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インドネシア 高級魚養殖 コロナ禍で危機に

2020-09-25 07:00:01 | 報道/ニュース

9月4日 NHKBS1「国際報道2020」


ベラ科最大の魚 メガネモチノウオ。
一般的は「ナポレオンフィッシュ」の名称で知られている。
中国料理では高級魚として珍重されている。
ナポレオンフィッシュは主に熱帯の海に生息していて
インドネシアのナトゥナ諸島では養殖がおこなわれているが
今年は新型コロナウィルスの影響でピンチである。

150以上の島からなるインドネシアのナトゥナ諸島。
その1つ スダナウ島。
8200人が暮らすその小さな島では
約5万匹のナポレオンフィッシュが養殖されている。
インドネシアでは好んで食べる人がほとんどおらず
養殖された魚はすべて海外向けである。
行き先は香港。
香港では高級食材として中国料理には欠かせない。
値段は他の魚の4倍ほどで取り引きされるという。
(漁師 アセガフさん)
「通常は20日ごとに香港から船が来ます。
 1キロあたり80万ルピア(約6,000円)です。」
ナトゥナ諸島の人たちの平均月収は約2万2,000円。
ナポレオンフィッシュは養殖が始まった30年ほど前から島の人たちを支える貴重な収入源となってきた。
漁師のバサールさん(37)。
漁師になった当時は家に電気も水道も通っていなかった。
ナポレオンフィッシュの養殖を始めたことで収入は5倍に増え
いまでは3軒の家を持つようになった。
(漁師 バサールさん)
「ときには月に5,000万ルピア(約35万円)の利益が出ることもあります。」
高級魚として取引されるナポレオンフィッシュだが
絶滅のおそれがある魚として保護の対象にもなっている。
インドネシアでも一度に輸出できるのは島全体で200匹までと制限されている。
これが魚の価値を一層高める要因にもなっている。
しかし今年は状況が一変した。
新型コロナウィルスによる影響である。
輸出先の香港で感染が広がり
現地のレストランが営業停止に追い込まれたことが痛手となった。
取引業者が島を訪れたのは4月以降一度だけ。
現在も業者からの連絡が途絶えたままである。
(漁師 バサールさん)
「3か月以上 船が来ないと倒産します。
 子どもの学費も魚の売り上げから出しているので
 船が来ないとどうしようもない。」
漁をするためのボートに人を乗せたり
他の魚や貝を売ってしのいでいるが
先行きは見通せない。
(漁師 バサールさん)
「新型コロナの感染が早く収束して
 これまでどおり香港からの船が来てくれることを願うばかりです。」
高級魚によって維持されてきた島の生活。
ウィルスの感染拡大が暗い影を落としている。


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