日暮しの種 

経済やら芸能やらスポーツやら
お勉強いたします

<清明>とはいえ

2020-04-30 07:00:00 | 編集手帳

4月9日 読売新聞「編集手帳」


以前、
若手の記者たちと一緒にタクシーに乗ったとき、
一人が眠気を払うとされる飲料の広告に気づいて言った。
「たしか『眠眠打破』って子供の頃に習いましたよね」

たまたま理科に疎い者ばかりが乗り合わせていたらしく、
小欄を含めてだれも訂正できなかった。
後で、
むかし習ったのは「休眠打破」であることを思い出した。
植物の花芽が寒い時期を眠った状態で過ごし、
目覚めるまでをいう。

自宅でコラムを書き始めて3週間になる。
きのうは天気がよかった。
窓を開けるとそよ風が吹き込み、
草木の香気をうっすらと感じた。

歳時記を開いてみた。
万物が明るく輝くという二十四節気の一つ<清明>に入って、
何日かが過ぎている。
初夏に向け蕾を開く花は多い。
散歩に出かければ、
吸い込む息に植物の目覚めを知る時節が来ていよう。
不要不急の外出を控えることには、
運動不足やストレスの蓄積など“副作用”がある。
適度に体を動かしていますか。

生物の休眠には冬眠もあれば、
暑さを避ける夏眠もある。
専門家の間には、
新型ウイルスは暑気に強くないのではとの期待がある。
眠ってくれないか。

 

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スマートシティ

2020-04-29 07:00:00 | 報道/ニュース

4月7日 NHKBS1「国際報道2020」


いま世界中の企業が Smart City の構想に相次いで参入している。
Smart Cityとは
車や監視カメラなど街にあるあらゆるもの をインターネットでつないで
膨大なデータを集めてそれを活用して
より便利で安全な街づくりを目指すというものである。
もっとも進んでいるのはヨーロッパである。

スペイン北部の街サンタンデール。
膨大なごみの処理が課題となっていた。
街ではいま最先端のハイテク技術を使ってこれを解決しようという取り組みが進んでいる。
自治体からごみの収集を請け負っている会社。
作業員が集まったのはまだ暗い明け方。
まずはタブレットでこの日の作業を確認する。
「きょうは段ボールだ。」
「ここだね。」
 OK 出発していいよ。」
この日は段ボールの収集日。
端末には段ボールがたくさんたまったボックスしか表示されない。
そうしたごみの量をキャッチするのは収集ボックスの中に取り付けられたセンサー。
街中の収集ボックスから送られる情報からリアルタイムで優先順位を判断し
回収ルートが自動的に表示される。
この日車を止めて回収するのは一定以上の段ボールがたまったボックスだけ。
中身が少ないボックスは素通りする。
収集が効率化されたことで人件費などのコストは15%削減。
自治体の財政の健全化に貢献した。
この取り組みは温室効果ガスの削減にもつながると担当者は言う。
(ごみ収集会社 幹部)
「ルートの効率化だけでなく
 二酸化炭素の排出削減や騒音の軽減などの効果も得られました。」
さらにこの自治体では
道路に埋め込んだセンサーで駐車場の空き具合も把握。
市民のスマホに情報を送ることで
駐車場を探し回る車で発生していた交通渋滞を80%も減らすなど
データを活用した街づくりを進めている。
(サンタンデール 市長)
「スマートシティ化で取り入れたさまざまなサービスをひとつに集めて
 住民の暮らしの質の向上につなげていくことが重要です。」
スマートシティの取り組みは日本でも。
3月下旬 トヨタ自動車とNTTが
スマートシティ実現のため互いに約2,000億円を出資する資本提携を発表。
トヨタ自動車は
自動運転などで必要なデータを瞬時に処理できる通信インフラの構築を
NTTとともに進めるとしている。
将来的には自動運転の車を使った相乗りサービスや
移動型の店舗などへの展開を目指し
静岡県内で技術の実証実験を行なう計画である。
日本の大手電機メーカーは
こうしたスマートシティには大きな可能性があると強調する。
(NEC 執行役員)
「データが将来かなり利活用できる。
 社会課題を解決するのに手段になる。
 横断的なデータ利活用という技術を使って
 効率よく解決できるんじゃないかと思う。」
スペイン以外にも
中国の企業アリババが浙江省杭州で進めている。
グーグルはカナダのトロントでスマートシティの建¥建設を計画している。


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新型ウィルスを逆手に 中国 新ビジネスに活路

2020-04-28 16:56:49 | 報道/ニュース

4月7日 NHKBS1「国際報道2020」

感染が最初に広がった中国では
企業活動に再開の動きが見え始めている。
多くの人は今も外出を控えていて家で過ごす時間が長くなっているが
こうした状況を逆手にとって活路を見出す企業が増えている。

北京市内にあるスポーツジム。
普段なら会員たちが一緒に汗を流すスタジオに特設セットが組まれ
インストラクターの指導を中継している。
運営会社が所有する約500のジムは2か月間にわたって閉鎖。
再開の見通しが立たないなか
専用のアプリを使った有料のレッスンを打ち出した。
レッスンの合間には会員から反応や質問が寄せられ
インストラクターと交流できる“双方向性”も特徴である。
「参加してくれてありがとう。
 見て!
 この汗。」
料金は4週間で約4,500円。
利用者は2万人にのぼる。
会員は外出しなくても家でレッスンを受けられることに安心したという。
(会員)
「ジムに行けないので太るのが心配。
 質問があればすぐに聞いて解決できるのでいい。」
これまで収入の85%をジムに通う会員からの利用料に頼っていたという運営会社。
今後こうしたオンラインのレッスンをさらに増やすことにしている。
(ジムの運営会社 社長)
「感染拡大の中で乗り出したオンライン事業ですが
 今後もっと力を入れて
 ジムとオンラインの事業を両立させ
 企業としてのリスク対応能力を高めていきます。」
現在の状況をチャンスととらえ
収益を伸ばしている企業もある。
動画で料理のレシピを紹介するアプリ。
運営会社は
外出を控え自炊する人が増えることを見込んで
2月から新たに“免疫力を高める”特別メニューの紹介を始めた。
“貝柱としいたけのおかゆ”。
メニューは栄養士をアドバイスを受けながら簡単に手に入る食材で作れるよう工夫している。
このサービスを始めてから1日20万人程度だった利用者が50万人に増加。
広告の掲載を依頼してくる企業も増えたという。
(アプリ担当者)
「広告収入は倍増しました。
 この期間 家での料理に時間を費やす人が増えたので
 多くの企業が商品やブランドを宣伝する絶好の機会とと会えています。」
北京に住むアプリ利用者。
食事はデリバリーに頼っていたが
健康への不安もあり
このアプリを使って自炊に挑戦するようになった。
作った料理をSNSで発信することもやりがいにつながっているという。
(アプリ利用者)
「アプリのメニューには栄養バランスのアドバイスもあり
 安心して利用することができます。
 新型コロナウィルスの終息後も
 この経験を生かして
 好きなメニューを学び続けたい。」
感染拡大の影響で経済の冷え込みが続くなか
新たな発想でピンチをチャンスに変えることができるのか。
企業の対応力がいま試されている。
  

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成果ある台湾の感染症対策とは

2020-04-27 07:00:00 | 報道/ニュース

4月7日 NHKBS1「キャッチ!世界のトップニュース」


台湾の新型コロナウィルス感染者は4月6日時点で373人
亡くなった人は5人にとどまっている。
世界各国で感染が拡大するなか
成果をあげている台湾の対策が注目されている。
感染の広がりを食い止めるためどんな取り組みが行われているのか。

感染者の数を低く抑えている台湾。
学校では2月25日から新学期が始まっていて授業は通常通り行われている。
その一方で感染が子どもたちに広がらないように
予防対策が徹底されている。
「隔離中の家族とどのくらい離れますか?」
「1mです。」
台湾では対策が行政だけに任されるのではなく
地域一体となって行っているのが特徴である。
新北市の小学校で週1回行われていた消毒作業は
ボランティアと協力して教室だけでなく遊具や図書館などを消毒するが
新型コロナウィルスの感染が始まってからは毎日行われるようになった。
(ボランティアをしている母親)
「こうすれば子どもたちも自分たちも守れます。
 学校の懸命な取り組みに感謝しています。」
台湾の効果的な感染対策の要となっているのが
関係部局を束ねてトップに立つ対策本部“指揮センター”である。
センターの指揮官は
感染拡大を防ぐにはまずは市民に現状を理解してもらい
ともに活動してもらうことが肝心だという。
(指揮センター 陳指揮官)
「市民と行政が対立したら良い政策も成功しません。
 共に感染防止することが重要です。」
指揮センターがいま警戒を強めているのが
1か月前から始まった“第2の波”である。
台湾の定住者以外の入境は停止されているが
海外から戻った人の中から感染者が相次ぎ
その数は3週間で7倍増えて370人を超えているのである。
到着時に症状がない人は自宅で14日間の隔離が義務付けられているが
隔離中などに渡航歴のない人にうつすケースも確認されている。
海外から戻ってきた人を含む在宅隔離者3万人の発症をいち早くキャッチし
さらなる感染をスピーディーに食い止める。
ここでも行政と市民が協力して感染拡大を防いでいる。
隔離者と直接連絡を取り合っているのは
自治体に設けられた“ケアセンター”。
「ケアセンターですが
 海外から戻って体調はいかがですか?」
地元のボランティアや町内会の協力を得ながら
管理している隔離者約500人に毎日電話をして健康状態を確認。
感染が疑われる症状が出たら
即座にウィルス検査や診察を手配している。
さらに外出できない隔離者のために日常生活の支援まで行なっている。
担当者がひんぱんに通っているのは街の市場やスーパー。
隔離者から頼まれた野菜や肉を買い自宅まで届けているのである。
生鮮食品の買い出しだけでなく弁当の配達や薬の受け取りにも応じる。
その一方で隔離に違反すると厳しく罰せられる。
違反者に課せられる罰金は最大で約350万円。
しかし隔離命令を守らず外出してしまう人は後を絶たない。
この日 取り締まり中の警察が入ったのは台北のクラブ。
中にいたひとりの男性を職務質問したところ
持っていたIDカードで調べた個人記録から「隔離対象者」であることが分かった。
男性は罰金を払い
強制隔離施設に移るよう求められた。
行政と市民の協力で行われている台湾の感染予防対策。
硬軟取り混ぜた取り組みは隔離者からも理解を得ているようである。
(隔離生活を経験した男性)
「誰かと話したかったりつらい時には専用の電話番号があります。
 人の自由を制限しプライバシーを侵害していますが
 今の状況を戦争と考えればこの方法は正しいです。」

 

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ディープフェイクの恐怖

2020-04-26 07:00:00 | 報道/ニュース

4月2日 NHKBS1「国際報道2020」


顔を数万点ものパーツに分解し
表情1つ1つをAI(人口知能)がディープランニングすることで作る
Deep Fake(ディープフェイク)という技術。
顔を変えるだけでなく表情を自然に動かすことができる。
もともと映画などで活用するために開発された技術だが
今このディープフェイクが悪用されて傷つけられる女性が急増している。

オーストラリアで暮らすマーティンさん(25)。
ある日ネット上で目にしたのは身に覚えのない自分の姿が映るポルノ動画だった。
(マーテインさん)
「これもフェイク これもフェイク これもフェイク。
 どれだけフェイクがあるかさえ分かりません。」
そこには名前や住所などの個人情報もさらされていた。
(マーテインさん)
「高校卒業後大学に入学したころの写真です。
 大学のパーティーに行く前に撮りました。」
フェイスブックを利用し約1千人の友人とつながっていたマーティンさん。
友人との食事や旅行
家族と撮った写真
日々の何気ない投稿がディープフェイクに利用されていた。
(マーティンさん)
「ショックでした。
 何が起こっているのか分からなくて
 吐き気もして
 とにかく怖かったです。」
誰の仕業なのか心あたりもなく
マーティンさんは弁護士や警察に相談した。
サイトの運営者に削除を求めたがディープフェイクはすでに拡散。
打つ手はなかった。
そこでマーティンさんは意を決してメディアに被害を告白。
(地元テレビ マーティンさん)
「私はSNSの画像を盗まれ
 多くのポルノサイトに投稿されました。」
しかしネットでは誹謗中傷が増しただけだった。
“これで注目を浴びて金を稼ぎたいんじゃないか”
“自分でアップロードしたんだろ”
(マーティンさん)
「私にはフェイクと分かりますが
 雇用主や友だち
 私を知らない誰かが見たとき
 これを私だと思い込むのではないでしょうか。
 時間を経るごとにどんどん映像がリアルになっていくのです。」
ある研究機関の調査では
ネットにあるフェイク動画の数は半年間で2倍
1万4,000件以上に増加。
そのうち96%の動画が女性をターゲットにしたものだという。
女性の暴力被害などの相談に乗ってきたNPO団体。
課題となっているのが国境を越えて行われるディープフェイクの作成の取り締まりである。
この日話題となったのがフェイクポルノの作成を依頼できるというサイトの1つだった。
「これは“彼女のポルノを作るのにいくらかかる?”という依頼。」
「なんて恐ろしいの。
 悪意に満ちている。」
“知り合いのフェイク動画を作ってほしい”
“作ってくれたら75ドル(約8,000円)払います”
ターゲットにされた女性の中にはイスラム圏の人と思われる写真も。
このサイトでは相次いで寄せられる依頼に対し
“作成に応じる”というコメントが記されていた。
ディープフェイク発祥のアメリカではニューヨーク州で
本人の画像や映像を許可なく使い精巧な偽物を作ることを禁じる法律ができるなど
規制が始まっている。
ネットの世界では国境を超えて依頼と作成が行われているため
もはや国内の法律だけで規制が困難な事態となっている。
(NPO職員)
「アカウント所有者の情報を入手する必要があるけど難しい。」
「運営者が外国にいれば企業に責任を取らせるのはさらに困難ね。」
誰が何のためにこのサイトを起ち上げたのか。
サイトの運営管理者は
あくまで“テクノロジーの進化のため”と主張した。
(サイト 運営管理者)
「人々がディープフェイクの技術を学ぶためにサイトを運営している。
 たまたまポルノが人々の興味を誘っただけ。
 物事には負の側面もあるということだ。
 ディープフェイクは単なる道具だ。
 どう使うかを決めるのは人間だよ。
 テクノロジーの進化を止めてはいけない。」
ディープフェイクの脅威は
今年秋に行われるアメリカ大統領選挙にも及んでいる。
AIが作り出した実在しない人物の画像。
SNSにニセのアカウントを作り
トランプ大統領を支持する投稿を拡散させていたのである。
コミュニケーションツールとして発展してきた一方
嘘の拡散に利用されてきたSNS。
フェイスブック社は今年
ディープフェイクの一部を削除する方針を打ち出した。
ただ どこまでを表現の自由ととらえるかの判断が難しく
規制は限定的であるべきだとしている。
(フェイスブック社)
「人々が自由に表現し意見交換できるようにするのと同時に
 利用者が見たくない内容から守る必要もあり
 このバランスをどうとるのか難しいのです。」
世界中の研究者もディープフェイクの対策に追われている。
ニューヨーク州立大学の研究室ではAIを使って動画の真偽を見破る技術を開発した。
ニセの動画が作成されたときに生じるわずかな歪みを検知し
ディープフェイクを見つけ出す。
しかし見破る技術が高まればそれを利用してディープフェイクを作成する技術も高まる“いたちごっこ”の状況が続いている。
(ニューヨーク州立大学 シーウェイ教授)
「どんなに高度な見地技術があっても
 より精巧なフェイク動画が検知を逃れます。
 “ネット動画は全部信じない”という過剰反応をする人もいますが
 私たちはそれくらい気をつけないといけません。」



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治療薬で朗報を、笑顔を届けて

2020-04-25 07:00:00 | 報道/ニュース

4月2日 読売新聞「編集手帳」


テレビCMが、
お茶の間に笑顔を届けることがある。
そういう意味で、
樹木希林さん、
岸本加世子さんが演じた富士フイルムのCMは金字塔といわれる。

振り袖姿の希林さんがカメラ店を訪れ、
注文する。
「お見合い写真なものですから、
 とくに美しく」。
店員の岸本さんが淡々と応じる。
「フジカラープリントでしたら、
 美しい人はより美しく、
 そうでない方は、
 それなりに写ります」

初放映は1980年のことだった。
それから40年になる今年、
富士フイルムの社名がしばしばニュース記事にあることにお気づきの方は多かろう。

子会社が開発したインフルエンザ治療薬「アビガン」は、
新型コロナウイルスの治療薬になり得る既存薬の一つとして名を響かせている。
政府は治験、承認、増産という図を描く。
試験的な投与では重症化を防ぐ効果が確認されたといい、
計画が速やかに運ぶことを願うばかりである。
もちろん効能にも「それなり」以上の多大な期待をする。

アビガンに限らず薬さえ生まれれば世界に安心が広がることだろう。
どうか人々がくたくたに疲れすぎないうちに、
朗報を。
笑顔を届けて。

 

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世界が注目!洋上風力発電

2020-04-24 07:00:03 | 報道/ニュース

4月1日 NHKBS1「国際報道2020」


いま世界が注目している洋上風力発電。
大型のもので羽を含めて高さ約260m。
海底に固定する着床式
海上に浮かばせる浮体式がある。
海上は一定の風を陸よりも受けやすく安定した電力が見込めるとして
ヨーロッパを中心にすでに広く普及している。
地球温暖化の問題が深刻になるなかで
政府は2019年4月
“再エネ海域利用法“
(領海の一部を洋上風力発電に長時間利用できるためのルール)を施行。
国内外の企業に発電に向けた門戸を開いた。
政府は4つのエリア(秋田能代市・三種超・男鹿市沖、秋田由利本荘市沖、千葉銚子沖、長崎五島市沖)を洋上風力発電の有望な海域に指定して
本格的に発電をいまスタートさせようとしている。
日本の可能性についてIEA(国際エネルギー機関)は
“最大で1年間の電力需要の約9倍の電力を賄える”と試算している。
この洋上風力発電に関しては手付かずの状態とも言える日本の状況は
大きなビジネスチャンスだとみられて
今ヨーロッパなど外国の企業が続々と進出してきている。

2月に都内で行われた国内最大規模の風力発電の展示会。
国内外から約170社の企業が参加し
洋上風力発電に関わる自社の製品や技術をアピールした。
中でも存在感を示していたのがヨーロッパの企業である。
イギリスの企業は一角にまとまって洋上風力発電を売り込んだ。
さらに風力発電に長い歴史を持つオランダに加え
洋上風力発電で世界最大手の電力会社を持つデンマーク。
今年 海外からの出展企業は過去最多となり
各国の企業が続々と参入する様子を江戸時代末期の“黒船”に例える関係者もいるほどである。
(デンマークの建設資材メーカー)
「日本は海に囲まれ
 洋上風力発電の可能性は大きい。
 パートナーを見つけてぜひ進出したい。」
日本に拠点を開く企業も相次いでいる。
ノルウェー最大手のエネルギー会社 エクイノール。
2年前 都内の一等地に事務所を設けた。
「これから忙しくなりそうですよ。
 もっと大きな事務所が必要になるかもしれません。」
日本事業総代表のストルテンベルグさん。
日本の市場に大きな期待を寄せている。
(エクイノール ストルテンベルグ日本事業総代表)
「日本政府が新たな法律を整備するのを見て
 事務所が必要だと感じました。
 日本は洋上風力発電開発の中心になれる可能性があります。」
各国の企業が日本に熱い視線を送る理由は
ヨーロッパでの成功体験である。
ヨーロッパの国々では温暖化対策として
2000年ごろから洋上風力発電の建設が本格化していて
いまや洋上風力発電の先進地となっている。
(去年12月 イギリス ジョンソン首相)
「皆さんは“2050年までに温室効果ガス実質ゼロ”に投票した。
 私はそれを実現する!」
イギリスでは去年12月の総選挙でも
与党保守党が洋上風力発電の増設を公約の1つに掲げ大勝。
エクイノールもイギリスで多くの事業に参加している。
スコットランド沖のプロジェクトでは
大型風車5基を設置し3年前から運転を始めた。
合わせて2万点ともいわれる部品は
英国内の企業だけでなく外国企業が協力して調達し
共同で建設を行なっている。
イギリスでは政府が
2030年までにエネルギーの30%を洋上風力発電で賄う計画を掲げている。
エクイノールはこうした経験を日本でも生かしたいと考えている。
(エクイノール ストルテンベルグ日本事業総代表)
「我々は欧州で技術を開発し
 洋上風力発電を発展させた経験から多くを学びました。
 この成功事例は多くの国
 特に日本でも再現できると信じています。」
一方で日本市場への参入には課題も感じている。
火力発電や原子力発電も主要なエネルギーとしている日本。
今後どのくらいの規模まで洋上風力発電を推進するのか
日本政府が長期的なロードマップを明らかにしていないため
市場を予測しづらいという。
(エクイノール ストルテンベルグ日本事業総代表)
「日本以外のヨーロッパ内外の多くの国の政府が
 ロードマップや野心的な目標を持っています。
 ロードマップがあることで産業側は今後の展望を描くことができるのです。」




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エイプリルフール ウソの罪

2020-04-23 07:00:00 | 編集手帳

4月1日 読売新聞「編集手帳」


カレンダーを眺めつつ、
思い出した短歌がある。
<生者のみめくれる暦またも来る四月一日エイプリルフール>
(宮城県塩釜市 佐藤龍二)

本紙歌壇に2012年4月に掲載された被災地の方からの投稿である。
3・11の東日本大震災から1年を過ごし、
エイプリルフールを迎えた複雑な気持ちを詠んだものだろう。
悲しくない、
苦悩なんかしていないとウソをついても、
現実が変わるはずはない。

今年にも似た面がある。
新型ウイルスの猛威で、
喪失の悲しみや生活への不安が広がり続ける中でウソの罪の懸念を禁じえない。

外国で実施されているロックダウン(都市封鎖)についての根拠のない情報が、
他者に転送を促すチェーンメールで拡散し、
政府が否定に追われている。
<大切な人に回して>と記されているといい、
家族や友人を思う人の気持ちを利用する意図がうかがえる。
世の中を騒然とさせるのが快楽なのか、
最初の発信者はどんな人なのだろう。

最近ようやくトイレットペーパーを店頭に見るようになった。
思えば、
ウイルスといい、
デマといい、
“拡散”の2文字とともに4月の声を聞いた。

 

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“うまいものなし” 返上へ

2020-04-22 07:00:00 | 報道/ニュース

4月1日 NHK「おはよう日本」


多くの観光地を抱える古都 奈良だが
明治時代の文豪 志賀直哉が奈良県を
“うまいものが無いところだ”と随筆に記したことから
“奈良にうまいものが無し”と言われることがあるという。
こうした汚名を返上し観光客により満足してもらえるようにしようと
新たな取り組みが始まっている。

奈良の山里にぽつんと立つ建物。
“うまいものなし”の汚名を返上しようと奈良県が4年前に建てた料理学校である。
校長には料理界のビッグネームを招聘。
東京やパリなどでレストランを展開する平松博利さん。
授業が行われるキッチンには高価な機材を導入。
オーブンや大型ミキサーなど
一流レストランで使用されるものである。
(生徒)
「ここは環境もいいですし
 すごくありがたいです。」
学費は年90万円と安くない。
豪華な料理学校を税金で作る必要があるのか。
当初 批判も高まった。
荒井知事は批判を受けとめつつ理解を求めている。
(奈良県 荒井知事)
「新しい試みはいつも難儀がある面があります。
 “奈良にうまいものなし”を逆手にとって
 チャンスだと思って。」
奈良県がリスクを取ったのには訳があった。
いつも観光客でにぎわい潤っているはずの奈良。
しかしその実態は悲惨なものだった。
外国人旅行客が使うお金は1人あたり6,727円。
ダントツの全国最下位である。
奈良を訪れる多くの旅行客が
近くの大阪や京都で泊まったり食事をしたりしているとみられている。
奈良県は
うまいものが増えれば旅行客の滞在時間が増えお金を落としてもらえると
考えている。
奈良にうまいものはあるのか。
その答えを探す1人 芝田さん。
料理学校の1期生である。
去年 奈良市から1時間以上離れた曽爾村に泊まれるレストラン
オーベルジュを開業した。
(芝田さん)
「お店をやりたいって思ったときにやるんであれば
 自分が生まれ育った曽爾村でやりたいと思いました。」
売りは奈良の食材にこだわったフランス料理。
1泊3万6千円~だが
早くも人気である。
芝田さんが大切にしているのが地元農家との情報交換である。
この日出合ったのが大和完熟ほうれん草。
県内でも20件ほどしか栽培していない奈良の伝統野菜である。
さらに新メニューに向け貴重なヒントももらった。
「軸よりも根の方がもっと甘いですね。
 根の方が糖度が高い。」
キッチンに戻った芝田さん。
日替わりスープに仕入れたばかりのほうれん草を使う。
“甘い”と教えたもらった根をどう調理するかが腕の見せ所である。
そしてメインは奈良のブランド 大和牛。
この日の客は松阪牛が自慢の三重県からだったが
自信を持って勝負した。
(ディナー客)
「松阪牛より脂っぽくはなくて食べやすい印象がありました。
 “奈良はうまいものなし”って
 そうなんですか。
 全然そんな感じないくらい。」
(芝田さん)
「おいしいものは奈良にあるということを発信していけたらと思います。
 末永くお客さんに愛されて
 地元からも応援される店でありたいと思います。」
“うまいものなし”の汚名を返上へ。
奈良の挑戦は続く。

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「ありがとう!」 志村けんさんへ

2020-04-21 07:00:00 | 編集手帳

3月31日 読売新聞「編集手帳」


お誕生日、おめでとう!と、
志村けんさんが話しかけても、
おばあちゃんは返事さえしない。
志村さんが突然訪問し、
100歳の誕生日を祝うというテレビ番組の企画は失敗したかに見えた。

だがふと思いついて、
普段コントでやっているおばあさんの声で話すと、
「はいっ」とかわいい声が返ってきたという。
3年後、
おばあちゃんは亡くなった。

志村さんは「いい思い出ができました」と家族からお礼の手紙が届いたこと共々、
芸能人生で巡り会った喜びの一つとして自著に書き留めている。
(『変なおじさん 完全版』新潮文庫)

志村さんには一人だけの文通友達もいた。
知的障害を持つ詩人くりすあきらさんである。
<ありがとうといわれたら
 しあわせになります
 でもありがとうは
 なかなかいうて
 もらえません
 しんせつにせんと
 いうてもらえません…
 ありがとうはしんどいこと
 なのです>。
僕の一番好きな詩だと口ずさんだ。

国民的コメディアンの「変なおじさん」は底抜けにやさしい人だった。
享年70。
世界を苦しめるウイルスによって不慮の死に見舞われた。
涙と一緒に、
ありがとうと言おう。

 

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バラライカ奏者 “日ロの懸け橋に”

2020-04-20 07:00:00 | 報道/ニュース

3月30日 NHKBS1「国際報道2020」

ロシアを代表する民族楽器バラライカの演奏家 北川翔さん。
バラライカは中世にロシアの農村部で広まった弦楽器。
3本の弦が奏でる多彩な音色はロシアの民族音楽に欠かせない。

バラライカ奏者 北川翔さん(36)。
1年に1度 モスクワに民族楽器の名手が集う「ロシア民族音楽祭」に
外国人として唯一招待された。
(観客)
「最初の音を聴いた瞬間から心が揺れ
 感動したよ。」
「日本人がこんな演奏をするなんて
 エキゾチックで華麗で優雅。
 すごい人ね。」
20代で5年間ロシアに音楽留学し演奏技術を学んだ北川さん。
ロシア国内のコンクールで優勝した経験もある。
(バラライカ奏者 北川翔さん)
「バイオリンだったら弓を使うし
 マンドリンだったらピックだったり。
 クラシックギターは爪を伸ばして弾くけど
 バラライカは皮膚で全部の弦をたたくので
 すべてがこの指から体から音が発せられるところが大きな魅力。」
北川さんのロシアのつながりは祖父の代までさかのぼる。
合唱団の指揮者だった祖父の剛さん。
第二次世界大戦でソビエト軍の捕虜となり4年間シベリアの収容所で過ごした。
厳しい抑留生活で死と隣り合わせの生活を送った祖父。
「心の支えとなったのは現地でロシアの民族音楽に触れたことだった」と
帰国後 NHKのラジオで語っている。
(北川剛さん)
「苦しかった抑留生活でしたが
 しかしこの期間にロシア民謡に接しられたことは誠に幸せでした。
 伐採に出かける人たちを乗せたトラックから聞こえてくる歌声。
 異国情緒たっぷりの民族発生の合唱は
 心の震えるような魅力を感じさせたのです。」
祖父の剛さんは戦後
日本でロシア民謡の合唱団を設立。
志を継いだ父親のつとむさんもロシア民族音楽のオーケストラを結成し公演を重ねた。
祖父と父が目指した音楽を通じたロシアとの交流。
北川さんもその志を受け継いできた。
北川さんは演奏にさらなる磨きをかけようと模索を続けている。
この日は新しいバラライカを購入しようとモスクワの工房を訪ねた。
(北川)「ここにフレット(突起)を2つ付けられる?」
(職人)「問題ないよ 22番と14番だね。」
かつて父親のつとむさんにも楽器を提供していた工房の親方。
北川さんの活躍を手放しで喜んでいた。
(楽器職人 グレベニコフ氏)
「この楽器を演奏するだけでも尊敬を集めるのに
 彼には3代にわたる伝統があります。
 彼がバラライカを演奏することに大きな誇りが感じます。」
(バラライカ奏者 北川翔さん)
「ロシア音楽のすばらしさを知ることで
 ロシアへの考えが変わるかもしれないし
 日本人の僕がロシアの伝統楽器バラライカをロシアの地で演奏することも
 ロシアと日本が仲良くなるきっかけになればいい。」
祖父と父から受け継いだ伝統の音楽。
日本とロシアをつなぐ演奏が人々を魅了する。

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休園中の動物園 元気な動物の姿届けます

2020-04-19 07:00:00 | 報道/ニュース

3月26日 NHK「おはよう日本」


新型コロナウィルスの影響で休園が続いている札幌市の円山動物園では
動物を見られない人のために動画の配信を始めた。
飼育員の思いが詰まった映像が話題になっている。

円山動物園がtwitterで毎日配信しているのが「今日の円山動物園」。
愛くるしい表情に魅せられて
再生回数は2万回。
大人気となっている。
新型コロナウィルスによる北海道の緊急事態宣言を受けて
3月いっぱいの救援を決めた円山動物園。
しかし決定の直後から
“動物の姿が見たい”という声が多く寄せられた。
みんなの期待に応えたい!
動画で元気を届けることにしたのである。
動画初心者の職員たち。
手探りで作り上げている。
「超かわいいっすね。」
「めっちゃ かわいいっすね。」
休園を決めた翌日から動画を投稿すると
“動物園にいる気分になれます!”
“うれしくて涙が出ました。”
多くの喜びの声が寄せられたのである。
(編集担当 湯浅さん)
「“動物たちの姿を見て涙が出た”というコメントがやっぱり印象的だった。
 今がこういう状況も状況なので
 少しでも癒しに
 お役に立てたのかな。」
撮影するのはそれぞれの動物を担当している飼育員。
この日のテーマは“食事風景”。
サル担当2年目の野村さん。
サルから視線をそらして近づく。
なぜ?
(サル担当 野村さん)
「サルたちにとって目を合わせるのは
 簡単に言うとけんかの合図みたいな形。
 極力 目を合わせず
 サルたちに安心した状態で過ごしてもらっている。
 姿を撮れるようにしている。」
リラックスした表情 ♡♡♡・・・。
動物園のアイドル ホッキョクグマのリラちゃん。
ホッキョクグマ担当8年目 ベテラン飼育員 清水さん。
サカナにかぶりつく迫力のシーンを狙うが
「窓際にエサがあるけど全然来ない・・・。」
あきらめて後ろに回り込んだ清水さん。
「ただひたすらおしりの動画を流したら怒られるか・・・。」
「いや それもいいです。」
「クマのおしりっていいよなあ。」
箱の中にはエサのピーマン。
スマートフォンを仕掛けて
何を狙っているのか。
現れたのはモルモットたち。
動物目線。
(モルモット担当 渡邉さん)
「モルモットは警戒心が強くないといけない動物だが
 エサにつられた子たちが何の抵抗もなく来てくれたので
 “大成功”という感じ。
 普段見ることができないような動物たちのすごく間近な表情とか
 人間の世界はいろいろ今大変だが
 動物たちは何も変わらず
 毎日元気にのほほんと過ごしている。」
園長みずからカメラマンに。
(加藤園長)
「(ライオン)眠いですね・・・眠いですね・・・。」
「いつ皆さんに実際に来て見ていただけるようになるかはわかりませんが
 その間も元気な動物たちを毎日頑張って配信しますので
 ぜひみなさん映像を楽しんでいただきたいなと思います。」

 

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がんばろう

2020-04-18 07:00:00 | 編集手帳

3月26日 読売新聞「編集手帳」


木は燃えて火が生まれ、
火の後には灰(土)が残る。
土からは鉱物(金)が得られ、
金属はやがて冷え表面に水を浮かべるようになる。
水は根から吸収され木が生まれる。

万物は木、火、土、金、水から成るという中国古代の思想「五行相生説」である。
逆に「相克説」というものもある。
順序よく流れればいいけれど、
例えば火と水は相性が悪い。
お互いに打ち消し合うことになる。
感染症を広げない取り組みと、
経済活動の関係によく似ている。

外出禁止令が出るほどの状況ではない日本では、
火と水の両方がだめにならないように、
みなで相克の谷を渡って行こうということだろう。

一つ挙げれば、
学校の再開が試金石になる。
手洗い、検温、マスク、換気、密集や近距離での会話を避ける――
文部科学省が示した指針は学校生活だけに当てはまるものではあるまい。
働いたり、
余暇を過ごしたり、
外に出て活動する人すべてに求められることに違いない。
この先少しでも亡くなる人を減らせるように、
生きていくために必要な経済の基盤がこれ以上壊れないようにするために。

がんばろう。
子供たちと一緒に。

 

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真実の価値を訴える

2020-04-17 07:00:00 | 編集手帳

3月25日 読売新聞「編集手帳」


ニュースには真実、
ほぼ真実、
うその三つの種類しかない。
例示をしてくれませんか。
時報、
これは紛れもなく真実だな。
ほぼ真実は? 
天気予報だ。
では三つ目は? 
その他すべてさ。

政府が情報を意のままに管理した旧ソ連で生まれた小話である。
国名を「中国」に換えて古い小話が息を吹き返すようでは、
世界のリーダーを志す国にとって名誉なことではないだろう。

香港紙が伝えた。
中国政府が新型ウイルスの検査で、
陽性を示しながら発熱などの症状がなかった4万3000人以上を統計から除外していたという。

事実とすれば、
約8万人とされている感染者数は、
拡散状況を分析する研究では役に立たない統計になりかねない。
新型ウイルスは「沈黙の肺炎」とも称される。
症状の自覚のない感染者が拡散させている可能性が指摘されるなか、
独断が過ぎよう。

東京大学の卒業式で、
卒業生総代として中国・武漢出身の鄭翌さん(医学部健康総合科学科)が答辞を読んだ。
「国や地域を隔てて医療を論じることは不可能。
 一人一人に託された使命を精いっぱい果たします」。
真実の価値を訴える声だろう。

 

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ニュージーランド マオリ語に光を

2020-04-16 07:00:00 | 報道/ニュース

3月25日 NHKBS1「国際報道2020」


ニュージーランドの紙幣。
NEW ZEALANDの文字の下に
AOTEAROAと書かれている。
ニュージーランドの先住民族マオリの言語マオリ語で
ニュージーランドを指す言葉である。
5年前から紙幣に英語と併記されるようになった。
マオリ語は一時は消滅の危機にあったが
近年見直されて息を吹き返しつつある。

マオリ伝統の踊り“ハカ”。
去年のラグビーW杯でも世界中を沸かせた。
使われているのはすべてマオリ語である。
ニュージーランドの人口約480万人の15%ほどを占める先住民族のマオリ。
“犬は禁止”“禁煙”など街なかで見かけるマオリ語。
しかしマオリ語は30年以上前に公用語になったものの
最近まで公共の場で話されることはほとんどなかった。
原因は
かつて政府が進めた同化政策である。
英語のみで教育が行われ
マオリ語が話せるマオリの人口は一時20%以下にまで減少したのである。
マオリ語が話せない中高年のマオリは
“失われた世代”と呼ばれている。
タフィティさん(68)。
両親はマオリ語を話せたがタフィティさんはほとんど話すことはできない。
(タフィティさん)
「60年代と70年代
 マオリ語は学校で話されることはありませんでした。
 家に帰るまで耳にすることもありませんでした。」
自分たちの固有の文化や言語が消滅することに危機感を覚えたマオリの人たち。
マオリ語の学校や保育園を地道に増やし
政府に授業をマオリ語でも行うよう働きかけた。
その結果 マオリ語を話せる若い世代が徐々に増えていったのである。
こうしたなか去年 ある動画が話題を集めた。
女の子に接客するファストフード店の店員。
マオリ語で話す女の子に対しマオリ語で応じたのである。
「ご注文は?」
「ストロベリーパイ。」
「残念ですがストロベリーパイは売り切れました。
 アップルパイかストロベリーサンデーはありますよ。」
マオリ語を日常で話す姿が反響を呼び
フェイスブックに投稿された動画は24万回も再生された。
接客にあたった店員 ソレンソンさん(26)。
「Paraoa porowhita はベーグル
 Keke riwai はハッシュポテト。」
幼い頃からマオリ語を学んできたソレンソンさん。
マオリの文化を誇りに思い
日常でも使うよう心掛けていた。
(ソレンソンさん)
「私はマオリ語を話すのが大好きです。
 自然に口から出てくるのです。
 マオリ語をいろんな場所で聞くことができたらとてもうれしいし
 勇気づけられます。」
マオリ語を話す若者が増えたことで失われた世代にも変化が表れている。
マオリ語を学び始める中高年が急激に増えているのである。
「本は何と言いますか?」
「PUKAPUKA。」
この日 初めてマオリ語の教室に参加したクラークさん(61)。
クラークさんがマオリ語を学び始めたのは
マオリ語を話す孫の姿を見たのがきっかけだった。
(クラークさん)
「16歳の孫と話したくて始めたんだ。
 私は自分の言語(マオリ語)も話せない。
 孫に笑われてしまう。
 それを変えたくてね。」
かつて消滅すると言われながらも息を吹き返したマオリ語。
自分たちの歴史と文化を大切にしたいという思いが
ニュージーランド社会に変化をもたらしている。


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