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島原鉄道 キハ2008号(首都圏色)~この塗装のキハ20形も今では…

2007-12-07 | 鉄道[九州・私鉄等]

  
  

MAKIKYUが今月初めに九州へ出向き、一部区間(島原外港~加津佐)間の廃止が間近となっている島原鉄道(島鉄)を訪れた際は、日頃この区間の定期列車では旧型気動車(キハ2000形)は運行されていないのですが、廃線前の特別運行という事で数本の列車が旧型気動車による運行(島鉄HPに情報あり)となっており、MAKIKYUも丁度この旧型気動車によって運行される列車に乗車できたのですが、その際にやって来た車両が今日取り上げるキハ2008号です。

島鉄では旧国鉄のキハ20形と同仕様のキハ2000形という形式の車両を自社発注しており、その後国鉄~JRで使用していたキハ20形を購入した車両もこの形式に編入されているのですが、一時期は十数両に及ぶキハ2000形が運行されており、島鉄の主力となっていた事もありました。

ただ1990年代以降、キハ2500形と呼ばれるワンマン運転対応の新型軽快気動車が導入されるようになると、一部は老朽取替えによる廃車対象となり、残る車両も主にラッシュ時間帯などに使用される脇役的存在となりましたが、それでも現在も8両が在籍しており、今やJR線では全滅したキハ20形が活躍する姿が見られる希少な存在となっています。

この8両は様々な塗装のバリエーションが存在するのが特徴で、島鉄のオリジナル塗装を纏った車両や、旧国鉄時代の塗装を復元した車両など数通りの塗装が存在するのは興味深い点で、この形式が運用される列車でもどれがやって来るかはその時のお楽しみといった所です。

先日MAKIKYUが訪問した際にやって来たキハ2008号は首都圏色と呼ばれるタラコ色一色に塗られた車両で、この塗装は島鉄のキハ2000形の中でもこの1両だけですし、他の鉄道で現存するキハ20形にも存在しない希少な存在ですので、この車両に巡り合えたのは非常に幸運で、車体の検査標記も「形式名 キハ20」と書かれた辺りは旧国鉄を彷彿させるものがあり、これもなかなかいい感じでした。

またこの車両は冷房化改造などが施され、運転席仕切りも改造(これは最前部座席に座った際に展望が良くなる利点もありますので、MAKIKYUはむしろ歓迎ですが、好みが分かれると思います)されているのですが、相変わらず手動で開ける客用ドアや、網棚や丸みを帯びた座席脇手すりをはじめとした今や懐かしさを感じさせる車内の雰囲気、そして非力なエンジン音を奏でながらのんびりと走る様はなかなか味のあるものでした。

MAKIKYUも慌しい旅程ではるばる島原半島まで足を伸ばした甲斐があったと感じたもので、沿線の雰囲気もなかなか良く、来年春には島原外港以遠の部分廃線で、この区間での有明海や雲仙を望みながらの汽車旅が楽しめなくなるのは随分惜しいものです、そうなるとラッシュ用に残されているといっても過言ではなく、老朽化も進行しているであろうこの形式の数両・或いは全てが廃車になる事もほぼ確実かと思いますが、島鉄路線縮小後の動きも気になるものです。

写真はMAKIKYUが乗車したキハ2008号(加津佐駅にて)とその車内の様子、車体標記と行先表示サボです。

また島原鉄道に関してはまだまだ取り上げたい記事が色々あり、近日中に順次記事を追加したいと思います。