雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

2度目のロンドン④ シェアハウスで暮らす上

2023-09-24 11:56:30 | Weblog
シェアハウスの共有スペース。左奥がマンションの入口のドアで、その右の少し扉の空いたスペースがトイレ、その右手前がキッチンとダイニングテーブル、そのさらに手前右の空間を入るとお風呂場など。目の前にあるのが共有スペースのソファ。これらの共有スペースをはさんで、個人のスペースとなる部屋がある。ちなみにこのソファでくつろいでいる人は、私が見たところ皆無だった。みなにとっての廊下にあたるので、遠慮しあった結果と思われる。

【お風呂に入る】
ハウスの入口すぐの中央にはキッチンやお風呂場などの共有スペースがありました。皆で気を使いあって暮らしているためか、とてもきれいです。でも私にとって、しっかりとプライベートが確保された居住スペースは西の一部屋のみ。6畳もなさそう。

 その部屋にはダブルベッドが一つ。ほかに物を入れる小さなワードローブやテレビ、小さな机といす、洗濯物干し台などはあるのですがそれは私にとってはどうでもいい。最低条件はベッド二つだったのですが、満室のためかなわなかった、というのです。仕方なく、日本から寝袋を持参してきました。何が悲しくてロンドンで寝袋生活を送らなければならないのか。

ほかにも同様に3つの個室があり、それぞれに居住者が暮らしているとのこと。掃除のときにちらっと見たら、我が家が一番せまいようで、後の3部屋は広々としていてベッドもツインで窓も複数ありました。

 家人はフィリピンでの3か月間、浴槽がなかったのが、よほどつらかったのか、必要条件は湯舟、でした。私は洗濯用たらいでなんとなく入った気分になっていたのですが、家人はたらいにおしりすら入らず、純粋なシャワー暮らしに辟易していたのです。

さて、たまたま誰もいないときに到着したので、まずは家人ご推奨のお風呂を使ってみました。お風呂は共同なので、入る前にきれいに掃除してから、湯を張りたいのですが、洗うための器具がぱっと見、見当たらず、結局、さっと手で洗って湯を張りました。

 頃合いを見計らって日本を出て以来の浴槽に浸かります。ここには洗面台もトイレもあります。みんなが使うところです。そう思うと、長湯はまずいし、しぶきを浴槽の外に出しては失礼、と緊張して落ち着けません。湯を張ってから気づいたのですが、目の前に曇りガラスの窓があっても、開け方がわからず、換気の方法もわかりません。浴槽の掃除も不十分だったせいで、落ち着かないお風呂でした。シェアハウスのルールがわからず戸惑うばかり。まずは掃除道具の対策をとる必要がありそう。
(つづく)
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2度目のロンドン③ ベイズウオーター駅近くの住まいへ

2023-09-17 11:32:32 | Weblog
今後、2週間、暮らす部屋から見える景色。ザ・ロンドンという美しい家並みがみえ、ほんとうのイングリッシュガーデンが目の前にあった。

【ベイズウオーター駅の多民族感】
空港から地下鉄に乗って、降り立ったベイズウオーター駅は、世界最古の地下鉄・メトロポリタン鉄道(1868年10月開業)がパディントン駅から西に延伸した際に開業しました。
 現在、サークルラインなど2路線が通るロンドン中心部の西部側にあります。南に200メートル離れたところに上記以外の3路線が通るクイーンズウェイ駅もあり、交通至便。

 駅前を南北に走るクイーンズウェイ沿いには、7階建て程度の高さのレンガ造りの建物が連なっています。それらの建物の1階にはインド料理や東南アジア、中東料理、中華料理店やスーパーが入居し、その前を歩いている人の顔も、様々。多民族の街のようです。ゴミゴミ感はありますが、日本と違う、おしゃれさが漂っています。

 道を南に進んでクイーンズウェイ駅方向に進むと、ほどなくレンガをそのままを活かしたアクセントが美しい基本は白ペンキで外装された7階建ての建物が連なる一角に着きました。この一角でわずか2週間ですが、暮らすのです。

【靴からスリッパへ】
通りに面した扉を開けると、タブロイド紙片手に警備員さんが挨拶。その小さなカウンターの前を慣れた雰囲気で家人が通り、奥のエレベーターで3階へ。


東西に延びる長い廊下には青い絨毯がひかれ、その両側に扉が等間隔に並んでいます。壁が白く塗られていて、電気もついているのでとても明るい廊下です。この西側の奥の扉の中が私の住まいでした。

室内に入ってすぐに左に小さな靴置き場。右にスリッパ。入った左に窓から自然採光が降り注ぐ2畳ほどのキッチンと納戸、その中央に小さなキッチンテーブルとイス、まっすぐ進んで左にシャワーと浴槽、トイレのある一間、それを横目でみた空間に落ち着いた小さなソファと置物。ここまでは共有スペースで、その奥の西日がガンガン当たる部屋が、我が家が借りている部屋とのこと。

 部屋の窓からの眺めはすばらしい。

 借景でジロジロ見るのも申し訳ないのですが、戸建ての家々の巨木がたたずむ芝が敷かれた庭が見え、小さいながらも素敵なイングリッシュガーデンもあり涼やかです。それは裏庭で、その前に2階建ての重厚なレンガ造りの上にすすけた煙突が付いた、ピーターパンなどのイギリス小説の挿絵が飛び出したかのよう。このような家が横につらなり、その奥には十字が掲げられたギリシャ正教会の尖塔まで見えました。
 一方、住まいとなる空間は4畳半ほどで狭く、はっきり言って暑い。けど、クーラーはありません。いままでイギリスは涼しかったのでクーラーが必要なかったのだそう。

これは危険です。

 でもこの部屋以外は我が家であって我が家ではない。なぜなら、ここはシェアハウスなのです。ホテル住まいやマンションの一房を借りるにはロンドンは物価が高いので、日本人向けに貸し出しているアップルハウスと契約したのですが、シェアハウスで暮らすのは生まれて初めて。いったい、どういう生活になるのでしょうか?
      (つづく)
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2度目のロンドン② 

2023-09-10 12:42:22 | Weblog
写真は地下鉄パディントン駅。地下から地上に出るところ。世界最古の地下鉄だけに、たくさんのケーブルがむき身で出ていて、まるで、地下鉄が五線譜の上を踊っているようにみえた。

【首都は古風なレンガの街並み】
乗り換え駅のポスターは、BBCの大人気ドラマ・ベネディクト・カンバーバッチ主演の「シャーロック」。地下鉄車両に爆破装置を取り付けるテロの話がありましたが、日本とは違う、この空間なんだ! とか思ったりして、すでに(ドラマの)聖地巡礼の気持ちです。

さて、車内で耳に入ってくるのは、カクカクと喉の奥で詰まったように一単語一単語発するクイーンズイングリッシュです。小さな子もおじいさんもみんな、です。

アメリカンイングリッシュを学ぶ日本の英語教育だと聞くことのない発音。正直、新鮮でした。日本で聞くのは英国王室や議員の方々のニュースの時が多く、イギリスのテレビドラマは大好きですが、これは吹き替えで聞いていて、イギリスの映画も、映画の音、として認識するばかりで字幕が主。当然、こちらこそ本場の英語なのですが、どんな日常会話でも、すごく格式ばった話をしている風情に見えるから不思議。なんとなく眉間にしわがよりそうな感じです。

一方で、大きな駅での駅側のアナウンスがまるでディズニーランドのよう。

「みなさん、列車が着きますよ。さがってくださーい」

と、ハリのある陽気な声でDJのようです。こういうときは陽気に聞こえます。どこか遠くで話しているのか、と思ったら、隣で駅員さんがICレコーダーのような小さなマイクで直接、話していたので驚きました。

地下鉄がたまに地上に出ると車窓からみえる建物はほぼレンガ造り。赤レンガはほとんどなく黒っぽかったり、黄色っぽかったり。昔の風情があって、なんだかパディントンが出てきそう。

(調べてみると、1666年9月2日、ロンドン大火によってロンドンの家屋の85%が消失したことによって一気にレンガ建築にシフトしたことがわかりました。それまでは木造、かやぶきだったのそうですが、法律で木造建築を規制し、レンガ造りが増えたそう。地震もほとんどないため、古い建築物がそのまま使用できるようです。日本は明治期ごろ、レンガが流行りましたが、関東大震災で地震に弱いことが証明され、以後、構造体には使われなくなりました。赤レンガじゃないのは地質の違いのようです)ォ

そうして小さな地下鉄の窓から小さな街を眺めているうちに目的のベイズウォーター駅に到着しました。
                      (つづく)
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2度目のロンドン① 世界最古の地下鉄

2023-09-03 15:29:23 | Weblog
地下鉄のピカデリーラインの列車内。車内は丸くて狭いので、座席の間に人が立つ空間はなかった。

【違っていた2度目の景色】
2019年7月9日火曜日17時半、飛行機の降下とともに映画みたいなモクモクと沸きあがるような白い雲がみえてきました。その下に深い緑と陰鬱な黒味を帯びたレンガの建物がみえ、18時3分にヒースロー空港に到着しました。

ロンドンは二回目です。一度目は1990年の8月末で、わずかに4日間の滞在でした。今回は13日間ずっとロンドンです。大英図書館が主な目的ですが、もちろん、ちょくちょく回る予定。

 前回は30日かけたヨーロッパ学生ツアーの最終地でした。湾岸危機で帰りの飛行機(イラク航空でした)がなくなってしまったので、ツアー会社が見つけたロンドン発の別会社の飛行機に乗るために急遽、決まった目的地。本来の予定にはなかったので手持ちのガイドブックはなく、予習もしておらず、当時はインターネットもないので調べようがない。つまり、予備知識ゼロで行った不思議な国でした。

当時、よくわからないままパリを列車で出て、気が付くと列車ごとフェリーで海の上。驚きながらドーバー海峡とアタリをつけて緑の波涛を眺めていると、真っ白い岸壁がそそり立つ。あれはなんだと考えていると、まもなくガシャリと線路に連結して昔と変わらぬロンドンの街並みをスルスルと列車でかきわけるように進むという、じつにクラシカルな入国でした(1994年からは地下トンネル開通となり、いまでは遠い景色となりました)。観光も情報がなさすぎて少しトンチンカンだったので、今回はその誤解をとく旅でもあるのです。

【最古の地下鉄・ピカデリーライン】
 迎えに来た家人について、空港の地下に直結する地下鉄ピカデリーラインへ。大きなスーツケースを手に乗り込むと、日本の電車に慣れている身には、おもちゃみたいな空間です。

昔みた映画『デューン砂の惑星』にサンドワームというミミズの巨大版みたいな生物がでてきますが、それが彫りぬいたかのようなほぼ真円の空間。日本人女性の私でも頭上に圧迫感を覚える狭さです。

立っている乗客は大きい人はかがんでいますし、座っている人は膝突き合わせるとまではいかなくても、その間に人が立つことはほぼ不可能。座席は、ボックスシートタイプではなく、車両の側面に沿ってシンプルに2列の席が並ぶロングシートタイプ。
 それでいて、この狭さなので足の長い人のなかには向かいの座席に足を差し渡してしまう人もいるのでしょう。わざわざ車内に「それはダメ!」と書かれていました。

車内の張り紙。「座席から足を離してください」と書かれている。
左側の赤い丸の中の絵から、目の前の座席に足を載せてしまう人に
注意喚起していることがわかる。

ただ、そこからくる一体感は日本ではけっして味わえない独特な雰囲気をもたらしています。さすが世界最古の地下鉄です。
                     (つづく)

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