犬養万葉今昔―犬養孝先生著「万葉の旅」を訪ねて

犬養孝先生名著「万葉の旅」記載の万葉故地309箇所を訪ね、先生が撮られれたのと同じ場所に立った写真撮影を目指す紀行。

■日めくり万葉集Vol・2(001)あをによし

2011年03月31日 | 日めくり万葉集
NHK教育TVで「日めくり万葉集」第2弾が始まりました。
平日の午前中ということで 勤めの方は ご覧になれません。
そこで ここで取り上げて 訳し・「みじかものがたり」を 掲載したく思います。
ご覧下さい。

【三月二十八日】放映分

あをによし 奈良の都は 咲く花の にほふがごとく 今盛りなり

《賑やかな 平城ならみやこは 色えて 花咲くみたい 今真っ盛り》 
                         ―小野老をののおゆ―〔巻三・三二八〕

【万葉歌みじかものがたり】《にほふがごとく》

神亀五年〔728〕春 
大宰のそち 旅人たびとからの回状
赴任早々の 小野老おののおゆ歓迎うたげの誘い

「先ずはおゆどの
 貴殿の歌がなくては始まらぬ」  
旅人が促す 
あをによし 寧楽なら京師みやこは 咲く花の にほふがごとく 今さかりなり
《賑やかな 平城ならみやこは 色えて 花咲くみたい 今真っ盛り》 
                         ―小野老をののおゆ―〔巻三・三二八〕
「おお 早速に みやこ恋しの歌か いやいや 我らへの みやこ伝えの手土産歌と見た」
やすみしし わご大君おほきみの きませる 国のうちには 京師みやこし思おもほゆ
大君おおきみの 治めてなさる この国で やっぱりみやこが えなと思う》
藤波ふぢなみの 花は盛りに なりにけり 平城ならみやこを 思ほすや君
《藤のふさ 波打つみたい 花見ごろ みやこ恋しか どやそこの人》
                         ―大伴四綱おおとものよつな―〔巻三・三二九、三三〇〕
「四綱殿も みやこか ほんに わしもじゃが」
わがさかり また変若をちめやも ほとほとに 寧楽ならみやこを 見ずかなりなむ
《も一遍いっぺん 若返りたい そやないと 平城ならみやこを 見られへんがな》
わがいのちも つねにあらぬか 昔見し きさ小河をがはを 行きて見むため
《この命 もうちょっとだけ べへんか きさの小川を また見たいんで》
浅茅あさぢはら つばらつばらに ものへば りにしさとし 思ほゆるかも
《何やかや つらつらつらと 思うたび 明日香の故郷さとが 懐かしいんや》
わすれくさ わがひもに付く 香具かぐ山の りにしさとを 忘れむがため
《忘れ草 身に付けるんは 香具山の 故郷さと忘れよと 思うためやで》
わが行きは ひさにはあらじ いめのわだ にはならずて ふちにあらぬかも
《筑紫には ごうはらん 夢のわだ 浅瀬ならんと 淵でってや》
                         ―大伴旅人―〔巻三・三三一~三三五〕 
みやこみやこと 女々めめしいぞ わしは筑紫の歌じゃ」
しらぬひ 筑紫つくし綿わたは 身につけて いまだはねど あたたかに見ゆ
《珍しい 筑紫の真綿まわた わしのに てみてへんが ぬくそに見える》
                         ―満誓まんせい―〔巻三・三三六〕
「どこの女のことじゃ 相変わらず」おゆはや
満誓の比喩ひゆうたで 座は一挙に盛り上がる

末席 きょうに加わらない憶良がいる
旅人が  はるか主席から 声をかける
「憶良殿  酒も進まぬようじゃが
どうじゃ  一首召されぬか」
億良おくららは 今はまからむ 子くらむ そのかの母も を待つらむそ
《憶良めは ぼちぼち帰らして もらいます 子供も女房よめも 待ってますんで》
                         ―山上憶良―〔巻三・三三七〕 
〔身内奉仕か  喰えぬ男じゃ〕
渋い顔の旅人  杯をあおる


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□歌碑探訪中締め・万葉全歌完訳終結宣言

2011年03月16日 | メッセージ
■平成23年3月16日

●歌碑探訪中締め
 犬養孝先生揮毫の万葉歌碑
 探訪先の編集シート 作成手元分の 掲載が完了しました
 手持未整理分1基(下妻市・大宝八幡宮)
 未訪問分1基(筑波神社)
 を 残していますが 一息吐いています

●万葉集全歌・関西訳完了
 現在 別ブログ「万葉歌みじかものがたり」で掲載中の 
 万葉歌 全4516首 全歌関西訳が 本日済みました
 今 山頂の高みから 日の出を拝んでいる気分で 昂揚止みません

 訳の推敲 と 最終の 「ものがたり」仕立てが 待っています
 完了まで 余すところ ひと月位でしょうか
 乞う ご期待!
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■歌碑(140)淡海の海

2011年03月05日 | 揮毫歌碑
淡海の海を背景に
望むは 近江古都の在りし 宮辺りか・・・

おい千鳥 そんなにきな 啼くたんび 往古むかし思うて たまらんよって
  


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■歌碑(139)笑(ゑ)ましがからに

2011年03月02日 | 揮毫歌碑
桂川町 王塚古墳 前庭
近時の建立
広がる農村風景の中  笑みを零して 娘子が通るか・・・

うちちょっと 百合花ゆりばなみたい 微笑わろたけど その気なりなや あつかましいに
  


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