雲南、見たり聞いたり感じたり

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語学留学でセブに行く74 バケーション11 フィリピンのお菓子の味はココナッツ

2021-01-30 20:53:53 | Weblog
写真はボホール島出身の語学学校の先生の母手作りの伝統菓子・ブッドブッド。ココナツとチョコからくる素朴な甘さにバナナの葉の香り。母親が働く長女のために手作りしたおやつは、ふんわりとしていて癒しの味がした。

【もち米にココナッツ】
 普段は語学学校の宿舎にいて、甘いものといえばフルーツで満足していた分、リゾート地にきて目が向いたのが甘いお菓子です。いずれでもホテルの朝食ラウンジに置かれていたものですが、ここで一挙にご紹介。

 じつはこのような伝統菓子は語学学校でもたまに見かけていました。先生方のおやつとして。少し早めに個人レッスンの部屋に入ると、担当の女性の先生は不在。隣の部屋からキャイキャイと騒ぐ声が聞こえてきました。
 ふと見ると、自宅から学校にお勤めに来られている先生が、お母さんの手づくりのお菓子をタッパウェアに詰めて、他の先生方に振る舞っていたのです。遠くの地域からセブの来られる先生が多いので、とても喜ばれていました。
 私にも分けてくれました。ココナッツとチョコレートをもち粉に混ぜて、バナナの葉で巻いて蒸したもの。バナナの葉とココナッツのよい香りがします。ブッドブッド(budbud)といい、セブでよく作るおやつとのこと。上記以外のものは一切入れない、と人差し指を上に向けて、うれしそうに話してくれました。
 ただセブの喫茶店などで出てくるブッドブッドは、砂糖で甘味を出すのが一般的でチョコレートは入れていないようでした。各家庭ごとの秘伝のレシピがあるのでしょう。

ともかくフィリピンの伝統菓子の基本はもち米にココナッツの風味でそこに蒸すときに葉を巻いて風味を移したり、といったバリエーションもの。唇でかみ切れるやわらかさでムチムチ、ツルンとした食感。素朴でやさしい味がします。
(和菓子も基本はもち米にあんこのバリエーションといってしまえる、フィリピンのお菓子もそんな感じ。)

【ボホールのホテルのラウンジにて】
PASTILLAS(パスティリャス)

水牛のミルクと砂糖を原料としたブルカン州(マニラのある島・ルソン島北部)のお菓子。やわらかすぎる求肥の感じ。ミルクの味わいがすごい。写真のものは「ストロベリーパスティリャス」。英語では「soft milk candy」と書いてありました。

ESPASOL(エスパソル)

ココナツミルク、砂糖、バニラ、もち米粉でつくるラグーナ州(ルソン島北部)のお菓子。炒った米粉をまぶします。求肥のココナツミルク味のよう。

CASSAVA CAKE(キャッサバケーキ)

キャッサバはタピオカの原料となる芋。すりおろしたキャッサバに砂糖、ココナツミルクを混ぜて、蒸す。このホテルでは上にチーズがかけてあった。紅茶にあう。

MAJA UBE(マハウベ)

紫ヤム芋の粉、ココナツミルク、コンデンスミルク、コーンスターチを火にかけて混ぜる。紫色が鮮やかで、ふんわりとした甘味もあって、ムチムチした食感。さつまいもが好きなら間違いなく好きになるはず。

BIKO(ビーコ)

もち米粉、ココナツミルク、ブラウンシュガーを混ぜて蒸す。

PALITAW(パリタウ)

もち米粉、ココナツミルクとココナツの果肉を混ぜて蒸す。上にゴマを振りかけることもある。ココナツファイバー(果肉)好きの私には、一番の好みの味だった。
(つづく)
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語学留学でセブに行く73 バケーション10 青魚が人気

2021-01-24 10:33:16 | Weblog

写真はボホールのトライシクル。ペイントがきれいで派手。セブで見るものよりも整備が行き届いている。敬虔なカトリック信者なことがわかる。「セント・クルス」と書かれた文字は納得だが、下部に書かれた「カワサカ(KAWASAKA)」はバイク会社のカワサキをもじったものか? このバイクも日本のカワサキ製だった。

【談笑する人々】

アスファルトの道路に戻ると屋根つきのお休みどころがあって竹製のベンチに寝そべりながら地元のお年寄りが仲良く談笑していました。正しい休日のひと時といったところ。

村に流れる空気はのんびりと、満ち足りた空気に満ちています。

三輪タクシーのトライシクルはセブでは見かけないほどきれいに磨かれていて、なんとなく人々に余裕が感じられました。

写真の真ん中の魚が一番人気のバンガス。

夕方になって日がくれてくると、道沿いにきれいに木製の机にビニールクロスをかけた台の上に捕れたての魚を並べた店が並んでいます。

「今日、釣れたの?」と聞くと、見てくれ、写真撮ってもいいよ、と歓迎してくれました。とにかく島の人々のフレンドリーさがたまりません。ただし写真に人が入るのは遠慮されました。

魚は小さめのカツオ、銀色のうろこが美しいミルクフィッシュ(バンガスbangas)、マテアジ(タマロン)、内臓が飛び出ているのは深海魚? それにさまざまな貝類。

いずれも青魚で、沖縄の市場などで見かけるようなカラフルな魚は並んでいませんでした。スープに入れたり、ニンニクやショウガにつけ、香草をまぶして揚げたりしていただくようです。

ホテルで地元料理の欄にあった料理を頼むと魚を素揚げしてココナツベースのソースを絡めた料理が出てきました。


ボホールに限らず、このあたりでは豊富な香草をふんだんに使っていて、淡白な魚の味を引き立ててくれます。ショウガなどを豊富に使い、辛みがなく、身体にやさしいお味です。

 考えてみると、フィリピンはスペイン人がメキシコからの交易ルートとして立ち寄っていた場所。メキシコといえば唐辛子の本場。タイや韓国、中国は唐辛子で辛めの演出に走っていったのに、フィリピンでは唐辛子は根付かなかったは不思議です。
 ちなみにピーマンも含めた唐辛子の生産量では1位中国、2位メキシコ、3位トルコ、4位インドネシア、5位スペイン。フィリピンはベルギーの下の64位です。乾燥した唐辛子だと、ぶっちぎりでインドが1位です。
 フィリピンを素通りした唐辛子。このへんにフィリピン人の食の好みの鍵がありそう。
(次回はお菓子について)

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語学留学でセブに行く72 バケーション9

2021-01-18 16:02:40 | Weblog
【ボホール島の人々の暮らし】

ホテルの敷地を出て、何の変哲もない原っぱを歩いていると伝統的な高床式の住宅が立ち並ぶ集落がありました。竹を編んだ壁は見事な模様をなし、カラフルなトタン屋根の建物は遠目にみるとパッチワークのようです(セブ、ボホールの海域は台風が来ない地域なので、このつくりで十分なのだそうです。)家の前にはバイクと船が置かれています。
ここでも、やはり漂ってくるのはビニールを燃やす臭い。フィリピン人の先生からお年寄りがビニールゴミだと火力が強いので煮炊きに使うのだ、と聞いていたのですが、ただただ純粋に燃やしているだけでした。ダイオキシンが心配です。

燃え切ったゴミ山の上には小さなヤシの木が生えていました。

大きなたらいで洗濯する女性を見かけました。洗濯板は日本のように凸凹ではなく、まな板のようにまっすぐです。リズムよく泡立てて汚れを落としていきます。脱水も一つ一つ手で絞ります。雲南では私も当初、手洗いしていましたが、脱水がなにより大変でした。これを毎日、やっているのです。尊敬の念が自然と沸いてきます。それにしても、このたらいが語学学校の宿舎周辺に売られていたら、もっとゆったりシャワータイムが過ごせたのになあ。

さらに家の前にある共同炊事場のようなところでは、数家族が合同で煮炊きしていました。なんだかとても楽しそうです。

その炊事場の前の広場には地鶏が一羽ごとに日よけ用の古タイヤで作られた(器用な編み込みの壁付きの)小屋を持ち、1メートルほどのひもにつながれていました。その奥には竹で作られた高床式の集合式の大きな鳥小屋があります。昼用と夜用の鳥小屋を持つ鶏なんて、日本では聞いたことがありません。とても大事に飼われているようです。

聞くと、フィリピンでは食用はもちろん、闘鶏も人気なのだそう。鶏の小屋が尋常でないほど丁寧なのは、その伝統もあるのでしょう。でも、この鶏は食用でしょう。見るからにおいしそうです。

雲南では、鶏はここボホール島で見かけたようなきらきら光る茶色に濃い緑の羽を持つ鶏は高値で売られていました。春節のころ人々はこれを生きたまま買って、家で羽をむしって捌きます。私はさばいてもらったものを買っていましたが、味が濃く、スープに入れると歴然と差が出ます。肉質は固く引き締まっていました。
よく見ると、ここにいる鶏は色も尾羽の長さもバラバラです。いくつもの系統がまじりあってしまっているのでしょうか。

カンカン照りの草原に悲しい目をした白馬が一頭、草を食んでいました。ボホール島ではプライベートの敷地で乗馬体験できるツアーもあるので、そのための馬なのでしょうか? 農耕用にしてはほっそりしています。
 
その横では木の棒を持った小学生ぐらいの子供が3人。チャンバラかなあ、とみていたのですが、何かを捕ろうとしているようです。木の棒の先は鋭く切り取られていて竹やりの形をしています。手を振ると、元気に手を振り返してくれましたが、真剣すぎて声をかけることができませんでした。草原の先は海。たくさんのボートが停泊しています。そこからスーッと細い木船が海に漕ぎ出していきました。夫婦二人で魚を捕りにいくようです。手漕ぎ船です。こちらも手を振ると、きげんよく手を振り返してくれました。

(つづく)
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語学留学でセブに行く71 バケーション8 

2021-01-11 14:55:34 | Weblog
【夕日の見えるバカンスホテル】
私の宿泊したホテルはボホール島南西に2本の橋でつながった小さなパングラオ島にありました。ボホール島は大きさ4119㎢でほぼ徳島県ほどの大きさがあり、チョコレートヒルズなどの目玉観光地がありますが、ホワイトビーチが有名なのはパングラオ島のほうです。


写真はアロナビーチ。

一番メジャーなのがパングラオ島南端のアロナビーチ。トライシクルで行ってみると、いかにもリゾートといった趣で土産物屋とダイビングショップが乱立しています。白いビーチパラソルの下にはシーサイドベッドが立ち並び、浜に立っているだけで物売りや何かのサービスをしないかの誘いの人がやってきて落ち着きません(ホテル以外の場所で食べられるので食費が抑えられる点はいいのですが)

その点、私が宿泊したホテルは静かでした。場所は同じパングラオ島の最西端(ホテルのホームページではアロナビーチの反対側)にあるベルビューリゾート。周辺にはほかに観光施設はほとんどありません。ホテルの客は小さい子のいる家族連れが多く、海を目の前にしたプールにいるだけで、もったいないことに本物の海で泳ぐ人はほぼいません。風が強いせいかしら? プライベートビーチは、前にも書いたように本当に純白で、夢の世界のようです。

写真はホテルのプライベートビーチの早朝の様子。翌朝は青い日よけフードを被った女性陣が海藻などの清掃をしていた。

早朝、散歩に出ると、ビーチに清掃員が等間隔で立っていました。みな、長柄レーキ(熊手のようなもの)を手に次々と打ち上げられる海藻を取り除いています。なるほど、純白のビーチを保つには人の手が必要な浜なのです。

日中、干潮になるとどこまでも遠浅の砂浜が現れ、日本でよくみる波の形に平行に凹凸のできる文様とは違う、不思議な砂紋が刻まれていました。「ウィキペディア」を見ると
「往復する水の流れがある程度以上、早くなると山の後ろにできる渦が砂紋の発達に重要な役割を果たす」
と書かれているので、潮の流れが複雑な浜なのでしょう。

日中、海に出ると、泳ぐにはあまりにも遠浅で、客がプールにばかりいる理由がわかりました。海藻もあり、生物が豊かそうです。
(つづく)

※一年、続いたフィリピン編は、春には終了の予定です(たぶん)。気楽に旅行に出かけるのはもう少し先になりそうですが、いつか訪れる日に向けて、気楽なブログの旅にお付き合いいただけたらと思います。
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