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お気楽ボランティア日記

楽しみながら、ボランティア   広がる、人の輪

推薦本競争に負ける

2017年05月28日 | 映画・演劇・本

 教会の読書会で、森本あんり著「反知性主義」を長らく読んできましたが、今月でやっと読み終わりました。アメリカのキリスト教の歴史が、そしてなぜトランプが大統領になれたのかが分かる、大変興味の尽きない、面白い本でした。

 さて来月からの本選び。HさんはNTライト著「シンプリー・ジーザス」を推薦してきました。私は今年が宗教改革から500年という節目に当たることもあって、その関係の本を探していたら、深井智明著「プロテスタンティズムー宗教改革から現代政治まで」に出会いました。

 昨日、早速近所の本屋で探して購入。(中公新書なので一般の本屋で手に入ります)ざっと目を通しましたら、意外と読みやすく面白そうだし、宗教改革に対するこれまでの思い込みが覆るような内容で、これだ!と思いました。

 そして今日の読書会。

 Hさんは当然ながら「シンプリー・ジーザス」を強固に推して来ました。私は「でも、その本は2970円と高いし、本も分厚いし・・・」と難色を示し、「プロテスタンティズムは、864円で新書版で、内容も・・・」と説明したのですが、Hさんは「深井さんは知ってるけど、それ程」と反論され、「それより、この本は今の私たちが絶対読むべき本だと思う!」等々推薦理由をたくさん並べました。

 まあ、それ程強く言うならという感じで、メンバーも「シンプリー・ジーザス」に傾き、私はちゃんと読んでない弱みで引き下がりました。でも、全部で15章と長いので持ち運びにかさばりそうだし、長丁場になりそうだなあ。

 とはいえ、Hさんが推薦する本はこれまで良い本ばかりだったので、ま、いいか!高いといっても、二年近く読み続けるとなればこれまでの本と大して変わらないなあと納得しました。

 そうはいいつつ、 帰りの電車の中で「プロテスタンティズム」の書評はないかと探していたら・・・ありました!毎日新聞の書評欄で、あの佐藤優さんが書いているではありませんか!しかも絶賛!!

 以下ははじめの部分で、その一部です。

世俗化した強力な宗教

 一般向け新書であるが、神学的水準が極めて高い。今後、本書が日本におけるプロテスタンティズムに関する基本書になる。

 今から500年前の1517年にドイツの修道士マルティン・ルターが、教会による贖宥(しょくゆう)状(いわゆる免罪符)の販売を批判する「九五カ条の提題」を発表したことをきっかけに宗教改革が始まる。当初、ルターは、この問題提起が歴史の流れを変える大きな運動になるとは考えていなかったが、カトリック教会と対抗するプロテスタント教会を生み出すに至る。この過程がダイナミックに描かれている。本書の特徴は古プロテスタンティズム(国家と結びつき、思想的には中世の枠組みを超えていない)と新プロテスタンティズム(国家と結びつかない自由教会で近代的思考をする)との分節化に多くの頁(ページ)をさいていることだ。<プロテスタンティズムという宗派も、教会と支配者(あるいは国家)との関係、教会という宗教団体の社会的性格という点では大きく分けると二つのタイプのプロテスタンティズムが存在していると言ってよいであろう。それを見分けることが今日のプロテスタンティズムを正しく理解する鍵となるであろう。

 ああ、もっと早くこの書評を見つけていたら・・・と思いましたが、なにも読書会で取り上げなくても皆さんにも読んで貰えればいいことですから。「負ける」なんて題はいけませんね!


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