NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【一月十日】放映分
鷲の棲む 筑波の山の
裳羽服津の その津の上に
率ひて 娘子壮士の
行き集ひ かがふ嬥歌に
《筑波の山の 裳羽服の泉
連れもち集う 女や男
歌の掛け合い 袖引く催事》
人妻に 我も交らむ
わが妻に 他も言問へ
この山を 領く神の 昔より 禁めぬ行事ぞ
今日のみは めぐしもな見そ 言も咎むな
《よその嫁はん わし口説きたい
うちの嫁はん 口説いて良えで
神さん許す この日の催事
何も言わんと 目ぇ瞑ってて》
―高橋蟲麻呂歌集―(巻九・一七五九)
【万葉歌みじかものがたり】《かがふ嬥歌に》
秋 季節実りと共に
蟲麻呂は 心弾む日を 迎えていた
これ これ
これに 一度来たいと 思うていた
都まで 聞こえた 筑波の嬥歌
飛鳥に都あったとき
海石榴市の歌垣は 名を馳せていた
今は 形だけが残り おおらかさが無うなった
そこへ行くと 筑波のは 原始そのもの
おうおう 集まって来る 集まって来る
鷲の棲む 筑波の山の 裳羽服津の その津の上に 率ひて 娘子壮士の 行き集ひ かがふ嬥歌に
《筑波の山の 裳羽服の泉 連れもち集う 女や男 歌の掛け合い 袖引く催事》
人妻に 我も交らむ わが妻に 他も言問へ この山を 領く神の 昔より 禁めぬ行事ぞ 今日のみは めぐしもな見そ 言も咎むな
《よその嫁はん わし口説きたい うちの嫁はん 口説いて良えで 神さん許す この日の催事 何も言わんと 目ぇ瞑ってて》
―高橋蟲麻呂歌集―(巻九・一七五九)
男の神に 雲立ち上り 時雨降り 濡れ通るとも われ帰らめや
《雲湧いて 時雨が降って 濡れたかて つれ出来るまで ワシ帰えらんで》
―高橋蟲麻呂歌集―(巻九・一七六〇)
(男と女 不思議なものよ
生り物の豊穣 神への祈り
春蒔く 一粒の 種
秋には たわわな 実り
人の手を 経はするが
全て これ 神の業
歌えや 遊べ
神が 許した 催事に遊べ)
覚え帳を抱え 筆握る 蟲麻呂
心弾ませながら 輪に入れぬ背を 秋の雨が濡らしている
――――――――――――――――――――
【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
こちらを ご覧下さい。
【古事記ものがたり】へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
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また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
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【一月十日】放映分
鷲の棲む 筑波の山の
裳羽服津の その津の上に
率ひて 娘子壮士の
行き集ひ かがふ嬥歌に
《筑波の山の 裳羽服の泉
連れもち集う 女や男
歌の掛け合い 袖引く催事》
人妻に 我も交らむ
わが妻に 他も言問へ
この山を 領く神の 昔より 禁めぬ行事ぞ
今日のみは めぐしもな見そ 言も咎むな
《よその嫁はん わし口説きたい
うちの嫁はん 口説いて良えで
神さん許す この日の催事
何も言わんと 目ぇ瞑ってて》
―高橋蟲麻呂歌集―(巻九・一七五九)
【万葉歌みじかものがたり】《かがふ嬥歌に》
秋 季節実りと共に
蟲麻呂は 心弾む日を 迎えていた
これ これ
これに 一度来たいと 思うていた
都まで 聞こえた 筑波の嬥歌
飛鳥に都あったとき
海石榴市の歌垣は 名を馳せていた
今は 形だけが残り おおらかさが無うなった
そこへ行くと 筑波のは 原始そのもの
おうおう 集まって来る 集まって来る
鷲の棲む 筑波の山の 裳羽服津の その津の上に 率ひて 娘子壮士の 行き集ひ かがふ嬥歌に
《筑波の山の 裳羽服の泉 連れもち集う 女や男 歌の掛け合い 袖引く催事》
人妻に 我も交らむ わが妻に 他も言問へ この山を 領く神の 昔より 禁めぬ行事ぞ 今日のみは めぐしもな見そ 言も咎むな
《よその嫁はん わし口説きたい うちの嫁はん 口説いて良えで 神さん許す この日の催事 何も言わんと 目ぇ瞑ってて》
―高橋蟲麻呂歌集―(巻九・一七五九)
男の神に 雲立ち上り 時雨降り 濡れ通るとも われ帰らめや
《雲湧いて 時雨が降って 濡れたかて つれ出来るまで ワシ帰えらんで》
―高橋蟲麻呂歌集―(巻九・一七六〇)
(男と女 不思議なものよ
生り物の豊穣 神への祈り
春蒔く 一粒の 種
秋には たわわな 実り
人の手を 経はするが
全て これ 神の業
歌えや 遊べ
神が 許した 催事に遊べ)
覚え帳を抱え 筆握る 蟲麻呂
心弾ませながら 輪に入れぬ背を 秋の雨が濡らしている
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【古事記ものがたり】への誘い
古事記編纂1300年を期し 一大叙事詩を作ってみました
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