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東京メトロ・16000系電車に初乗車~シンプルながらも車内の雰囲気は…

2011-01-06 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

 
昨年11月に運行を開始したばかりの東京メトロ千代田線用の最新型車両・16000系は、昨年MAKIKYUは姿を見ただけで乗車する機会がなかったのですが、3日にようやく乗車機会に恵まれ、今年初の幸運を手にした様にも感じたものでした。

この16000系は試運転の姿を「MAKIKYUのページ」でも一度取り上げた他、元旦の記事でも今月限りで6両編成は全て引退となる小田急5000形と共に、記事中の写真でも取り上げるなど、車両の外観に関しては既に「MAKIKYUのページ」でも2回程登場していますので、今日は乗車した車内の様子を取り上げたいと思います。

16000系はJR線にも直通運転を行う地下鉄車両だけあり、20m4ドア・ロングシートの一般的な通勤型仕様の車内となっており、車内案内表示装置としてLCDモニターを装備するといった点は、如何にも最近の通勤型車両といった様相です。

また最近の首都圏における通勤車両では、比較的低コストでシンプルな構造の車両が導入される事が多く、外観をはじめ、車内も割合質素な雰囲気を感じる車両が多くなっています。

16000系も日立製作所アルミ製標準仕様車両の一派と言える車両ですので、この傾向は強く見られ、関西の一部鉄道で導入されている新型車両の様な豪華さは感じられず、首都圏では比較的高級感のある車両を導入していた旧営団地下鉄の様な雰囲気もありませんので、新生東京メトロが旧営団とは車両方針が変わった事を意識させられるものです。

特に車内側面の化粧板を見渡すと、形式毎によって異なる凝った印象の化粧板を採用していた営団地下鉄時代の各車両に比べ、白系無地の化粧板などは対照的で、随分シンプルな印象を受けます。

天井の蛍光灯もグローブ(カバー)はなく、勿論間接照明でもありませんので、これは首都圏では一般的とはいえ、関西の車両などに比べると…といった所ですが、天井を見渡すと蛍光灯の配列や取り付け部、空調吹出口などが上手くデザインされ、シンプルながらも千代田線に乗り入れる他社最新型車をはじめとする「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の様な貧相な印象を受けない辺りは好印象が持てます。

そして車端部の貫通路や、座席脇の仕切りなどにガラスを多用しているのも大きな特徴で、ガラスを多用した車両間貫通路の脇は、16000系の内装で基調としている濃い青色のラインがデザインされ、化粧板自体は非常にシンプルな雰囲気ながらも、このラインが良いアクセントになっている様に感じられたものです。

座席脇の仕切りも、他車両ではなかなか見かけない独特なモノとなっており、標準仕様車をベースとしたシンプルな造りながらも、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の大半の如く「何処へ行っても同じ様な車両ばかり」といった雰囲気ではなく、16000系ならではの独自性が感じられる点は高評価できる所です。

そのため16000系は豪華さこそなくシンプルな印象を受け、天井回りなどに過剰な装飾をした感のある同社副都心線用10000系程の様な凝り様(これは評価が大きく分かれるかと思いますが、MAKIKYUとしてはイマイチと感じています)も見られませんが、近年の低コスト車両では貧相な印象が否めない車両も多い中で、独自色を打ち出しつつ機能美を考えた車両と言う印象を受けたものでした。

それに加えデザイン面などでは評判は悪くないものの、座席の評判が芳しくなく、早くも座席交換を行う事になった副都心線用10000系の失敗を踏まえてか、座席も固めながらクッションの厚みがあり、不自然な着座体制を余儀なくされる事がない点も評価すべきと感じています。

この16000系はメカニズム面でも、起動時などに独特な音を発する全密閉型同期電動機を採用し、台車も敢えてボルスタ付きとしているなど、この記事で言及している事だけに留まらず、内装や外観だけに留まらない様々な特徴が見られるのも特徴で、旧営団とは随分異なる東京メトロの車両設計も、この16000系で完成形に大分近づいたのでは…と感じたものでした。

最近の首都圏では「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」などの低コスト型車両が多く導入され、最新型車両よりもそれ以前の車両や、路線によっては代替対象となる古参車両の方が良いのでは…と感じる事も少なくなく、内外共に貧相な印象が否めない車両の増殖にはウンザリしていますが、この16000系は豪華さこそなくてもコスト面と共にデザイン性なども考慮されており、最近の首都圏通勤車両にしてはかなりの完成度を誇ると感じたものです。

この日は千代田線内で16000系の他に、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の総本家とも言うべき会社の最新型車両にも乗車したのですが、同年代の車両ながらも出来栄えの差は非常に大きく感じ、この事は千代田線の東側を走る他社線とは直通運転開始時点から相変わらずの様です。
(しかも陳腐極まりない千代田線直通開始時の車両が、地下鉄乗り入れ離脱から25年以上を経た今日でも、一部は様々な改造を経てJR他線区でまだ走り続け、先月MAKIKYUもこの車両に乗車機会がありましたが、新型導入で203系ですら淘汰される今日でもまだ走り続けるのは皮肉なもので、そろそろこの車両の代替話が出てこないのかも気になるものです)

時代の趨勢や通勤型車両に求められる特性などを考えると、特に首都圏においては低コスト型車両の導入が進むと思いますが、首都圏では16000系が直通運行を行う千代田線の乗り入れ事業者をはじめ、各事業者において16000系に刺激され、低コスト型車両でももう少しデザイン性を考慮した車両を導入して頂ければ…と感じたものでした。



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8 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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Unknown (スーパーラビット)
2011-01-06 18:27:58
はじめまして。
書き込みは初めてですが一年ほど前から拝見しております。当方、関西在住なので関西圏の車両の有難味が『いまいち分かれへん』かったのですが、このHPを拝見するようになり、実際にここの記事を参考に乗ってみて、『あ~、自分めっちゃ毎日エエ思いしとるんや』と思った次第です。

この路線の先々代?(207系入れたら3代前)車両、一色塗りになって『若干若返り』ました(苦笑)
ま、しかしどんだけ頑張っても全国で一番塗装の美しい(と自負している)阪急ほどベッピンには仕上がらず、乗ってみれば所詮老いぼれた通勤型。平城遷都に便乗してラッピングした方も同様で…。
桜井、和歌山線の突き上げるような乗り心地と冬場の火傷しそうな座席ヒーター。分割民営化頃はアレが平気で奈良線走ってたんですから奈良線の成長もすごいなと。

あぁまた乗りたくなってきた…わけない。

長文失礼しました。
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この車両は良い方ですが… (MAKIKYU)
2011-01-08 01:52:04
スーパーラビット様はじめまして。

最近の首都圏では貧相な雰囲気の新車が次々と増殖し、こんな新車が来ても嬉しくないどころか呆れる始末ですが、この記事で取り上げているメトロ16000系はシンプルながらもデザイン的に良く考えられた車両と感じ、比較的好感がもてる車両と感じています。

これに比べると関西は車両の使用年数こそ長いものの、首都圏以下と言って良いほど低レベルな新車を登場させたミナミから出ている狭軌某大手私鉄を除けば、比較的高級感のある車両が多くて羨ましい限りです。

また先月乗車した105系は、関西ではなく可部線で運用されている車両でしたが、老いぼれぶりは相当で、良くこんな車両を平然と使い続けると感心してしまう程でした。

ちなみに105系は関西でも何度か乗車した事がありますが、居住性の悪さは車両側の要因に加え、軌道状態の悪さも影響しているかもしれませんね。

あと奈良線からの105系撤退は、輸送量増加→編成増が最大の要因で、221系の進出は奈良線の進化を感じさせられますが、105系が走らなくても103系(N40工事施行車を除く)が走る現状では、質的には大差なしと感じます。

103系も関西では環状線や阪和線などでまだまだ活躍が見られるとはいえ、分割民営化当初は膨大な数が走っていた首都圏では全廃となった車両ですので、趣味的には面白い車両とはいえ、いつまで活躍し続けるのかも気になるものです。
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Unknown (スーパーラビット)
2011-01-08 17:48:05
東京圏の車両は貧相というか寒々しいと言った方がいいんですね。座席や化粧板の色の問題も関わってくるでしょうが、やはりグローブのない照明とその照明が寒色系なのが大きな一因ではないでしょうか。
その点、メトロの車両は営団時代からも含めて『寒々しい』車両が少なく比較的好感が持てます。どの車両もそれなりの落ち着きがあります。

105系の乗り心地ですが、軌道の問題ももはや超越した車両側の問題です。221系の山の辺の道レジャー号が桜井線全線を走破しますが「ホンマに同じ線路走ってるん?」というくらい乗り心地に差があります。正月や天理教の繁忙期に103系や201系が入線しますが、それでもあそこまでは揺れません。105系だけが極端に状態が悪いといえます。


「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」の総本家とも言うべき会社とやらを含む首都圏の新車投入合戦は企業のステイタス上やらねばならない状況やもしれませんが、関西に住む私どもからしますと非常に勿体無いしやりきれない。

JR西日本管内から103系が全滅する日なんて来るんでしょうか?あまりにも数が多すぎて想像もできません。最後まで安泰やろ思っていた広島が先に京都から都落ちした113系で淘汰されましたし…。あと20年は平気で走ってそうですね(笑)

鉄道関係者の友人がこんなこと言ってましたし。
「103とか113は遅い言うたら遅いねんけど、あれはナンボ人のせてもあの走りやねん。性能落ちひん。207とか223、321はラッシュん時露骨に落ちるしな。」
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JRの影響が… (MAKIKYU)
2011-01-11 00:21:34
スーパーラビット様こんばんは。

首都圏の鉄道車両も、関西と同様にバリエーション豊富で、高級感のある通勤車両こそ少ないものの、決して寒々しく貧相な印象の車両ばかりではありません。

しかしながら首都圏のイメージリーダーと言っても過言ではなく、規模も断トツの会社の車両に限って言えば、寒々しく貧相で陰気な雰囲気の車両が多い事は確かで、この会社の印象が強ければ首都圏は…という事になってしまうかもしれません。

また首都圏に限らず、最近では通勤車両で蛍光灯グローブ付きが当たり前だった関西でも、防火対策などが影響して蛍光灯グローブなしが増えていますが、蛍光灯グローブなしでもこの記事で取り上げたメトロ16000系の様に、配列や取り付け部分の工夫次第で見栄えを向上する事も出来ますので、「某社レンズ付きフィルムに良く似た名称で呼ばれる事が多い電車」シリーズも安く走れば良いと言うだけでなく、もう少しデザイン性を考えて頂きたいものです。

また105系の乗り心地が201系より劣るのは理解できますが、奈良地区の105系は103系の改造車で、103系とは大差ない車両ですので、103系に比べて居住性が極端に劣るとすれば、酷使による老朽劣化や整備不良などもありそうです。

おまけに冷房装置も後に簡易型の装置を取り付け、夏場における冷房の効きも悪い車両が多いですので、程度の悪い車両は順次淘汰して欲しいものですね。
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俺の見方 (North×9)
2011-01-25 23:59:36
こんばんは。JRW225系に続いて書き込みさせて頂きます。

首都圏は中京圏や近畿圏と比べて貧相な車両が多いのはよく言われていることですが、この点は私が思うに209系やE231系に該当するように思えます。

わかりにくい表現になったかも知れないですがその点E233系で関東の電車も随分と良くなったと私は見ています。

私も105系の乗り心地が悪いと思いますね。昨夏に和歌山線の105系に乗車したのですがあまりの揺れにビックリしました。抵抗制御でコイルバネ台車ですから乗り心地は必然的に悪くなりますが105系の走行時の振動は103系より酷いと思います。冷房も強すぎましたし。

さて本題の東京メトロ16000系についてですが最大の目玉はこの四半世紀に渡ってVVVFインバータ制御の電車で採用されてきたかご形三相誘導電動機から永久磁石同期電動機になったことだと思います。

ネットサーフィンしているとよく書いているのですが永久磁石同期電動機はかご形三相誘導電動機よりエネルギー効率が良く結果として環境にも優しいらしいです。JR東日本でいずれ登場するであろうE235系なる新車にも使われるんじゃないかと私は予想しておりますが。まあJRが今後どんな車両を製造・投入するだなんて外部の人間は誰もわからないのですがね(笑)。

この東京メトロ16000系はルックスもなかなか格好いいですし内装も先進的で結構いいんじゃないかと思います。相変わらず東京メトロの車両は外観・性能ともに先進的だなと感心させられます。

首都圏では他に京浜急行も質の高い車両を走らせてますね。その代表格が2100形です。それだけに600形のロングシート化は残念ですね。

ただ京急に限らず首都圏の車両は見た目が格好いいと私は思います。将来的には外観・中身ともに秀でた車両が登場するのを願って止みません。
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Unknown (MAKIKYU)
2011-01-26 13:05:35
North×9様こんにちは。

JREの新型車両は、最新型のE233系ではE231系などに比べると随分マシになっているとは思いますが、FRPの天井や無地の化粧板などは安物感が否めず、車内設備的にはJR西や阪急などとは比べものにならないレベルと言うのが本音です。

それでも大阪のミナミを発着する狭軌の大手私鉄で活躍する新型車などに比べればまだマシで、中京圏も狭軌の大手私鉄は芳しくない状況ですので、一概に首都圏は…とは言えないですが、コストダウン車でも東京メトロやJR九州などの新型車はデザインの工夫などでそれなりの出来栄えと感じていますので、「某車レンズ付きフィルムによく似た名称で呼ばれる事が多い電車」シリーズももう少しデザイン性を考えて欲しいものです。
(「某車レンズ付きフィルムによく似た名称で呼ばれる事が多い電車」の総本家に限っては、質を求める乗客には特急やグリーン車などの追加料金を求める傾向があり、一般車の設備改善は減収の恐れもありますので、あまり積極的な動きは期待できないかと思いますが…)

あと京急は首都圏外からの評価が結構高いようで、看板役の2100形は座席間隔の狭さが難点とはいえ、それ以外では首都圏の一般車両では別格の存在と言っても過言ではないかと思います。

ただそれ以外の車両となると、こちらは最近の座席が馴染めず、運賃面でも首都圏大手私鉄の中では割高な部類に入る事や、最新型のステンレス車に関してはE231系レベルの貧相な車内設備が目立つなど、余り芳しくない面も多いと感じています。

また600形のロングシート化改造も、8両編成の地下鉄直通時や4両編成の普通車充当時などには、ドア付近が凄まじい混雑状況となる事や、車端部分にはボックス席が残され、長時間乗車にも配慮している事などを考えると妥当な施策と感じています。
(4両編成では今でもオールクロスシート編成が残存し、京急沿線在住の知人は座席数の少なさや混雑時の凄まじさなどをぼやいている程です)

とはいえ改造で設置されたロングシートの座り心地の悪さが困りモノ(この座席は好みが大きく別れますので、評価する動きもあるのですが…)で、個人的には座席自体が首都圏他社レベルであれば…と感じています。
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独断と偏見 (φ・十)
2011-03-20 17:36:38
千代田線をたびたび使うものです。
+面はみなさんがおっしゃっている通りなので、-面中心に書きます。
16000に乗る機会がありましたが、E233-2000よりも、内装が寒々しく感じました。とはいえ、内装、特に天井回りデザインがまとまっていて、E233と格が違うと思いました。しかし、床やところどころに紺色が配されており、それによって、車内の印象が暗くなっているように感じました。また、座席脇の仕切りのガラス部に、太ももが押し付けられているのが見えて、少し不快でした。貫通扉のガラスは、開放感があっていいですね。改良点は残っていますが、快適な車両だと思います。(通勤に使うなら、E233程度で十分だと思います。)
あと、永久磁石同期電動機は、レアメタルを大量に使っているので、コスト的に問題はないのか、心配です。
長文失礼しました。
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今後の展開や同業他者での導入に関しても… (MAKIKYU)
2011-03-21 11:14:05
φ・十様はじめまして。

16000系は内装の至る所に紺色を用いており、この色彩に関しては「都会的でクールな印象」と感じる方と、「暗く寒々しい」と感じる方に2分され、好みが大きく分かれる所だと思います。

個人的にも地下区間を走る割合が高い事などを考えると、もう少し明るい色調にしても良かったのでは…と思いますし、営団時代を含めた過去の車両の内装や、千代田線のラインカラー(グリーン)とも大きく異なるだけに、この色彩の選定理由がどの様なものなのか気になります。

ただ貫通路のガラス製仕切りをはじめ、車内のデザインは非常に良く出来ており、豪華さこそないものの機能美を感じる設計は見事と感じています。

見るからに安っぽく、そちらのコメントでも取り上げられている他社の乗入車両の貧相極まりないと言わざるを得ない雰囲気に比べると、遥かに良いと感じており、同業他者でも16000系に影響さえて高レベルの車両が登場する事に期待したいものです。

また東京メトロでは永久磁石同期電動機の導入をはじめ、最近の車両で敢えてボルスタ付き台車を採用するなど、独自性の強い動きが幾つも見られますが、今後の展開や同業他者での導入に関しても気になる所です。
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