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空き家ビジネス 最前線!

2014-11-30 16:30:00 | ビズ プラス

11月16日 BIZ+SUNDAY


東京町田の住宅街。
今年母親が無くなり家を相続した山川俊英さん(52)。
空き家になった家をどうするかが山川さんの悩みである。
(山川俊英さん)
「自分で済むのか
 保全するのか
 借りてくれる方を探すのか
 売却か。
 近隣の方の不安も空き家ということであるだろうから何らかの形で方向を定めないと。」
山川さんが訪ねたのは不動産会社東急リバブル。
いま空き家ビジネスに力を入れている。
今年8月 空き家の悩みにこたえる新たなサービスをスタート。
家を売ったらいくらになるか
貸した場合のメリットデメリットは
様々な相談に無料でのっている。
これまでこうした相談に別々の窓口で対応してきた会社。
空き家ビジネスがこれから大きく伸びると見込んで今回1本化した。
山川さんの場合は
売ると3400円余
一方 貸すためには700万円のリフォーム代がかかるが月15万円の収入が見込めることが分かった。
会社では家を売りたい人には解体費用やリフォーム代を立て替えるサービスも始めている。
資金がない場合でも空き家を売りやすくするためである。
(妻 山川恵美子さん)
「金額の面での負担というのは私たちの生活もありますし
 ありがたいと思った。」
問い合わせはこれまで150件。
空き家の売買を促し収益につなげようとしている。
(東急リバブル 空き家サービス 小林浩課長)
「中古住宅を求められる方も増えてきているので
 空き家をそうした方のニーズにこたえるよう市場に提供していく。」
一方 都心で増えているのが賃貸マンションなどの空き部屋。
借り手のいない部屋をどうビジネスにつなげるか。
布団を置いて家電製品も設置。
宿泊施設にしてしまおうというのである。
ターゲットは増え続ける外国人観光客。
部屋の写真を見た外国人の反応は
(アメリカからの観光客)
「すごくいいサービス。
 キッチンもあるし日本にしては広いわ。」
(イスラエルからの観光客)
「この部屋に泊まったら地域の人と話したりいろいろな体験ができるわね。」
このビジネスを立ち上げたのはベンチャー企業とまれる。
(とまれる 三口聡之介社長)
「東京オリンピックが決まって2020年には外国人観光客が2000万人になる。
 今すでに空き家があるんだからそこに泊まれるようにすればホテル不足は一気に解決する。」
会社が注目するのは外国人を増やすための国家戦略特区。
これまで宿泊施設として利用することができなかった賃貸マンション。
これが来年の春には規制緩和で利用できるようになることを見込んでいる。
このビジネスに賃貸マンションの所有者も期待を寄せている。
石渡憲一さんは都内に賃貸マンションを3棟持っているがその1割が空き部屋である。
(賃貸マンション所有者 石渡憲一さん)
「賃貸だと季節によってなかなか埋まらない期間があるし
 収益が上がってくれば面白い仕事になる。」
(とまれる 三口聡之助社長)
「今まで賃貸としては需要がなかったかもしれないが
 旅行者にとっては非常に価値のある部屋はいくらでもある。
 ホテルや旅館とは違うサービスが出来る。」

 

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ユーロ経済をどう立て直すか

2014-11-30 07:30:00 | ビズ プラス

11月16日 BIZ+SUNDAY


景気低迷の打開を期待されているのが
ユーロ圏の金融政策を一手に担うヨーロッパ中央銀行である。
金融緩和を行い市場にお金を供給することでユーロ圏の経済を回復させることはできるのか。

11月6日に開かれたヨーロッパ中央銀行の理事会。
直前に日銀が追加の金融緩和を決めたことで
市場ではユーロ圏も大胆な金融緩和に踏み切るべきだという声が強まっていた。
(記者)
「日銀の追加緩和はヨーロッパ中央銀行の政策に影響しないのか。」
(欧州中央銀行 マリオ・ドラギ総裁) 
「どの国の取り組みも参考になる。
 必要に応じて迅速に金融緩和を実行できるよう事務方に追加の緩和策の準備を指示した。」
ドラギ総裁は各国の国債などを買い取る量的緩和に踏み出す可能性を示唆した。
ユーロにとっては未踏の領域である。
そのドラギ氏にバトンを引き継いだ前総裁。
中央銀行への過度の期待を厳しく戒めた。
(欧州中央銀行 ジャン・クロード・トリシェ前総裁)
「中央銀行がすべての問題を解決できると考えるのは認識が甘い。
 欧州中央銀行は各国の政府や議会の代わりになることはできない。
 各国は内需の拡大や物価の上昇に向けて取り組まなければならない。」
ユーロ導入から15年して見えてきた構造的な問題。
トリシェ氏はユーロにはそれを乗り越えて克服する力はあると強調した。
(欧州中央銀行 ジャン・クロード・トリシェ前総裁)
「通貨としてのユーロ
 そして単一市場としてのユーロ圏が危機から立ち直ることができたのは
 各国が統合を進めようと力を尽くしてきた歴史と強い意志があったからだ。
 そうでなければユーロは消滅していただろう。
 私たちの経済は完ぺきではないことを受け入れ
 構造改革を進めるために闘わなければならない。
 最も重要なのは構造改革によって経済成長の潜在力を高めていくことだ。」

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低迷するユーロ経済 何が起きているのか ②リトアニア

2014-11-29 07:30:00 | ビズ プラス

11月16日 BIZ+SUNDAY


これまでユーロは拡大を続けることで経済発展を目指していた。
現在は18か国が参加しているが来年1月にはバルト3国のリトアニアも加わることになっている。
ところがユーロ経済が低迷しているため国民から反対の声が挙がる事態となっている。

人口300万のリトアニア。
ユーロ導入まで1か月余り。
様々な準備が進められている。
スーパーでは通貨リタスとユーロの両方で価格が表示されている。
こんなCMも作られた。
触れて 見て 傾けて
2015年1月1日からユーロは私たちの通貨になります
リトアニアがユーロを導入するのは安定した通貨を手に入れユーロ圏との経済関係を強化したいからである。
(リトアニア銀行 ヴィダス・ヴァシリウスカス総裁)
「ユーロを導入することは合理的だし戦略的にも非常に重要だ。
 私たちの予測では貿易は5%~10%増加するし
 通貨が過剰に変動するリスクも回避できる。」
国の悲願だったユーロ導入。
ところがユーロ圏の景気低迷が続く中いま国民からは反対の声が強まっている。
9月に行われた世論調査では導入に反対する人の割合が賛成を上回った。
(リトアニアの市民)
「多くの人が反対している。」
「大きな国ではないので生き残れなくなってしまう。」
専門家はギリシャ危機のような事態が再び起きた場合
リトアニアに悪い影響が及ぶことは避けられないと指摘する。
(調査会社代表 ジルビナ・シュリアナスさん)
「政府は通貨がユーロになっても何も変わらないと宣伝しているが
 多くの人がそれを信用していない。
 ユーロ圏各国との結びつきは強くなるが
 もし他の国で危機が発生すれば我々を傷つけることになるだろう。」

低迷するユーロを目の当たりにしてメリットよりもデメリットが多いと感じている。
まず市民生活ではユーロ導入の際の便乗値上げ
この先ユーロ安が進んだ時に物価が上がるのではないかという心配がある。
さらに専門家からは
長期間低金利が続いているいわば“ぬるま湯”のユーロに入っても
リトアニア経済の構造改革が進まないという指摘まで出ている。
これはユーロ導入以降
構造改革を怠ってきたフランスがまさに今陥っている状況である。



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低迷するユーロ経済 何が起きているのか ①ギリシャ ドイツ フランス 

2014-11-28 07:30:00 | ビズ プラス

11月16日 BIZ+SUNDAY


単一通貨ユーロは15年前に導入された。
通貨が生まれた背景にはヨーロッパの苦難の歴史がある。
今から100年前には第一次世界大戦。
そして第二次世界大戦と戦火に見舞われたヨーロッパ。
ベルリンの壁崩壊のあと二度と戦争を起こさないためにひとつのヨーロッパをめざし通貨を統一したのである。
ユーロを導入している国は18
人口は3億3500万人にのぼる。
ユーロ圏の成長率は
15年前のユーロ導入のあとプラス成長が続いていたが
2009年のリーマンショックをきっかけにマイナスに落ち込み今も低成長から抜け出せずにいる。

ギリシャ危機から5年たったアテネ。
今も深刻なデフレが続き失業率は約25%。
経済の低迷が続いている。
夫が病気の妻を看病しながら日雇いの仕事を続けてきた一家。
しかし仕事が激減し電気代が払えなくなった。
(妻 エレフセリアさん)
「原始時代のような暮らしでしょう。
 子どもはろうそくの明かりで勉強しなければなりません。」

ユーロ圏各国の経常収支をみると
ドイツの黒字がひときわ目立つ。
なぜドイツは巨額の黒字を積み上げることができるのか。
原動力は高い競争力を持つ輸出企業である。
3Dの鮮明な画像を広告に使う技術を開発した会社。
ヨーロッパ各地に販売している。
(広告機器メーカー社長)
「ヨーロッパに積極的に売り込んでいる。
 とてもうまくいっている。」
ドイツはユーロ導入によって為替リスクのない巨大な市場を手に入れ輸出を伸ばしてきた。
(ドイツ商工会議所 チーフエコノミスト アレクサンダー・シュマンさん)
「マルクを使っていたら輸出企業は大変だった。
 ユーロはドイツ経済を成功に導いた。」
そのドイツに財政出動による景気刺激策をとってほしいという声がいま各国から上がっている。
(フランス オランド大統領)
「ドイツのような黒字の国はもっとお金を出すべきだ。」
財政出動によってドイツ経済が成長すればほかの国の経済の底上げにもつながると期待しているからである。
しかしドイツは財政出動には慎重である。
(ドイツ メルケル首相)
「ドイツ政府は借金をしてまで投資を行う必要はないと考えている。」
ドイツが慎重な姿勢を崩さないのには理由がある。
25年前 東西統一を果たしたドイツ。
旧東ドイツの支援に多額の資金が必要となり経済が悪化した。
このため雇用制度の改革など痛みを伴う構造改革に取り組み経済を立て直したのである。
こうした経験から安易な財政出動に頼るのではなく
ユーロ圏の国もまず構造改革を行うべきだ
と訴えている。
(ドイツ メルケル首相)
「財政規律を守りながら競争力を高める努力が必要だ。
 そうしなければ経済的な苦境から抜け出せない。」

そんなドイツをこれまで説得してきたのがもう一つの大国フランスである。
ギリシャ危機の時には当時のサルコジ大統領とドイツのメルケル首相とが協力して事態の収拾に奔走。
その姿からメルコジと呼ばれるほどだった。
しかしフランスにはいま当時のような影響力は無い。
労働者を手厚く保護する政策が企業の競争力を失わせ景気の低迷が続いているからである。
フランス北部にある商品のラベルを作っているメーカー。
国の政策に従いこれまで大規模なリストラなど行ってこなかった。
そのため経営の効率化が進まず新たな分野に進出することもできないと言う。
(ラベルメーカー社長)
「ドイツは改革がうまくいったが
 フランスは硬直しきっている。
 ぎりぎりの状態。」
(労働音大に詳しい弁護士 パトリック・ティーバーさん)
「企業が活動しやすいように雇用に関する法律を変えなければ
 フランスから仕事が失われ企業も破綻してしまう。」
他国の支援には距離を置くドイツ。
影響力が低下するフランス。
低迷するユーロ経済を打開する道筋はいまだ見えてこない。
 


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ゼロ・グラビティ

2014-11-27 07:30:00 | DVD

       

  • 製作年:2013年
  • 製作国:アメリカ
  • 原題:Gravity
監督:アルフォンソ・キュアロン
製作:アルフォンソ・キュアロン、デビッド・ハイマン、デイビッド・ヘイマン
製作総指揮:ニッキー・ペニー、クリス・デファリア、スティーブン・ジョーンズ
脚本:アルフォンソ・キュアロン、ホナス・キュアロン
撮影:エマニュエル・ルベツキ
音楽:スティーヴン・プライス、スティーブン・プライス
出演:サンドラ・ブロック、ジョージ・クルーニー
「トゥモロー・ワールド」「ハリー・ポッターとアズカバンの囚人」のアルフォンソ・キュアロン
監督が、宇宙空間に投げ出されてしまった宇宙飛行士たちの極 限的状況を最新VFXと3D技術を駆使して描いたSFドラマ。
スペースシャトルのメディカル・エンジニア、ストーン博士とベテラン宇宙飛行士のマットは、
船外作業をしていたところで予想外の事故に遭い、宇宙空間に放り出されてしまう。
空気も残りわずかで地球との交信手段も断たれ、
たった1本のロープでつながっているだけの2人は、絶望的な状況の中から生還を目指すが……。
ストーン博士役にサンドラ・ブロック、マット役にジョージ・クルーニー。
撮影は「トゥ モロー・ワールド」ほかキュアロン作品を多数担当する名匠エマニュエル・ルベツキ。
脚本はキュアロン監督と、監督の息子ホナス・キュアロンによる。
第86 回アカデミー賞では、作品賞ほか同年度最多となる10部門にノミネート。
監督、撮影、視覚効果、作曲など計7部門で受賞を果たした。

 

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台湾の若者が懸念 中国影響力増大

2014-11-26 07:30:00 | 海外ネットワーク

11月23日 NHK海外ネットワーク


台湾南部の都市で市議会議員にt立候補した大学生の蔡尚媞さん(25)。
今回の選挙に合わせて新しくできたミニ政党に所属している。
(市議選に立候補した 蔡尚媞さん)
「私のような若者が立候補したのは政治の世代交代のためです。」
蔡さんが政治の道を目指すきっかけとなったこの春の抗議活動。
多くの若者が経済協定によって中国の影響力が増すことになると不安を感じていた
と蔡さんは振り返る。
(祭尚媞さん)
「ひとつの政策が今後の自分たちの生活に影響を与えるとわかった。
 中国との距離感が近すぎるという話をたくさん聞いた。」
友人や家族に協力してもらいながら選挙運動を始めた際さん。
香港の若者たちの活動にも刺激を受けたと言う。
「香港の人たちはこんなに長く頑張ってすごいと思う。
 彼らは中国政府と向き合っているのだから。」
香港との連帯の気持ちを示そうと
選挙ポスターには香港の学生たちへの支持を表す黄色いリボンをつけた。
蔡さんは今回若者の声を政治に反映させようと
投票できる年齢の引き下げやインターネットを通じた情報公開の徹底を訴えている。
地方から台湾の政治を変えたいと考えている。
(祭尚媞さん)
「学生運動によって種がまかれた。
 私は地方から政治を変えたい。」
台湾では中国との経済関係が大きく変化したことにt惑いだけでなく危機感も広がっている。
30年前 中国の経済規模は台湾の約1,4倍だった。
それが急速な経済成長の結果現在では約20倍となっている。
その結果 中国本土への工場の移転などが相次ぎ主要産業の製造業が空洞化した。
若者たちが台湾でよい就職先を見つけるのは難しい状況である。
統一地方選挙が近づいた11月2日
台北では学生運動に参加した若者を中心に数百人が集会を開き政権を批判した。
「今度の選挙では現政権には投票しない。」
学生運動でリーダーを務めていた男性は
台湾の若者たちは中台の経済格差を身に染みて感じていると話す。
(学生運動のリーダーだった林飛帆さん)
「若者は月給が8万円余しかない人もいて家も買えないし結婚もできない状況。
 台湾が中国経済に依存しすぎて中国から逃げられなくなっている。」
蔡さんも台湾が中国の巨大な経済力に呑み込まれてしまうのではないかと懸念している。
(祭尚媞さん)
「中国との関係は現状維持していると思っていても
 実際は少しずつ呑み込まれているかもしれない。」
中国の影響力拡大を警戒する台湾の若者たち。
政治に積極的にかかわろうと模索を続けている。

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消費回復のカギ “ネットと店舗の融合”

2014-11-25 07:30:00 | ビズ プラス

11月16日 BIZ+SUNDAY


売り上げが伸び悩むデパート業界。
松屋ではいまデパートならではの新たなネットショッピングに力を入れている。
デパートではIT企業と提携。
ネット上に仮想の売り場をオープンした。
商品は5,000点。
若者向けの洋服など店頭では扱っていない品物を取りそろえた。
客がネットで選んだ商品はデパートに送られる。
商品をデパートで試着できるのがこれまでのネットショッピングの違いである。
(システムを開発したIT企業 tab 谷口昌仁社長)
「今までにない実店舗のショッピング体験が出来れば
 まさにそれが小売りのイノベーションが起きる。」
このサービスを利用した女性がネットでサイズ違いのハイヒールを3足選び試着にやってきた。
店員から丁寧なアドバイスを受けられるのもデパートならではのサービスである。
普段ほとんどデパートに足を運ばないこの女性は今回新たな魅力に気づいたと言う。
「帰りに寄れるので便利。
 オンラインショップだと試着が出来ないので
 サイズを自分で試して納得して買えるのがよかった。」
デパートではネットで扱う商品を増やしさらなる売上の拡大を目指している。
イタリアのサッカーチームの関連グッズを扱う業者との商談。
目玉は本多圭介本田圭祐選手のサイン入りユニフォーム。
今後 ネット上の品ぞろえを現在の10倍の50,000点に増やす計画である。
(松屋銀座本店 古屋毅彦本店長)
「いろいろな商品を今までトライできなかったものがトライできる。
 今まで客のいろいろな需要を満たせなかったが
 その商材を求めてお店に来てくださる可能性がある。」

一方ネットショッピングの会社も新たな動きを見せている。
業界大手のアマゾン。
コンビニの客をネットに呼び込むサービスを11月から始めた。
大手コンビニのローソンと組み店頭の端末でネットの商品を取り寄せられるようにした。
普段ネットを使わないお年寄りなどをターゲットにしている。
(店員)
「入れ歯洗浄剤やお線香が売れた。
 お年寄りが来ることが多い。」
どうやって商品を注文するのか。
店に置いてある専用のカードをかざすと商品の一覧が表示される。
ここから欲しいものを選ぶだけ。
使い方がわからない場合はオペレーターが優しく対応。
現金で支払って商品を店頭で受け取る。
現在は静岡だけで展開しているこのサービス。
来年度には全国約12,000店に広げる計画である。
(アマゾン ジャパン ハードライン事業本部 ディレクター 木場和人さん)
「スマホやPCで購入しなくても
 我々が持っている品ぞろえに対して購入したいと思っている客はいる。
 そういう客にも購入できる環境を提供することが非常に大きな意味だと思う。」
メリットはローソンの側にもある。
来店する客が増えれば店自体の売り上げも伸びるからである。
(ローソン 執行役員 野辺一也さん)
「ネットの世界とうまくつなげて利用されるケースが増えてきている。
 我々がサービスを拡充することで他のチェーンよりも多くの客が来店することを狙っている。」




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イラン核協議 大詰め

2014-11-24 17:30:00 | 海外ネットワーク

11月23日 NHK海外ネットワーク


イランの核交渉問題は10年越しの大詰めを迎えている。
イランと欧米など関係6か国はウィーンで閣僚級の交渉を続けていて合意の期限は24日である。
34年前からイランと国交を断絶しているアメリカもケリー国務長官が現地に入り
歴史的な合意を目指してぎりぎりの調整に当たっている。

世界中の企業がいま熱い視線をおくるイラン。
資源が豊富で人口7600万の巨大な市場である。
10月首都テヘランで開催された見本市では経済制裁の解除を見越して各国から209の企業が参加。
その数は去年より30%増えた。
産業機械や医療機器など様々な製品が展示ブースに並び
複数の日本企業も参加した。
(日本の産業機器メーカー 担当者)
「制裁解除になるのが近いと言うことで今回出展させていただいた。」
イランの経済界もこれまでにない期待を肌で感じると言う。
(イランの闘志が顧問会社 社長)
「イランに投資したいという外国人投資家が急激に増えている。」
イランが持つ市場としても魅力。
ヨーロッパでは核協議の進展を後押しする声の高まりにまでつながっている。
(投資フォーラム主催者)
「我々としてはイランの核問題の先を見据えてビジネスの力で外交を動かしたい。」
10月にロンドンで開かれたイランへの投資や貿易に関するフォーラム。
イラン大統領府も後押ししヨーロッパでは初めて開催された。
核開発をめぐるイランとの交渉の当事国であるイギリスとフランスの元外相も参加。
経済界が政治を動かす時が来たとして制裁の解除を求めて声を挙げるべきだとまで述べた。
(イギリス ストロー元外相)
「ビジネス界が圧力をかければ制裁解除に向けた動きも大きくなる。」

欧米などがイランとの関係改善に前向きなのは経済面の期待だけではない。
ここにきてイスラム国との戦いもイランへの接近を後押しする要因となっている。
イスラム国はイスラム教スンニ派の組織でイラクやシリアで勢力を伸ばしている。
イランはシーア派。
同様に国内で多数派のイラクのシーア派ともつながりがある。
イランはイスラム国の存在は自らにとっても脅威だと受け止め
イラクやシリアでのイスラム国との戦闘にひそかに加わっていることが次第に明らかになってきている。

イスラム国との戦闘を続けているイラクのシーア派民兵組織のパレード。
イスラム国と書かれた瓦を叩き割って気勢を上げる。
(パレードに参加した民兵組織のリーダーの1人 アブザハラ氏)
「イスラム国はイスラムを冒とくしている。
 奴らはイスラムの組織ではない。」
アブザハラ氏は自分たちとイランとのつながりを明らかにした。
今年8月イスラム国との間で激しい戦闘になったと証言する。
そうした戦闘でアブザハラ氏の民兵組織は手助けを受けたのである。
(アブザハラ氏)
「イランはイスラム国の侵入ルートなどの情報を提供し支援してくれた。」
さらにイランがイスラム国との戦いに戦闘員を送り込んでいるという証言も得られた。
爆発物を作る特殊工作員の男性は
イスラム国と戦うため爆発物を作る訓練をイランで受けたと言う。
(特殊工作員)
「シリアでの戦闘にはイラン人が200~300人は参加している。
 我々はイスラム国をせん滅させるまで戦う。」

イランと欧米などとの協議は核開発をめぐる交渉ではあるが
経済やイスラム国との戦いなど中東情勢全体にも大きな影響を与える可能性がある。

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ミャンマー 電力事情 進出企業の足かせに

2014-11-24 07:30:00 | 海外ネットワーク

11月16日 NHK海外ネットワーク

 

約700万人が暮らすミャンマー最大の都市ヤンゴン。
電線による事故が相次ぐミャンマー。
今年6月には古くなって切れた電線が落下。
2人がこの電線に触れ感電して亡くなった。
(目撃者)
「雨が激しく降り電線が切れた。
 よけようとする人に当たった。」
「みんなパニックになって逃げた。
 振り向いたら犠牲者がいた。
 感電して激しく震えている人もいた。
 まるで地獄のようだった。」
ヤンゴンではこうした死傷者が出た事故が今年だけで100件以上起きた。
事故が多発するのは町中に張り巡らされた電線に問題があるからである。
日本の電線は電気が通る金属部分がカバーで覆われていて触れても感電しないようになっている。
しかしミャンマーの電線は金属がむき出しになっているいわゆる裸電線である。
さらに電線と電柱のつなぎ目部分が弱いため電線が切れやすい。
現地に技術指導を行う日本の専門家は
裸電線は別の問題を起こす原因にもなっていると指摘する。
金属線を電線にひっかけ違法に電気を引き込む“電気泥棒”。
無造作に枝分かれした電線は重みが増しますます切れやすくなる。
(JICA 西野稔さん)
「誰がどこに接続しているかよくわからない状態。
 誰でも電線をひっかけに行くことができる。
 電気をとっている人はいると思う。」
脆弱な配電設備の影響でミャンマーでは頻繁に停電が起きる。
ヤンゴンでは年間200件以上停電が起きる地域もある。
アジア最後のフロンティアと呼ばれ注目をあびるミャンマー。
しかし長年続いた軍事政権のもとインフラを整備するための資金や専門の人材が不足していたことが問題の背景にある。
電力が安定して供給される環境を作り日本企業の進出を後押ししたい
日本の大手商社と電気工事会社が連携して現地で技術者の育成に乗り出した。
20代の若者を中心に40人を指導している。
日本から来た技術者が電気が流れる仕組みや仕事の心構えなど安全管理の基本から丁寧に教えている。
(学生)
「日本の先生たちは早く的確な仕事をしていてすごい。
 とても貴重な経験をしているので頑張って勉強したい。」
(住友商事 ヤンゴン事務所 渡辺達也課長)
「電気がなければ事業そのものが立ち行かないと認識しているので
 将来我々のビジネスにも間接的に跳ね返ってくると思う。」
開発ラッシュに沸くミャンマー。
しかし企業が安心して進出できるようになるまでにはまだまっだ時間がかかりそうである。

 

 

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「遅かりし由良之助!」「待ちかねたわやい」

2014-11-23 18:30:00 | 編集手帳

11月22日 編集手帳

 

宴席に遅れて参加したときなど、
「遅かりし由良之助!」という先着組の声に迎えられた経験のある方は多かろう。
歌舞伎の『忠臣蔵』にゆかりの深い言葉だが、
劇中にそういうセリフはない。

浅野内匠頭(たくみのかみ)がモデルの塩冶(えんや)判 官は、
大石内蔵助がモデルの大星由良之助に「待ちかねたわやい」と語るのみである。
おそらくは芝居好きの江戸庶民が生みの親だろう慣用句「遅かりし…」 は、
幻の名セリフに違いない。

衆院がきのう解散され、
総選挙に向けて政治の季節が始まった。
投開票日12月14日は赤穂浪士討ち入りの日である。

バンザイ のタイミングが早すぎてやりなおす珍妙な解散風景となった。
「早かりし議員諸氏」はご愛嬌(あいきょう)と しても、
解散という失職の手続きを経て信を問うところは、
身を捨てて志を遂げた四十七士に通じる部分がなくもない。
〈あらたのし思ひは晴るる身は捨つる浮世の月にかかる雲なし〉。
選挙戦に臨む与党、
野党双方の立候補予定者に、
内蔵助の辞世をはなむけとする。

多くの人が「待ちかねたわやい」と渇望する日本再生のプランを競う選挙である。
志の高い代“義”士はどこにいる。

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冬の夜空にかかる、男の星座のまぶしさよ

2014-11-23 18:00:00 | 編集手帳

11月19日 編集手帳

 

 「ナワナエ」競争が始まった。
おじいさん、
おばあさんが藁(わら)をよじり、
縄をなう。
15年前の沖縄・石垣島、富野(とみの)小中学校の運動会である。

お年寄りの真剣な表情に、
いつしか手をたたいていたと、
高倉健さんの随筆『沖縄の運動会』にある。
俳優は拍手をもらう仕事だが、
〈拍手するほうが、ずっと心がゆたかになる〉とも。

旅先でたまたま目にした光景という。
帰京後、
感謝の気持ちをこめてこの学校に望遠鏡を贈った。
そして悩む。
心の豊かなあの子供たちに贈り物など必要だったか。
〈少し後悔した〉と結ばれている。

行きずりの人に無心で拍手を送ることも、
受けた感銘を率直に伝え ることも、
その行為をしずかに省みることも、
いまの世が忘れかけた心だろう。
思えば、
その人が演じた不器用で温かく、
勁(つよ)く、
飾らぬ人間像も、
現代人の忘れ物に違いない。
銀幕という望遠鏡を通じ、
忘れ物の在処(ありか)を無言のうちに語り続けて、
高倉さんが83歳で亡くなった。

『網走番外地』の橘真一。
『昭和残侠(ざんきょう)伝』の花田秀次郎。
『鉄道員(ぽっぽや)』の佐藤乙松。
『あなたへ』の倉島英二。
冬の夜空にかかる、
男の星座の眩(まぶ)しさよ。

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寒月やさて行く末の丁と半

2014-11-22 07:30:00 | 編集手帳

11月18日 編集手帳

 

物覚えの悪い身は中学生の昔、
理科の授業で苦労した。
リトマス紙を溶液に浸して青色や赤色に変化したとき、
どちらの溶液が酸性でどちらがアルカリ性か、
いつも迷った。

「信号と一緒だよ」。
要領のいい友人が教えてくれた。
青に変わったら“歩け”(アルカリ)。
数十年たったいまでも、
交差点で「アルカリ…」 が浮かんでくることがある。
思えばあれよあれよと現実になった総選挙の投票用紙は、
民意という溶液に浸すリトマス紙かも知れない。

7~9月期の国内総生産(GDP)が速報値で予想外のマイナス成長となったのを受けて、
安倍首相は来年10月に予定していた消費増税を延期するという。

きょうの稼ぎなくして明日の改革もないから増税の延期はやむを得ないが、
景気の停滞を有権者はどう受け止めるだろう。
見込み違いは「ユル酸」と、
赤信号が安倍政権に停止を命じるのか。
「アベノミクスのほかに有効な手がアルカリ?」と、
前進を命じる青信号がともるのか。

選挙戦は師走の月が冴(さ)えざえと照る頃である。
〈寒月やさて行く末の丁と半〉(変哲)。
丁半ならぬ、
さて注目の青と赤である。

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上野公園 レクアトロスタジオーニ Le quattro stagioni

2014-11-21 18:43:08 | グルメ



 

(食べログ)

 

 

 

 

JR 上野駅 徒歩2分

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韓国 ミサイル防衛めぐる議論

2014-11-21 07:30:00 | 海外ネットワーク

11月16日 NHK海外ネットワーク


G20サミットで夕食会や昼食会も含め10時間にわたって意見を交わした米中の首脳。
習近平国家主席は超大国アメリカとの対等な関係を強調した。
(中国 習近平国家主席)
「両国による新しい形の大国関係の構築は双方の利益に一致する。
 両国関係は新しい歴史のスタートラインに来ている。」
習近平主席はニュージーランドと南太平洋のフィジーを訪れ
アジア太平洋地域での中国の影響力拡大を図る狙いである。
一方 オバマ大統領は中国のあとミャンマーとオーストラリアを訪問。
中間選挙の敗北で求心力の低下も指摘されるなか
“アジアでの主導権は手放さない”と強調した。
(アメリカ オバマ大統領)
「アジア太平洋地域でアメリカが指導力を発揮することは常に外交政策の基軸だ。」
米中が覇権を争うアジア。
こうした中で難しい対応を迫られているのが韓国である。
10日には中国との自由貿易協定の交渉が実質的に妥結。
両国の蜜月ぶりをあらためて示した。
しかしアメリカが韓国に配備しようとしているミサイル防衛システムについて中国は激しく反発。
ミサイル防衛システムの配備を推し進めようとするアメリカ。
そして反対する中国。
これまで両国と良好な関係を続けてきた韓国は
今そのはざまで難しい対応を迫られている。
アメリカが韓国に配備しようとしているミサイル防衛システムはTHAADサードと呼ばれている。
飛んでくる弾道ミサイルを強力なレーダーでとらえ上空で迎撃することが狙いである。
レーダーで監視できる範囲は1,000km以上。
アメリカはあくまで北朝鮮のミサイルの脅威に対抗するものだとしている。
しかし韓国に配備されればこのレーダーの範囲は北朝鮮を超えて中国の東北部にまでカバーする。
これが中国が配備に強く反対している理由である。
中国との関係を損なってまで配備を進めるべきなのか。
韓国では活発な議論が起きている。

韓国ではTHAAD配備をめぐり国民の間でも議論となっている。
関心が高まるきっかけになったのが8月に出版されたベストセラー小説「THAAD」。
アメリカが中国との戦争をひそかに企てているというストーリーのサスペンス小説。
作者は韓国きっての人気作家で
アメリカの軍事戦略にのって配備を認めれば韓国は中国と決定的に対立しかねないと警告している。
(小説「THAAD」を書いたキム・ジンミョン氏)
「韓国は安全保障はアメリカ
 経済は中国とうまく使い分けてきたが今後はそうはいかない。
 決断を迫られる時が来た。」
アメリカは重要な同盟国の韓国を北朝鮮の脅威からまもるため
3万人近い兵士を駐留させている。
北朝鮮がミサイル発射など挑発的な言動を繰り返していることから
アメリカは韓国へのTHAAD配備を検討。
9月にはワーク国防副長官が配備したい意向を公の場で明らかにした。
(アメリカ ワーク国防副長官)
「韓国へのTHAADの配備を検討している。
 配備するかどうかは韓国政府と調整中だ。」
これに強く反発したのが中国。
北朝鮮の脅威を口実にアメリカ軍が中国の軍事施設をレーダーで監視することを警戒しているのである。
中国の習近平国家主席は7月の首脳会談でパク・クネ大統領に対し
YHAADを配備しないよう直接迫ったと韓国メディアは伝えている。
韓国政府の外交政策に深くかかわってきたムン・ジョンイン氏は
10月に中国を訪れた際
政府や軍の高官から激しい反発を受けたと明らかにする。
(韓国の外交政策にかかわってきた ムン・ジョンイン教授)
「THAADを使えばアメリカは中国のミサイルの動きを探り先制攻撃もできる
 中国を威嚇しているとしか思えない。
 だから配備には反対だ。
 中国側ははっきり言った。」
こうした事態を受けて韓国政府は
サードは国の防衛には役立つという立場を示してはいるものの
具体的な検討を行っていないとして態度を明確にすることを避けている。
一方 韓国の国会では配備をめぐり11月に入っても賛否両論。
激しい議論が続いている。
(配備に賛成の議員)
「配備をあきらめれば国民を北朝鮮の核ミサイルの脅威にさらすことになる。
 国家戦略の大失敗だ。」
(配備に反対の議員)
「THAADがはいびされれば米中の対立に巻き込まれる可能性がある。」
(韓国の外交政策にかかわってきた ムン・ジョンイン教授)
「国民的議論を経ずにTHAADを配備すれば国内でも激しい抵抗にあうだろう。
 現政権は極めて慎重に判断せざるを得ない。」

韓国政府やアメリカ軍の当局者からは
THAAD配備は既定路線という声も聞かれる。
しかし反対派は世論を味方にして配備を断念させようと活動を強めている。
また将来 北朝鮮との統一を目指す韓国にとって
北朝鮮に強い影響力を持つ中国の協力は欠かせない。
受け入れを基本にしながらもぎりぎりまで中国の意向や国内の世論を見極めるとみられる。
韓国が徐々に中国に引き寄せられている印象は否めない。
これに対してアメリカはいらだちを強めている。
去年 バイデン副大統領はパク大統領に
“アメリカの反対側に賭けるのは良い賭けではない”と直接述べた。
これはアメリカの警告だとして韓国政府内に衝撃が走った。
中国の台頭とアメリカの指導力の低下という変化の中で
必死にバランスをとろうとしているのがいまの韓国である。

ただ韓国にとって問題をさらに複雑にしているのが実は日本の存在である。
アメリカは同盟国の日本・韓国と協力し
3か国で中国に対抗したい考えである。
しかし歴史問題や集団的自衛権などをめぐる韓国の日本への反発で
3か国の協力が進んでおらずアメリカをいら立たせている。
今後 韓国は日本との関係も視野に入れながら
米中のはざまで難しい決断を迫られていくことになる。 


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日豪 潜水艦“技術協力”の行方

2014-11-20 07:30:00 | 報道/ニュース

11月13日 キャッチ!


去年9月にアボット政権が発足して以来
日本とオーストラリアは様々な分野で協力関係を拡大している。
アボット首相は就任した翌月にさっそく安倍総理大臣と首脳会談を行い
“日本はアジアの親友”と明言し日本との関係改善に前向きな姿勢を示した。
今年4月に訪日を果たすと
「経済や安全保障の分野で日本との協力関係を拡大」することで安倍総理大臣と一致。
7月には安倍総理大臣がオーストラリアを訪問し
懸案だったEPA経済連携協定の署名に至るなど2国間の関係は確実に深まっている。
そうしたなかオーストラリアの新型潜水艦の導入をめぐり日本の技術協力の可能性がにわかに浮上。
オーストラリア国内では反発の声も上がり
日本との協力関係を拡大させてきたアボット首相は難しい判断を迫られている。

11月1日 オーストラリア南西部アルバニーでのイベント。
オーストラリア軍とニュージーランド軍が第一次世界大戦の戦地に兵士を派遣してから100年を記念して開かれた。
当時約3万人の兵士を送るために40隻近くの艦艇がこの港を出発した。
船団の護衛には旧日本軍の“伊吹”が就いていた。
この日のイベントに参加した艦艇の中には海上自衛隊の護衛艦の姿もあった。
日本の参加を積極的に進めた地元の人がいる。
前アルバニー市長のミルトン・エバンスさんである。
祖父などが第1次大戦で中東などに赴いたというエバンスさん。
当時の兵士たちが務めを果たしたことに日本の貢献が大きいとして
その歴史を語り継ぐためにもイベントへの参加は必要だったと振り返る。
(前アルバニー市長 ミルトン・エバンスさん)
「オーストラリアの船団を導いた“伊吹”の重要性は歴史が示しています。
 “伊吹”の名前はほかの船と共に公園の手すりに刻まれています。」
オーストラリアにとって記念のイベントは日豪関係の良好さを象徴するものにもなった。
アボット首相と安倍総理大臣との個人的な信頼もあって関係を深化させている日本とオーストラリア。
いま協力の分野を安全保障の面にまで広げ始めている。
10月に行われた江渡防衛相とジョンストン国防相の会談でオーストラリア側は
2020年代の導入を計画している潜水艦について日本の技術を取り入れられないか協力を求めた。
オーストラリアが現在保有している潜水艦6隻はスウェーデンなどの協力を得て国内で初めて建造された。
ところが初期の段階から音が大きいことなど様々なトラブルに見舞われた。
中国の海洋進出の活発化など安全保障の環境の変化から海軍力強化を目指すオーストラリア。
アボット政権は日本の潜水艦技術をどこまで求めているかは明らかにしていない。
しかしオーストラリア国内では日本で製造された潜水艦を購入するのではないかと伝えられている。
これを受けて造船業界は産業の衰退につながるとして大反発。
潜水艦は国内で造るとしたアボット首相の公約に違反するとして非難している。
抗議集会に参加した野党の指導者は第2次世界大戦で日本と戦ったことを引き合いに出した。
(労働党 ショーテン党首)
「政府は忘れたのか?
 第2次世界大戦で366隻もの船が日本に沈められたことを!
 船や潜水艦は国を愛する我々が造るべきだ!」
海軍の元幹部で2隻の潜水艦に乗った経験のあるピーター・ブリッグス氏は
太平洋とインド洋という2つの海に面したオーストラリアは
日本の潜水艦技術で十分かどうか検討しなければならないと指摘している。
(海軍元幹部 ピーター・ブリッグス氏)
「日本の潜水艦は日本での運用には適しているのでしょうが
 オーストラリアが求める性能からすると航行距離や速度が足りません。」
11月10日 オーストラリア南部フリーマントルで開かれた潜水艦に関するセミナーでは
外国で建造される場合にはリスクがあると指摘された。
(戦略政策研究所 アンドリュー・デイビース氏)
「言葉や文化の違いから重大な混乱を引き起こす恐れがある。
 日本からの潜水艦の輸入はオーストラリアにとって困難な挑戦だ。」
また外交の専門家は異論が出ている問題だからこそ十分な議論が必要だといる。
(ローウィー研究所 ローリー・メドカーフ氏)
「国内の反対や官僚体制を考慮に入れると日本との協力は容易ではありません。
 プラスとマイナスの両面があることをアボット英検も理解しているでしょう。」
国内の反発を押し切って安全保障で日本との協力拡大に踏み切れるのか。
アボット政権は難しい判断を迫られている。

今回のオーストラリアの新型潜水艦をめぐる動きは日本側にとっても大きな意味がある。
日本政府は4月
武器や技術の輸出を原則禁止する武器輸出三原則を見直し
新たに防衛装備移転三原則を導入。
紛争当事国でなければ厳格な審査のもと武器や技術などの海外への移転を認めることにした。
仮に潜水艦をオーストラリアに輸出することになれば
方針転換後
武器の完成品移転の初めてのケースとなる。
オーストラリアが日本に協力を求めている潜水艦技術の内容は明らかになっていない。
その一方でドイツ企業が積極的に売り込みをかけているとも伝えられている。
オーストラリア政府の方針が示されるのは来年中に発表される国防白書。
安全保障をめぐる日本とオーストラリアの協力拡大はもとより
日本の武器移転の今後にも大きな影響を与えるこの問題に注目が集まりそうである。 

 

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