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南米の気になる野菜たち5 龍髭菜とハヤトウリ

2018-08-19 15:00:25 | Weblog
写真は野菜のツルのスープ。かぼちゃのツルやハヤトウリのツルなどが一口サイズに切られて、豆腐や芋、タケノコや真菰ダケ、かぼちゃといった固形のものととともに入っている。塩ベースで白濁したさっぱりとした味のスープである。(写真は昆明の石屏会館、にて)

【ひげの形でみる野菜?】
 前回の続きで、ハヤトウリのツルと葉が台湾で「龍髭菜」の名前で食用とされている話をしました。
一方、中国のインターネット解説サイトの「百度」で髭(口ひげのこと)の字が鬚(あごひげ)になっていて違うのですが、龍鬚菜(龙须菜)がありました。学名は「Asparagus schoberioides Kunth」と書かれていました。

 上記の学名で日本の植物名を調べると「キジカクシ」という名称でした。

「日本他の山野に自生する ユリ目ユリ科アスパラガス属の常緑多年草です。 和製のアスパラガスと呼ばれ、茎は食用になります。」(https://www.kagiken.co.jp/new/kojimachi/hana-asparagus-schoberioides-kunth_large.html 株式会社 科学技術研究所(かぎけん)代表取締役社長 柳下瑞穂より)

 キジカクシは「和製のアスパラガス」と呼ばれています。また、「オランダキジカクシ」は我々が現在食べている普通のアスパラガスを指すそうです。愛知大学編『中日大辞典 増訂第2版』には①シラモまたはオゴノリ(海辺に近い石の上に生える海藻で、葉は細く糸のように食用にされる②キジカクシ、とありました。関連用語として⇒があり「芦笋」と書かれていて、そこのページをめくると「オランダキジカクシ」と出てきます。つまり、先のとがったアスパラガス様のものを指す意味もあるようです。

中国ではアスパラガスはおもに「芦笋」と呼ばれているようです。

「百度」に戻ると、中国の産地としては沿海地区と黒竜江、吉林、遼寧、河北、河南西部、山東、山西、陝西(中南部)和甘粛(東南部)に幅広く見られる野菜、とあります。写真を見ると、髭根のやわらかい感じの野菜、これは雲南の伝統料理店でも見た野菜です。おそらく「海菜」の名で売られていた気がします。ニンニクに塩味で、さっと炒めて食べると、独特の爽やかな香りがあって、口あたりもやわらかで、食べやすかったです。スープにも入っていました。

つまり龍髭菜は台湾ではハヤトウリのツル、中国ではその言葉は流布していないけど、似た印象の単語に「龍鬚菜」があって、アスパラガス様のものを指す。これはとがったあごひげの形からとられた単語なのでしょう。となると台湾のハヤトウリのツルは口ひげの形をしていると認識した人がいる、ということになります。口ひげはくるんくるんに丸まっているのでしょう。

 【仏手瓜と仏手の違い】
 ハヤトウリの中国語名は前回もお伝えしたように「仏手瓜」ですが 中国で、おもに鑑賞植物として庭園に植えられている植物に「佛手」という植物があります。
 こちらは柑橘系の植物で、黄色い実が佛様の手のように見えることからついています。ハヤトウリはウリ科なので、まったく違う植物です。混同される方もいるかもしれないので念のため補足しておきます。

 さらに蛇足の蛇足。娘が小学時代に理科の授業で使われた実用性のある植物栽培の位置に、私が小学生の頃(4半世紀以上前)に君臨していたのはヘチマでした。

 ヘチマは若いうちは食用として食べることができ(台湾では今も現役)、秋に茶色くなるころには、繊維が固くなり、流れ出る水は「ヘチマ水」という化粧水に、乾燥させるとタワシ代わりになり、私はいまでも身体を洗いこするときに使っています。
これも、もしや南米産かと思ったら、インド原産だそうで、日本には室町時代に渡ってきたそうです。
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2 コメント

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Unknown (ぺちょ)
2019-03-03 12:24:34
竜髭菜がアスパラガスで、竜鬚菜が写真のツル植物では?
口髭とあご鬚のちがいでは。
ぺちょ様へご返信 (もっくん)
2019-03-31 12:16:16
ご指摘をありがとうございます。「髭」が口ひげ、「鬚」があごひげ、なんとなく見過ごしておりました。 ただ「龍鬚菜」は和製であろうとそうでなかろうとアスパラガスの形をしたもののようです。(愛知大学編『中日大辞典 増訂第2版』など)あごひげの方がとんがっているからでしょうか?  

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