雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

二度目のロンドン22 ウインブルドン選手権へ②

2024-02-25 11:21:56 | Weblog
写真はウインブルドン名物のストロベリー&クリーム。冷たくてさっぱりしていて、おいしい紅茶にあいそう。

【スタジアムの中心とクラブの一角】
いったい、どんな会場なのか、と行ってみるとセンターコートはまるで今の千駄ヶ谷のオリンピックスタジアム並みの立派な建物、次に№1、№2、№3コートがそれぞれ散らばってスタジアムで囲われたりしていて、おいそれとは中をうかがうことができません。それらのコートを見学するには人気チケットを入手する必要があります。

でもそれ以外にもコートはたくさんありました(正確には15)。そして、それらは見放題。たとえばセンターコートの横に8面コートが2×4列でならんでいて、一見するとどこかのテニスクラブの練習場のよう。ですが、いずれも真剣勝負で鋭い玉の応酬が続いていました。こういう様子を観客も通る通路からも全部、見渡せるのです。コートが芝という以外に特別感はなし。これもウインブルドン選手権なのです。近くを通るときは私たちも大きな物音を立てずに通ろう、という気構えに自然となりました。

改めてセンターコートに立つ、というのは特別なことなんだ、と実感できます。日本で衛星中継だけでは伺いにくい頂点、ということがたくさんのコートを見ていると実感できるのです。現地に足を運だからこそ味わえる醍醐味を感じつつ、時折、ワッと歓声があがるセンターコートの歓声と拍手をBGMに、目の前の無名の選手たちの試合を同時並行で見ていると、やがて、おなかが空いてきました。

№1コートスタジアム周辺にはバーなどの飲食店が並んでいた。

【ストロベリー&クリーム】
お昼は№1コートの大きなスタジアムの一階にあるフードビレッジに行きました。そこでは降り注ぐ日差しの中、みながリラックスして思い思いの時を過ごしていました。

食べ物は社員食堂のように並びながら、冷蔵庫に入ったものを取って、最後にビールやソフトドリンクを注文して使い捨てのコップに注がれたものを持って、お会計、というシステムです。

サンドイッチやサラダ、ポップコーンやポテトチップスなど。あまり迷いようがない定番メニューが並んでいます。私はビールとイチゴの生クリーム添え(KENTISH STRAWBERRIES AND CREAM)を頼みました。イチゴといっても、日本のものとは違い、ちょっと酸っぱめのいかにもベリー。それに乳脂肪分たっぷりで甘さ控えめのクリームが載っただけの飾り気のないデザートです。容赦ない陽射しの中だと、揚げ物よりもは食べやすい気がしました。ウインブルドン名物ということで、多くの人が食べていました。

フードビレッジの近くには救護室もきれいなトイレも、なんと薬局もありました。のちほど詳述しますが、ロンドンに来て以降、悩んでいた肌荒れに効いたのが、ここで買ったニベア。慣れたものが一番です。さすが、国際テニスの大会の薬局。必要最小限の間違いのない製品が並んでいました。

※次週の更新はお休みします。冬と春が交互にきて、気温差が容赦ない日々ですが、どうぞ、みなさまお健やかにお過ごしください。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

二度目のロンドン22 ウインブルドン選手権へ②

2024-02-18 16:55:25 | Weblog
写真はウインブルドン選手権会場入り口ゲートの開場を待つ人々。この右斜め前に子供たちのファンファーレ鼓笛隊がいた。

【やりがい搾取ではないボランティア】
道の途中のところどころに協賛企業のブースがあり、ウインブルドンマークのついた参加者が喜びそうなものを無料で配っていました。会場図とか、スマホが落ちないようにつけるストラップとか、スマホの後ろにリングを付けて固定するもの、とか、いろいろです。各企業のロゴは控えめで、とにかく大会を盛り上げたい、という気概あふれるおしゃれものばかり。さらに、うれしいのが配る人々が、営業スマイルではなく、自然とこぼれるような笑顔なことでした。ふと思い立ってきただけだったのに、歩くごとに、すごくワクワクして、何かの一員になったような心構えが沸いてきました。
歩道を指し示すかのように地面や芝生に敷かれた白いビニールシートも自然環境と人への気遣いが感じられます。人へは雨天時にぬかるまないように、環境面では周辺の草花を痛めないようにしているのでしょう。誘導もボランティアの方々なのですが、スマートな対応と笑顔があたたかい。さすがロンドンオリンピックが成功した地。大会を成功させたい、という純粋なボランティアの精神が横溢していました。

そうして徒歩で会場の入口に10時ごろ到着。まだゲートは開いていませんでした。人は多いのですが、入口やその先の会場が美しい花々で彩られているせいかまるでパステルカラーのフェスティバルに迷い込んだような雰囲気。みな、笑顔です。
連日観戦している人、主要チケット入手のためにテント泊の人も多いのでしょう。肌が日焼けで赤く火照った人が大勢いました。
ここでチケットを購入しました。シェアハウスの方から、グランド(Ground)チケットなら当日に並ばずに買えると聞いていたのですが、その通りでした。2019年時点で15ユーロ。これでセンターコート、№1コート、№2コート以外のコートの試合は自由に見ることができます。
(勝ち上がった人やシード権のある選手が出るセンターコートなどの人気のチケットは前売り券をネットなどで購入か、当日券を目指してテント泊をするかが必要だそうです。)

10時20分に会場ゲートを通過し人々の流れに身を任せていたら、急に流れが止まりました。けど、みなさん、慌てる様子はありません。ひたすらおだやかです。
10時30分、ファンファーレとともに地元の子供たちのブラスバンドの生演奏で開場。お祭り気分が一層高まります。
それにしても世界的な催し物で規模も大きいのに、その流れをきちっとコントロールしてあくまで地元の手作り感のぬくもりが残っている。すごい。

さて、この日はウインブルドン選手権最終日の前日で、女子シングルス、男子ダブルスと女子ダブルスの決勝が行われる日でした(最終日は男子シングルスの決勝が行われます。)
大会は毎年その年の28週目の月曜日から2週間の日程で開催されています。2019年は7月1日(月)から7月14日(日)の開催日程で、私が行った日は7月13日(土)でした。
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

二度目のロンドン21 ウインブルドン選手権へ①

2024-02-11 15:17:29 | Weblog
写真は、テニスの四大国際大会の一つとして有名ウィンブルドン選手権の行われる会場に一番近い列車の駅・サウスフィールズ(Southfieids)駅前の住宅街。客を乗せるための三輪自転車が走っていた。

【街はウインブルドン一色に】
朝、起きると、すがすがしいほどの青空。あまりに天気がいいので、もうすぐ終わってしまう全英オープンテニス(ウインブルドン選手権・The Championships, Wimbledon)に行くことにしました。

そもそもシェアハウスの住人には、この観戦のために会期中は毎年、ロンドンのこのハウスを借りている人がいて、その生き生きとした話しぶりに興味が募っていました。
 また、夕方になると、いつも最寄りのベイズウオーター(Bayswater)駅から降りてくる人々の手にはウインブルトンの白地に紫と濃い緑が美しいおみやげバッグがぶらさがっていて、みな、一様にルンルン気分が漏れ出ているのです。
 ダメ押しは部屋に設置されている恐ろしくうつりの悪いテレビ。会期中は毎日、朝のニュース番組で「本日のウインブルドン」情報が流れていたのですが、今朝はなんと花々咲き乱れる美しいウインブルドン会場にソファ一式をしつらえて、ゆったり気分でいつものキャスターたちがうれしそうに中継し始めたのです。
 さらには現地の天気予報まで別枠で紹介され・・。とにかく「ウインブルドン」の文字を見ずに過ごすことが日々ごとに難しくなっていました。チャンピオンが決まる日が日々、近づくのですから、人々のボルテージも否が応でも高まるのでしょう。

【都心から電車で30分】
いやしかし、かの有名な世界四大大会のチケットなんて今更無理でしょ? と思っていたら、シェアハウスのベテランさんが、

「一番人気のセンターコートは、気合が必要ですが、とにかくたくさん試合が行われているので試合をみるだけ、雰囲気を楽しむだけなら思い立った日で行けますよ」

と親切にチケットの買い方などを教えてくれました。

部屋で朝食を食べて、ウインブルドンを目指します。さすがの立地の良さで、ベイズウオーター駅から地下鉄ディストリクト(District)線で一本。地下鉄がいつのまにか地上に出ていて、のどかな車窓を眺めていると30分でサウスフィールズ(Southfieids)駅に到着しました。ここが会場から一番近い駅なのです。
ちなみに電車に乗り続けた終点がウインブルドン駅。紛らわしいのですが、こちらは会場の最寄りではありませんのでご注意ください。

さて電車を降りたところからフェスティバルは始まっていました。多くの人が駅のホームでうれしそうに自撮りをしています。さすがテニスの聖地。私もついついつられてパチリ。

しかし電車に30分乗っただけなのに、なんという牧歌的な風景でしょう。いかにも郊外の雰囲気で空が、広い。別荘のような瀟洒な建物が美しくならんだ街を過ぎると、牧場のような芝生と木々がただただ広がるだけの空間が続きます。

【気持ちのよい手作りの小道に導かれ】
会場は駅から少し離れているようで(実際には1キロ強)、ウインブルドン会場へ連れて行ってくれるインドネシアやフィリピンで常用していたトゥクトゥク(三輪自転車)を利用する人も。でも、多くの人はゆるゆると歩いていきます。辻々には「ものみの塔」のパンフレット片手におとなしく宗教の勧誘をしている人までいました。

ウインブルドン会場に近づくと、よく手入れされた芝生のゴルフ場のような空間に大会に集う人専用の駐車場が広く取られていて、そこにオレンジのジャケットを着たボランティアスタッフが立っていました。なんだか、日本でよくみる近所の広場のお祭りみたい。

スタッフには白シャツ上下の子供の姿もあった。
地元の子供たちが前から準備に携わり、礼儀などを
自然と身に付ける場ともなっているようだ。

 その横には入口風のアーチがあり、チケットを持った人用とチケットを持たない人用に区分けされた通路がありました。案内にしたがってチケットを持たない人用の道に進むと、自然と生い茂ったような木々が気持ちの良い木陰をつくり、強い陽射しのなかでも、気持ちのいい散歩道になっていました。人がいっぱいいるのに、このゆったりとした気分はなんでしょう。
                    (つづく)
コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

二度目のロンドン20 大英図書館④

2024-02-04 10:46:03 | Weblog
ロンドンのパブにて。フィッシュアンドチップスはボリュームたっぷり。このあと、気に入っていろいろなパブでこれを注文したが、間違いないおいしさ。
タラのフワフワ感と塩味、それにサクサクのフライドポテトがおつまみ?(にしてはボリューミーだが)にぴったり。

【閲覧室へ】
さていよいよ許可証を持って、許可書を審査した部屋の隣にある中央閲覧室へ。
あこがれの大英図書館の蔵書が手に取れる、と胸が高鳴ります。

まず閲覧室のパソコンで書籍の在庫を確認。私の目当てはシーボルト。彼は江戸末期に日本にオランダからの医師として長崎の平戸にやってきて、その後、ヨーロッパで日本の園芸植物を広めた人でもあります。彼が指示して日本の植物について本にまとめた『日本植物誌(フローラ・ヤポニカFlola Japonica)』や、日本で集めた園芸をはるばるオランダに運んで株を増やし、今でいう通信販売をする用に制作した園芸パンフレットの多くが大英図書館に所蔵されていて閲覧可能なのです。

オランダ・ライデンにある博物館や大学にも所蔵されているのですが、閲覧の許可は当然ながら、なかなかたいへんです。
日本でも『フローラ・ヤポニカ』は京都大学貴重資料デジタルアーカイブで全ページ公開され、八坂書房から復刻され販売もされていますが、園芸パンフレットまではありません。どんな状態なのか、見てみたいとめぼしい資料をピックアップして閲覧希望を同館のパソコンでポチリ。

するとこれらの書籍はこの大英図書館ではなく、書庫は別の場所にあるので、本館に届いたら、メールがくる、と表示されました。閲覧室も人文、科学技術、貴重書などテーマごとに閲覧室があるなかで、私が指定した中央閲覧室での希望が通りました。

けれども今日は見られないので、その日の大英図書館の訪問は終了。
(大英図書館の公式サイト(https://www.bl.uk/research)では閲覧可能なコレクションを検索することができるので、それをあらかじめ見てメールで在庫の確認をしておくと、上記よりは早く閲覧できることもあるようです)

帰り道。パブで飲んだビールのおいしかったこと。フィッシュアンドチップスが出来立て、アツアツ、フワフワで、なんなら食の都、ベルギーよりもビールに合うのです。イギリスの食事がまずい、という噂は、賑わうパブからは感じられませんでした。

コメント
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする