花の日々

はなのひび

やさしくやさしく迎えてくれた桜…。

2015年04月12日 | Weblog


急に暖かくなり、梅が散り始めた3月の終わりには、集落一帯の花が一気に咲き始めました。




例年より1週間くらい早い開花。暖かく梅雨のような激しい雨続きとあって、散るのも早く短い花の季節となりました。
桜も、ゆっくりと鑑賞する間もなく…。


でも今年の桜は、とてもやさしく迎えてくれました。とてもやさしくやさしく…。まるで母が温かく包んでくれるかのように……。

3月17日、実家の母が亡くなりました。81歳でした。不思議なもので、母とのいい思い出しか浮かんできません…。

母は26,7年前から難病抱えながら過ごしてきました。そんな体でも、入院中泊まり込みで付き添ってくれました。なのについついイライラをぶつけたことも…。
母の病気は進行し、杖があっても歩くのもままならない状態でしたが、「最後まで在宅生活」を希望し、制度を利用しながら一人で頑張っていました。3年半前、硬膜下血腫で倒れ3度の手術。そして言葉と体に麻痺、そして認知症のような後遺症が残りました。その後施設での生活が始まりましたが、入院中の拘束から解放され、職員の皆さんにもとても良くしていただき、母は日に日に穏やかになって行きました。

思うように何もしてあげられず、母のことを思う度に心が重たく、会いに行っても帰るときは、いつも後ろ髪をひかれるようでした。

今年の冬も風邪などの感染の予防の為、面会は控えていました。施設から連絡をいただき、亡くなる1週間前に久しぶりに会うと、いつもは椅子に座っているのにベッドに横になり、さらに小さく見えました。起きているのに、「母さん」と呼んでもわかっているのかいないのか…。hideさんが顔を近づけて「真理ですよ」と言うと、一筋の涙がこぼした後、にっこり笑ってくれました。そして看護師さんに向けたものか、誰に向けたものかわからないけど「ありがとう。」と…。最後に聞いた母の言葉と、最後に見た笑顔となりました。

16日、仕事帰りに寄ってくれたhideさんの顔を見て安心したのか、日にちが変わって間もなく息を引き取りました。母さんはいつもhideさんを大切に思い、hideさんもとてもやさしく接してくれました。
連絡をいただいてすぐ駆け付けましたが、間に合わなかったね、ごめんね。「最期は在宅で」と言っていましたが、とても居心地のいい場所となっていたここで最期を迎えることが出来たからでしょう、とっても穏やかでほんとうにきれいなきれいな顔でした。見た瞬間、不思議なくらい心がすーっと楽になりました。

36年前父を亡くしてから、母に甘えてはいけないという思いがありました。受傷してからは、申し訳ないという負い目から、距離を置いた時もありました。今我が家へ連れて帰り、やっとゆっくりとした時間を一緒に過ごしています。母の遺影に向かって「母さん、あのね…。」と話しかけながら、やっと甘えられる私がいます。49日まで、この時間を大切に過ごしたいと思います…。

母が倒れて3週間後に、悠太が生まれ、倫太郎が生まれて半年後に天国へ行きました。大好きな茜と梓の子供達を見ることが出来て、ほっとしたかのように…。葬儀の日、悠太も倫太郎もなんのことかわかってないけど、見送ってもらえてよかったね、かあさん。


変顔悠太、びっくり倫太郎。無邪気な2人に、母も笑って天国へ旅立ったことでしょう。


マッキーのコンサート。


「母が亡くなったばかりだし、体調も悪いしやめようか。」とhideさんに言うと、「行こう。お母さんもそう言ってるよ。」と背中を押してくれ行きました。開演と同時に胸がいっぱいになり、マッキーの歌声はやさしく包んでくれて、時折涙があふれて来る。頑張らなくっちゃあね。ありがとうマッキー。ありがとうhideさん。

4月7日島根大学病院の帰り、三刀屋町の桜に出会いました。


川沿い2キロに渡る2000本の桜。35,6年前から通るたびに「桜の頃はきれいなんでしょうね。」と言っていた国道沿いの桜並木。真冬日に戻ったような気候でしたが、車から降りてみました。

枝垂れ桜の前で。


桜のトンネル、桜のじゅうたん。


どこまで続くのでしょう…。


感動的な景色に寒さを忘れ、しばらく鑑賞に浸ってしまいました。

松江道を通らず、何年かぶりに国道を通って帰りましたが、島根から広島県北は桜が満開。こんなに桜づくしのドライブって初めてかも…。三次の尾関山も満開。

広島八千代町の土師ダムも見頃。


サイクリングコースの桜並木、茜や梓が小さいとき自転車を借りて、何度かサイクリングしました。


平日通るのは久しぶりで、夕方とあって人も少なく風情がある。


桜はほんとうに不思議な花。
その年々の気持ちや環境で違って見える。とても明るく見えたりあたたかく見えたり、嬉しくなったり心が落ち着いたり。かと思えばさみしく見えたり涙が止まらなくなったり…。今年の桜は、私にはとても穏やかでやさしく見えました。母の姿を見ては「しんどいね、もうこんなに頑張らなくていいよ。」という思いがありましたが、母の穏やかな最期の顔を見て、ほんとうにほっとしました。思うようにしてあげることは出来なかったけど、見送ってあげることが出来た…。今頃なにもかもから解き放たれ、やっと父の元へ行けたことでしょう。最後に、母さんありがとう……。
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2 コメント

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大変ご無沙汰しております。 (たけまる)
2015-05-30 21:29:27
こんにちは、東原です。もう10年以上もご無沙汰でしょうか。
広島へ行く度にまだボラに参加していた時のことが思い出されます。
仲睦まじいご夫婦の写真を拝見するとやはり以前と変わらない素敵な雰囲気が伝わってきます。
お母様が亡くなられたとのことで大変でしたね。実は私の父も今年亡くなりました。実親がいなくなるのは本当に寂しいことですが、明るく前向きに歩んでいきましょう。
頸損の活動にもお邪魔したいとは思っているのですが、スケジュールも分からず、私の予定もかなりハードなのでなかなかお会いする機会もないのですが、またお会いできる日を楽しみにしております。
ご主人にもよろしくお伝えください。
嬉しいー! (mari)
2015-06-22 13:05:01
東原くん

こんにちは。お久しぶりです。
どうしているのかなあ、と思っていたんですよ。
連絡くれて嬉しいです。

お父様が亡くなられたとのこと、まだお若いでしょうに…。
寂しくなりましたね。
時間が経つにつれて、寂しさが増してきました。と

大学の入学時お世話になった娘が岡山で就職し、
岡山へ嫁ぎました。
岡山へ行くたびに、東原くんはどうされているのかなあと…。
是非娘とお会いしたいです。

連絡下さい。

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