雲南、見たり聞いたり感じたり

雲南が中心だった記事から、世界放浪へと拡大中

語学留学でセブに行く18 ゴミを焼く人の正体

2019-11-30 12:35:46 | Weblog
写真はセブ島のおとなりボホール島での屋台にて。店を仕切るのはおばあちゃん。そーっと子供たちが品物に手を出しても見逃さない。

【最強はおばあちゃん】
 さっそくフィリピンの先生方にゴミ収集があるかを聞いてみると、ある、と。ゴミを燃やすことは、先生方は積極的には行わない、と言います。

燃やしているのは、おばあちゃん世代で、なかでもビニールは火力が上がるため、喜んで使うのだそうです。いくら孫世代が注意しても

「ゴミは、若いときから燃やしていたから問題ないよ」

と聞く耳を持たないのだそうです。

 昔はゴミといっても葉っぱなどの天然素材だから問題はなかったでしょう。でも今は全然、違います。とくにビニールは有害です。孫たちはそのことをわかっていても、おばあちゃんを止めることはできません。
なぜなら
「おばあちゃんはフィリピン社会では最強だから」

 基本的には大家族で寄り添って生きてフィリピン社会では、若い世代が働いている間、家事、孫やひ孫の世話、おじいちゃんの介護などにおばあちゃんは大活躍している話は先生方からずいぶんと聞きました。
 
 一方で、ふるさとに残る家族のため、一家のために仕送りをかかさない先生方をみていると、何もいえない気持ちもわかる気がしてきました。

 そういうわけで夕方にあがる煙は要注意です。
 とくに祝日前。
大掃除をした後なのか盛大に煙が上がっていました。匂いがひどく、確実に体調を害するものでした。

【ラッシュ時の渋滞も日常】
 空気の悪さの原因はこれだけではありません。朝、夕の通勤ラッシュ時は、ジープを改造した乗り合いバスのジプニーや、中型バイクを改造してバイクの横に人が2,3人座れる屋根付きの籠を置いた乗り合いバイク・トライシクル,タクシー、普通車やジープが整備不良の状態のまま行き交い、なかば渋滞しています。

 空気の悪さで目がチカチカするほどです。土埃もひどい。これらは町を歩くとてきめんです。

 この町の中に社会人が多く暮らす1人部屋宿舎があるのです。施設は立派でも、2階建てなので、窓を短時間閉めて逃れる、という方法もとれません。

そちらに暮らす人は
「のどが痛い。ずーっと咳が出る。風邪かなあ?」
と言っている人が多かったです。

 数ヶ月暮らす人は
「咳のしすぎで横隔膜が痛い」
 というほど悪化していました。
 意外にも、その原因が、空気の悪さで、なかでもゴミの焼却がいつも行われている、と私が伝えるまで気づく人はほとんどいませんでした。

 一人部屋専用の社会人用宿舎は、2階建てなので、煙を見ることがなかったのです。

 ぜんそく持ちの家人は、共用部屋があるホテルの宿舎だったので、煙を見ると窓を閉めるといった防御を徹底することができました。おかけで体を壊すことなくセブ留学を終えることができました。

 今日の格言。
 セブではマスクは高いので、日本から持って行くと重宝しますよ。
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語学留学でセブに行く17

2019-11-24 10:24:19 | Weblog
【一人部屋も】
 前回書いた夜回りのある学生主体の宿舎以外に、社会人向けの宿舎もあります。

こちらはホテルからやや離れた場所にある2階建てのアパートです。街中で、入口には警備の人がいて、部屋は全個室で、テレビ付き。お値段も少し高めです。

大人用なので当然、見回りもありません。

これじゃあ天国じゃないか、とそれを聞いて思ったのですが、今度は別の問題がありました。

学校から徒歩3分ほど離れているのです。

たいした距離ではないといえばそうなのですが、学校本体も、学費に含まれている食事もプールも、とにかくすべての施設はホテルの敷地にあるのです。

つまり、生活するには町を歩いてこちらに来なければなりません。

ところが、セブにはほぼ毎日、スコールがあるのです。何度もいうように道は水はけの悪さで犬の糞も浮かぶ状況。観光ガイドの客引きもいます。

さらに空気にも問題があるのでした。

【のどが痛い!】
 ホテルにある3人部屋はオーシャンビューで、いかにも、セブ、といった青い海と島々と船、なにより朝日が昇る眺望が自慢です。

 私のいた部屋はホテルの8階で2人部屋。窓は陸側に開放されているので海は見えません。そのかわり、緑の森が目の前に広がっています。

 この窓から、寂しげに沈む夕日を見ていると、森からまっすぐに立ちのぼっていく、幾筋もの白い煙。同じ部屋の家人は「みんな、夕餉の支度をしているんだね」とほのぼのしていたのですが、どうも、この煙、尋常ならざる匂いがある。そう、ビニールの焼ける匂いがするのです。私は即座に窓を閉めました。

 その後も何度となく、この煙に悩まされたのですが、一時間も閉め切ればなんとか乗り切れることがわかりました。

週末、歩道のない道路のへりを犬と車をよけながら歩いて周辺の森と見えるところまで行ってみると、まばらな木々の間に簡易なつくりの家々が点在していることがわかりました。やはり煙はゴミを燃やしているものでした。ゴミ収集はないのでしょうか?
(つづく)
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語学留学でセブに行く16  夜のノック2

2019-11-16 12:17:12 | Weblog
 写真は、セブ島のスーパーで売られていたTシャツ。時代劇ファンか主張のわかる人が着るのなら正統だが、たぶん違うのだろう。

【「やらされている」感じ】
 伝統ある家柄というのは、どこもたいへんなのかもしれません。彼女なりにやりがいのある方向の進路を選択したようなのですが、家族や親族からみたら、それほど価値があるように思えない。彼女もみんなの期待には応えていないという、一般家庭なら十分ステキな人生だというのに、負い目を感じている。

 そこでセブ留学が浮上。ひょっとすると彼女は気乗りしないのに、家族に迫られ、やってきた、というところ。

クラス編成があって初めての顔合わせの第一声が
「なんで私、進級なの~? 前のまんまでいいのに~」
 でした。

 彼女の反抗で授業が進まぬ状況に、先生方は困った顔をしつつも、ソフトに、ときには笑いを取りながら、彼女に話しかけていました。そのやさしさがなんともフィリピンらしい。でも、それで解決することは一つもありませんでした。

 やがて彼女から日本人のサポートスタッフに相談して個別授業に変更して去って行きました。

 普通の留学生は、わざわざセブの「格安」を選んだだけにお金の重みをずっしりと感じています。だから、かかったお金の元をとろうと、気合いが入った勉強姿勢を見せるもの。ところが彼女は違いました。

 気の毒なのは、自ら望んだわけではなく、親や学校から強制的にセブに送られてくる人がいる、という事実です。日本人サポートスタッフに聞いたところでは、とくに夏休みなどの学校の長期休暇時期なると、そのような生徒が増えるのだそう。

 そういうわけで、今日も宿舎の夜の見回りは続いていくのでした。
(つづく)

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語学留学でセブに行く15 夜のノック

2019-11-08 09:06:12 | Weblog
宿舎となっているホテルの1階にあるマッサージ店。店員はすべてフィリピン人。生徒は割引価格で使えるが、ホテルの一般客が優先となっていて使いたいときに使えないはがゆさがある。クーラーが効きすぎて、寒かった。

【毎日の見回り】
 ホテルにある学校の宿舎では、就寝時間が決められていました。ただ決まっているだけでなく、毎夜10時になると常駐している警備員がピストルを腰にぶらさげたまま、一部屋ずつノックして、全員が部屋にいるかを確認しにやってくるのです。

 私は10時前には寝ていたので、毎夜、警備員さんのいる場所まで階段を上がって
「これから寝るのでノックしないでほしい」
 と伝えに行っていました。

 うっかり言い忘れるとたいへんです。
「ドンドン」ドアをノックされ、たたき起こされるのです。そしてドアを開けて、部屋に全員いることを見てもらわなくてはなりません。

 これが、ともかく煩わしかった。なんでこんなことを、と思っていたのですが、やがて理由がわかりました。

【個別授業からの脱却】
 滞在3週間目、4人の先生と毎日、同じ時間に顔を合わせる日々に飽きてきました。もし気が合わなかったら、先生も生徒も地獄です。
(生徒から申し出れば先生の変更は可能。そのシステムはマンツーマンなら必要でしょう)

 そんなときにレベルチェックテストがあり、進級が認められました。日本では評価されることのない日常を送っていたので、なんだかうれしい。

 なにより新鮮なのが教室に仲間ができたこと。一日4時間授業から5時間授業となって、そのうち2時間が5人一クラスの授業になりました。

 内訳は韓国と台湾の人がそれぞれ一人ずつ、それに日本人の私と東北のお金持ちのお嬢さんといった編成でした。5人で先生が与えた課題に対して共同で議論したり、模擬的な会話を作ったりするのです。
 日本のお嬢さんは,美人で若くて、メイクも華やかな私とは対極的な方でした。私にはきちんとした言葉遣いと礼儀で接してくれ、年に似合わずしっかりとした芯をお持ちの方のように感じました。だのに、不思議なことに歩く姿勢がもったいないほど悪く、授業に入ると、先生にはとことん反抗してやる気のなさを全開にするのです。当然、授業は進みません。

 先生とのそりが合わないのか、はたまたクラスのレベルが思ったのとは違うとでも思ったのか。それとも真面目に取り組むことが嫌いなのか。彼女が語る内容から察するに日本で積み重ねた何かによって、年に似合わないほどの、心に底知れぬ闇が横たわっているようでした。
      (つづく)
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語学留学でセブに行く14 子ども留学生

2019-11-02 12:00:00 | Weblog
 語学学校内にあるカフェ。お金を払ってコーヒーなどを頼むことができる。
 子どもたちは、ここのジュースがお気に入りだった。給食のジュースとはひと味違うらしい。

【家族ぐるみの留学も】
 留学生はやはり大学生が一番多いのですが、他にも定年退職された方や会社を1ヶ月休んできたという社会人、小学生以下を連れた親子連れも見られました。

 中国出身の女性は、夫も中国人で日本在住。そこから仕事のある夫を日本に置いて小学3年と1年の姉妹を連れで留学していました。
 母親曰く
「日本の小学校を半年くらい休んでも、大丈夫でしょ!」
 と涼しい顔。たくましい!

 当然のように母も子も日本語と中国語はぺーらぺら。とくに子どもたちは、クセのないきれいな日本語で普通の日本の女の子にしか見えません。母親の英語力は私と同じくらい、つまりそれほど高くないのですが、子どもたちの上達ぶりは凄まじく、あっという間に英語もはるか上のクラスに行ってしまいました。

 子どもの英語力が将来に直結すると、日本語、中国語の次のターゲットとしてセブ留学を選んだのだそう。けれども実際きてみると、以前、私が書いたように、ほとんどホテルから出られません。そのため
「半年いようと思っていたけど、3ヶ月が限界かも」
と、勢いのある明るい声で話していました。

【子どもの日常】
 いつも頭にリボンを結んだかわいい姉妹、食事は親とともに食堂で取っても授業はそれぞれ一人になります。

 当初、授業後は母に連れられてプールでひたすら泳ぐ。宿舎からの移動中は日本から持参したONE PIECE(いわずとしれたメガヒットマンガ)から目を離すことなく母の後を付いているだけ、という心配な状況でした。
 けれども、次第に子ども好きの先生や若い生徒たちのマスコットになってかわいがられて,楽しそうに過ごすようになりました。

 一方、韓国人の子連れの方々はエリート風なお父さんとお坊ちゃん、教育熱心な母と子どもという雰囲気の人たち。色白で、めがねをかけて、きわめて厳格な空気が流れていました。その子どもたちは、緊張の面持ちで授業に向かっているように見えました。

 
 帰国後、日本のテレビで「情熱大陸」でセブ島英語留学に日本人のごくごく普通の家族が1週間行く話を特集していました。はやっている、というのです。子どもは小学生と幼稚園生くらい。ホテルの狭さにびっくりしながら、英語に取り組んでいました。それでも1週間。日本人だと子連れでは、夏休み以外は長期を考えにくいのかもしれません。

 ともかく、こういう子どもが次から次へと切れ目なくやってくるのには驚きました。

 ちなみに雲南にいたときには、5歳の日本人の子どもが母親と高級マンションで暮らしていました。家族は全員、日本人。父親は日本のとある会社の社長です。早いうちから語学を身につけさせたいと子どもの教育主体で暮らしているのです。もちろん子どもたちは日本語も中国語もできます。そのうちに香港に行って英語も身に付けさせる、と言っていました。私はただため息をついておりました。
(つづく)

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