたね~」

と言われたりしながら、ほぼ一ヶ月で治りました。

好きな漫画の主人公(ルフィ)を信じて、毎日牛乳を飲んだのは効果があったのでしょうか。

囲碁AI大全の方はおかげさまで、好評を頂いているようで品薄となっておりますが、

こちらからお求めいただけます。

骨折したときは2017年中に間に合わないかと思いましたが

なんとか出版にこぎつけ、2018年は良いスタートになりました。

改めまして、よろしくお願い致します。

 

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アルファ碁、AI記事の紹介

2018-01-10 21:09:05 | コンピューター囲碁

昨年の更新不足につき、1月中に昨年の振り返りブログを書こうかと思案中でございます。

2017年、活動のメインの一つは執筆でした。

年明けに二つの記事が公開されましたので本日のブログはその紹介です。

ダイヤモンドオンラインの連載3回目。

アルファ碁ゼロからAI竜星戦まで、AIの急速な進歩を描いています。

たくさんの方に読んでいただいているようで、いいねランキングが現在16位と健闘中。

こうなると少し欲が出てきてしまいました。

ぜひいいねをお願いします

不定期連載ですが続編も予定しています。

もう一つは、Newspicks 2018年:100人が描く未来 というインタビュー記事になります。

AIの活用を含めた未来への展望を述べています。

有料記事になりますが、興味がある方はぜひご一読くださいm(_ _)m

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国民栄誉賞

2018-01-09 11:05:00 | 世界の囲碁 World GO

1月5日、囲碁(1、5)の日に嬉しいニュースがありました。

井山七冠が羽生竜王、永世七冠とともに国民栄誉賞受賞

おめでとうございます。

棋界全体にとっても、素晴らしいことですね。

さて本日はミャンマーに近い、中国雲南省にて日中韓囲碁名人戦が開催されています。

今日の対戦は井山名人vs李世ドル九段。

勝者が連笑中国名人と決勝戦を争います。

みんなで応援しましょう

 

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謹賀新年

2018-01-01 19:50:32 | 季節の話題

明けましておめでとうございます。

昨年のブログを見返してみますと・・・

なんと6回しか更新できてない(*´Д`)

今年はもうちょっと書けるようにがんばります。

それでは、本年もよろしくお願い致します。<m(__)m>

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DeepZenGo優勝!とAI関連イベントのお知らせ

2017-08-19 00:33:55 | コンピューター囲碁

DeepZenGoがついにやりました。

中国内モンゴル・オルドスで行われた第1回中信証券杯世界電脳囲碁オープンで見事優勝。

上位入賞である、準優勝CGI(台湾)三位絶芸FineArt(中国)は実力的に拮抗しており、人外のレベルで戦いが繰り広げられたと言って良いでしょう。

AlphaGoの背中が見えた気がしますが、すでに実力を人間が測定することは難しい領域に踏み込んでしまったようで、こればかりは実際に対戦してみなければ分かりませんね。

話題に事欠かない囲碁AIですが、AIに関連した講演などのお知らせです。

8月27日(日)ドクターフォーラムにて石山洸氏と対談講演させて頂きます。

13時~18時15分まで多数の講演があり、私は15時15分~16時まで「囲碁と介護の事例から学ぶ、医療におけるAIの活用について」というテーマでの登壇です。

お医者さん限定のイベントですが、残り席わずかとなっております。

9月14日(木)日本認知科学会第34回大会@金沢大学にて特別講演「人工知能と棋士は囲碁の深淵に迫れるか」をシモン・ピエノ氏と語り合います。

当日参加も可能のようです。

9月16日(土)人工知能社会のあるべき姿を求めてー人工知能・ロボットについて語る参加型対話イベントにて話題提供させて頂きます。

日本科学未来館にて13時~対話型のワークショップで刺激的なディスカッションにかるのではないかと思います。

 

最近は講演や対談などの機会を多く頂いています。

6月14日に行われた、経団連21世紀政策研究所主催の座談会では羽生先生、王銘琬先生、國吉康夫氏、中島秀之氏、松尾豊氏、作家の瀬名秀明氏という錚々たる方々ともお話できました。

AIが台頭する昨今、何か特定の分野に特化したAIは、お金をかければ作れるようになってきています。

多業種の方々とコミュニケーションを取ることで、人間にしか出来ないことが見つかるのではないかと、囲碁AIの碁を見ながら痛感する毎日です。

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ご無沙汰してます。

2017-07-19 23:37:01 | コンピューター囲碁

みなさん大変ご無沙汰しておりました。

なんと前の更新は一月。半年以上ぶりの更新になってしまいました。

白石君の100分の1も更新してないΣ(゚д゚lll)ガーン

囲碁AI関連でてんやわんやしてるうちに月日が経ってしまいました。

というわけで、今日の投稿はここ数カ月何をしてたか振り返りつつ、活動履歴を書くことにします。

宣伝多めですがご容赦ください。

【本】

7月20日に「囲碁AI時代の新布石法」が発売となります。

現在、囲碁AIは三々入りなど、独自の手法を編み出しています。そしてその打ち方はプロ棋士にも大きな影響を与えています。

しかし、囲碁AIはとてつもない速度で進化していきますので、囲碁AIの手を後から研究しても

バージョンアップした囲碁AIはその手を全く打たなくなった、ということが起きています。(例・ツケヒキ定石のカケツギ)

また囲碁AIは盤上に第三の革命を起こした、とも言われています。

第一の革命は本因坊道策によって、手割りなどの理論を創始し近代碁の幕が開きました。

第二の革命は呉、木谷両先生よって新布石が編み出されたことです。スピードと勢力を重視した打ち方は一大旋風を巻き起こし、やがてそれは現代碁に昇華されました。

もともと私は新布石のような位の高い布石が好きだったこともあり、本書では囲碁AIを人間の発想を広げる道具として捉え、新布石との融合を試みました。

囲碁AIの手だけではなく、オリジナルな戦法も取り上げ解説していますが、AIの進化の先を行くには、100年先を行く発想をしてこそ、やっと時代の流れに追いつけるぐらいではないか、との思いもあります。

囲碁AIの碁としてGodMoves vs DeepZenGoの天元局も取り上げていますのでぜひご覧ください。 注GodMovesは未だに正体不明・・・

こちらも毎月二十日発売の【碁ワールド】

IGOサイエンスとして囲碁AIについての連載を書いています。今年はMaster特集で3、4,5月号付録も担当しました。

3月号ではMasterの黒番、4月号ではMasterの白番、5月号では驚きの手をテーマに新手法を解説。

そして8月号では中国烏鎮シリーズ全局を付録で解説しています。

本誌ではメイエン先生、孔令文七段とAlphaGoの自己対戦や囲碁AIのこれからについて対談しました。

三人とも柯潔九段vsAlphaGoのために中国烏鎮にいったメンバーで、現地でしか知り得なかった話も載っていますのでぜひお買い求めください。

【毎日新聞連載】

毎日新聞夕刊、毎週月曜日のブックマークというコーナーを7月~9月担当しています。

11回の連載で囲碁AIの話や修業時代の思い出、これからは好きな詰碁や音楽の話にも触れる予定です。

徒然なるままに書いてゆきますので気楽に読んで頂ければと思います。

【ダイヤモンド・オンライン】

元はと言えば、中国烏鎮で受けたAlphaGoの衝撃の実体験をより多くの人に伝えたい、という思いが発端です。

囲碁を知らない方にも、AlphaGoの思考を感じられるように工夫しましたので

「囲碁に興味はあるけど難しそう」

なんて言ってるお友達がいましたら、試しにご一読をススメてみてください

最後はイベントのお知らせです。

阪急納涼囲碁まつり

東京では8月11日(金・祝)12日(土)に行われます。

井山6冠vs竜虎の勝者 という今日本で一番打てている3人の対決もあれば、目隠し碁というネタもあり(オイラのこと 笑)

お絵かき解説が得意な木部夏生二段と進撃のイラストが神がかって上手い金子真季初段のお絵かき対決もあります。

多くの棋士と交流できるチャンスですので、ぜひいらしてください。

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Master解説会のお知らせ

2017-01-16 10:33:07 | コンピューター囲碁

みなさん おはようございます。

一昨日、昨日と棋聖戦第1局が行われ河野臨挑戦者が先勝しました。

そこで話題になった手がありましたね。

(黒)井山裕太棋聖 vs (白)河野臨九段

1図 白1のブツカリ

これは今までの人間の常識では悪いとされていて、斬新すぎる新手か!とTwitterなどで話題でしたが

実はMasterがこの前打っていましたね。

2図 (白)Master vs (黒)古力九段

昨日は研究会に行ってみんなと検討しましたが、そこでは

「河野先生もMasterの意図が分かってない

と豪語するツワモノもいました。

というのは、その碁ではMasterはすぐに白3とハネており、

その時に黒△の位置が悪いから白1が良い手、という訳です。

1図上辺に何も黒石がないときのブツカリはさすがにどうなのという意見が多数でしたね。

私はといえば、数年前からコンピューター囲碁を見ていて、

実はコンピューター囲碁はプロに3、4子の時代からこのような場所はブツカリます

見慣れすぎててブツカリが斬新とは全く思わなかったという(汗)

そもそもコンピューター囲碁は部分感覚はなく、全体を常に優先するので、

人間でいう部分定石の場合は、多くの場合先手を取り大場へ先行します。

3子ぐらいの時代は、「こういう手打ってるからまだまだですね。」なんて暢気に言ってましたが

Masterが打ったらみんな真似する、みたいな。やはり実績は偉大なのか。

何はともあれ、コンピューター囲碁を観戦するときのポイントは

定石うんぬんは取り合えず置いておいて、全体がどうなってるかを見る事です。

たとえば白石勇一六段も取り上げていたこの場面。

3図 黒2のノゾキ! (黒2で黒A白Bの交換の後、黒2とノゾいた碁もあります。)

この時に「白1と一間に受けたら黒2とノゾきが良い手」と丸暗記してしまうとひどい目に合うでしょう。

注目すべきは左下の△の配置です。

4図 黒1カケが絶好

二十数手後の進行ですが、黒1カケが絶好点です。

白△と白2からの左辺の石が凝り形と言っているようです。

恐らくMasterの内部では黒AやBと打つ必要はなく、

黒1とカケられれば、だいたい黒優勢と判断しているのでしょう。

そして黒1に回る公算が高いと見切って3図黒2のノゾキを打ってるはずです。

このような右下一帯が模様の碁になれば

左上△のノゾキもシチョウアタリなどで働く可能性もあり、利かしかもしれません。

さて、そこでお知らせです。

1月22日、29日(日)13時~15時 日本棋院でMasterの解説会を行います。

解説は王銘琬九段マイケル・レドモンド九段の三人です。

参加費は無料!新聞の号外みたいなイメージですね

会場の広さにも限りがありますので、早めの来場をおススメします。

では最後におまけの図を一つ。

5図 極論すれば、白A黒BとなってMasterは形勢有利と喜んでるかもしれません。

私見ですが白1とこちらの位を優先するのが良いのではないでしょうか?

↑こんな感じの意見を解説会ではしゃべる予定です。

常識が破壊されるかもしれませんがぜひいらして下さいm(_ _)m

 

 

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Masterの正体

2017-01-08 23:50:12 | コンピューター囲碁

皆さんすでにご存知だと思いますが、年末年始囲碁界を賑わせた

Masterの正体はAlphaGoの進化バージョンでした。

結局「東洋囲碁」で30連勝「野狐囲碁」で30連勝

合わせて60連勝無敗、しかも相手のほとんどが世界のトップ棋士という前代未聞の記録です。

その後、ディープマインドのCEOデミス・ハサビス氏はコメントを発表。

この60局は非公式の公開テストで、また今年中に公式のイベントをするそうです。

一体これ以上の驚きがどこにあるのかという感じですが

そこは楽しみに待つよりしょうがないですね。

持ち時間を長くすることは間違いないと思いますが、トップ棋士の相談碁や打ち込み制も考えられるでしょう。

この60局はほとんど1手30秒の早碁でした。人間はもうちょっと考えればミスを減らすことが出来るでしょう。

もっともAlphaGoも更に正確になると思いますので、時間を長くした方が人間に有利!とは言い切れません。

いくつかのインタビューも受けました。

こちらはJcastの記事です。

勝率は60分の1以下で、この60局の中で優勢になった局面は無かったと思われます。

そう考えると大きく見積もっても勝率は1%でしょう。

 1月22日と29日は日本棋院でMaster=AlphaGoの解説会を行います。時間は午後1時から、詳細は追ってまた告知します。

また碁ワールドで連載中の「IGOサイエンス」でも3月号(2月中旬発売)から詳しく解説する運びとなっています。

今回のMasterの驚くべきところは、従来の囲碁AIの弱点と言われていたところが、ものの見事に解決しています。

例えば、死活、攻め合い、正確さが必要な長手順の読み、左右両側から絡めるような複雑な手順、コウなどです。

コウの場合はコウ材作りまでやってるように見えました。

それに加えて・・・

従来の囲碁AIは人間の棋譜から学習しており、部分的な新手は少なめでしたが、

Masterは独創的な手を序盤から繰り出しています。

このようにいくつか書き出してみると、2016年のAlphaGoからも格段の進歩ですね。

何かもう一つブレイクスルーがあったのではないでしょうか?

私の予想としては人間の棋譜学習の次の段階で、AlphaGo自身の強化学習がかなり成功したのではないかと思っています。

せっかくなので一つだけMasterの手を紹介しましょう。

1図 黒がMasterです。白10まで何気ない布石です。ここで人間はほとんどの場合Aと打ってきました。

しかしMasterは多くの場合手抜きするようです。人間の棋譜学習の延長でここを手抜きするようになるのでしょうか?

2図 続いて下辺に布陣します。黒3、5も好きな打ち方のようです。

そして白8を待って黒9、11が得意です。1図6、8、10が低位置なのでさほど攻めは厳しくないということでしょうか。

何局か見ましたが、右上隅が一段落する頃には黒が優勢になっているのが不思議です。

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Master翻訳

2017-01-04 20:43:07 | コンピューター囲碁

昨日はMasterの嵐と題して、その猛威を観賞しましたが、

手を拱いているだけではあれなので、人間なりに囲碁AIの手を翻訳してみたいと思います。

まずは柯潔九段との碁です。

Master(白)vs潜伏〔柯潔九段〕(黒)

1図 ここで柯潔九段は黒1と打ちましたが、実はこの手は中国AI刑天との対局で実験済みでしたね。

悪くない感触があったのでMaster戦でも採用したのでしょう。刑天は白Aと打ちましたが、Masterは白2。

2図 その後は白4、6と縦横無尽のサバキです。

では朴廷桓九段との碁を見てみましょう。

Master(白)vs  maker〔朴廷桓九段〕(黒)

3図 以前の記事でも紹介しましたが、やはり白1。

AlphaGoの自己対戦では白Aの碁が紹介されています。

その対局では4図 続いてこのような進行でした。

5図 実戦ではこのようになりました。雰囲気は似ていますが

  4図白11よりも5図白7の方が石が中央に向かって躍動していて好ましいかもしれません。

MasterはAlphaGoという噂がありますが・・・4図の自己対戦は2016年2月末の棋譜です。

柯潔九段の1図黒1など中国流周辺はAlphaGo登場以来また改めて研究されるようになった背景があります。

しかしもしMasterがAlphaGoの進化系だったとしたら・・・10ヶ月前の棋譜の研究で対抗するのは厳しいですね

3図の時点で狭い小目周辺に入るのは人間には気づきにくいですが、その辺りが地になるかどうかが勝率と密接な関係があるのでしょう。

他にMasterがよく打つ形も紹介します。

6図 黒2までは人間の定石にありますが、Masterは白3からもりもり隅を地にします。

李世ドル九段の碁で白3を見たように記憶していますが、他に採用した人間はほとんどいませんでした。

7図 このような配石でも白3と打ちました。黒は6と単に切った碁もありました。

8図 普通の定石はこれ(白7でAもある)ですが、Zenもこれは打たないですね。白5で他の手を打つことが多かったはずです。

よくよく見れば白5は白△とサカレ形です。

普段、サカレ形はいけないと教えているのに、これに疑問を持たなかった自分が不思議ですね。言われてみれば確かに白5は良くなさそうです。

6図~8図ではどれもサカレ形風になってしまいますが、6、7図は白の先手なのが大きいですね。

もう一つだけ、面白いと思った場面を。

9図 なんでもないことですが、黒1の小ゲイマジマリがプチニュースでした。

それまでは黒A、もしくはBを打ってからAが多く、違う配石でも大ゲイマがほとんどで小ゲイマは少なかったのです。

しかしよく考えてみると、100万局単位で自己対戦するコンピューターにとって

「3局連続で2間にしまったから2間が良いと思ってる」なんて理屈は通用しません。

3万局ぐらい連続だったら信憑性が出てきますが・・・・

同じ局面でも違う手を打つことは多々ありますので、盲信しないで見ることが大切です。

しかし、方向性だけは掴んだ方が良いというのが現時点での私の考えです。

例えば1図、3図のような中国流の局面では小目から上辺にかけてがメインの戦場と認識しているんだな、とか9図でも小目近辺が大事なのかな

という感じです。

昨日の対局でMasterは50連勝。50連勝で正体を明かすかと思いきや

今日も普通に対局しています。

これは100までやるつもりでしょうか?

まだまだ目が離せませんね。

 

 

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