雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

語学留学でセブに行く9

2019-09-29 10:31:36 | Weblog
写真は宿泊ホテル前の海。矢印の海に突き出た小屋から右手にロープが張られた空間までがホテルの敷地内。矢印の小屋から左手の区切られた空間はとなりのホテルの敷地の海。このようにずーっと先までなんらかの資本のリゾートホテルのプライベートビーチが続く。当然、高級ホテルのビーチは広い。

写真手前のいかにもリゾート風の椰子の木が生え、水色の水が張られた空間はホテルのプール。プールのほうが海辺より広いことで海辺の大きさがわかるだろう。

【ぼーっと海を見たいのに・・】
私が住んでいたホテルから500メートルくらい離れたところに波止場がありました。そこは公的な空間なので漁師の出入りは自由でした。宿泊ホテルの眼前にひろがる海にもやってきては魚や貝を捕っています。

のどかだなあ。ホテル前の例の小さな砂浜から目を凝らすと、日焼けした男性が手に貝を掲げています。うれしそうに満面の笑みを浮かべて
「カイ、カイ」
と言いながら歩いてきました。
遠浅の海なので、干潮時には干潟になるのです。

貝という日本語がわかるのか、と軽く驚きつつ、さらによく見ようと目を細めているうちに、あっという間に近くまでやってきました。
「貝持つ?」
と英語でいうので手をホテルの敷地部分から外へと伸ばそうとすると、貝を手渡すよりも先に、またも英語で「ボートで周遊するよ。○○ペソ」としつこく絡み始めました。
 学生で忙しいというと、半日、いや1時間。休みの日の予定は? とこちらがホテルの敷地内に逃げ込むまで続きます。

勉強の疲れをいやすため、海をぼーっと見たい。その素朴な願望は遠い夢となりました。5分でも海に近づくと勧誘の漁師たちがやってくるので、おちおち海も見てはいられないのです。リゾートライフはなかなか遠い・・・。
【難しい散歩】
 ならば海沿いではなく、陸の方を散歩しよう。拳銃をぶら下げた警備員が出入りを監視する車通りに開けたホテルの入り口の方から外に出ると、今度はバイクタクシーのおじさんたちが同様に「何人? 日本人? 学生? セブ周遊、○ペソだよ」としつこく付いてきます。歩道の整備も当然ながらありません。

とにかく散歩が難しい。

日頃から運動といえば散歩しかしてこなかった私。ついにたどり着いたのが、ホテルの敷地内を速歩することと、ホテルの階段を最上階まで上がることでした。学生も従業員も使うのはエレベーターなので、階段で人に会うことはまずありません。見つかればちょっと風変わりに思われたかも知れませんが、幸い誰に会うこともなく、この散歩だけは続けることができました。
(つづく)
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語学留学でセブに行く8ー極小のビーチ

2019-09-22 12:01:35 | Weblog
写真は宿泊場所だったホテルのビーチ。写真を撮るこの一角はたいへん美しいが、木々に隠れている両サイドは海に突き出たコンクリートの堤防があり、そのサイドに柵があり、視界は完全に遮られている。海に浮かぶ白い点線部分から先はホテルの敷地でないことをあらわし、多くの観光船が止まっている。ビーチは表面は白い砂だが、その下はコンクリートで固められ、砂を掘ってお城などを作ることは不可能。毎朝、従業員がビーチを掃き清め、白砂が均等に覆うように工夫を凝らしている。

【語学学校とリゾートホテルの共生】
行ってわかったのですが、私の通った語学学校もホテルもオーナーは韓国人でした。だからホテルのあらゆるところにハングル文字が躍っていたのです。ホテルは上の階(8,9階)が学校の宿舎、下の階(1から7階と10階)は普通にホテルとして営業していて、宿泊者の9割方は韓国人でした。
一方、学生は韓国人5割、日本人、台湾人がそれぞれ2割、あとはモンゴル人、ベトナム人など。学生同士は国を越えて友情もはぐくまれていて、当然、学校もそのように環境を整えていました。

 さて、一般の宿泊者向けの下の階の部屋をたまたまのぞいたとき、私たちとは違って調度類も少し上等でテレビもありました。

 客の大半はリゾートのためなので彼らは、なにはともあれプールに直行します。韓国の人は美肌が重要なため、当たり前のように上から下までスエットスーツのような肌を出さない水着です。暑そうです。エレベータではびしょぬれのお客さんにもよく合いました。お互いに存在を見ないようにみる、という不思議な空間になっていました。

ちなみにホテルはリゾートホテルとして営業しているので、プールの他に目の前に小さいながらもビーチがついています。生徒の特権はそれらを自由に使えること。さきに書いたようにトレーニングジムもついています。冷房付きの部屋です。

いっけん夢のような話なのですが、プールの水は毎朝、作業員が網で目に見えるゴミを取っているだけのように見え、そのために男性はしょっちゅう泳ぎに行っているのですが、女性は一度,入ってみた後は、ほとんど入らなくなるのが常でした。

ビーチはといえば、インスタ映えする空間があり、そこだけ、従業員が白い砂を一生懸命に寄せています。中央には「I ❤ EGI」(EGIはホテル名)という文字をかたどったコンクリートのモニュメントもあり、気分も高揚しそうなものなのですが、ビーチの空間は10メートルもないくらい。お隣のホテルのビーチに入れないようにコンクリートの壁があって、風情もいまいち。眺望も目の前のみ。

セブ島の海はこのようにすべてなんらかの私有地となっていて、公共の空間としての美しいビーチは存在しないのです。フィリピン人の先生に聞くと、当然ながら,漁師以外の人は海で泳いだ経験はなく、海を見てぼーっとする経験もなし。セブ島は悲しいかな、公共空間の概念が驚くほど希薄なのでした。
(つづく)

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語学留学でセブに行く7ー強い韓国資本

2019-09-14 12:17:58 | Weblog
また道沿いの土産物店やコンビニエンスストアにはハングル文字が躍っているものが多数ありました。セブ島は韓国資本がだいぶ入っているようです。つづいて旧字体の漢字も看板からすると,台湾などの中華系。

日本はセブンイレブンが唯一か、というほど薄い存在。日本の存在感が希薄なのは、島の規模から考えて日本人にとって進出は割に合わないのかなあ、と、50代の社会人でエンジニア風の日本人男性はつぶやいていました。

ただ、セブンイレブンは高級店の位置づけなのか、規模は日本のコンビニよりも小さいのに、入り口に拳銃をぶらさげた警備員が立っていて、ドアを開閉してくれました。ここにはヤクルトやトンボ鉛筆など、日本由来のものが置かれてしかも、日本より安い。私はヤクルトを、家人は毎日、ここに立ち寄っては英字新聞を買うのが日課となりました。
(つづく)
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語学留学でセブに行く6  遠いリゾート

2019-09-08 10:50:32 | Weblog
日々のスコールのたびにできる池のような水たまり。多くの人や車が行き交う主要道路である。

【ここはどこ?】
セブに付いた翌早朝7時に街に繰り出しました。

車やバイクなどが無秩序に行き交うなか、歩道の整備されていない端をおそるおそる歩いていると、パンツをはいただけの人がぐんにゃりと倒れていました。人通りはあるのに誰もがスルー。浅黒い肌が黒光りして張りもあるので死んではいないようです。野犬も多く、トボトボと歩くか、のべーっと弛緩したように寝ています。

夜半のスコールでできた水たまりは巨大で、近くのセブンイレブンに行くのも、人が自然に造り上げる通り道を通らなければなりません。つまり握り拳程度の大きさで不安定な小石の上を、渡っていくのです。アスレチックのような気分になります。このときはセブンイレブンまでとても遠く感じたのですが、慣れてきたら徒歩3分くらいの場所でした。

毎回、雨のたびに水がたまるのなら、そのための道を作ればいいように思うのですが、しばらく見ていても、そのたびに小石を置いて対処するという非効率なことを繰り返していました。

そもそも、水がたまる原因は街には排水溝が一切ないこと。だから雨が降ると、そのまま水がたまり、日中の日射しで蒸発するのを待つしかありません。

ともかくリゾートとはほど遠い雰囲気であることは間違いなさそう。
(つづく)


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