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KORAILの新しい高速列車・KTX 山川(3)~特室車内などの様子

2011-03-21 | 鉄道[大韓民国・KORAIL列車]

先日「MAKIKYUのページ」で取り上げたKTX 山川車内の様子ですが、今日はその続編として特室車内の様子などを取り上げたいと思います。

特室は日本のグリーン車に相当する車両で、両端の機関車間に客車を8両組み込んでいるKTX 山川では1両だけ連結されています。


この車両は座席が2+1列の横3列となっており、側面化粧板にも木目を用いるなど、見るからに一般室と比べて豪華な車両と言う雰囲気を漂わせています。

MAKIKYUがKTX 山川に乗車した際は、一般室の座席確保すらやっと…という状況で、特室は満席だった事もあって、こちらには乗車していませんが、東大邱(Dong-Daegu)駅で停車している車両の車内を視察したものでした。


特室の座席は電動リクライニング機能が装備されているなど、特室でも背もたれと座面が一段階前にせり出すだけで、座席の大きさや空間はそこそこ確保されていても、座席自体の出来栄えはムグンファ号や日本のJR新幹線・在来線特急の普通車以下と言わざるを得ないフランスTGVベースの既存KTXに比べると、設備面では随分改善されたのでは…と感じたものでした。

しかしながら座席こそ横3列とはいえ、座席の豪華さで定評あるセマウル号に比べると、見劣りすると言わざるを得ないと感じたのも事実で、リクライニング角度もさほど大きいと感じるものではなかっただけに、電動リクライニング機能装備の意義もどれほどあるのか気になったものでした。


またKTXでは各車両のデッキに補助椅子を設けており、日本では補助椅子と言うと、専ら座席指定不要の列車に装備されているものと言う印象がありますが、この座席も既存KTXでは枕木方向に設けられており、進行方向次第では逆向きに座る事になります。

KTX 山川でもこの種の補助椅子があるのですが、これに加えてレール方向を向いて座る補助椅子もあり、進行方向に関わらず逆向きに座る心配がないと言う点では評価できるかもしれませんが、全座席比率に占める割合は僅かとはいえ、高速列車でロングシートというのは非常に違和感があります。

しかも窓なし座席と言うおまけ付きですので、これでもデッキで立ち続けるよりはマシかもしれませんが、余り有り難くない座席と感じたものでした。

KTX 山川は既存KTXに比べると、車内空間の狭さや座席などが大幅に改善され、KTXを利用する際には是非時刻表で「山川」と記された列車を選んだ方が…と感じたものですが、設備面では豪華さで定評あるセマウル号はおろか、一般室では運賃の割には比較的高レベルの設備を誇るムグンファ号にも劣ると感じたものでした。

そのため韓国の列車旅を楽しむ列車と言う点では、割安な運賃と高レベルの車内設備を誇るセマウル号やムグンファ号などの一般列車に軍配が上がる所です。

しかしながら京釜間(Seoul~釜山間)で2時間半程度(列車によって所要時間差有り)、Seoul~東大邱間に至っては2時間以内と言う圧倒的な速さを誇っており、一般列車との乗継割引(KTXと乗り継ぐ1列車のみが対象で、一般列車の運賃が4割引になります)もありますので、今後も旅程に応じて両者を使い分けたいと感じたものでした。