NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は 見る機会に恵まれません。
また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。
【七月十三日】放映分
★三輪山を しかも隠すか 雲だにも 情あらなむ 隠さふべしや
《あかんがな うちの気持ちが 分かるなら 雲よ三輪山を 隠さんとって》
―額田王―(巻一・一八)
【万葉歌みじかものがたり】
雲だにも
天智称制六年(667) 春
新たな都 近江大津へ 湖畔の大宮処へ
白村江の大敗を受け 要害の地と定められた新都
遷都の列は 延々とつづく 輿 馬 徒歩
それぞれの 歩みは おそい
幾重にも重なる平城の峰々 春霞に 薄く裾引き
うちつづく 道の隈々 若草の萌えたつ 川べり
こころ 浮き立つ 春なのに
住み慣れた 飛鳥の地 思い出深い 里の山川
舎人らは うつむき 進む
「額田王よ 歌だ」
中大兄の声が 響いた
「新都へ出でたつ 寿ぎの歌だ」
沈鬱な列のあゆみを 苦く思う大兄の叫び
旧都への思いに 沈んでいた額田王は 我に帰る
(われは 歌人なり
皆の気持ちを 鼓舞するが役目
・・・されど いまは その時でない
皆の思いを汲み その心を歌にする
それでこそ 皆は付いて来る
これこそ大兄のため)
味酒 三輪の山
青丹よし 奈良の山の
山の際に い隠るまで
道の隈 い積もるまでに
つばらにも 見つつ行かむを
しばしばも 見放けむ山を
情なく 雲の 隠さふべしや
《愛し三輪山 離れ行く
恋し奈良山 遠ざかる
山重なって 見え隠れ
つづら山道 隠し行く
見つめていたい いつまでも
振り向き見たい 山やから
情有るなら 雲隠しなや》
―額田王―(巻一・一七)
三輪山を しかも隠すか 雲だにも 情あらなむ 隠さふべしや
《あかんがな うちの気持ちが 分かるなら 雲よ三輪山を 隠さんとって》
―額田王―(巻一・一八)
額田王の真意を知らず
大兄はひとり 唇を噛む
額田王の心を察した 井戸王は和して詠う
綜麻形の 林のさきの さ野榛の 衣に付くなす 目につく我が背
《糸巻きの 糸先に付いてる 針先が 刺さる衣着る 素敵な人よ》
―井戸王―(巻一・一九)
(古事記説話の 活玉依姫が慕いし三輪大物主神
私額田王が お慕いするは 中大兄皇子の君)
――――――――――――――――――――
【新しい試みです】
「歌心関西訳」の作成過程をご覧ください。
これなら あなたも 訳せますよ。
<訳してみよう万葉集>へ
【万葉歌みじか物語】はこちら
<万葉歌みじかものがたり>へ
■リンク先
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また 見落とされた方も 居られるやも知れません。
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★三輪山を しかも隠すか 雲だにも 情あらなむ 隠さふべしや
《あかんがな うちの気持ちが 分かるなら 雲よ三輪山を 隠さんとって》
―額田王―(巻一・一八)
【万葉歌みじかものがたり】
雲だにも
天智称制六年(667) 春
新たな都 近江大津へ 湖畔の大宮処へ
白村江の大敗を受け 要害の地と定められた新都
遷都の列は 延々とつづく 輿 馬 徒歩
それぞれの 歩みは おそい
幾重にも重なる平城の峰々 春霞に 薄く裾引き
うちつづく 道の隈々 若草の萌えたつ 川べり
こころ 浮き立つ 春なのに
住み慣れた 飛鳥の地 思い出深い 里の山川
舎人らは うつむき 進む
「額田王よ 歌だ」
中大兄の声が 響いた
「新都へ出でたつ 寿ぎの歌だ」
沈鬱な列のあゆみを 苦く思う大兄の叫び
旧都への思いに 沈んでいた額田王は 我に帰る
(われは 歌人なり
皆の気持ちを 鼓舞するが役目
・・・されど いまは その時でない
皆の思いを汲み その心を歌にする
それでこそ 皆は付いて来る
これこそ大兄のため)
味酒 三輪の山
青丹よし 奈良の山の
山の際に い隠るまで
道の隈 い積もるまでに
つばらにも 見つつ行かむを
しばしばも 見放けむ山を
情なく 雲の 隠さふべしや
《愛し三輪山 離れ行く
恋し奈良山 遠ざかる
山重なって 見え隠れ
つづら山道 隠し行く
見つめていたい いつまでも
振り向き見たい 山やから
情有るなら 雲隠しなや》
―額田王―(巻一・一七)
三輪山を しかも隠すか 雲だにも 情あらなむ 隠さふべしや
《あかんがな うちの気持ちが 分かるなら 雲よ三輪山を 隠さんとって》
―額田王―(巻一・一八)
額田王の真意を知らず
大兄はひとり 唇を噛む
額田王の心を察した 井戸王は和して詠う
綜麻形の 林のさきの さ野榛の 衣に付くなす 目につく我が背
《糸巻きの 糸先に付いてる 針先が 刺さる衣着る 素敵な人よ》
―井戸王―(巻一・一九)
(古事記説話の 活玉依姫が慕いし三輪大物主神
私額田王が お慕いするは 中大兄皇子の君)
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