雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

語学留学でセブに行く66 バケーション6 ボホール島の墓参り 

2020-11-29 14:59:38 | Weblog
墓地を通る道路。それまでがまったく人がいなかったので、驚く。

墓地では蝋燭が焚かれるので、火事を警戒して消防自動車も待機していた。

【突然の墓参風景】
次の場所への移動のため、ヤシの木がまじった自然林やアップダウンの多い森の中を通っていると、突然、開けた空間に出ました。たくさんの車が路駐され、大勢の地元の人でにぎわっています。

「なにかの祭り?」

近づくと、道路わきには露店が所狭しと並んでいます。
車を止めるようにお願いして、歩いてみると、その雰囲気の明るいこと!
みると、道路の両脇の原っぱには立派な土葬墓が思い思いの場所に建てられていました。

墓の横にパラソルを設置し、白い机といすを置いて、コーラやポテトチップなどのスナック菓子をどっさり置いて談笑しているグループ。
ピカピカの白い大理石の土葬墓にきれいな花を盛り付けて、その下に蝋燭を立て、その人に触っているかのように大理石の墓をなでながら、家族で語り合う家族。


他にも墓の上が大きくてテーブルのようなのでその上で子供たちが乗って、周りにいるおばあさんやおばさん、おじさんと楽し気に語っていたり。

もちろん大理石以外にもコンクリートや白いタイルを貼ったもの、コンクリートブロックの小ぶりなものもあります。服装は日本のようにかっちりとした黒の喪服で統一、というのとは対極の、ラフなTシャツにジーンズ、帽子はキャップ、という具合。いずれも墓参りに日本では見られない光景です。

その恰好で、大きくて四角い石棺を明るい笑顔で掃除している風景はときに大理石の白さも相まって、まばゆいばかりで、ほっこりとした安らぎに満ちていました。そこに飾られた南国の花々の華やかさが、かえって厳かに感じられるのが不思議でした。

掲げられた看板をみるとバトゥアンというボホール島の中心よりやや南西部にある森の中を切り開いた分譲墓地なのですが、整然とした区角割に見えないのは、区割りが渦巻き型をしているからのようです。日本だと定規で引いたようにまっすぐなので、だいぶ雰囲気が違います。

墓は屋根がある講堂のような立派なものから、吹き曝しの場所でコンクリートで四角く埋め込んだもの、またはマンション構造のようにコンクリートブロックで何重にも重ねた位牌堂のように見えるものまで様々。

ただ白くて長い蝋燭をともし、きれいなお花を形よく飾り、飲み物や食べ物を置いているのは共通しています。日本なら墓の前に置くものが花などは横たわった墓の上に飾りつけ、人までもが乗っているところが大きく違うところです。
(つづく)

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語学留学でセブに行く65 バケーション5 チョコレートヒルズ

2020-11-22 15:18:25 | Weblog
写真はチョコレートヒルズ。乾季に草が枯れてチョコレート色になることから名づけられたというが、私が見たときは乾季ではないので緑色だった。

【まるでジェットコースター】
翌日はボホール島の観光スポットをめぐることに。ここも公共の交通機関はありません。バイクに幌馬車のような座席がついたトライシクルはあるのですが、見どころがちらばっているうえに島が思いがけず大きいことに気づいたのでホテルに頼んで車を手配することにしました。面積は淡路島ぐらいだと思っていたら、東京都の1・5倍(埼玉県や奈良県、鳥取県)ぐらいもあったのです。

朝、運転手1人と添乗員1人が付く4WDがやってきました。
添乗員さんはボホール島出身の陽気な人で、本業は画家だと自己紹介。他にラジオのディスクジョッキーや英語教師、島への貢献活動もしていると聞いているうちにわかってきました。とにかく、どこにいっても島の顔役なのか顔パスで順番に関係なく、割り込むことができる不思議な人でした。スマホで自分の作品なんかも見せてくれます。売る気はなさそうです。

緑のトンネルを抜けるような豊かな空間と、行きかう車はほとんどない舗装道路がどこまでも続く中、常に助手席から後ろを向いて話しかけ続けます。

「これは三菱。日本製だから性能がいいんだ。」

 というと、うれしそうに運転手が車のスピードを上げ始めました。いけない。これではゆっくり車窓も眺められない。なにより、不思議なのはジェットコースターに乗っているかのように、えんえんと身体が飛び上がらんばかりのアップダウンが続くのです。酔いそうです。

「スピードを下げて。」

とお願いすると、少しは下がるのですが、気づくとまたもや70キロを超えるスピードに。走りやすい整備された道路なのでスピードを出したくなるのはわかるのですが、なかなかつらいものがありました。
 
車の冷房も効きすぎ。客は我々だけなので要望が通りそうなものですが、お願いしても、やがて強冷に戻ってしまうのです。今までのセブ島留学ではなかった過剰な接待! リゾート価格を素直に払うと、車の性能も、雇う人の水準も上がって、かえって私には厳しい世界になることに気づくのでした。

さて、しばらく行くとチョコレートヒルズという不思議な景観の場所に案内されました。ひときわ高い山を登ると、周辺一帯がポコポコと丸みを帯びた小山だらけなことがわかりました。昔のサンゴ礁を中心とした石灰岩が地殻変動で隆起し、柔らかい部分が侵食されたものだとか。

雲南の昆明には石林と呼ばれる石灰岩が侵食されてたくさんの剣が屹立しているような不思議な地形がありますが、ボホール島のようにおわんを伏せたような丸い形になるのと剣のような形ははじめてみました。

ともかくこのポコポコ小山の地形のために、車がジェットコースター化するのだと得心したのでした。
(つづく)


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語学留学でセブに行く64 バケーション4 文化的な島

2020-11-14 15:32:41 | Weblog
ボホール島のホテルのプライベートビーチは、なめらかな白砂だった。

【巨人と小文字】
今回は完全なるリゾートです。お金をかけました。
行きのフェリーは、ビジネスシートのようなちょっと特別な席です。船長席の後ろ側にあって、見晴らしがいいように船の上方にあります。階段を登ると、そこは外国人客ばかり。景色はすべてガラス越し。ハリウッド映画がズーっと流れて、しかもそれがゲームの世界で戦ってばかりの話なので、とにかくうるさい。

 なにより冷房が効きすぎてひたすら寒い。思い余って抜け出そうと考えたのですが、一般席は人が多くて、もはや動くこともできません。

ただ、目線がアイランドホッピングの時よりも上になるので通り過ぎる島の様子がよくわかりました。青い海には、時折、ゴミの集積場のような島も見えました。

午後2時にボホール島に到着。船を降りるとたくさんの客引きが待っていました。あらかじめホテルまでの迎車を800ペソ(約1600円)を払って頼んでいたので、それらしき人を探したのですがなかなか見つかりません。
 人がまばらになったころようやく見つけたその人は、だれよりも巨人で目立っていたのに、持っていた手書きの案内の字が小さく、A4の紙の隅のほうに控えめに私の名前が書かれていたので、かえって気づくことができなかったのでした。
(アイランドホッピングが一日たっぷり遊んで二人で1800ペソだったので、送迎はかなりのリゾート価格です)

 送迎用のバンに乗り、車のほとんど通らない車窓を眺めていると、あふれんばかりの緑。戸建ての家もゆったりと建っていて、落ち着きがあります。

鶏一羽一羽にまで個別に家を作ってあって、動物へのやさしさを感じます。牛もやぎもいっぱい。豚もいました。教会もそこら中にあります。豊かで文化的な雰囲気が立ち込めていました。英語の先生方にボホール島出身者が多いのも納得。それにここならお散歩も心ゆくまでできそうです。

 午後3時にべルビューホテルに到着しました。白いサンゴの岩でできた明るくお城のような雰囲気の建物に入ると、いきなり骨格標本のような等身大死神のオブジェなど、ハロウィーンの飾りがおどろおどろしく出迎えてくれました。
建物は風情があって立派なのに、ホテル名を掲げた看板がベニヤ板にペンキで書かれていて、なんだか急ごしらえの文化祭に来たよう。いろいろとちぐはぐなものを見つけては、なんだか笑いがこみあげてしまいます。

フロントマンは、流ちょうな日本語で応対してくれました。浅黒い丸っこい顔をした若い男性に思わず
「日本人ですか?」
と聞くと、にっこり。
今までセブで日本人のホテルスタッフに出会ったことがなかったので驚きました。このホテルだけで日本人スタッフが2名常駐しているとのこと。

「マニラの系列ホテルから1か月前に異動になったばかりですが、ここは落ち着いています」
 とやわらかい笑顔のままテキパキとチェックインの作業を進めながら答えてくれました。リゾートってこうなんだ、と、はじめての経験に気分が盛り上がります。

目の前が海なのは、セブの宿舎と同じですが、真っ白でキメの細かい砂浜が緩いカーブを描いて海と溶け合っていて砂浜がのびのびとしているのがまるで違います。空気もきれいで、肺がほっと息をついているのがわかるほど。日本にいるときに思い描いていたリゾート・セブはここにあったのでした。
(つづく)
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語学留学でセブに行く63 バケーション3 フェリー乗り場

2020-11-08 16:19:46 | Weblog
写真はフェリー乗り場。とにかく人、人、人。

【湯舟につかりたい!】
私も授業開始から1か月。個人レッスンでは私のできなさ加減に深いため息をつく先生もいたりして、若干疲弊。さらに10月末にテストで進級できたのはめでたいことなのですが、新たに5人クラスのメニューが加わり、それが私並みに英語ができない人同士で空気が重い、という危険な状態に突入していました。

ここらでちょっとリフレッシュも悪くない、と、この間の目と鼻の先まで接近していて気になっていた大きな島、ボホール島に行くことにしました。

久々に湯舟にも浸かりたいとインターネットで宿を慎重に選び、ボホールに直行するフェリーを予約して準備万端。ただ大型休暇で混んでいるのかちょうどいい出港時間は取れず、ようやく11時40分セブ出港となりました。

学校が長期休暇に入った11月1日早朝は朝4時ごろから生徒が旅立っていきました。私はいつものように朝食をしっかり食べようと食堂の開く8時に行きました。さすがにガラガラです。それでももしゃもしゃ食べていると心配性の家人がグラブタクシーを8時半に呼んでしまい、あわただしい出発となりました。

「道が混んでいてフェリーに乗り遅れたら、たいへんだ」

と家人はいうのですが、祝日早朝の道は驚くほど空いていて、9時半にはフェリー乗り場に到着していました。ここから出発までの2時間は長かった!国際空港じゃないのですから、早く行く必要はないのです。

【盲人あんま】
フェリー乗り場では待合室に入るにも空港なみの検査があって並んでいました。入ってみるとステンレス製の座席は人でいっぱい。床にも人が座り込むほどギチギチで、その合間を売り子が甘そうなお菓子を売り歩いていました。

赤ちゃん連れも多く、手にお土産品のようなものを持っている人もたくさんいました。セブに働きに出ている人のUターンラッシュの真っただ中なのでしょう。道はすいていたので、移動は近場ではなく、船や飛行機などの大移動が中心なのかもしれません。

待合室にある小さなお土産物屋をのぞいてみました。飲み物や帽子、子供のおもちゃといったものしか見当たりません。あっという間に見終わって、隣の赤ちゃんと目を合わせてニコっと笑いかけても10分しか時間は進みません。

人々は寝たり、新聞を読んだり、スマホでゲームをしたりして、時間をつぶしています。セブで不思議なのは、長時間の移動で座る姿勢が多くなると予想されるのに、いつも通りのぴったりのジーンズを身に付けていること。体臭も驚くほどなく、清潔です。他のアジアの旅では床に座るのも勇気がいるのですが、掃除も行き届いていて、食べかすも落ちていなくて、安心して座れそう。

ふと見ると、白衣を着て、サングラスをかけ、白いマスクをつけた(新型コロナの前から衛生面に気を使っていました)盲人あんまの方が2人いて、客待ちをしていました。他にすることもない退屈な私には最後の時間つぶしとなりそうです。みなもそう思うのか、彼らが現れると客が途切れることはありませんでした。
 ただ日本のように、あんまを行うための特別な場所があるわけではなく、客が座る座席に出向いては、力いっぱい肩をもむのでした。

私もやってもらおうかしら、と考えつつ見ていると、おもしろいことに頼んだ人がもまれた瞬間から微妙そうな顔に変化するのです。どうも凝ったところを上手にもみほぐすのではなく、ひたすら力をかけているだけのようでした。

そうこうしているうちに11時40分発のフェリーが重いエンジン音をあげて、緑の波をゆらして着岸。乗客がおりきると、すぐに乗船開始となりました。
(つづく)

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語学留学でセブに行く 62 バケーション2

2020-11-01 13:12:49 | Weblog
語学学校の宿舎の朝食。お昼ほど混んでいないが、6時半ぐらいから8時ぐらいまでの間に食べることができる。パン、サラダ、果物の盛り合わせ、それに薄いジュースが定番。それに私はヤクルトを持参して飲んでいた。ヤクルトは近くのセブンイレブンなどで購入できる。味もパッケージも同じ。世界のヤクルトなのだ。

【予定さまざま】
オールセイントデイの長期休暇の過ごし方として、サムソンに勤める韓国人男性はセブ島の山登り、といい、のっぽの50代の高校教員をしている日本人男性(研修で英語を選んできているとのこと)は上級者の潜水資格を取るためにセブ島から430キロ北西にあるコロン島に行くと朝ごはんのテーブルで予定を披歴していました。

「フィリピン最後の秘境と言われているダイビングスポットなのだそうですよ。気持ちよさそうじゃないですか」

ツアーにしたほうが安いと何人かに声をかけていましたが、最終的には1人で旅立ちました。

台湾でコンピュータープログラマーをしているという台湾人男性は

「資生堂島に行きたいなら、一緒に行ってもいいよ」

と我が家も誘われました。日本の資生堂と同じ名前?と、その偶然に驚いて、台湾のサイトで調べると、資生堂のコマーシャルを撮った島で白い砂浜が名物なのだそう。カオハガン島が正式名で、日本人がオーナーの小島でした。マクタン島からは7.3キロ。小舟に乗っても一時間もかからない近い距離です。ちょっとの骨休めにはよさそう。
(今年85歳となった日本人オーナーのホームページ。深いです。https://caohagan.com/)

もう一人は、日本で会社勤めをしている3,40代くらいの女性。セブ島にきて3か月。英語のスキルは相当上の人でした。

「ずーっとシャワー生活で、せいぜいセブ近郊の安い処しか行っていないの自分へのご褒美をこめて、ボラカイ島の一流リゾートホテルに行ってきます」

 と話していました。世界のホワイトビーチベスト10に選ばれるなど英語圏の人にとっては知る人ぞ知るビーチだそう。

「誰ともつるまずに一人で優雅に過ごすつもり」

と静かに語っている様子に、常にだれかがいる語学学校での疲れが感じられました。

そんなある日、新聞を見ていたら、ボラカイ島に世界中の人々がやってきて世界一のビーチが汚れてしまった、とドゥテルテ大統領が閉鎖を発表していることを知りました。その発令は2018年4月26日から始まっていて、この連休直前に閉鎖を解いたのです。彼女はその改善されたビーチの一番乗りを狙っていたのでした。

このように基本的には私にもお誘いラッシュで、なかなかさばくのが大変な状況になってきました。
(つづく)
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